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錦織とマレーの攻防 マインド選択とショット選択 フォアハンドとバックハンド 全仏オープン2017QF

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全仏オープンQF、錦織はマレーに6ー2、1ー6、6ー7、1ー6で敗退しました。

錦織は悔やむポイントを第3セットとしているのですが、むしろ第2セットにあったのではないかと思います。この対戦で11回目となり3年で7回の対戦と手の内を十分に分かっている両者です。錦織のマレーに対する戦略、マレーの戦略を理解して冷静に遂行する必要があったのだと思います。

両者の過去の対戦内容から、勝敗を決するファクターの一つはUE数です。まずは、ウイナー数とUE数から見てみます。セットを①②③④で表します。

①錦織:10ー 6、マレー: 5ー10 ②錦織: 8ー13、マレー: 7ー 5 ③錦織: 9ー15、マレー:10ー 9 ④錦織: 6ー11、マレー: 9ー 2

UE数が少ない者がセットを奪っています。よってミスをしては勝てないという原則はけっして乱暴なものではないでしょう。このプログではUE数を減少させることに、錦織の大きな課題として拘り続けてきました。度々、ミスを減らす意識に拘っては勝てないのではないかというご意見を頂くのですが、はじめに申し上げておきます。単にミスを減らすことだけに意識すると浅いショット等のイメージを抱かれるようですが、そうではありません。前提は勝利です。それで勝てるわけはありません。仮に浅く入れたとしてもそれにより更にミスが増大する可能性が高まるかもしれません。簡単な話ではないようです。UE減少に拘ると錦織は勝てないという議論、ご意見は根拠を示して頂いた上でお願いします。

前の記事におきまして、錦織の全仏制覇の3条件として以下のようにあげさせて頂きました。

①ミスをしない安定したストローク ②相手のテニスを奪う ③隙を見逃さない冷静な精度ある攻撃力

大変偉そうな書きぶりで申し訳ないのですが、これが今季の錦織の課題だと考えており、おそらく今後も拘らせて頂くことになると思います。

2回戦のシャルディー戦の2セットまでは、この3条件を見事に遂行しました。リスクをとった強打はしませんでした。相手の攻めを封じ、安定したストロークと展開力で見事なテニスを演じました。UEは2セットとも4でした。少し違うにしても、マレー戦の第1セットは3条件が揃った素晴らしいテニスを展開しました。マレーのテニスが決してよくなかったという見方もあるようですが、結果論かもしれませんがマレーのテニスをさせていないので、当然よくないのです。

全米を思いだしました。立ち上がりの第1ゲームが重要と錦織は攻撃的な展開で40ー0とブレイクチャンスを握りますが、力みミスがでます。その後マレーにペースを握られ第1セットを落としました。この試合も第1ゲームは力みがあり2つのUEがでました。しかし、展開力がありました。ここで言う展開力とは、ミスのない丁寧なストロークで相手に攻撃させないショット、錦織のリズムで主導権を握った展開です。これさえ出来ていれば相手のテニスを封印でき、リスクを取らなくともウイナーをとることもできれば、理想としてはミスを誘発出来るのです。

第1セットを先取した錦織にとって重要なのは第2セットの立ち上がりです。錦織は十分に理解した上で積極的な展開としますが、力みがでます。バックハンド、フォアハンドともにバックアウトのミスがでます。第3ゲームのタイムバイオレーションですが、確かにマレーの雄叫びと不屈の精神力を引き出す契機になったように思えますが、あの場面マレーとしても重要な局面だったのです。第1セットを錦織のテニスに屈しての第2セット、ここでブレイクを奪われるようであれば、ペースをそのまま錦織に譲ることになりかねないからです。しかも、40ー0からマレーのミスもありデュースの場面なのです。錦織にとっても先にブレイクを奪いたい絶好のチャンスでもあったからです。しかし、ここでも錦織はマレーの2ndをロングしてしまうのでした。錦織のメンタルの弱さと言われるのであればこのパターンです。ポイントの取り急ぎです。冷静さをかきます。それが、第4ゲーム以降に引きずります。この時点のUE数は両者とも3であり、錦織のやるべきことを原点に立ち返って遂行すればよかったのです。まだブレイクを奪われたわけでもないのです。第4ゲーム、偶然かワイドの2ndをエースとします。そのあとサービスからの3打目のバックハンドをネットにかけUEとします。そして、バックハンドをネットにかけるUE、スマッシュをロング、DF、とブレイク献上、一気に崩れます。

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「錦織とマレーの攻防 マインド選択とショット選択 フォアハンドとバックハンド 全仏オープン2017QF」へのコメント

tomyさん

長文、拘りのコメント大歓迎、嬉しく感じています。ありがとうございます。考えていることを表現するのは難しいです、しかも短文となると真意が更に伝わらなかったりします。しかし、継続は力なりで分かり合える部分も徐々に醸成してくるように思います。

