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錦織のターニングポイント 全豪フェデラー戦をふりかえる ハードコートシーズンに向けて

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錦織の全豪QFフェデラー戦の評価が分かれているようです。 健闘したという見解と、フェデラーの一方的な展開による錦織の不甲斐ない完敗という見解です。イタリア紙の記事が紹介されているように、フェデラーの完全復活を果たすターニングポイントがこの死闘にあったいう見方もあるようです。

フェデラーは勝ち方も知っているし、負け方(負けるパターン)も分かっています。錦織はフェデラーへの勝ち方を知っていることをフェデラーは分かっていて、錦織に警戒しているのではないかと感じることがあります。フェデラーは百戦錬磨の中で勝利を重ねてきた反面、その分負けることも経験してきており自身の弱みも分かっているのだと思います。ここでビッグ4の対戦成績を確認します。

フェデラーはGS19勝しておりビッグ4の中でもリードしていますが、対戦成績では負け越しています。今シーズンにフェデラーの内容を見ている限り負け越す要素はどこにあるのかと不思議な念さえ覚えます。そこで、フェデラーと45試合の対戦をしフェデラーを熟知しているジョコビッチの直近の試合、2016年全豪SFをふりかえります。

このときのジョコビッチは正に一強時代であり全盛期であったと言ってよいでしょう。ジョコビッチは全豪4回戦でシモンと対戦し100ものUEをだしながらもフルセットの末勝利し、QFでは錦織をストレートで破りました。フェデラーとは2015年TFのRRでフェデラーの超攻撃的テニスの前にストレート負けを喫し、決勝でリベンジして以来の対戦となったものです。それだけにジョコビッチはフェデラーの立ち上がりが重要と考えていたのでしょう、第1セットからギヤを上げてきました。試合結果はジョコビッチの6ー1、6ー2、3ー6、6ー3でした。第1セット、第2セットはフェデラーの惨敗、手も足もでない状況でした。改めてこの時期のジョコビッチの強さを感じます。ディフェンス能力の凄さです。コートカバーリング力が優れています。バックハンド側もフォアハンド側に振れらてもスタンスを大きくとり軸を失うことなく振り抜くことができるのです。柔軟性とフットワークが素晴らしいです。ショットも切れがありプレイスメント力があります。この総合力をもってフェデラーを攻め立てます。フェデラーの攻略法はフェデラーに攻めさせないこと。フェデラーは軸を保ち構えてからのショットは威力と精度があるものの、バランスを崩せば恐さはありません。ジョコビッチはバックハンド側深く球を送り、フォアハンド側に振ります。フェデラーはここにミスがでます。ジョコビッチのウイナー数とUE数は第1セットは5ー2、第2セットは12ー4です。フェデラーは6ー12、5ー12です。ジョコビッチにウイナーは特段に必要なく、フェデラーのテニスをさせずにポイントを重ねることだけでよいのです。

これと同様の戦略を錦織に見られました。第1セット前半と第4セットです。第1セットのゲームカウント5ー1までは錦織のUEは手集計で1です。フェデラーのUEは13です。フェデラーが1stが入らないところを叩いていったことと、バックハンド側に集めフォアハンド側に振りました。フェデラーのバランスを崩しにかかったのです。第2セット、第3セットは取られたものの、第4セットは改めてフェデラー攻略をします。錦織のウイナー数とUE数は8ー3、フェデラーは21ー11です。錦織には特段ウイナーは必要ありませんでした。改めてフェデラーのバランスを崩しにいったのです。
第2セット、第3セットはフェデラーペースでした。 第2セット第7ゲーム、錦織がもっともしてはならいと思っていたミスがでます。15ー15から錦織の2nd、フェデラーは高い軌道のフォアハンドを深く、錦織のセンターよりフォアハンド側へ投じます。これを錦織はややリスクをとりフォアハンドをストレートに放ちます。これがロング。ここからAズベレフ戦やチリッチ戦にみせた、ミス誘発戦略が始まります。第3セットはフェデラーが錦織のバランスを崩します。 このペースの奪い合いが焦点だと思いました。第4セットに錦織がペースを奪いファイナルセットに突入するのですが、錦織はMTOをとるなどフィジカル面の弱さを露呈しました。

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「錦織のターニングポイント 全豪フェデラー戦をふりかえる ハードコートシーズンに向けて」へのコメント

