2010年01月11日

ちっちゃくてもできる、じゃなくて

 昨年末の12月23日(水)のこと。サッカーのインカレ(全日本大学選手権)準々決勝で流通経済大が関西大に敗れた試合の後、J2岡山への入団が決まっている流経大MF千明聖典(ちあき・たかのり、4年)に今後の抱負を聞くと、こんな答えが返ってきた。

 「“ちっちゃくても(ちなみに千明は165cm・60kg)できる”とかじゃなくて、“ちっちゃいほうがいい”と思ってもらえるようなプレーがしたいんですよね。シャビとかイニエスタ(ともにバルセロナ所属、スペイン代表MF)を見てたら、ちっちゃいほうがいい気がするじゃないですか」

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 多くのスポーツにおいて、サイズが小さいことは不利だ。ボディコンタクトに弱い、空中での競り合いに勝てない、試合が続くと使い減りしてしまう……。一方で、小回りが利くという良さもある。最近はサッカーでもバスケでも“動ける大型選手”が多くなってきたが、いくら動けても、もともとのコンパスがデカい。ヨーイドンで走ると差はないかもしれないが、反転のはやさでは小型選手に勝てない。

 つまり、“ちっちゃいほうがいい”と思われるためには、小型選手の武器である小回りが利く動きを極めたうえで、小型選手の弱点であるコンタクトの弱さをどうにかしなければならない。

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 千明は、そしてシャビも、ボディコンタクトに関しては「負けない」ことよりも「競らない」ことで解決を図っている。味方選手の位置を把握しておき、ボールを受けると相手に寄せられる前にシンプルにはたく。はたいた後は別の場所に動き、同じ行為を繰り返す。だが、これでボディコンタクトが回避できるのは、攻撃時のお話。

 相手からボールを奪う必要がある守備の局面では、「競らない」ことでの解決は難しい。味方の大型選手に競らせて、自分はルーズボールを拾う。パスコースを1つ切り、味方の選手のボール奪取をやさしくする。そういった策もあるが、激しく攻守が入れ替わる類のスポーツでは、“1対1”の局面がどうしても存在する。自分が当たるしかない。自分が競るしかない――。そこでまったく競り勝てないとなると、“ちっちゃいほうがいい”とまではなかなかならないわけだ。

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 前置きが長くなったが、その意味で女子バスケットボール・JOMOの吉田亜沙美は“ちっちゃいほうがいい”と思わせる選手のひとりだ。

 彼女は身長が165cmしかないが、リバウンドを取れる。昨年9月のFIBAアジア女子選手権ではガードながらリバウンドのタイトルを獲得し、昨日のオールジャパン決勝でも両チーム最多の12リバウンドを記録している。外角からシュートを放ったはずなのに、リバウンドのボールをつかんでいることもしばしば。もちろん、小型選手の専売特許である運動量やスピードも問題ない。管理人はオールジャパンでJOMOの試合を2試合生観戦したが、“あれでもう少し身長があれば”と吉田に対して思うことは一度もなかった。

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 この1年間、不勉強な質問にも、長い囲み取材にも、明るくかつ冷静に答えてくれた千明。競技は違えど、吉田のような選手になってほしいと(本人が「“ちっちゃいほうがいい”と思ってもらえるようなプレーを」と言っているわけで、なにもあらためて「なってほしい」というほどではないが)思った正月である。

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2009年12月15日

走り出せ

 あす16日(水)とあさって17日(木)、代々木第2体育館にて、バスケットボール・bjリーグの試合が行われる。


 対戦するのは東京アパッチと琉球ゴールデンキングス。昨08-09シーズンのファイナルと同じカードだ。


 もっとも、東京は昨季の姿からほど遠い。昨季は各ポジションに一定レベルの選手が2人ずついる選手層の厚さがウリだったが、そこから牧ダレン聡、城宝匡史、岩佐潤らが移籍。一方、新しくチームに加わった木村実、比留木謙司らは、開幕から16試合を消化していまだ数分の出場時間しか得ていない。選手層が薄くなったチームは、5勝11敗で東地区の最下位を独走している。

