2008年06月22日
ピラミッドの頂上の選手が、バランスを崩す。脚が小刻みに震え、身体は前方に大きく傾く。2分30秒のフルコースを締める、力作のショートケーキ。そのショートケーキから、イチゴが落ちる。
そのとき、会場のいたるところから「頑張れー」との声援が飛ぶ。一度崩れたピラミッドが再び完成すると、割れんばかりの拍手が選手を包み込む。ライバルチームのミスを喜ぶような声は、一切聞こえてこなかった。
6月21日(土)、代々木競技場の第1体育館で行われた「関東チアリーディング選手権大会」。名前が示す通り、チアリーディングの関東一決定戦であり、日本選手権の予選会も兼ねていた。どのチームも、1点でも多く得点を稼ぎ、1つでも上の順位を勝ち取りたいところ。だが、会場の雰囲気は終始和やかで、華やかだった。
競技中の選手からは、笑顔が絶えない。会場の外で話を聞かせてくれた大学生選手は、「表情が採点項目に含まれているからでもあるのですが」と前置きしたうえで、「普段は野球部やサッカー部の応援に回ることが多い中、自分たちにスポットライトが当たるのは本当に嬉しい」と語ってくれた。歯をくいしばらないといけない場面でも、彼女たちの顔には満面の笑みがある。
競技中のチームがキメのポーズの前に「レディ・オッ・ケイ(Ready OK)?」と声をあげると、スタンドは「O・K!」と返す。また、どのチームも色パネルを持っており、競技中のチームのボンボンの色に合わせる。法政大学の演技中にはオレンジと青が、早稲田大学の演技中にはマルーン(栗色)と白がスタンドを埋め尽くした。
“チア大好き”とペイントされたTシャツを着ている高校生選手に、チアリーディングの醍醐味を尋ねてみた。「チアは、見ている人たちをどれだけ魅了できるかを競うスポーツです。点数ではなく、表現を競うんです。大会では点数や順位がつきますけど、相手を打ち負かすとか、相手のミスを喜ぶとか、そういう発想は基本的にありません。そこがチアの魅力です」。
posted by Pooh |18:23 |
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2008年06月14日
14日(土)、神宮球場で全日本大学野球選手権の準決勝2試合が行われた。第1試合では、東海大学が明治大学に7-17で逆転勝ち。明日の決勝へ駒を進めた。
この回4人目の投手である近藤健太(2年・倉敷商)が、この回19人目の打者となる石井大祐(4年・東海大山形)を三振に仕留める。1時間近くにわたった長い攻撃が、やっと終わった。
佐々木大輔(4年・日大三)の本塁打などで、初回に3点を先制した明大。3回にも3点を追加し、試合を優位に進めていた。だが、5回裏に大きな落とし穴が待ち受けていた。
4回まで無失点の江柄子裕樹(4年・つくば秀英)が東海大打線につかまり、3点を失ったところで交代を告げられる。エースの岩田慎司(4年・東邦)がマウンドに上がったが、流れを止められない。5番・近藤恭平(3年・市岐阜商)に本塁打を浴びるなど、1死も取れずに降板。3番手の野村祐輔(1年・広陵)も6番・横田崇幸(4年・東北)に本塁打を喫するなど炎上する。この回だけで10本の安打を許し、5つの四死球を与え、16点を失った。
明大にとっては、悪夢のようなイニングだった。そして、その悪夢は、まぎれもなく明大の慢心の産物だった。
4回裏、江柄子は連打を浴び1死1・2塁のピンチを迎えている。だが、このときブルペンは無人だった。岩田や野村が投球練習のピッチを上げたのは、5回裏に江柄子が完全に崩れてから。肩が出来上がらないままマウンドへ上がり、火に油を注ぐ格好となった。
また、3回から4回にかけては攻撃の局面でも多くのミスを犯した。3回表、1死3塁から佐藤政仁(4年・青森山田)がスクイズバントを転がすが、走者はスタートを切っておらず本塁で封殺される。4回表には、無死で中軸に打順が回っていながら、小林雄斗(4年・新田)が単独盗塁に失敗。また、走者が打球に当たってしまい守備妨害を取られる場面もあった。