錦織が嫌いさん

錦織酷評コメント、ありがとうございます。
錦織に対する批判は日に日に増してるように感じられます。錦織を応援する立場としては、一般には複雑な想いに狩られるのではないかと思いますが、それも仕方ないことだと思いつつ、私はここは、ぐっとこらえて頑張ろうなんて、自分を励ましています。マナーの悪さは改善すべきでしょうが、今の錦織は良い子を装う必要はないと思っています。錦織が最高の選手ではありませんが、上を目指しているはずですので、それを応援するスタンスの内容にはなります。にわかファンという言葉が飛び交いましたが、にわかファンではなくなる、もあってしかるべきと思います。しかし、錦織は頑張っているはずですし、直ぐにはつかないスタミナ強化も図っているようですし、壁ははるかに高いですが、ここは踏ん張るとき、実力は一期にはつかず、気付いたときに備わっていたりします。批判は気にせず、頑張って欲しいですね。

錦織にはGS優勝者の品格が無い

この記事ではいかにも錦織は世界最高の選手的に取り扱っているけれどコートマナーの悪さ、MTUの取り方、と言った点で汚さを感じる。
今年度は体力的に問題が見られる。
少し厳しい試合になると肩で息をし如何にも苦しそう、ビックフォーには見られない状態だ。
昨年彼女が出来てから練習が十分で無いと言ううわさを聞いたがまんざら嘘ではないようだ。
もう伸びしろは無いと思うのです。
何故なら錦織より若い選手の伸びが著しく追い越されるのも時間の問題と感じるからです。

「錦織のターニングポイント 全豪フェデラー戦をふりかえる ハードコートシーズンに向けて」へのコメント

ポンさん

その通りですね。念のためカウントしてみました。ハードではフェデラーの10ー9、グラスでは、フェデラーの2ー1、クレーではフェデラーの2ー13でした。クレーでの負け越しは想定内ですが、ハード、グラスとも1勝差、今シーズンまでは2勝ナダルが上回っていたことになりますね。
全豪の見解は錦織完敗派ですね。錦織ペースでファイルに入ったのですが、錦織は足が動いでませんでした。第2ゲームでミスがでました。フィジカル面を入れた総合力では完敗でしょう。内容は負けていなかったと思いますが・・・、今期リベンジマッチを期待します。
コメント、ありがとうございます。

「錦織のターニングポイント 全豪フェデラー戦をふりかえる ハードコートシーズンに向けて」へのコメント

うんさん。

いつも私の記事にお付き合い頂き、ありがとうございます。
ナダルは一般に守備的です。守備的と攻撃的についてもう少し考えてみたいと思います。
ウイナーとUEについては、スタッツ表示されるので分かりやすさがあるとは思います。以前よりFE分析とやらを、やっているのはご存知かもしれませんが、テニスはポイントを取り合うゲームです。必ずしもウイナーを多くとればよいものではありません。FEを犯すと言うよりもFEを多く犯させるのが主旨です。むしろ、フェデラーのスタッツを比較していることがポイントです。私は大きくくりとしてはFE+UEで考えています。大会によって判定に違いがありますし、微妙な判定もあります。あの第4セットは、改めて錦織はフェデラーを崩しにかかりました。第1ゲームだったかと思いますが、錦織のフェデラー崩し攻撃でポイントを取られたあとエース3本とりました(内1本はサービスエース)あのセットはペースの凌ぎあいだったと思います。フェデラーにも危機感があったはずです。試合後の喜びようからも伺われます。あくまでも、スタッツとかウイナー数とかUE数だとかは試合の結果をデータとしただけです。しかし、試合中にその流れ(推移)をみていると分かり易いです。選手は感じとっているとは思いますが、今何が重要とかです。解説者の中では辻野隆三氏はこの流れをみていますね。FE等、いつも他の選手の内容も分析していますが、納得感を感じられよう頑張ってみます。BPSやBPCについてはあまり意識していません。もちろん高いことにこしたことはありません。アグート戦では決定力不足を錦織自身も言及していましたが、確かに取れていれば流れは変わったでしょうが、それよりミスの多さが問題かと思いますした。ミュラー戦のナダルもBPCはさらに悪かったですし。この分析ですね。BPSを上げるにはサービスが1stが、BPCを上げるにはリターンが重要になるわけですが、むしろ攻撃的にでたときの精度が大切かもですね。考えてみます。

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