2008年09月17日
足りない1ピース
東都大学野球秋季リーグの第3節2回戦が17日(水)、神宮球場で行われた。第1試合では、2点を先制した中大が日大の反撃を継投でかわし、2-1で辛勝。通算成績を1勝1分けとし、勝ち点獲得に王手をかけた。 1塁側の中大ベンチから、高橋善正監督が顔を出す。主審からボールを受け取ると、ゆっくりとマウンドへ。バッテリーと言葉を交わすと、ブルペンへ向かって手まねき。手まねきの先にいたのは、左投手の入江慶亮(1年・浜田)だった。 この日の中大の先発は、山崎雄飛(2年・芝浦工大)。1部昇格にも大きく貢献した主戦格の本格派右腕である。序盤は力みからボールがばらついたが、回を追うごとに無駄な力が抜け、制球が安定。三塁手・志田卓也(2年・静岡市立)らバックの好守にも盛りたてられ、7回まで中大打線を零封する。 迎えた8回、1死から9番・冨田光紀(3年・前橋商)に内野安打を許す。体力的にも精神的にも十分な余裕が感じられたが、左打者の1番・赤嶺慎(3年・沖縄商学)を打席に迎え、思い切りのいい高橋監督は入江への継投を決断した。 春季リーグ戦では出番なしに終わった入江だが、この秋は開幕カードの立正大戦で好投し、指揮官の信頼をつかむ。前日の1回戦でも3イニングを無失点と好救援を披露していた。だが、経験値が絶対的に不足しているだけに、この場面での登板は荷が重い。赤嶺に安打を許し、1死1・3塁と傷口を広げたところでマウンドを降りた。 3番手に告げられたのは渡邊洋平(1年・日大東北)。本来は山崎と先発2本柱を形成する存在だが、自身の不調と澤村拓一(2年・佐野日大)の好調により救援にまわっている。無安打無得点を達成した入れ替え戦の頃と比べると、直球の威力も制球もいまひとつ。だが、キレのあるスライダーを多投し、反撃をスクイズの1点に抑え込む。そのまま9回も続投し、1点差の勝利を手繰り寄せた。 必死の継投で逃げ切った中大だが、気になるのは美馬学(4年・藤代)の状態である。今春の2部リーグで獅子奮迅の働きを見せMVPを獲得した守護神は、入れ替え戦での怪我が長引き、いまだ登板なし。いつもなら“美馬健”となる核弾頭の美馬健太(3年・北照)の名前が“美馬”と表示されているところを見ると、ベンチにも入っていないのだろう。 誰が投げても試合を壊さない先発陣と、捕手・鮫島哲新(2年・鹿児島工)を中心とした固い守り、そして1部の投手の力量に苦しんでいる打線。これらを考慮すると、当然1-0、2-1といったスコアが勝ちパターンになる。この日は幸いにもリードが2点あったが、1点も与えられない場面も今後出てくるであろう。今春、リードした状況で8度マウンドに上がり、1度も同点を許さなかった美馬学は勝利を仕上げる最後の1ピース。“出したら、負けない”背番号18の復帰が待たれる。
posted by jjc_skentaro |17:52 |
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