気になりましたワードは「守る」です。当然に守備力は要求されます。しかし、言及させて頂いているUE数減少には「守る」というコンセプトはありません。ジョコビッチやマレーは守備的と言われます。しかし、守ることを主にしているわけではないと思います。テニスに言う攻撃的とは何かですが、ウイナーを取ることでしょうか、スタイルにもよりますが、ポイントを取るための戦略でしょう。ジョコビッチは攻守一体型と言われましたが、リスクを抑えミス誘発をします。ジョコビッチやマレーは相対的にウイナー数やUE数が少ないです。ではどこでポイントを奪っているのかと言うと、相手のUE数+FE数です。この両者もミス多発することがあります。リスクを取ったショットや強打をした時などです。このときの両者は敗色が強まります。強いときの両者は3条件が揃っています。私の中ではミス誘発は攻撃的です。

違うのかもしれませんが、ミスを恐れずにウイナーをとるというご主張だと思います。私の基本スタンスは錦織と共闘です。現在の錦織の課題、陣営の戦略を意識しています。おそらくですが陣営はリスクを許容してウイナーをとるとは考えていないと推測します。もちろん場面や相手にもよります。

シャルディ戦を例にすると分かりやすいです。3条件を備えた戦略は第1、第2セット、ウイナー数UE数は9ー4、12ー4、リスクを許容していません。第3セットは力みがあり相手のテニスを許しリスクを許容した戦略18ー14です。

これまでのプロセスがあります。2016年シーズンミスに苦心しました。錦織特有のミスのパターンがありました。サービスからの3打目ミス、フォア逆クロスのサイドアウト、ネットにかける、フォアのバックアウトです。相当に改善しています。逆クロスのミスは影をひそめました。サービスからの3打目ミスも減少しました。ミスをなくして決めのショットを放つ改善を図ったプロセスです。

リスクを許容してウイナーをとるスタイルではビッグサーバーやワウリンカ、ティエム等でしょう、リスクを許容しないのは、ジョコビッチ、マレー、ナダル、フェデラーのビッグ4など、錦織はビッグ4に勝利するには更なる改善が必要です。トップ選手に対峙する戦略です。
全豪のフェデラー戦では第5セットの3つのミス、マレー戦の第2セット第3ゲームのフォアハンドロング、タイブレークのフォアハンドのロング、重要な局面のミス。これらをなくすことが錦織には必要と思います。勝利のためになにが必要なのかと考えるべきです。3条件を備えたテニスと考えます。マインドの選択がそこにあると思います。リスクをとる場面なのかという判断力です。WBに向けてもです。

バックハンドですが、全米があり全仏があります。マレーは相当に錦織を研究していました。よくみると、内容の深い攻防であったと思います。攻防のポイントを理解すると違った観戦ができると思います。




「錦織とマレーの攻防 マインド選択とショット選択 フォアハンドとバックハンド 全仏オープン2017QF」へのコメント

確かに各セットを取ったのはミスが少ない方となっています。しかし見方を変えるとWが先行している方ともとれます。特に錦織が取った1stセットはミスの倍近くWを取っています。全仏1-4Rまでの公式にでているW-UEは1Rから47-24 39-22 62-69 34-46 となっています。圧倒した1-2Rはやはりミスの倍近くWを取っています。一方、極端に悪いセットがあった3-4Rはミスが先行しています。しかしミスと同等近くWを取ってもいます。やはり私のなかでは錦織は攻撃的なスタイルなのでミスは多少許容していかなくてはいけないと思っています。最近は若干多いですが。攻めていくことで相手は焦り結果的にミスをさせることに繋がると思います。あとは錦織自身のミスが特定のゲームに集中しないことが大切です。

攻めるために守ることも時には大切になってきます。相手が攻め込んでいる時に無理に攻めろとはいいません。もう少し守ることに意識を向けてもらいたいとは思いますが錦織テニスの真髄は攻撃にあると思います。マイケル チャンのコーチ就任以前は今よりベースライン後ろに下がって守備的な組み立てが多かったです。そこから今に至るまでポジションを上げることで勝ってきました。

ここ数年ジョコビッチの支配が長く続いたことでミスを誘う、守備型の方が良くみえてしまうこともあるのではないでしょうか?そのテニスを上回るにはやはり攻撃ではないかと。

2ndセット頭のミスはクリーンに打ったうえでのバックアウトなので積極的なプレーの結果だと捉えてます。ネットにかけるミスなどよりよほどいいです。それよりもボディ付近のバックからフォアクロスに展開する方が悪かったと思います。マレーと比べて相対的に劣るフォアクロスよりもバックで展開するべきだったかなぁと。

あまりメンタルという言葉を使いたくないですが、バイオレーション後のゲームをキープして吠えたマレーはクラッチすべき所をわかっている、メンタルの強さを感じます。あそこを落としたら負けると思っていたのでしょうね。

いつも以上の長文失礼しました。

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