2009年04月04日

ダブル1番はセカンド隠し

 WBC優勝の余韻を残したまま、プロ野球のペナントレースが始まった。WBCで侍JAPANを世界一に導いた原辰徳監督は米国から帰国後、今度は日本一を目指し、1番・亀井義行&2番・鈴木尚広という新機軸を打ち出した。高橋由伸からレギュラーを奪うと日本代表にも選出された亀井、昨季終盤にレギュラーをつかむと3割30盗塁をマークした鈴木。スピード豊かでフレッシュな新1・2番はいかにも魅力的だが、果たしてこれが原監督の理想の形なのかと考えると疑問符が付く。

 パンチのある亀井と昨年に1番で結果を残した鈴木のコンビは、1・2番というよりはダブル1番、いわゆるツートップである。1番が出塁して2番が送る古典的な形で勝負するのではなく、1番が出塁すればカウントを整えてエンドラン、1番が凡退すれば2番が1番に変身、そしていつでも入れ替え可能という掴みにくさで勝負する。機動力野球を伝統とする西武では監督が替われどダブル1番を置くスタイルは変わらず、森祇晶政権時は辻発彦&平野謙、東尾修政権時は松井稼頭夫&大友進、そして現在は片岡易之&栗山巧がこの役割を担っている。

 ところが原監督は、ツートップの使い手ではない。第1次政権時に清水崇行&仁志敏久のダブル1番に挑んだが、清水は最多安打に輝く一方で仁志が輝きを失い、トータルとしては失敗に終わる。それに懲りたのか第2次政権では強打者だが右打ちとつなぎに長けた谷佳知を2番に起用、高橋由とのコンビは“隠れクリーンナップ”ではあったが決してダブル1番ではなかった。鈴木は仁志に比べるとクセのない選手だが、谷のように相手の嫌がることをプレーのファーストチョイスに置くようなタイプでもない。一度は懲りたダブル1番に、なぜまた挑むのか。答えは“セカンド隠し”である。

 巨人は昨季終盤、左打者の脇谷亮太、両打ちの木村拓也、右打者の寺内崇幸の3選手を2番・セカンドで併用した。激しいレギュラー争いの中から調子のいい選手を起用した、と表現すれば聞こえはいいが、つまるところ固定できなかったのである。西武との日本シリーズでは王手をかけて迎えた第6戦で、右投手には脇谷、左投手には木村のセオリーを崩して寺内を起用するも、この寺内が全く機能せず打線は寸断。この試合に敗れると続く第7戦も落とし、日本一を逃したのだ。
 
 攻守ともに確実性に欠ける脇谷、今年37歳の木村、経験値が絶対的に不足している寺内と、どの選手も優勝を目指すチームの絶対的な2番打者には物足りない。打順をやり繰りしてセカンドの選手を8番に回せればスリープラトンでもいいのだが、そこは坂本勇人の定位置だ。他球団や外国から即戦力の2番セカンドを持ってきてしまうと、昨季からの“若手を実戦の中で成長させる”流れを切ることになる。選手層が厚いようで意外と選択肢が限られている中、原監督がセカンドに抜擢したのは3人とは異質のアルフォンゾだった。クリーンナップと7・8番がほぼ決まりである以上、アルフォンゾの行きつく先は6番であり、昨季6番を打った亀井が1番へ、1番の鈴木が空いた2番へスライド。玉突きが収まったとき、新1・2番が誕生していたのだ。

 とはいえ、成長著しく自信もみなぎる亀井&鈴木のダブル1番は、それなりに計算が立つ。問題はアルフォンゾが使い物にならなかった場合で、この35歳のベネズエラ人以外に強打型のセカンドはいないため、打線の見直しを余儀なくされる。気がつけば谷がセンターを守っており、鈴木がセカンドキャンバスの横にいたりしなければいいのだが、はてさて。

posted by Pooh |02:23 | プロ野球・野球日本代表 | コメント(6) | トラックバック(0)
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ダブル1番はセカンド隠し

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はじめから最後まで推測による自己完結。

これでスポーツジャーナリストとはねぇ・・・
夕刊紙の方が合ってるんじゃないの?

