2009年01月10日
聖地
九州で最も地味な県であろう佐賀県に、佐賀県立森林公園野球場という立派な野球場がある。1999年に完成した同野球場は、名前の通り県立の森林公園の中にあり、県民の間では「みどりの森」の愛称で親しまれている。県内にプロ野球チームがないため専ら高校野球や少年野球に用いられるが、両翼99.1メートル・中堅122メートルとサイズは十分。芝は天然でスコアボードは磁気反転式、ナイター用照明も備えた国内屈指のスタジアムである。 その「みどりの森」が竣工されるまで、佐賀県のアマチュア野球のメッカだったのが佐賀球場だ。2008年夏に「がばい旋風」を巻き起こした佐賀北ナインは“みどりの森育ち”だが、1994年に主将・西原正勝の劇的満塁弾で全国を制した佐賀商ナインは“佐賀球場育ち”。98年に實松一成(現巨人)を擁して松坂世代の甲子園で2勝した佐賀学園ナインも、また然りである。 老朽化が著しく進んでいた佐賀球場は、県民の反対むなしく2004年限りで閉鎖・撤去された。したがって1999年からの約6年間が「みどりの森」との併用期間だったわけだが、子どもたちに人気があったのは佐賀球場である。「みどりの森」と比べてボロくて、不便で、きたない佐賀球場だが、そのきたなさは歴戦の跡。「峯(謙介=佐賀商優勝時のエース)もこのベンチに座っとったとばい」「そこにおいどんも座りよっとばい」「がばいすごか」などと会話がベンチには飛び交った。どれほどボロくても、むしろボロいがゆえに、そこは佐賀県の野球少年の聖地だったのだ。 “コクリツ”というのも、そういうものではないか。国立よりも新しいスタジアム、国立よりもきれいなスタジアム、国立よりもピッチとスタンドが近いスタジアムは関東圏内だけでも数多くある。それでも、最後は国立なのだ。きのう10日(土)、国立で行われたのはラグビーの第45回全国大学選手権大会の決勝。FB船津光(3年)のPGで帝京大が先制するも、早大はNO.8豊田将万主将(4年)のトライとFB田邊秀樹(3年)のGで前半のうちに逆転する。早大は後半にも豊田のトライなどで得点を重ね、20-10で快勝。対抗戦での雪辱を果たし、聖地に『荒ぶる』が鳴り響いた。そして、あす12日(祝)に行われるのが第87回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦。準決勝からが国立だった昨年度までとは異なり、今年からは決勝進出の2校のみが国立でプレーできる。国立から遠い学校のほうが国立への執念は上だったのだろうか、前橋育英[群馬]と鹿島学園[茨城]が消え、鹿児島城西[鹿児島]と広島皆実[広島]が残った。器用な大砲・大迫勇也(3年)を軸に据えた鹿児島城西の攻撃は破壊力抜群だが、広島皆実の中盤の構成力も一見の価値あり。埼玉スタジアム2002で満足できなかった2校の頂上決戦は14時05分キックオフである。 【注】3枚目の写真は10日(土)の埼玉スタジアム。当日券を買い求める観客の列はチケット売り場(左側にある円筒形のベージュ色の建物)から始まり、写真右側のあたりで曲がり、手前のあたりが最後尾。 田舎者の私は人の多さに耐えきれず、通ったばかりの道を引き返し、平和な国立競技場でラグビーを観ることとなりました。
- 共通ジャンル:
- ラグビー
posted by Pooh |21:50 |
ラグビー |
コメント(2) |
トラックバック(0)





