2007年02月12日

Jクラブ総括2006~アビスパ福岡編~

「経営陣・フロントはゼロ査定」2006年のアビスパ福岡を一言で表すとしすれば、天皇杯でサポーターが掲げた横断幕に書かれたこの言葉が最もしっくりくるのではないか。

フロントの問題点として第一に挙げられるのが、J1で戦う上での見通しの甘さだ。これは京都にも言えることだが、特に福岡は攻撃陣の層の薄さ、ストライカーの不在が囁かれていたにもかかわらず、シーズン前にこれといった補強を行なわなかった。それが計画性に基づいたものならまだしも、シーズン中にグラウシオをあっさり解雇し、終盤に至ってはFWが本職ではない布部、城後らをFWで起用していた。さすがにこれではJ1を勝ち抜くことはできない。

監督交代もまた早いものだった。監督交代の是非については問わないものとして、結果的には代わった川勝監督もチームを立て直すことが出来なかった。守備を主体に置いていた松田監督から攻撃を主体に置いた川勝監督に代わったことでチームのバランスが崩れ、得点こそ交代以前に比べて増加傾向を示したものの、それに連れてJ1でも一定の成果を見せていた守備が破綻をきたす場面も増え、とうとう攻撃と守備がWIN-WINの関係になることは無かった。

そんな中でも残留争いにギリギリのところで踏みとどまり、入れ替え戦まで持っていくことが出来たのは、選手の力によるものが大きい。とりわけ終盤での布部、久藤といったベテラン勢の活躍はチームを勇気づけ、城後、田中といった若手選手の成長をも促す恰好となった。若手で言えばワールドユースにも出場し、U-21日本代表にも選出された中村は既にクラブの看板と呼べる存在にまで成長し、中村の怪我による不在が皮肉にも中村の存在価値の高さを改めて証明することとなってしまった。

結局入れ替え戦でヴィッセル神戸に破れ、J1で過ごした時間はたった1年という短い時間になってしまった。たが、その入れ替え戦で見せた「魂」は紛れも無く本物だった。古賀は幾度と無く高精度のクロスを供給し続け、久藤は顔面にボールを受け脳震盪を起こしたものの後半いの一番にピッチに姿を現し、既にチームを去ることが決まっていた吉村、薮田は最後の義務としてチームをJ1に残すために全身全霊を尽くした。なぜその戦いぶりがシーズン中に出来なかったのか──彼らの戦いぶりに目を見張るとともに、そんな疑問も浮かんでしまった。

再びJ2での戦いを余儀なくされた2007年、フロントは監督に以前横浜FCの指揮を執っていたリトバルスキーを招聘した。そして懸念された主力選手の移籍だったが水谷、千代反田、ホベルトが他クラブに活躍の場を求めていった。とはいえ、得点力不足を解消するためにリンコン、ハファエルといったブラジル人FWを獲得し、オフシーズンの補強に関しては及第点といったところか。だが依然としてチームの絶対的な柱であったホベルトの穴は埋まっておらず、決して安泰とは言えない。また、不安視される点としてユース、新卒選手を1人も獲っておらず、いまだにチームのビジョンが明確になっていないのが気がかりである。

率直に言って、1年でJ1に上がることは極めて困難な作業だと言える。なるべく短い期間で成果を出すためにも、まずは明確なコンセプトを持った経営を行うことが求められる。既に降格組では京都が若手育成のための外的環境を整えているが、福岡にはそういった側面があまり見えてこない。クラブを強化するための指針の設定が後手を踏むようだと、再び長く暗いトンネルに突入することすら考えられる。それを回避するためにも、経営陣・フロントの早急な改革が必要である。2度と「経営陣・フロントはゼロ査定」と揶揄されないためにも・・・

posted by 犬太 |11:10 | Jクラブ総括2006 | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:Jクラブ総括2006~アビスパ福岡編~

「入れ替え戦」の凄みってのはイヤハヤなんとも・・・特に福岡は数度に渡り出ちゃってますが(笑)・・・僕ですね・・・今季(06)福岡がJ1に上がったのって「早かった」気がしてたんです・・・イヤ、上がったからには応援してましたよ・・(鹿島>福岡>C大阪の順でw)
けど、05J2は京都は良し・・2位は「仙台がなるべき」だったのかと。例の都並さんです(笑)
もう一年くらい、福岡の若い才能達はJ2で揉まれても良かったのかと・・(個人的感想です)
それでも、結果的に福岡史上最大のスターになるべく北斗がブレークしたのはホント良かった!手薄な感のあった05のJ2と比べて、今季のJ2はハンパじゃないっすよね。ガンバレ福岡!ガンバレ北斗!

posted by 上段青天 | 2007-02-13 12:32

Re:Jクラブ総括2006~アビスパ福岡編~

上段青天さん>
まあ仙台は・・何というか、フロントに問題があるのではないかと・・あれだけ毎年監督をコロコロ変えてちゃ一貫性も何もあったもんじゃないと思うんですよね。

福岡についてですが、逆に言えば福岡の有望な若手達はJ1の舞台で揉まれたわけですから、J2でその経験を還元しなければなりませんね。特に田中などはエースの座を確立してもらいたいものです。

posted by 犬太 | 2007-02-14 00:42

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