5回裏の猛攻は、東海大の集中力と攻撃力の賜物だ。だが、明大の気の緩みがそれを誘発したのも、また事実である。
posted by Pooh |21:19 |
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2008年06月10日
大学野球の日本一を決める全日本大学野球選手権が開幕した。神宮球場で行われた上武大学-九州共立大学の一戦は、上武大が8-3で逆転勝ち。シード校が登場する2回戦へと駒を進めた。
前のイニングと同じ光景が、目の前に繰り広げられていた。隣で観戦していた初老の男性は、「同じミスを繰り返しおって。頭を使って野球をやらんかい」とあきれかえっている。両大学あわせて19安打・11得点の乱打戦となったこの試合。勝敗を分けたのは試合中の情報収集力である。
1回裏、九共大は2番から5番にかけての4連打で2点を先制。3回にも得点圏に走者を進める。一方の上武大は初回から3回までの攻撃が三者凡退。試合の主導権は、一見すると九共大にあった。
ところが、4回表に2点ビハインドの上武大が試合をひっくり返す。核弾頭の目黒聡(4年・東海大相模)がレフト前ヒットで突破口を切り開き、4番・前田憲麻(2年・九州学院)の内野ゴロの間に生還。さらに2死から下位打線に4連打が飛び出し、一挙に5点をもぎとった。
上武大は続く5回にも2死から3点をあげる。4回にレフト前タイムリーヒットを打った松井雅人(3年・桐生一)に再びレフト前タイムリーが飛び出し、右中間三塁打を放った宮下恵太(4年・甲府工)がまたしてもセカンドの頭上をやぶった。冒頭の男性の発言は、これを受けたものである。
松井はミートポイントを後方に置き、ボールを引きつてけて逆方向へ持っていくのを得意の形としている。宮下はヘッドが遠回りするため、アウトコースのボールの方が素直にバットが出る。これらの特徴は1打席目で十分につかむことができたはずだが、気持ちよくアウトを重ねていた九共大バッテリーは見落としていたようだ。
一方の上武大は、打順が1回りする間に九共大バッテリーの傾向をつかんでいた。投手の山内晴貴(3年・沖縄水産)は制球力に難があり、ボールが先行すると直球を置きにくる。サインに首を振った後のボールもほとんど直球だ。4回から5回に集めた9本のヒットは、打者有利のカウントで直球を狙い撃ちしたものが大半だった。
異なるリーグの大学と戦う全日本選手権。データが少ない中で、試合中に生の情報をどれだけ集めることができるかが、今後の試合でもポイントになりそうだ。
posted by Pooh |21:40 |
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2008年06月09日
8日(日)、神宮球場では東都大学野球1部・2部入れ替え戦の2回戦が行われた。1回戦を落とした中央大学が、渡邊洋平(1年・日大東北)の好投もあり駒澤大学に快勝。対戦成績は1勝1敗の五分となり、決着は9日(月)の3回戦に持ち込まれることになった。
7回表、1死2塁。2点をリードする中大が追加点のチャンスを迎えていた。打席に核弾頭の美馬健太(3年・北海)が入ったところで、1塁側の駒大ベンチが突如騒がしくなる。勝負の行方を決めてしまう3点目を、なんとしても阻止したい駒大。当然ながら、外野手は前進してバックホームに備える。ところが、右翼手の屋宜尊世(4年・沖縄尚学)の守備位置はフェンスの手前。これを見たベンチが、慌てて前進の指示を出していたのだった。
このシーンに象徴されるように、駒大のプレーはどこか集中力を欠いていた。
2回表、先発投手の坂口智行(4年・盈進)は4番・井上晴哉(1年・崇徳)をカウント2-1と追いこむ。しかし、肝心の勝負球が甘く入り左翼線への二塁打となる。続く5番・鮫島哲新(2年・鹿児島工業)への初球、またしても不用意なボールが真ん中へ。鮫島はこれを逃さず右翼線に運び、駒大は1点を先制された。