 
 そして、その選手層の薄さ、成績の悪さよりも気になるのが、東京らしさがないことだ。一昨季、昨季の東京は、一度ノッたら手がつけられない暴れっぷりが魅力のチームだった。放任タイプのジョー・ブライアントが監督を辞め、ムードメーカーのジョン・ハンフリーやデミオン・ベーカーがいなくなり、暴れっぷりのベースとなる個人能力の高さが下がり――と難しい状況であるのは確かだが、どうも雰囲気が盛り上がらないまま試合を終えてしまっている感がある。


 ガードながらダンクを決めるラシード・スパークス、ダンク数がリーグナンバー1のジュリアス・アシュビー、狙い澄ました3Pを決める青木康平、リーグ屈指のシューターに成長中の仲西翔自と会場を沸かせるプレーを見せる選手は多くいる。彼らのシュートがリングに吸い込まれた瞬間、ブースターもベンチも一体となって盛り上がり、一気に走りだす――。そんな東京らしさを、今季初の琉球との対決で取り戻してほしいと思うところである。

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2009年06月30日

東京戦での活躍はほどほどに

*以下の文章は、日本ジャーナリスト専門学校WEBスポーツ紙「ジャナスポ」に掲載された管理人の文章を、加筆・修正したものです。ジャナスポはbjリーグと東京アパッチを応援しています。


 6月15日、bjリーグ・東京アパッチの岩佐潤がリーグの「エクスパンションドラフト」(以下ED)にて、新規参入チームの京都ハンナリーズの指名を受けた。ドラフト指名はあくまでも仮保有権の移行にすぎないが、岩佐は自身のブログ「J-FIVE」にて「評価をしてもらったという事で喜ばしい事で、(中略) とても寂しいですけど、結果をだし続けて行くことが恩返しだと思っているので、これからも応援お願いします」と語っており、京都への移籍が濃厚だ。


 bjリーグには2種類のドラフトがある。ひとつは、プロ野球のドラフト同様、各チームが順番に新人選手を指名していく「新人・育成ドラフト会議」(新人ドラフトと育成ドラフトは別物だが、ここでは説明を簡潔にするべくひとくくりにしておく)。もうひとつが、新規参入チームの戦力確保のために行われるEDだ。EDではまず、既存のチームが新規参入チームから指名されたくない選手を「プロテクト」として確保する(プロテクト可能な選手の数である“プロテクト基準値”は、直近2年のチーム成績に応じて設定される)。その後、各チームのプロテクトから漏れた選手から数名を、新規参入チームが指名するのだ。


 今回、東京のプロテクト基準値は3であり、チームはこの3枠を使って、看板選手の青木康平、3Pシューターの城宝匡史、複数のポジションをこなす副主将の仲摩純平を囲った。もちろん、高い守備力と冷静な状況判断に定評のある岩佐もプロテクトしたい選手であったが、基準値を超えた人数をプロテクトすると、新人ドラフトでの指名順を後ろにされてしまう(結果的に東京は新人ドラフトで選手を指名しなかったが)。また、プロテクトした選手とは上級の契約を結ばなければならず、あまりに多くの選手を囲うことは経営を圧迫することになる。


