2008年07月30日
“長友(佑都)は安田(理大)に代わって入ります”
あるいは、そのような実況中継が流れていたのかもしれない。だが、友人たちとスポーツバーで観戦していたため、実況の声は全く聞こえなかった。だから、アップを終えた背番号5が画面に映ったとき、てっきり彼は本田圭佑に代わって入るものだと思った。
確かに、本田圭は長友と入れ替わるようにピッチを去る。しかし、それは長友との交代ではなく、同時にピッチに送り込まれた岡崎慎司との交代であった。安田のポジションに長友が、本田圭のポジションに岡崎が、それぞれそのまま入ったのである。
反町康治監督は、4-2-3-1システムで北京五輪に挑む決意を固めたようだ。最後のテストと位置付けられるこの2試合を通じて、4-1-4-1や4-4-1-1に見えた時間帯も若干あったが、頑固なまでに4-2-3-1をキープ。3バックや1トップ2シャドーなど、相手に合わせて布陣を変えることを好む指揮官が、である。
だが、18人の顔ぶれを見渡すと、4-2-3-1で本選を戦い抜くのはいささか困難に思える。“3”の両翼を担う人材が不足しているのだ。この2試合を見る限り、アウトサイドは本田圭と香川真司の先発が濃厚。3人目のサイドアタッカーには、FW登録の岡崎が控えるようだ。岡崎は豊富な運動量を誇り、所属する清水エスパルスでも中盤(トップ下)で起用されることが多い。だが、アウトサイドを任せるのはやや無理がある。
岡崎には正確無比なクロスボールも、切れ味鋭いドリブルも、オーバーラップを促すタメもない。彼はサイドから上がったボールに合わせる選手であり、サイドからボールを上げる選手ではないのだ。試合終盤に、運動量を増やすべく本田圭に代えてピッチに送り出すのは可能である。だが、本田圭が負傷や出場停止の際に、岡崎にその代役は務まらない。4-2-3-1の中で、彼がフィットするポジションは“3”の真ん中。昨日、谷口博之が務めていた役割である。
3人目のサイドアタッカーとなるべき存在は、岡崎ではなく、DFながら抜群の攻撃センスを持つ安田である。3人目のサイドアタッカーとして計算が立つからこそ、反町監督は安田をメンバーに加えたのではないか。そうでなければ、内田篤人と長友に加え細貝萌や森重真人も対応可能なサイドバックは供給過多であり、梅崎司と水野晃樹を競わせておいて両者落選とした人選も不可解になる。
4-2-3-1にこだわるのであれば、安田を1列前で試運転させておいてほしかった。安田をそこで使う気がないのであれば、中盤ダイヤモンドの4-4-2――底に本田拓也、右に梶山陽平、左に本田圭、頂点に香川もしくは谷口――なども試しておくべきではなかったのだろうか。
それとも、敵を欺くには味方から、手の内をすべて見せる必要はないということか。
posted by Pooh |14:16 |
代表サッカー・J |
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2008年07月26日
7月26日(土)、第90回全国高等学校野球選手権西東京大会の決勝戦が神宮球場で行われた。試合を終始優位に進めた日大鶴ケ丘が、13-5で早稲田実に勝利。18年ぶり2度目となる夏の甲子園出場を決めた。
3塁側スタンドから、容赦のないブーイングが飛ぶ。日大鶴ケ丘の3番・内ノ倉健祐(3年)を打席に迎え、早稲田実バッテリーはこの日3度目となる敬遠を決断。プロ注目の長距離砲は、バットを満足に振る機会に恵まれなかった。代わって決勝戦の主役を務めたのは、ショートを守る核弾頭である。
両チーム無得点で迎えた3回裏、日大鶴ケ丘は先頭の9番・芦住直人(2年)が内野安打で出塁する。高校野球の無死1塁は中軸打者でも送りバントが定石だが、1番の坂井貴大(3年)はヒッティングの構え。思い切りよく初球を叩くと、痛烈な打球が三遊間を破る。無死1・2塁と好機を拡大した日大鶴ケ丘は、この後、犠牲フライで先制点を奪う。
1点を先制された早稲田実は、直後に投手で4番を務める小野田俊介(1年)のタイムリーヒットで同点に追いつく。するとその裏、日大鶴ケ丘は7番・立原誓也(2年)の2点タイムリーヒットなどで勝ち越し、小野田をマウンドから引きずり下ろす。2番手の鈴木健介(1年)が投球練習を終えたところで、打席に坂井が入った。
