2008年11月30日
“代々木にインカレを見に行こう”と思い立ったのはいいが、選手の名前も知らなければバスケのルールもおぼつかない。途中の本屋で“月バス”を調達し、会場に着くと大会パンフレットを購入。観客席に腰を下ろすと、試合開始までの数分間で予備知識を詰め込んだ。
武庫川女子大学(関西2位)vs東京女子体育大学(関東11位)の一戦が、これから目の前で行われるらしい。武庫川女子大学はDブロック屈指のタレント集団らしい。ゴール下で圧倒的な存在感を発揮する#4加藤いずみ(C・4年)、抜群のスピードを持つ#7鈴木有香(F・4年)、3Pシュートが得意の#6荒木唯(SG・4年)といった注目選手がいるらしい。
試合が始まると、3人の注目選手はさすがの存在感を示す。加藤はゴール下でボールを受けると、何人に囲まれようと反転してリングへボールをねじこむ。ファウルをもらいながら得点を決め、その後のフリースロー2本を確実に沈める。ゆえに、彼女がボールを受けると基本的に4点が入る。
鈴木のスピードも素晴らしいものがあり、相手選手の間をすり抜けるようなプレーを連発する。その姿は、98年のサッカー・フランスW杯のアルゼンチン戦で相手DF2人の間をするりと抜けた中西永輔に重なるものがあった。荒木は不調だったが、何本外そうと3Pを狙い続ける精神性とボールが描く美しい放物線には“生粋のシューター”の香りがした。
その“BIG3”を、#15木下歩紀(PG・1年)がコントロールする。いちばん年下でいちばん小柄(160㎝)ながら、お姉さんたちにポジショニングの指示を出すなど度胸は満点。攻撃時は味方の胸にピタリと届く正確なチェストパスで好機を演出し、守備時は相手の攻撃の最短経路を確実に切る。コート全体、ゲーム全体を俯瞰したようなパスの散らしも含め、(またまたサッカーの例で恐縮だが)林健太郎のプレーを見ているような感覚にとらわれた。
彼女がベンチで一息つくときに投入される#18原田奈未(SG・4年)も面白い。勝利への最良の道を探るタイプの木下に対し、原田はゴールへの最短ルートを狙うタイプだ。ボールを持った瞬間、グンと加速。相手を振り払うことができればレイアップシュートに持ち込み、相手に進路を塞がれると急停止して一撃必殺のパスを繰り出す。攻撃志向が強すぎるためミスも多いが、モデラートの木下/アレグロの原田とリズムの異なる司令塔を擁するのは強みだ。
バスケに興味を持ち始めたのは最近であるため、武庫川女子大学のバスケの質や志向がどうなのかは残念ながら分からなかった。分からなかったが、“キャラの立つ”選手のプレーに魅了され、1分たりとも退屈することはなかった。授業の合間をぬって、またこのチームの試合を見に来たいと思ったのは、私が武庫川の流れる兵庫県西宮市出身であることとは無関係であるはずだ、きっと。
posted by Pooh |22:10 |
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2008年11月12日
capriccioso
競技を問わず、管理人のお気に入り選手を紹介するコラム。
気が向いたときに、つれづれなるままに、更新していきます。
■003■
■都築有美子(バレーボール/トヨタ車体クインシーズ・WS)■
■なぜこの選手が全日本に招集されないのか分からない、というバレーボールファンも多いのではないだろうか■一昨季からVリーグ1部に昇格すると、昨季は7位に躍進。熱血漢・葛和伸元監督のもとで日々成長を続けるトヨタ車体の若き大エースである■身長175㎝・体重62㎏と小柄で細身、最高到達点も293㎝と特に高いわけではない。だが、肩が強いのだろう、プレーは非常にパワフルだ。スパイクを打つと“パン”という乾いた音ではなく、“バコッ”という鈍い音が響く■昨季のアタック決定率は38.5%で、柳本JAPANの3本の矢である栗原恵(パイオニア)、木村沙織(東レ)、高橋みゆき(NEC)を上回った。得点ランキングも栗原、谷口雅美(JT)に続く堂々の日本人第3位である■代名詞でもあるジャンプサーブは破壊力を秘めながらもネットにかけることは少なく、高いレベルで安定。リベロの八田奈都己が負傷で退場した際にリベロを務めたように守備力も標準以上だ。葛和監督のカミナリにも屈しないメンタルの強さも魅力で、大卒2年目からチームの主将を任されている■次期全日本の監督がいまだに決まっていないが、誰が監督になるにしても、現在30歳前後の“テン(竹下佳江=JT)・シン(高橋)”世代から20代半ばの“メグ・カナ(大山加奈=東レ)”世代への世代交代は必至。83年生まれの都築の姿も、新生全日本の中にあるはずだ
posted by Kentaro Suzuki |11:43 |
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2008年11月11日
第28回全日本実業団対抗女子駅伝が12月14日(日)に岐阜で行われる。89年から92年にかけて4連覇を達成し、95年にも大会を制したワコールが充実のラインナップで13年ぶりの優勝を目指す。
89年から92年にかけて、4連覇の金字塔を打ち立てたワコール。だが近年は、福士加代子のゴボウ抜きばかりが目立ち、優勝争いに絡むことなく大会を終えていた。
優勝に届かぬ最大の要因は選手層の薄さであった。
日本長距離界のエースである福士、恵まれた体躯を持ち1500mからハーフマラソンまでをこなす野田頭美穂、美人ランナーとして人気のスピードスター・湯田友美、スタミナに自信を持つ風間友希、須磨学園高時代に都大路で2年連続区間賞の西山弥生、と5人目までは他チームと比べて見劣りしない。
だが、全日本実業団対抗女子駅伝は6区間で構成される。1人足りないのだ。事実、一昨年も昨年も、6番手区間である4区で順位を落としている。また、選手層が薄いため、前述の5人は少々状態が悪くとも出走せざるを得ない。昨年の3区における風間の区間24位、05年の1区における西山の区間18位は、いずれも本調子なら考えられない順位である。
しかし、今年はその選手層に不安がない。筑紫女学園高-順天堂大卒の稲富友香、立命館宇治-立命館大卒の樋口紀子というこの世代のトップランナー2人が入社し、1500mを得意とするスピードランナーの中條宏美(愛知淑徳高卒)も加入。“使える”選手が5人から8人に増え、ウィークポイントだった選手層は一気にストロングポイントとなった。
11月3日に行われた淡路島女子駅伝で、ワコールは5年ぶりの優勝を飾る。1区で稲富が首位と5秒差の3位と好発進すると、最短2区で中條が快足を飛ばし首位奪取。最長3区で福士が区間新記録の快走を見せ独走態勢に入り、4区の樋口も区間賞で続く。5区の野田頭が準エース区間をのりきると、最後は湯田がチーム4つめの区間賞でダメを押した。福士、野田頭、湯田といったお馴染みの顔ぶれとフレッシュなルーキーの力が見事に融合。西山と風間を欠きながら、2位のダイハツに約1分、3位の天満屋に約2分半の大差をつけた。
淡路島を制した自信を胸に乗り込む美濃路では、2つの長距離区間(3区と5区)をどう乗り切るかがポイントになる。一方に福士が入ることは間違いないが、他方を誰に任せるのか。2年連続で3区を走っている風間か、淡路島で5区を務めた野田頭か、あるいは稲富を抜擢するのか。スピード型の湯田、西山、中條、軽快なピッチを刻む樋口と短距離区間の駒には事欠かないだけに、長距離区間をうまくしのげば、95年以来13年ぶりの栄冠が見えてくる。
posted by Pooh |01:38 |
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