 ジョー・ブライアントHCが「潤はプレータイムが少なくても、常に黙々と練習に取り組み、準備を整えていてくれる」とたびたび語っているように、自由奔放な選手が多いチームにあって、常に飄々としている岩佐の存在は貴重だった。今季もリーグ中盤、出番に恵まれない時期が続いたが、レギュラー陣に疲労の色が見え始めた終盤に出場機会を得ると、期待に応える働きを見せる。4月5日の新潟アルビレックスBB戦で新潟の好ガード・竹野明倫を密着マークで抑え込み、同11日の富山グラウジーズ戦では終了間際に試合を決める3Pを沈め、同25日の埼玉ブロンコス戦では13分の出場で4得点2アシストを記録。「プレーオフ4」ファイナルの琉球ゴールデンキングス戦では、青木やジョン・ハンフリーらエース格が精彩を欠くなか、狙い澄ました3Pを3発決めた。優勝には届かなかったが、デミオン・ベーカーが試合中に負傷、城宝ら3選手が5ファウルで退場という展開の中でクロスゲームに持ちこめたのは、岩佐の活躍が大きかった。


 その岩佐を失うのは痛く、岩佐自身もファイナルの直後には「また1からやり直しです。また同じメンバーでチャンピオン狙いたいです」とブログにつづっただけに、「東京アパッチを離れる事、ブースターの皆さんに試合毎に逢えなくなること、家族に試合をなかなか観せてあげれなくなること、お世話になってる人に逢えなくなることはとても寂しい」とのことだが、実力を評価されての移籍はまさに「喜ばしい事」。仲摩が自身の公式サイト「JumpeiNakama.net」で「毎年チームメートは変わるけどそれは仕方ない事なんで、対戦相手として再会するのが楽しみ」と語っているとおり、若いチームの軸として躍動する姿を見せてほしいものだ。もちろん、東京戦での活躍は、ほどほどに……

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2009年04月23日

今週末は代々木へ

 4月25日(土)・26日(日)の2日間、代々木第2体育館ではプロバスケットボール・bjリーグのレギュラーシーズン(以下RS)最終節、東京アパッチ-埼玉ブロンコス戦が行われる。


 東京にとって、この2連戦は重要な試合である。bjリーグのプレーオフは、RSの各地区1位と4位、2位と3位が上位チームのホームで激突する「カンファレンス セミファイナル」から始まるのだが、目下東地区2位の東京は最終節の結果次第で3位となる可能性も残している。この2連戦で1勝できれば東地区2位が決定するが、2連敗を喫すれば他会場の結果によってはセミファイナルはアウェーだ。今季ここまでホームでは16勝8敗、アウェーでは15勝11敗とホームでの強さが目立っているだけに、ぜひとも2位通過を果たし、セミファイナルをホーム・有明で迎えたいところだ。


 その東京のストロングポイントは選手層の厚さだ。シーズン序盤、十分なプレータイムを与えられるのは牧ダレン聡(PG)、青木康平(G)、城宝匡史(SG)、ジョン・ハンフリー(G/F)、ティッゾ・ジョンソン(F)、ニック・デービス(C)、ジュリアス・アシュビー(C)の7選手に限られていたが、仲摩純平(G/F)の故障からの復帰、デミオン・ベーカー(F)の合流、仲西翔自(F)や矢田公作(G)の成長などで「今はチームが2つつくれるほど選手が揃っている」(ジョー・ブライアントHC)。事実、1番から牧、城宝、ハンフリー、ジョンソン、デービスでティップオフを迎えながら、第2Qには青木、矢田、仲摩、ベーカー、アシュビーがコートに立っていることもしばしば。1番から4番をこなす仲摩、3番から5番をこなすベーカーらマルチロールも多く、組み合わせも自由自在だ。


 逆に、弱点とされてきたのは波の大きさだ。11月から12月の序盤にかけての5カードを9勝1敗で駆け抜けたと思いきや、1月から2月にかけては4連敗で首位から陥落するなど、パフォーマンスの振れ幅が非常に大きい。ただ、2月後半から3月にかけては6カード連続で1勝1敗をマーク。1戦目を取りながら2戦目を落とすケースも目立ったが、連敗癖が顔を出さなかったところにチームとしての成長がある。


 埼玉には今季6戦5勝と相性はいいが、6試合とも点差は10点以内のクロスゲームと実力差は小さい。接戦を制して自力でセミファイナルのホーム開催権を獲得できるかに注目が集まる。