130km/h台後半の直球を投げ込む速球派の小野田に対し、鈴木は90km/h台のスローカーブを繰り出す技巧派。目先がガラッと変わったが、坂井はフルカウントからのボールをセンター前へ弾き返す。2者が生還し、試合は完全に日大鶴ケ丘のペースとなった。
坂井は8回裏にも無死1塁から四球を選び、一挙7点のビッグイニングの御膳立てを遂行する。守備面では、2度あった1死2・3塁のピンチで二遊間のショートゴロを落ち着いて一塁に送球。点差を考えた冷静な判断と軽快なフィールディングが光った。
攻撃では先制、勝ち越し、ダメ押しと得点を積み上げ、守備では早稲田実の大量得点機をことごとく最少失点で切り抜けた日大鶴ケ丘。聖地行きの切符を、したたかにもぎとった。的確な判断と質の高いプレーを披露する背番号6は、そのしたたかさの象徴だった。
posted by Pooh |22:21 |
高校野球・少年野球 |
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2008年07月14日
後半開始を告げる笛が鳴った直後だった。岡山湯郷BelleのMF宮間あやが、センターサークル付近でボールを受ける。反時計まわりにターンして前を向くと、日テレベレーザのMF澤穂希、DF中地舞をひらりとかわし、右足を振りぬく。男子顔負けの弾丸ミドルがゴールに突き刺さり、試合は一瞬にして振り出しに戻った。
その直後、ベレーザが決定機を迎える。FW荒川恵理子がボンバーヘッドを振り乱しながら左サイドをドリブル突破。ゴール前には右サイドハーフのMF小林弥生が詰めているが、荒川はマイナス方向のクロスを選択する。ボランチの位置から走りこんできた澤がこれに合わせ、ベレーザが再びリードを奪った。
7/13(日)、西が丘サッカー場で行われた「プレナスなでしこリーグ」第11節、ベレーザ-湯郷Belleの一戦。両チームの背番号10が、強烈な輝きを放った。
湯郷Belleの10番は宮間。ダイヤモンド型の中盤の頂点に位置し、攻撃の全権を掌握する。常に2、3人のマークがつくが、まったくお構いなし。密集の頭をふわりと越すパスが味方選手にピンポイントで届く。左右両足ともに高い精度を誇り、わずかな時間とスペースで決定的な仕事をやってのける。彼女がボールを持った瞬間、危険な香りがピッチには漂う。
一方、ベレーザの10番は女子サッカー界の顔、澤。宮間に比べると、そのプレースタイルはいくぶん硬質だ。4-2-3-1システムのセンターハーフに入り、ピッチの中央に君臨。DFラインの前で守備に奔走し、最前線でフィニッシュに絡む。宮間がオランダ代表のウェズレイ・スナイデルなら、こちらはドイツ代表のミヒャエル・バラックか。
試合はこの後、両チームが1点ずつを重ね、3-2でベレーザが勝利を収める。宮間は2得点ともに絡み、それ以外の場面でも幾度となく決定機を演出した。澤は豊富な運動量でピッチのいたるところに登場。若手選手に声を掛け、監督の指示を伝えるなどリーダーとしての役割もまっとうした。
プレナスなでしこリーグは、この第11節をもって一時中断。2人はなでしこJAPANの一員として五輪に出場する。異なる音色を持つナンバー10の、アンサンブルに注目だ。
posted by Pooh |10:01 |
女子サッカー |
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2008年07月07日
4日(金)から6日(日)にかけて、2008Vサマーリーグの東部女子大会が埼玉県・蓮田市総合市民体育館で行われた。昨季V・プレミアリーグで最下位に終わった日立佐和リヴァーレでは、若手選手が台頭。新シーズンへの期待を抱かせた。
07-08シーズン、日立佐和は泥沼の中にいた。監督の交代や中心選手の退団でメンバーが大きく入れ替わったチームに、主力の相次ぐ故障離脱が追い打ちをかける。12月の開幕戦から黒星街道を突き進み、初勝利はなんと最終週のパイオニア戦。27試合を戦ってわずか1勝、敗戦の大半がストレート負けという悲惨なシーズンだった。
