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マレーのテニスを奪え 錦織のメンタルは決して弱くない 全仏オープン2017 QF

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錦織の全仏初制覇のために唱えてきた3条件。

①ミスをしない安定したストローク。 ②相手のテニスを奪う。 ③隙を見逃さない冷静な精度ある攻撃力。

マレーは既に全ての条件を持ち合わせています。だからこそNO1なのです。 テニスとは球を交互に打ち合い、相手側のコートに球を返球する競技です。それが相手のコートに返球されないときに相手のポイントとして蓄積されます。勝利するためには、相手の強打を打たせない、相手のテニスをさせない攻めさせないことが大きな要素となります。その様な展開となれば絶好のウイニングショットを打つタイミングが訪れ、あとは冷静に決めるだけであり、そこにはリスクという言葉はありません。3条件が揃ったトッププレーヤ同士のテニスでは主導権争い、壮絶な凌ぎ合いがが繰り広げられることとなるのです。

全仏オープンQF、錦織はマレーとの対戦となりました。この両雄はライバル同士とも言われるようになった特別な対戦とも言えます。2016年全米、マレーはトップを目指す過程に錦織に敗戦の刻印をおされてしまいました。そんなマレーも復調の兆しを感じさせます。デルポトロにはストレート勝利をあげ、マレーはNO1であることを言及させました。対戦成績は錦織の2勝8敗、昨シーズンは4回の対戦がありました。デ杯では錦織の善戦、リオ五輪ではマレーが強さを見せつけ、全米では錦織の勝利、TFではマレーのリベンジ、今季は初対戦となります。これまでの対戦では、立ち上がりが重要であり錦織の攻撃的な展開によりペースを掴むことを戦略の一つと考えていました。しかし、リスクを取った攻めでミスがでます。全米ではそれをマレーに阻まれた形でした。第1セットは1ー6でこのまま惨敗してしまうのかと懸念されました。ベルダスコ戦と同様にです。

ベルダスコ戦の立ち上がり、第1セット、フォアハンドとヘビースピンにより完全に錦織はテニスを奪われていました。第2セット、ベルダスコはブレイクバックをした後のサービスゲームを3連続ラブゲームキープとします。錦織は深いショットを心がけ錦織のサービスゲーム凌ぎ、このセットを取ります。錦織のショットは深さと精度を徐々に上げていきます。第4セットになると、錦織のUE数は3、ベルダスコのテニスを奪っていました。シャルデイ戦の第1、2セットの錦織のUEは4でした。これらのセットでは錦織に力みがなく、相手をなす術がない状態に追い込んでいました。

ここで、マレーと錦織の4回戦までのスタッツ等を比較してみました。特徴的なのは2ndポイント獲得率です。試合毎です。

錦織:50ー43ー52ー47 マレー:54ー62ー61ー67

UE数セット平均数です。

錦織:6ー7.3ー13.8ー11.5 マレー:6ー7.2ー9.3ー4.7

以前にマレーの強さを「UE5の壁」と表現させて頂きました。マレーはミスをしないのです。マレーはその状態に近づきつつあるのかもしれません。

全米では、立ち上がりに錦織は攻撃的な展開をみせます。3条件でいう、②の錦織のペースで攻め込みマレーのテニスをさせない。それにより③のマレーの冷静な攻撃を失い、リスクをとった攻撃により①のミスを引き出す戦略。マレーはペースを引き込めない場合、リスクをとりミス多発する傾向があるのです。これはジョコビッチも同様です。しかし、このリスクを取った戦略は失敗に終わります。

全米での錦織の勝利は、リスクを抑えたことにあります。今回も解説する予定の松岡修造氏が言うジワジワ攻めるでした。途中まではバックハンドラリーを軸としていましたが、フォアハンドに切り替えました。振り切るフォアハンドのキレによりFEをとれマレーのミスを誘い、マレーのテニスを崩したのでした。

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この記事へのコメントコメント一覧

「マレーのテニスを奪え 錦織のメンタルは決して弱くない 全仏オープン2017 QF」へのコメント

tomyさん

結果を出しているときはメンタルが強いなどとは言われず、そうでないときは非難されるのは世の常というものかもしれません。
メンタルの強さは、フィジカルの強さや技術的側面が起因すると思います。マレーはメンタルは強いと思いますが、そこにもフィジカルや技術的な側面がらあると思います。一方、フェデラーは勝者のメンタルと表現しましたが、そこにも技術的な側面等があると思います。もう少し、ゆっくりと検証してみたいと思います。ここのところ観戦環境がよくなく、錦織戦はスマホ 観戦でした。錦織はこの敗戦をどの様に受け止めているのか。
踏み込んだご意見、ありがとうございました。

「マレーのテニスを奪え 錦織のメンタルは決して弱くない 全仏オープン2017 QF」へのコメント

しゃぶるセールスマン さん

コメント、ありがとうございます。
マレーからみると、不調と言われる中、デルポトロ、ガチャノフとストレート勝利し復調してきたと言えると思います。2ndアタックにしろストロークのプレッシャーにしろ、正確性にしろ強いマレーが戻ってきていますね。この点は喜ばしいことと思います。
錦織のでは1stは異常でした。力がらはいらないのでしょうか。錦織の完敗でした。今回は。

「マレーのテニスを奪え 錦織のメンタルは決して弱くない 全仏オープン2017 QF」へのコメント

うんさん

そうですね。メンタルが弱いと言われても仕方ない内容でしたね。しかし、修造氏は影響力もあり、もう少し技術的な側面からの解説があってもよいかな、と思ったりしますね。精神論も重要ですが。テニスの内容、状態は錦織自身しか分からない部分はあると思いますが、どの様に受け止めればよいか難しいところです。

「マレーのテニスを奪え 錦織のメンタルは決して弱くない 全仏オープン2017 QF」へのコメント

最近のテニスの記事やブログなどでは敗因にメンタルを上げておけばそれらしく見えてしまい、それで片付いてしまう傾向にありますね。
メンタルと一口に言うのは簡単ですが、それで原因、要因の追求を放棄してしまう、きちんとした分析ができないことを証明してると思うんですよね。私自身メンタルで片付けているものを見ると何だかなぁとなります。
メンタルが弱かったといっても結局それは練習の積み重ねでしか身につかないものですし総合力で劣っていたことになるんですよ。
チャンスボールをミスしたらそれはメンタルではなく決定力など、ピンチをしのげなかったらそれはディフェンスが悪かったのか相手に決められてしまったのか、など結局は技術に行き着くはずなんです。
決して錦織のメンタルは弱くはないと思いますよ。2日に渡った3Rでは4thを落としてもファイナルをきちんと締め、4Rではベーグル焼かれてから持ち直して。これで弱いなら大半弱くなってしまいます。どちらかというと錦織は集中力の低下したポイントが分散されず一極集中しちゃうことの方が多いのかなぁと、メンタルというよりは。

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