 試合開始は25日18時(開場16時)、26日14時(開場12時)です。興味を持った方はぜひぜひ代々木第2体育館へ。日本ジャーナリスト専門学校WEBスポーツ紙「ジャナスポ」は東京アパッチを応援しています。

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2009年03月02日

4人のガード

 2月24日(火)から26日(木)にかけて、代々木第2体育館でバスケットボール女子・Wリーグの入れ替え戦が行われた。三菱電機(2部1位)が4人のガードをうまく使い分け日立ハイテク(1部8位)を相手に2勝を先取、歓喜の1部復帰を決めた。
 
 
 1勝1敗で迎えた最終戦を制し、1部復帰を決めた三菱電機。#0丸山美樹主将(F)、#6横山愛(C)らインサイド陣の活躍も光ったが、タイプの違う4人のガードが持ち味を発揮したことも昇格の決め手だ。


■#54橋本和子
 中へのカットインを見せたかと思えば、外から3Pを放ち、163㎝の身長でリバウンドやポストプレーもこなす万能ガード。得点源で主将の丸山とならぶ絶対的存在である。技術的にも一見の価値があるが、さらに特筆すべきは集中力。相手にビッグプレーが出た直後や味方にミスが出た直後には必ず、悪い流れを切るようなスティールや得点、アシストを決める。第3戦では足がつって自力で歩けなくなるまで、コートに立っていた。

■#14関根麻衣子
 高校から大学にかけて、ウインターカップやインカレ、ユニバ―シアードで活躍してきた新人ガード。最大の武器は鮮やかな放物線を描く3Pシュートで、スイッチが入るとおもしろいようにボールがリングに吸い込まれていく。愚直なまでにしつこいディフェンスと苦しい時間帯に長い距離を走れる精神面も魅力である。弾けるような笑顔の持ち主であり、彼女が笑顔のとき、このチームは強い。

■#3宮元美智子
 175㎝と日本人女子選手としては恵まれたサイズを持つガード。典型的なガードというよりは所謂スゥイングマンで、1番よりも2番、3番に入ったときに機能する。試合の流れにのるのが上手く、短い時間でも持ち味を出せるのが強み。身体能力を生かして、リバウンドやルーズボールの競り合いで力を発揮する、

■#33松島有梨江
 高卒3年目の21歳と4人の中ではもっとも若いが、プレーはもっとも手堅いポイントガード。守備では相手のパスコースを確実に切り、攻撃では正確なチェストパスでリズムを作る。攻撃が手詰まりになると自ら3Pを放つこともあるが、無謀なチャレンジは基本的にしない。関根が入社するまでは不動のレギュラーだった実力者。


 この4人を試合展開に応じてうまく使い分けるのだ。

 先発は1番に橋本、2番に関根がお決まりの形。2人の関係はbjリーグ・東京アパッチにおける青木康平-城宝匡史の関係と同じで、橋本がゲームメイクをしながらインサイドに切り込み、関根は外からシュートを狙う。補完性があるうえに両者とも守備での貢献度が高く、第2Qあたりまではこのペアで押すことが多い。


 試合終盤、ゲームのテンションを落とす必要があるときは松島の出番だ。関根の3Pの精度が落ち始めると、松島を1番に入れ、橋本を2番にスライド。関根の脚力と3Pを捨てる代わりに、守備力とパス回しの確実性をアップさせる。再び東京アパッチを例に出すのであれば、牧ダレン聡-青木康平のセットに似た形になる。


 逆にゲームのテンションを上げるときは、宮元の出番だ。橋本や関根との交代でそのままガードに入ることもあれば、#10松尾香奈をアウトし3番に入れることもある。短い出場時間でもサイズを生かしたプレーでチームを盛り上げることができ、また、持ち前のダイナミズムでチームに流動性をもたらす。


