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錦織の次なる課題 異次元の世界への挑戦 スイス・インドア2016

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スイス・インドア2016ドローが発表されました。 順当にいけば、錦織の対戦相手はQFでゴファンとデルポトロの勝者、SFでラオニッチ、Fでワウリンカとなります。 錦織の怪我の状態が気になるところですが、戦える状態でなければ出場することはないはずです。回復しているものと認識しておきます。

ゴファン との対戦成績は錦織の3ー0です。3試合とも2015年シーズンのマスターズ大会での対戦です。 デルポトロとの対戦成績は錦織の0ー4です。最後の対戦は2012年ロンドン五輪QFです。 ラオニッチとの対戦成績は錦織の5ー2です。2014年に4戦、2015年に2戦しています。 ワウリンカとの対戦成績は錦織の2ー4です。全米SFで錦織は敗退しています。

選手のプレースタイルは把握できるものの、どのようにして現在に至っているか、どのように進化してきたかをを把握するのは困難なことです。そこに至るまでのプロセスを辿るのは相当数の試合を、それなりの期間を通じて観戦していないと把握できるものではありません。たとえ観戦していたとしても時々の課題や強化している戦術等を認識していなければ進化してきたプロセス、選手の現存する能力を見抜くことはできないものと思うのです。 錦織の進化プロセスにおいても同様であり、現在の錦織の実力を測るうえでも過去のプロセスを掴んでおくことは大切だと思うのです。

錦織は2014年シーズンに覚醒しました。しかし、2015年シーズンの錦織包囲網に苦心しました。そこから脱却できたのは2015年の今頃の時期だと認識しています。2016年シーズンにおいても2015年シーズンと同様に一つの課題によりなかなか抜け出すことが出来ませんでした。それはミスをしないという課題でした。しかし、錦織はそこから抜け出そうとしています。いや、抜け出したと受け止めています。象徴的な試合はリオ五輪のナダル戦です。そして、全米QFのマレー戦において2シーズンをかけて培った錦織の完成形を見たように思えるのです。

さて、今シーズンの鍵となる試合と見ている2試合。それは全豪QFのジョコビッチ戦と全米QFのマレー戦です。ジョコビッチ戦は5回は観ていると思いますが、マレー戦はそれ以上に観ました。そこからみる錦織の強みをプロセスを通じて記してみたいと思います。

まずはリターンです。錦織の強みの一つにリターン力があります。しかし、2015年シーズンの錦織包囲網にてこのリターン封じに会いました。それでも錦織はリターンエースをある意味強引に狙いにいきましたがネットに掛けるバックアウトするなどのミスを重ねました。そこで錦織はリスク制御を行いました。センターを中心としたリターンに切り替えました。その為、リターンエース数が減少したものと思います。ここでのコンセプトはミスをしないことにありました。しかし、マレー戦では7本のリターンエースを見せてくれました。ここに進化があります。 1stに対するリターンですが、よっぽどのことがない限りはセンター中心に返します。これは2ndに対するリターンでも同様ですが厳しいサービスに対してはリスクを取らずに兎に角返してラリー戦に持ち込んでいます。 2ndに対するリターンです。リスク制御が出来ています。まずはミスはしないことが第一です。無理なリターンは打ちません。その時はセンター中心に返します。しかし、撃てるサービスは逃しません。おそらくですがある程度パターン化させているのだと思います。 デュースコートからの2ndです。ワイドサービスです。もちろんコースを見極めてですが、ストレートに打つこともありますが主にクロスに打ちます。センター側はクロスにバックハンド側に打ちます。これはリターンエースにならなくても優位に展開することが出来ます。叩きいくと言うよりはコースを丁寧に狙いにいきます。 アドコートからの2ndです。ワイドサービスです。ストレートに打つこともありますが主にクロスに打ちます。センター側はクロスに打つこともありますが主に逆クロスに打ちます。リターンエースにならなくても優位に展開することが出来ます。ボディサービスです。これは2015年シーズンの錦織包囲網にて徹して受けました。錦織はベースライン内に入りこんでリターンエース狙いをしますが、そこにボディサービスを受けるのです。これに対しても見極めます。時に下がります。無理なく返してラリー戦とします。攻撃的なリターンでは回り込み逆クロスとします。バックハンド側に打ちます。このボディサービスへの見極めが冴えてきたと思います。 この2ndに対する錦織のリターン攻撃を受け、サーバーは打つところがなくなってきます。マレー戦でのマレーの2ndポイント獲得率と錦織のリターンエース数のセット毎の推移です。

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錦織の次なる課題 異次元の世界への挑戦 スイス・インドア2016

ヒデキリさん

ネットプレーについては、あえて触れていないかもしれません。
ストロークが改善していることが要因とも思われます。ネットプレーやドロップショットを多様することに対しては、やや懐疑的です。シモン戦でジョコビッチがドロップショットを多様してミスを量産し、その後は暫く封印していました。この種のプレーは上手くいくと評価されますが、そうでない場合は批判を受ける傾向にあります。確かに最近の錦織のネットプレーはキレがあり効果的に決まっています。ボレーはスライス気味に鋭くコントロールされています。錦織の球際の感性は素晴らしいものがあると思います。サーブ&ボレーといえばフェデラーですが、サーブやアプローチの質、ネットを取るタイミングが重要なのでしょう。
ありがとうございます。もう少し踏み込んでみたいと思います。

錦織の次なる課題 異次元の世界への挑戦 スイス・インドア2016

錦織選手についてのコメントを興味深く読ませていただきました。フォアハンドの向上した点やプレイスタイルの改善点など、細かい視点から指摘されていて頷くことがたくさんありました。私が最近感じていることは、ネットプレイが増えてきたということです。錦織選手は、ATPツアーの中でも屈指のストローカーと言っていいと思います。でも、今年は、昨年までよりもネットポイントが増えているように思います。細かいスタッツは分かりませんが、サーブ&ボレーやアプローチショットからのネットプレイが明らかに増えていると思いました。プレイの幅を広げながらスタミナ配分なども考えているのかなと思います。カナダMSのSF対ワウリンカや全米QF対マレーのときもサーブを打った後にフェイントになってポイントを奪った場面がありました。
貴殿がまとめられた終わりの言葉に私も賛同します。「コメントを指示する」だけでは、終わりたくなくて投稿させていただきました。

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