その後2死3塁となり、8番・杉沼慶(1年・秋田中央)を打席に迎える。その3球目、杉沼は一塁線へセーフティバントを転がす。小技を積極的に仕掛ける中大のチームカラー、8番という打順、そして杉沼が初球に見せたバントの構え。セーフティバントは十分に予測可能だった。しかし、慌ててマウンドを下りてきた坂口は、1塁に投げようとした際に足が絡まり、尻もちをついてしまう。3塁走者が生還し、中大に貴重な2点目が入った。
4回表の守りでは、一塁手の前原一慶(3年・岩国商)が捕手からの牽制球を捕り損ね、一塁走者を二進させてしまう。5回表には、俊足の一塁走者・土居慎司(2年・今治西)に対して1球も牽制球を投げず、いとも簡単に盗塁を決められた。
守備でこれほどミスを重ねては、攻撃へのいい流れはできない。切れ味抜群のスライダーをテンポよく投げ込む渡邊の前に、打線は沈黙。攻略の糸口もつかめないまま、気がつけばノーヒットノーランを喫していた。
1回戦を制した心の余裕が、悪い形となって出てしまった駒大。3回戦には再度気を引き締めて挑むであろうが、流れは完全に中大のものである。昨秋の好成績でつかんだ自信を胸に、1部優勝を目指した今春。だが、最後に待つのは最悪のシナリオか。
posted by Pooh |02:21 |
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2008年06月01日
関東大学サッカー前期リーグ戦は、5月31日(土)に西が丘サッカー場で第11節が開催された。第1試合、国士館大学-筑波大学の一戦は、国士大が3点のビハインドをはねかえし大逆転勝利。この結果、国士大は8勝1敗2分の勝ち点26、筑波大は4勝6敗1分けの勝ち点13で前期を折り返すことになった。
国士大のMF大竹隆人(2年・三菱養和FC)が、迷いなく右足を振りぬく。火を噴くようなミドルシュートがゴールネットを揺らし、試合は振り出しに戻った。3点のリードを追い付かれた筑波大は、ベンチが慌ただしくなる。
数分後、FW出口司(4年・G大阪Y)がアップを終えピッチサイドに現れる。再びリードを奪うべく、攻撃的な選手を投入する構えだ。出口と交代で退くのは、MF古山賢人(3年・市立浦和)。この交代がひとつのポイントだった。
ボックス型の中盤で右ボランチを務めていた古山。豊富な運動量でピッチの至るところに顔を出し、正確な技術で攻守のつなぎ役として機能していた。アンカーの永芳卓磨(4年・名古屋Y-18)が持ち場を捨てて攻め上がれるのも、左MFの木島悠(4年・滝川二)が多少エゴイスティックなほど自由にふるまえるのも、古山のフォローがあったからだ。潤滑油のなくなったチームは、途端にぎくしゃくし始める。
ボールを持てば十中八九カットインする木島。彼の空けたスペースを埋めていた古山が退いたため、筑波大の左サイドはサイドバックの原田圭輔(2年・藤枝東)が1人で国士大の右サイドアタックをケアする形になった。その結果、最も注意すべき柏好文(3年・韮崎)に自由を与えることになり、危険なクロスが次々と放り込まれる。
また、1ボランチになった永芳は、守備に忙殺され輝きを失った。攻撃にアクセントを加えていた後方からの攻め上がりは消え、自慢の左足にも狂いが出始める。前半は抑え込んでいた国士大の伊東俊(3年・青森山田)を、フリーにしてしまう回数も増えた。
案の定と言うべきか、決勝点は国士大に転がり込む。FW高橋大(3年・盛岡商)のポストプレーに柏が絡み、最後は主将の武岡優斗(4年・京都大谷)が豪快に蹴りこんだ。
筑波大は古山を下げる時点で3-3に追いつかれており、交代策のまずさを敗因に挙げるのはいささか乱暴だ。だが、交代を境に永芳の動きが鈍り、柏や伊東が躍動し始めたのは事実である。勝利という名のおいしい水。それを飲むためには、水を運ぶ人が必要のようだ。
posted by Pooh |08:40 |
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