 万能型の橋本を軸に、シューターの関根、動の宮元、静の松島という4人を使い分け、つかみとった昇格。1部の舞台でも、その“使い分け”に注目が集まる。

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2009年02月25日

リスクマネジメント

 2月24日(火)、女子バスケットボール・Wリーグの入れ替え戦第1戦が、代々木第2体育館で行われた。W1(2部)1位で入れ替え戦に進出した三菱電機がW(1部)8位の日立ハイテクを90-83で下し、1勝を先取。25日(水)の第2戦に昇格を懸ける。


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 第2Q中盤には三菱電機が43-20と20点以上をリードする場面もあったが、最終的には7点差のクロスゲームになった一戦。三菱電機の危機管理能力の高さが光った。  三菱電機ベンチは、タイムアウトを取るタイミングが非常に早かった。 ●第2Q残り3分弱(43-23) 日立ハイテクにこのQ初得点が生まれ、逆に三菱電機は投入されたばかりの#8近藤啓子がフリースローを2本連続で外した瞬間、タイムアウト。 ●第4Q残り5分弱(80-60) 日立ハイテクの#11野田裕子が鮮やかなスティールからシュートを決め、日立ハイテクのベンチやスタンドが一気に盛り上がった瞬間、タイムアウト。 ●第4Q残り1分(87-77) リングに吸い込まれた三菱電機のシュートが24秒バイオレーションで無効とみなされた直後、日立ハイテク#5山田茉美にドライブからシュートを決められると、タイムアウト。 いずれのケースも、時間と点差を見れば、なにも焦ってタイムアウトを要求するような場面ではない。だが、日立ハイテク側に生まれつつあった小さな流れを、ことごとく小さな流れで止めておいたからこそ、7点差の勝利がある。
jjc_skentaro-72405.jpg
 指揮官がこれほど流れに対して敏感であるから、選手も流れに敏感だ。第3Qから第4Qにかけて、日立ハイテクが反撃ののろしを上げるたびに飛び出した#14関根麻衣子の3Pシュート(後半2Qで計4本)。シュートが決まったのは関根の技術と度胸によるものだが、当たっている選手がシュートレンジでフリーになっていたのは、チーム全員がここぞとばかりに運動量を増やしたからだ。    第2戦では、後のない日立ハイテクが第1戦以上に気合いの入ったプレーを見せてくるだろう。だが、第1戦を見る限りでは、危機管理能力に関しては三菱電機が一枚も二枚も上。勝負所を押さえたバスケットで2連勝を飾る可能性が高い。


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2008年12月26日

マジック2

 東京体育館で行われている「JOMOウインターカップ2008(第39回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会)」で女子第1シードの桜花学園[愛知]が4強に進出した。

 
 今夏のインターハイでは3年連続16回目の優勝を果たし、今秋のアジアU-18女子選手権の日本代表に3人を送り出したタレント軍団。アジア選手権で日本の初優勝に貢献した191㎝の大型センター・渡嘉敷来夢(#15・2年)は故障を抱え万全ではないが、同じくU-18代表の岡本彩也花(#6・2年)がゲームを組み立てつつ、アウトサイドから得点を稼ぐ。

 
 脇を固めるメンバーも豪華だ。深野羅定咲(#5・3年)は166㎝と小柄だが非常にエネルギッシュ。豊富な運動量と抜群の度胸で苦しい場面こそ頼りになる。ビルドアップの場面でもゴールにつながるアシストを狙っており、その抜け目のなさも魅力だ。丹羽裕美(#8・3年)は渡嘉敷が不在時にチームメイトの灯台となり、渡嘉敷がコートに立てばツインタワーを形成する。速さに関しては渡嘉敷が上だが、シュートが打てなくてもファウルをもらうしぶとさに関しては、こちらが一枚上手かもしれない。

