2008年08月03日
ピンチを乗り越えて
36回目を数える全日本リトルシニア野球選手権大会が、神宮球場を中心に開催されている。3日(日)の準々決勝第1試合では、ともに関東連盟に所属する江戸川中央と調布が対戦。江戸川中央が4-3で接戦に勝利し、準決勝進出を決めた。 いくつかの火山が、噴火寸前だった。 3番打者の中川勇希君(新小岩中2年)に2本の2点タイムリーが飛び出し、4-0と試合の主導権を握っていた江戸川中央。しかし、6回表の守りでミスが相次ぐ。 先頭打者の緩いゴロを、三塁手の小河諒君(西葛西中2年)がお手玉。小河君は続く三塁ゴロもファンブルしてしまい、ベンチへと退く。2死無走者のところが無死1・2塁となり、投手の江川吉明君(八木ヶ谷中3年)も落胆を隠せない。ストレートの四球を、次打者に与えてしまった。 無死満塁となり、調布の4番打者が放った飛球はライトヘ。タッチアップした三塁走者を刺すべく、右翼手の鈴木友貴君(立石中2年)から二塁手の木内準祥君(深川三中2年)へとボールが渡る。しかし、木内君は本塁への送球をためらう。やや遅れて本塁のバックアップに向かっていた江川君が、ちょうど捕手の前を横切ってしまったのだ。ボールを目で追っている限り、江川君の動きは視界に入らず、木内君の躊躇の理由は分からない。ベンチから、スタンドから、「投げろよ」と声が飛ぶ。 続く打者には初球をセンター前に運ばれ、再び満塁のピンチを背負う。6番打者の打球はショートへのゴロ。6-4-3とボールが転送されたが、打者走者の猛然としたヘッドスライディングに一塁塁審は手を横に開く。リードは2点に縮まり、なおも2死1・3塁。ここで調布は1塁走者を走らせた。 捕手の中平達志君(松江一中3年)は1塁走者を仕留めにかかる。だが、ボールは2塁ベースを遥かに越え、3塁走者が悠々と生還。リードは1点差になり、スタンドで応援する部員の声にも、心なしか、苛立ちともどかしさが混じりはじめる。グラウンドの選手も、ベンチも、スタンドも、みんなフラストレーションをため込んでいた。同点に追い付かれようものなら、いくつかの火山が噴火したことであろう。 だが、このピンチをショートゴロでなんとか切り抜けると、最終回の7回は三者凡退に抑え1点差で逃げ切る。右翼手の鈴木君がウイニングボールをつかんだ瞬間には、ベンチから控え選手が一斉に飛び出した。交代を命じられた小河君も、「投げろよ」と言われた木内君も、木内君を責めた選手も、一緒になって準決勝進出を喜んだ。困ったものだと頭を掻いていた監督も、しっかりしろよと嘆いていた父親たちの顔にも、満面の笑みが広がる。 接戦を通して強まった絆を武器に、準決勝へ挑む。
posted by jjc_skentaro |10:42 |
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