Vリーグでは、09-10シーズンより1部にあたるプレミアリーグのチーム数を10チームから8チームに減らすことが確定している。08-09シーズンで下位に沈むと、その先に待つのは2部降格。1部に残留するためにも、悪夢のようなシーズンを繰り返すわけにはいかない。戦力面での確かな上積みが必要だ。
怪我で昨季を棒に振った嶋田美樹の戦線復帰は、ひとつの大きな上積みだ。プレー時間は長くなく、身体のキレも本調子には遠いが、一枚ブロックを決めるなど元気な姿を見せた。全日本クラスの実力の持ち主だけに、完全復帰が待ち遠しい。
だが、仮に嶋田の復調が遅れても、大卒2年目の二川万里子で十分に穴は埋まる。ライト側への移動攻撃のスピードと精度が増し、このサマーリーグではチームの得点源として活躍。声もよく出ており、一つひとつのプレーに自信が感じられる。昨季は開幕スタメンを飾りながら次第にトーンダウンしたが、今季はその心配はなさそうだ。
サイドでは新人の江畑幸子がレギュラーを確保しそうな勢いだ。175㎝と小柄だが、最高到達点は300㎝に達し、非常にパワフル。他の選手のスパイクは“パン”という乾いた音がするが、彼女のスパイクは“バコッ”という鈍い音がする。フェイントのような小細工は、一切ない。一本調子で読まれやすいのは弱点だが、読まれても弾き倒すだけのパワーを秘めている。
若手にチャンスを与える場であるサマーリーグで、しっかりと若手の成長が確認できた日立佐和。若い力が生み出す上昇気流にチーム全体が乗っていけば、リーグのダークホースになることも考えられる。4ヶ月後のリーグ開幕が楽しみだ。
posted by Pooh |00:05 |
バレーボール |
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2008年07月06日
埼玉県・蓮田市総合市民体育館で行われている、2008Vサマーリーグの東部女子大会。若手主体のメンバーで挑んでいるパイオニアレッドウイングスでは、2人のリベロがしのぎを削っている。
「ななえちゃーん!」。会場に詰めかけた中高生から、滝沢ななえに声援が飛ぶ。華奢な身体に、モデル顔負けの容姿。笑顔を絶やさぬ若きリベロは子供たちの人気者だ。
パイオニアのリベロは吉田真未がファーストチョイスであり、滝沢はそのサブ。07-08シーズンもリベロには一貫して吉田が起用され、滝沢はピンチサーバーとして1試合に数度登場するにとどまった。だが、このサマーリーグでは出番を与えられ、非常にいい働きを見せている。
大会2日目、第1試合のPFUブルーキャッツ戦に先発した滝沢。連続失点を喫すると「次で切るよ!」、微妙な判定でポイントを奪われると「切り替えて!集中、集中!」と声を出す。サーブレシーブの前には後衛の選手と互いの守備範囲を確認。スパイクレシーブの際はブロックの穴である南早希の後方に位置を捕り、ブロックから抜けてくるボールを確実にレシーブする。
新人選手に対しワンプレーごとに声を掛けるなど、リーダーシップも発揮。全日本組やベテランが不在のなかで、存在感を示した。
午後の日立佐和リヴァーレ戦、リベロとしてコートに送り込まれたのは吉田である。06-07シーズン中盤に定位置を確保し、昨季はシーズンを通してレギュラーを張った。愛称は“ガッツ”。涼しげな滝沢とは対照的に、顔を真っ赤にして、どこまでもボールを追いかける。
もちろん、声もよく出す。だが、滝沢の声に比べると“掛け声”の感が否めない。吉田ひとりの責任ではないが、この試合では味方の選手同士による激突やお見合いが少々目立った。ボールを拾う能力では吉田に一日の長がある。だが、ジョイントとしての働きでは滝沢に軍配が上がる。
リーグ戦の開幕が明日であれば、経験のある吉田が先発で使われるだろう。しかし、このサマーリーグを見る限り、2人の実力差は確実に縮まってきている。08-09シーズンの開幕戦、コートに立っているのはどちらだろうか。
posted by Pooh |08:03 |
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