 
 この4人プラス、気の利いたプレーを見せる主将の後藤美紀(#4・3年)がスターティングファイブ。リザーフにもアジア選手権代表の水島沙紀(#7・2年)、180㎝の桂葵(#16・1年)、得点率の高い大西ムーア ダイアンまどか(#10・2年)ら実力者が控え、層は厚い。

 
 きょう27日の準決勝の相手は山形商業[山形]、決勝の相手は聖カタリナ女子[愛媛]と東京成徳大学高[東京]の勝者となる。U-18代表を抱える強豪が順当に残っており、決して楽なゲームにはならないだろう。とはいえ、故障持ちの渡嘉敷の出場時間をここまでの3試合で30分ほどにとどめるなど、勝ち上がり方が目一杯でないのが頼もしいところ。ちょっぴり早い桜の開花まで、あと2勝だ。

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2008年11月30日

無関係であるはずだ

 “代々木にインカレを見に行こう”と思い立ったのはいいが、選手の名前も知らなければバスケのルールもおぼつかない。途中の本屋で“月バス”を調達し、会場に着くと大会パンフレットを購入。観客席に腰を下ろすと、試合開始までの数分間で予備知識を詰め込んだ。

 武庫川女子大学(関西2位)vs東京女子体育大学(関東11位)の一戦が、これから目の前で行われるらしい。武庫川女子大学はDブロック屈指のタレント集団らしい。ゴール下で圧倒的な存在感を発揮する#4加藤いずみ(C・4年)、抜群のスピードを持つ#7鈴木有香(F・4年)、3Pシュートが得意の#6荒木唯(SG・4年)といった注目選手がいるらしい。



 試合が始まると、3人の注目選手はさすがの存在感を示す。加藤はゴール下でボールを受けると、何人に囲まれようと反転してリングへボールをねじこむ。ファウルをもらいながら得点を決め、その後のフリースロー2本を確実に沈める。ゆえに、彼女がボールを受けると基本的に4点が入る。

 鈴木のスピードも素晴らしいものがあり、相手選手の間をすり抜けるようなプレーを連発する。その姿は、98年のサッカー・フランスW杯のアルゼンチン戦で相手DF2人の間をするりと抜けた中西永輔に重なるものがあった。荒木は不調だったが、何本外そうと3Pを狙い続ける精神性とボールが描く美しい放物線には“生粋のシューター”の香りがした。



 その“BIG3”を、#15木下歩紀(PG・1年)がコントロールする。いちばん年下でいちばん小柄(160㎝)ながら、お姉さんたちにポジショニングの指示を出すなど度胸は満点。攻撃時は味方の胸にピタリと届く正確なチェストパスで好機を演出し、守備時は相手の攻撃の最短経路を確実に切る。コート全体、ゲーム全体を俯瞰したようなパスの散らしも含め、(またまたサッカーの例で恐縮だが)林健太郎のプレーを見ているような感覚にとらわれた。

 彼女がベンチで一息つくときに投入される#18原田奈未(SG・4年)も面白い。勝利への最良の道を探るタイプの木下に対し、原田はゴールへの最短ルートを狙うタイプだ。ボールを持った瞬間、グンと加速。相手を振り払うことができればレイアップシュートに持ち込み、相手に進路を塞がれると急停止して一撃必殺のパスを繰り出す。攻撃志向が強すぎるためミスも多いが、モデラートの木下/アレグロの原田とリズムの異なる司令塔を擁するのは強みだ。



 バスケに興味を持ち始めたのは最近であるため、武庫川女子大学のバスケの質や志向がどうなのかは残念ながら分からなかった。分からなかったが、“キャラの立つ”選手のプレーに魅了され、1分たりとも退屈することはなかった。授業の合間をぬって、またこのチームの試合を見に来たいと思ったのは、私が武庫川の流れる兵庫県西宮市出身であることとは無関係であるはずだ、きっと。

posted by Pooh |22:10 | バスケットボール | コメント(0) | トラックバック(0)
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