もっともこの不況で記者も余ってるそうだから厳しいか。




posted by ある意味おもしろい | 2009-04-04 05:19

ダブル1番はセカンド隠し

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↑↑↑

頑張って書いたんだからそんなに否定ばかりしなくても・・・

posted by K | 2009-04-04 08:31

巨人

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亀井は高橋由からレギュラーを奪い、鈴木尚は谷からレギュラーを奪い、坂本は二岡からレギュラーを奪い、アルフォンゾは木村拓からレギュラーを奪い、巨人は毎年レギュラー争い激しいな

posted by 巨人大好きさん | 2009-04-04 10:10

ダブル1番はセカンド隠し

コメント投稿者ID :

木村の勝負強さ。寺内の守備の上手さ。脇谷の走力、アルフォンゾの実績・・・どの選手も1つは武器を持っていますが、1年間レギュラーを任せるには不安がありますね。

最後に書いてあった「セカンド鈴木」。これが実際に使えたらいいんじゃないですかね? 幸い外野には、田中、加治前、松本と若くて将来を期待できる選手がいるし、ベテランの谷、そして重鎮の高橋がいるわけだし。

それが無理なら、寺内か脇谷を1年間固定して使い続けたほうが、将来的にプラスになると思います。

posted by 仕事人 | 2009-04-20 17:19

ダブル1番はセカンド隠し

コメント投稿者ID :

固定もなにも……この時期はまだ、いろいろ試してる段階じゃないですか? 他チームとの対戦もようやく二回り目に入ったところだし、勝利を優先しつつも、自チーム・他チームの戦力を確認して把握してる時期なのではないか、と。

それから、原監督が「ツートップの使い手ではない」というのも、少し乱暴な推論ではありませんか?
清水選手と仁志選手が単にそのタイプではなかっただけかもしれない(ツートップタイプに見えて、実はそうではなかっただけかもしれない)し、ツートップの攻撃を仕掛けようとしたが、後続のバッターとの兼ね合いでそれができなかっただけかもしれませんし。

さらに、この一か月、確かに亀井選手と鈴木選手の1・2番は思ったほど機能しなかったけど、そのことと「セカンド隠し」を連動させるのは、お書きになってる内容だけでは、少し無理があるように思えます。

そもそも、「2番が送る」=「古典的」なんでしょうか? だとすると、「ツートップ」は近代的? お書きになられているようにかつての「辻さん&平野さん」もそうでしたし、それ以前からもこういったタイプの1・2番コンビは結構ありますよ。
(例えば、80年代前半の広島の高橋さん&山崎さんなど)

posted by ジャイアンツのファンではないけれど | 2009-05-02 11:54

ダブル1番はセカンド隠し

コメント投稿者ID :

皆様、コメントありがとうございます。

■ある意味おもしろい さん
 おっしゃる通り、完全なる自己完結でして、
 これでジャーナリストになれるのなら
 世界はジャーナリストだらけだと思います。

 「こういう見方もあるよ。俺にはこう見えるよ」
 みたいな感じで書きたかったのですが、
 改めてみると、言いきっていますね。よくないです。

■Kさん
 フォローありがとうございます。
 ただ、これは責められるべき文章です(笑)

■巨人大好きさん
 ホントにレギュラー争いがしれつですね。
 昨年あたりからだいぶ実力主義にシフトしており、
 非常にいい傾向だと思います。

■仕事人さん
 確かに、いい選手から8人を選んで、
 その中で守備位置をやりくりするのであれば
 セカンド尚広もアリだと思いますね。
 
■ジャイアンツのファンではないけれど さん
 長文ありがとうございます。
 
 ある意味おもしろいさんへのコメントにも書きましたが、
 この文章は、自分の中では「新看板の1・2番だけど
 実はこうなのかもしれないよ」みたいな感じに
 仕上げたかったのですが、言い切りすぎであります。

 「原監督はツートップの使い手ではない」あたりも、
 おっしゃる通り、乱暴ですね。

 僕の中では、「2番が送る」=「古典的」だと思います。
 “つなぎの4番”“つなぎの5番”とは言っても
 “つなぎの2番”とは言わないですし、
 逆にバントがちょっと少なかったりしたら
 “攻撃的2番”などと言いますから。

 つなぎの2番は古い野球で、
 ツートップが新しい野球、とは思っておりませんが、
 “2番”と聞いて多くの人が思い浮かべるのは
 バント、つなぎ、自己犠牲などではないかと
 考えております。

posted by Kentaro Suzuki | 2009-05-03 02:33

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