change-the-flow

フォアハンドが導く「圭の時代」へ 錦織スタイルの再構築について

このエントリーをはてなブックマークに追加

「錦織には初制覇を目指して欲しいと思っていましたが、やめました。この一戦キャリアを掛けて全力を尽くして欲しいと思います。」全米オープンQF試合前に記した内容です。マレー戦には全てを出し切らないと勝てないと思いました。頂点を目指すのであればピーキングはそこではないはずです。しかし負けるわけにはいかない一戦でありました。その時、直感的に初制覇よりも重要な課題があるのではないかと思い止まった、それによりその先に勝ち上がることは出来ない可能性は大きくなるが、覚悟のうえの一戦、全てを出し切る、それでよし、何かがそこにあるのではないかと思ったのでした。結果としてSFで敗退することになるのです。
今シーズンビッグ4との対戦は11回、2勝9敗です。9連敗の後2連勝です。2015年シーズンは6戦し1勝5敗です。これは主要大会を中心に勝ち上がった結果であり錦織の活躍を意味しています。それはポイント獲得においても如実に表しています。 2015年シーズンのポイントは4,235ポイント、内訳はGS:775ポイント、MS:1,350ポイント、その他:2,110ポイントです。ところが2016年シーズンのポイントは4,315ポイントと既に2015年シーズンを越えており、その内訳はGS:1,440ポイント、MS:2190、その他:685ポイントと84%をGS・MSでポイントを獲得したことになります。 ここで改めてビッグ4との年度毎の成績を見てみます。勝敗に対戦相手ビッグ4の頭文字を記載しています。
2008年:   0ー1 N 2009年:   0ー0 2010年:   0ー2 DN 2011年:D   1ー3 MNF 2012年:   0ー2 MN 2013年:F   1ー2 MN 2014年:DMF 3ー6 DDNNFF 2015年:N   1ー5 DDMMF 2016年:MN  2ー9 DDDDDMMNN

8勝30敗です。4戦して1勝しているイメージです。

対ジョコビッチ:2勝10敗 対マレー   :2勝 7敗 対ナダル   :2勝 9敗 対フェデラー :2勝 4敗 対ワウリンカ :2勝 4敗

対マレー勝利でビッグ4全員に2勝したことになりました。ワウリンカも追加しました。同じく2勝しています。 ビッグ4同士の対戦内容です。
ジョコビッチ VS マレー  :24勝10敗 ジョコビッチ VS ナダル  :26勝23敗 ジョコビッチ VS フェデラー:23勝22敗 マレー    VS ナダル  : 7勝17敗 マレー    VS フェデラー:11勝14敗 ナダル    VS フェデラー:23勝11敗
こうして見ると、ビッグ4同士の対戦においても相当数の負けを経験していると言うことです。ジョコビッチもマレーも55敗しています。ビッグ4も負けを経験しながら現在の地位を築いてきたということです。錦織はまだ30敗です。しかし、この負け越し状態をそろそろ打破しなければならない時に、分岐点に来ているのではないかと思うのです。ナダル、マレーに連勝している錦織。トップ5の位置を確保しつつある現時点、今後はビッグ4に勝ち越すべく強靭なメンタルを身につけて欲しいと思います。
さて、錦織の全米オープンを終えての内容です。主要大会のウイナー数とUE数を見ておきます。( )はセット平均UE数。シンシナティMSは除いています。

全豪   :170ー169 (10.5) IW    : 78ー 92 (10.2) マイアミ : 95ー133 (10.2) マドリード:126ー126 (12.6) ローマ  :123ー 97 ( 9.7)  全仏   :130ー126 ( 8.4) WB    :102ー 59 ( 5.9) カナダ  :107ー114 (10.3) 全米   :238ー200 ( 8.3)
UE数は減少傾向です。UE数は少ないに越したことはありませんが、単に少なければよいものでもありません。例えばウイナー数とのバランスもあります。錦織のUEに拘ってきたのは、出してはならないミスを課題としていたものですが、そろそろ卒業してもよいかもしれません。おそらくですが、今後の錦織は1セット平均UE数を10以下に抑えることが出来る、不必要なミスは減少するものと見ています。全米オープンの内容では、サービスからの3打目ミスが減少したこと、特にデュースコートからの3打目ミス、フォアハンドの逆クロスがサイドアウトしていたことですが、逆クロスをストレートぎみに打つことによりリスクを抑え、合わせてフォアハンドショットの精度が向上したことにより修正できていました。3打目で決める意識を抑え5打目であるとかラリーの中で活路を見出していました。フォアハンドクロスがサイドアウトしていたミスが気にはなりましたが、攻撃的なミスが多く、責めれられるものではないと思います。更に精度を上げることと、リスク制御と効果のバランスが課題となるかと思います。
これで錦織の今シーズンの目標の一つでありましたGS初制覇は来シーズン以降に持ち越しとなりました。MSも6大会を終えマイアミ、ローマと2大会にて決勝進出しましたが勝てていません。この結果を受けて錦織には何かが足りないということが言えます。このブログは錦織に関しては錦織の目指すところのGS・MS初制覇、ランキングNO1を基準にしています。それを達成できていない現時点おいては目標達成する要素が充足されていない、つまり足りないところがあると言えます。そこで足りない要素とは何かという議論が優先されます。全米オープンQFでは後半戦波に乗るNO2のマレーを撃破したわけであり、その実力があると言う見方もあります。しかし、この大会で優勝するにはランキングNO2に勝ち、NO3に勝ち、NO1に勝たなければ達成できない途方もない山を乗り越えなければならないことを意味するのです。ドロー運もありますが確率の問題もあります。ここではフィジカル面、スタミナの議論は譲ります。GS・MSの優勝はここ数年ジョコビッチやマレーなどトップシード選手がほぼ独占しています。当然に実力があることが理由ではあるのですが、このトップ選手は大きなハンディを受けているのです。ハンディとは一般的には強者が相手側に与えることにあるのですが、テニスの世界では強者がハンディを受けるルールとなっています。このハンディを獲得することこそが初制覇、頂点を目指す一つの条件になるということは間違いないはずです。それには一段一段上がっていき、より大きなハンデを獲得するしかありません。現在錦織はランキング5位であり、第4シードをとること、次は第2シードをとることを目指すことです。当たり前のことではないかという意見もあると思うのですが、その当たり前のことをジョコビッチもマレーも辿り優勝を重ねてきたという事実です。錦織もこの当たり前の道のりを、その権利を先ずは獲得することです。

4ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

フォアハンドが導く「圭の時代」へ 錦織スタイルの再構築について

ヒデキリさん

コメントありがとうございます。
初戦から簡単でない試合の連続でした。フィジカル的と共にメンタル的なスタミナを浪費したイメージでした。GS制覇するためには7戦戦い抜かなければならず、客観的にみると勝ち上がれる状況になかったのではとも感じていました。今シーズンGS・MSの優勝者は第1シード、第2シードで8回、第3シード、第5シード、第12シードが1回づつです。主要大会を取るには、まず第4シード以上を取って初めて権利を得られる位に考えてよいのではないでしょうか。実力があるので優勝できるのであり、実力があるものがシードを取得できるのです。いきなり、頂天を狙うなぞ虫のいい話かもしれません。まずは、そこまで這い上がることでしょう。2014年全米SFですね、ひょっとしたら回帰していたかもしれませんね。一戦一戦得るものがあるよに思えました。全米を犠牲にするなどというのは美化した表現です。制覇して欲しかったというところが本心です。追求し続ける錦織を応援し続けましょう。一緒に。

フォアハンドが導く「圭の時代」へ 錦織スタイルの再構築について

データをもとにしたコメントが興味深かったです。
マレーとのQFを勝ちきったこと自体凄いことなんですが、2014SF勝利との違いが錦織選手のゲームの組み立て方にあった感じています。打てば入るといったテニスではなく、しっかりと狙いと意思のある彼本来のコートに描くテニスをしようとしていたのではないかと思いました。一つ一つのショットに意味を持たせ、最後はどのように決めるかをイメージしながら試合を進めていたように感じました。GS制覇するために、あえて全米を捨てるなどという発想は、思いもよりませんでした。でも、私も筆者と同じように彼のGS制覇までの歩みを観たいと思っています。

こんな記事も読みたい

快進撃を続ける大坂なおみが、自身初のツアー4強! 準決勝はムグルサ(3位)と対戦の可能性も!(東レ・パンパシフィックOP2016)【0 to zeroのhorizon】

日比野菜緒はトップ100に踏みとどまれるのか【女子テニスも熱い】

大坂なおみが世界12位相手に猛チャージ、シード撃破で8強! 生観戦してきました…(東レ・パンパシフィックOP2016)【0 to zeroのhorizon】

ブロガープロフィール

profile-iconjigyakuteki

  • 昨日のページビュー:2183
  • 累計のページビュー:5505941

(09月22日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 錦織よそろそろ気づけ 今のテニススタイルではビッグ4には勝てないことを 敵は己にあり 全米オープン2016
  2. ジョコビッチのメンタルを打ち砕け。マイアミ・オープンF
  3. マスターズ初制覇を果たす日 今ここに 錦織の勝利確率51% 対ジョコビッチ第5戦 ロジャーズ・カップ2016決勝
  4. ナダル戦でのトイレットブレイクについて
  5. 答えは「 NO 」 錦織のローランギャロスが始まる 全仏オープン2017
  6. フォアハンドが導く「圭の時代」へ 錦織スタイルの再構築について
  7. 錦織の攻撃的テニスを封印 勝つためのテニスに徹しろ! ロジャーズカップ2016 
  8. リターンゲームに賭けろ 錦織の完成形とは 対マレー第3戦 全米オープン2016 QF
  9. 錦織の次なる課題 異次元の世界への挑戦 スイス・インドア2016
  10. 真向から戦い抜いた錦織。ぶれずにそのまま突き進め!マイアミ・オープンF

月別アーカイブ

2017
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2016
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2015
12
11
カテゴリー

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年09月22日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss