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強者の3条件 バルセロナ・オープン2017決勝

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ここまでのフェデラー、ナダルの復活、マレーの復調と不足した部分を見て共通したファクターが感じとれます。それは安定した守備力です。フェデラーはウイナーを簡単に決めてくるように見えますが繋ぐところは繋ぎます。しかも深い返球で相手に攻めさせる余地を与えません。ナダルも同様にミスが少なく球を拾いコートカバーリング力に優れています。スピンを効かせて球威があり相手に攻めさせません。真の凡ミスを除きミスは大きく2つに分かれるように思えます。一つは相手の攻撃的なショットにたまらず返球出来ないような受動的ミスです、もう一つは攻撃的なショットがネットに掛けたりバックアウトする能動的ミスです。安定した守備力を前提に相手の攻撃力によるミスか、攻撃する際のミスです。この受動的ミスと胎動的ミスを減らす必要性があります。前者は攻めさせない、後者はミスをせずにウイナー等を決める冷静さと高い精度とが求められるのでしょう。これをまとめると、ミスをしない安定したストロークに、攻めさせない、隙を見逃さずに冷静な精度ある攻撃力、この3条件を揃えた者が強者と言えそうです。

バルセロナ・オープン決勝が行われ、ナダルがティエムに6ー4、6ー1のストレートで勝利し、2年連続10回目の優勝を飾りました。 ナダルは赤土の王者らしい強さを発揮しました。好調です。2016年シーズンはクレーシーズンに向けて調整しモンテカルロMS、バルセロナと連勝しましたが、今季も同様に連覇しました。2016年シーズンとの違いは全豪、マイアミと準優勝した上でのこの2大会連勝、フィジカル的にも問題を感じさせずに今後も期待が持てそうだということです。レースランキングではフェデラーの4,045ポイントにつぎ3,735ポイントと2位、フェデラーを射程距離に捉えました。フェデラーは来週から始まるマドリードMS、ローマMSは欠場、ナダルの快進撃はフェデラーに焦りを感じさせ全仏出場を決意させているのかもしれません。

ティエムは杉田戦、マレー戦を観戦し進化を感じさせられました。安定感を感じました。ティエムの強さはフォアハンド、バックハンド共に一打で決めることができるパワフルなショットにあります。しかし、バックアウト等するミスが上位選手を打破することを妨げていました。そこを丁寧にスライス等を交えながら繋ぎながら冷静に攻撃の瞬間を伺う上手さを身につけたように思えていました。前季当初よりティエムはトップ10に入れると思いました。そして想定を超えた速度で駆け上がりました。シュトウットガルト、ニースで勝利し全仏SF進出で一気にトップ10入りしました。しかし、ここにトップ5の壁があります。これは2016年シーズン錦織同様のミスをしてはならないという課題です。錦織の場合はサービスからの3打目をサイドアウトする、攻撃的な場面でバックアウト、サイドアウトするなどのミスが目立ちました。トップ5の壁を突発するにはミスすることなくウイナー、FEを決めなくてはならないのです。この点では今季の驚異的なフェデラーがスーパーです。そのような場面でウイナーを決めてくるのかと愕然とします。好調時のジョコビッチ、マレーはFEでポイントを重ねるスタイルです。この壁を越えた錦織は後者のFEを奪る攻撃パターンを手にしたことによります。今季の伸び悩みは遅いサーフェイスでの対応です。マレーが前半戦を不得意としているのは錦織と類似しているものとみています。

ティエムはナダルには通用しませんでした。第1セットのウイナー数とUE数はナダルの9ー10に対して、ティエムの10ー19でした。FE数はナダル11に対してティエムの10でありUE数で勝敗を分けました。ティエムのUE数の内訳はバックアウト、サイドアウトが7でショットがロングしています。ナダルのミスの少ない守備力と隙を見逃さないショットがティエムのテニスに攻撃的なミスを誘発します。第10ゲームは4つのUEでナダルにブレイクを献上し第1セットを落とします。 第2セットになっても流れは変わりません。ウイナー数とUE数はナダルの5ー6、ティエムの7ー17です。ティエムのUE数の内訳はバックアウトが8、サイドアウトが7でした。ナダルが2つのブレイクを奪い勝利しました。ナダルの1st確率、1stポイント獲得率、2ndポイント獲得率は61%ー71%ー72%と完勝と言ってよいでしょう。同じ片手バックハンドのフェデラーのウイナーはベースラインの内側に入り込んでの強打等であり確信を持った一打ですが、ティエムの強打にはリスクがあります。ロングする可能性はあるが強打するといったものです。ティエムは多くの試合をこなし着実に進化をしているものの、もう少し時間が必要かもしれません。ティエムはまだ23歳です。

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強者の3条件 バルセロナ・オープン2017決勝

単なる記憶 さん

コメント、ありがとうございます。感銘しました。
ご指摘の通り適切でないです。2008年までハンブルクです。マドリードは2009年から、それまではハードでした。ハンブルクの2005年優勝者はフェデラーでした。確認した上で記するよう気をつけます。
正直なところこの時期、フェデラーの全盛期のころのテニスを知りません。2005年は81勝4敗、2006年は92勝5敗、凄いですね。この頃からナダルとのライバル・宿敵関係の始まりでしょうか。簡単に2005年を使用してしまい申し訳ございません。ご記憶のフェデラーを記事にして欲しいくらいです。切に教えて欲しいです。今の二人のトップ争いが違って見えるのでしょう。きっと。

強者の3条件 バルセロナ・オープン2017決勝

ナダルが2005年にマドリードを制したのは間違いないですが、この当時のマドリードはハードで秋に行われていました。おおよそ、いまの上海マスターズの位置です。マドリードがクレイマスターズとして現在の位置に来たのは、2009年からのはずです。
クレイマスターズとしては、モンテカルロ、ローマ、ハンブルグの順で行われ、ハンブルグの優勝はナダルではなかったと思います。てか、ナダルは出場してなかったのでは?
従って、2005年はナダルのクレイ5大会優勝は成立していません。
ご確認ください。

確か、この年は、フェデラーが年に4回しか負けなかった年で、ハンブルグは、その年のモンテカルロで負けたガスケに雪辱してフェデラーが優勝したという記憶があります。クレイの中でも、ハンブルグだけはフェデラーが結構優勝しています。この後、ナダルにも勝って、ナダルのクレイ連勝記録を止めています。
蛇足ですが、この年フェデラーが負けた相手は、全豪・サフィン、モンテカルロ・ガスケ、全仏・ナダル、マスターズカップ(現在のツアーファイナル)・ナルバンディアンかと思います。

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