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錦織の全仏初制覇の条件が揃ってしまった 進化したフォアハンド 全仏オープン2017 R64

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全仏オープン2回戦、錦織はシャルディに6ー3、6ー0、7ー6のストレートで勝利し3回戦に駒を進めました。

錦織は第1セット第1ゲームにフォアハンドがバックアウトする2つのUEをだしブレイクを与えましたが、シャルディに2つのサービスゲームキープを許した後、第3セット第3ゲームまで6連続ブレイクを奪うという凄まじいテニスを展開しました。第1セットは31分、第2セットは27分でした。勝てばよいというものではありませんが、この日の錦織は違いました。

錦織のミスは第1セット8、第2セットは7でした。これはUEではありません。ミスです。FE4+UE4=8、FE3 + UE4=7です。一体これは何なのかと思います。前記事まで錦織のバックハンドに傾注した記事内容としていました。一つは手首の怪我の影響も意識していましたが、ローマまででのフォアハンドは甘く入っておりフォアハンドに期待するのは無理があるというのが理由の一つでもありました。この日の錦織はバックハンドは好調でしたが注目されるのはフォアハンドでした。

この試合、錦織は優位に展開していましたが、決してハードヒットする訳でなく、バックハンド側に集める訳でもなく、DTLを多用する訳でもなく、バックハンドの鋭角なクロスを多く決めていた訳でもありませんでした。力が抜けていて左右に打ち分けていたイメージでした。

何度と無く取り上げさせて頂いています全米マレー戦等では、振り切るフォアハンドを武器としての活躍でした。ここで言う振り切るフォアハンドとは、ある意味強打です。スタンスを45度ほどにとり、軸を中心にフォアハンドを振り切り、スタンスが逆になります。ハードコートではウイナーを取れなくてもFEを取ることが出来ました。今季に入っても、この振り切るフォアハンドを使用していました。フェデラー戦でも機能していました。しかし、南米クレー大会では振り切るフォアハンドが浅く入り、その威力を発揮できないでいました。その後フォアハンドの打ち方に変化をつけていた様子でした。デルポトロ戦などマスターズ大会ではセミオープンスタンスのまま、スタンスを崩さずに振り抜いていていました。

この試合では振り切るフォアハンドを緩やかに振り抜くイメージ、ラケットのスイングに合わせて軸を中心に振り抜くイメージとしていました。45度ほどのスタンスからスイングをし、打ち終わりはスタンスが逆になります。これはトップ選手のテニスです。強打する訳ではなく、左右に深くコントロールしていきます。コースを抜く見事なウイナーも取れます。コーナーに置きいくようなショットも見せていました。ジョコビッチやマレーのフォアハンドにも近いと思います。しかし、球質が違います。マレーのショットは跳ねて球威がないイメージ、ジョコビッチはマレーよりは伸びるイメージですが、錦織のショットは早く伸びる、攻撃的に時間を奪うようなイメージに見えます。

このショットはフィジカル的にも負担感はなく、強打するわけではないのでリスクを取らずにミスを避けることができ、攻撃的な展開を可能とします。バックハンドとのコンビネーションもよく、フットワークもよく、バランスもよく、ショットの選択もよく、ドロップショット等を交え、深い球を更に深く返し、非の打ち所がないテニスを展開をしていました。

シャルディは優勝候補にナダル、ジョコビッチ、そして錦織をあげたらしいですが、正に強者のテニスでした。ミスをしない安定したストロークで、相手にテニスをさせず、隙を見逃さない冷静な精度ある攻撃。この3条件が揃ってしまいました。

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この記事へのコメントコメント一覧

「錦織の全仏初制覇の条件が揃ってしまった 進化したフォアハンド 全仏オープン2017 R64」へのコメント

うんさん

コメント、ありがとうございます。
フラストレーションをどの様に解消するのか、またそれをプラスのマインドに変換できるのかが課題と思います。メンタル強化は錦織も陣営も大きな課題として捉えているはずです。簡単ではないでしょうが期待しましょう。

ミス多発については、このブログで最大課題の一つとして取り上げています。リスクを恐れないとの声も多いようですが、UEは最小限にすべきと考えています。相手と情況にもよりますがリスク制御の問題ですね。

錦織の全仏初制覇の条件が揃ってしまった 進化したフォアハンド 全仏オープン2017 R64

Change-the-flowさんUkaさん、返信ありがとうございました。
錦織選手の場合例えTwo Breaks Upしていても、突然抜け(UE多発)てしまうかもと心配になってしまいます。(余計なお世話ですね。。。)
本人は油断している訳ではないのでしょうが、トップ選手はこの現象が少なく思います。ここを克服できれば更に上のランク、頂上も狙えるのではないかと期待してます。

昨日の試合は錦織選手の打球の多くがサービスライン付近に落ちて浅くなっている点が気になりました。ヒョン選手の球質が良いからなのか?錦織選手の返球が浅いからヒョン選手に攻められるのか?私にはわかりませんが、テレビを見ながらもっと深く深くと叫んでしまいました。

色々と批判めいた事も書いてしまいましたが、錦織選手は本当に高いレベルで戦っていて、我々はこんなレベルで戦う日本人選手を応援できるなんて本当に幸せだといつも思ってます。錦織選手ありがとう。
今日も頑張って応援します。

錦織の全仏初制覇の条件が揃ってしまった 進化したフォアハンド 全仏オープン2017 R64

チョン戦は雨のおかげで首の皮一枚つながったってところ。あのままなら負けてた。

1・2セットでチョンのファーストが糞なときから、錦織はセットは取ったものの一人相撲なUEをしてて(多分本人もこれでフラストレーション貯めてた)、3セット目以降、相手のサーブが入り始めると、とたんブレイクできなくなり、タイブレでセットダウン。続く4ゲームは連続ブレイク。

相手もずっとストレスフルな展開だったろうに、あのスタイルを続けたメンタルは凄い。翻って経験もずっと上な筈の錦織はラケ虐で警告もらって観客からもブーイングを受けるという有様。しかもその後も立て直せず。これがtop10選手のGSでの振る舞いだろうか?以前錦織がラケ虐した時に、擁護したり、果ては称賛するような者がいたが、大きな間違いだったことがはっきりした。

何度も言われてるがいい加減錦織は1試合毎どころか1セット毎にぐら付くメンタルをどうにかしないといけない。
それと、リスクリターンを踏まえた効率的な攻撃をするべき。自分と相手の調子やポイントの状況を踏まえて、不要な強打や無理にオンラインを狙うようなことはやめないと。満身創痍なんだから、勝てるゲームを長引かせてしまうようなプレーはやめて上手く勝つことを学ばないといけない。

錦織の全仏初制覇の条件が揃ってしまった 進化したフォアハンド 全仏オープン2017 R64

ukaさん

コメント、ありがとうございます。
fukuさんも同様なご意見を述べられています。
今は試合中ですので、再開後どのような戦略で臨むかを優先したいと思います。

ご指摘のコメントは2016年シーズンに錦織が課題としていたUE多発の問題と思われます。当時、トップ選手からの発言を私も記憶しているところです。錦織のリズムで展開している中、サービスゲームでUEを多発してブレイクを奪われる現象であり、このブログでも幾度と無く取り上げさせて頂きました。しかし、その後錦織のテニススタイル変化、技術の進化により、当時の言う集中力が途絶えることとは別の課題かもしれません。またはご指摘の通りかもしれません。改めて考えてみたいと思います。

さて、チヨン・ヒョンですが、下半身が安定しており重いショットを放ってきます。構えて打たれると、デルポトロと同様に、かなりの破壊力があります。構えて打たせないことがポイントになるでしょう。陣営は寝ずにこれまでの試合を分析しているのではないでしょうか、しかし、それはチヨン・ヒョン陣営も同様です。これまでの錦織のUEはネットにかけるが18、バックアウトが18、サイドアウトが15です。ネットにかけるミスはバックハンドが多いです。またFE数49の内33がサービスポイントでありリターンが課題となります。

大変難解です。第4セット第4ゲームからです。2ブレイクを許している状況であり、第4セットの戦い方をどうするかもポイントです。ここは陣営のアドバイスが重要です。全仏優勝を果たしているマイケル・チャンコーチ。勝利ありきの不屈の精神力が要求されます。ここで負けるわけには何があってもなりません。前だけを向いて、錦織と共に闘いたいと思います。

ご意見ありとうございます。また、お待ちしています。

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