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マレー戦とフェデラー戦とベルッシ戦と 錦織のフォアハンドについて

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クレー2大会での錦織の不振要因の一つにフォアハンドが浅く入ることがあります。そこで、そもそも錦織の振り切るフォアハンドは浅く入るのかを確認したくなり、全米マレー戦を改めて観戦しました。

総力戦となったこの試合、まずは錦織の顔付が目に飛び込んできました。闘う錦織の表情を感じとれました。マレーも全力で臨み一進一退のラリー戦が繰り広げられました。ショットの深さという点では互いにそんなに精度はなく、錦織は振り切るフォアハンドを駆使することができていました。その威力と切れでマレーはミスをします。錦織の振り切るフォアハンドは深さをそこまで要求されずにFEを奪ることができるのです。

そこで、この振り切るフォアハンドはフェデラーに対して機能したのかが気になり、全豪フェデラー戦を改めて観戦しました。見入ってしまいました。何度も見返したこの試合であったのですが、錦織の振り切るフォアハンドの威力と効果に焦点をあてて観戦すると、この試合は違う形に見えてきました。

試合全体のイメージではフェデラーが自身のテニスに徹し、フェデラーペースで押し切った勝利と捉えていたのですが、違いました。第4セット終了時では錦織優位と感じました。

フェデラーはフェデラーのテニスに徹したのは確かなのですが、「フェデラーのテニスに徹した」ではなく「錦織テニスの封印策に徹した」というのが正確なところではないかと自身結論付けました。フェデラーは戦前に錦織のバックハンドを評価する発言をしていました。そうなのであれば、バックハンドの展開を避けるというのが常道と思われます。ところがフェデラーは徹して錦織のバックハンド側に配球するのです。フォアハンド側へは弾道の低い球を遠く振ります。ここにフェデラーの徹した錦織対策があったと分析します。「錦織に振り切るフォアハンドを打たせない」です。フェデラーの錦織のバックハンド褒めちぎり発言は駆け引きとも思えてきます。実はフェデラーが恐れていたのは真に評価していたのは「錦織の振り切るフォアハンド」だったのではないかと。

第2セット、第3セットとフェデラーが奪りますが、この錦織対策が機能します。徹してバックハンド側に球を集めます。そして遠くフォアハンド側に振ります。錦織が振り切るフォアハンドを打てないようにです。しかし、この徹した錦織対策は、ある意味ワンパターン化されます。錦織は当然に見抜きます。フェデラー戦を改めて観戦した目的は錦織の振り切るフォアハンドはフェデラーに対して機能したかを確認するためでしたが、答えは「完璧なまでに機能した」でした。フェデラーペースの展開になるとフェデラーがポイントを、錦織ペースの展開になると錦織がポイントしました。錦織ペースとは振り切るフォアハンドを打てる展開です。早い展開ではなく通常のラリーになった展開です。よってラリー戦は錦織が完全にリードしており、速攻ではフェデラーが優位に展開していた構図です。結果ここに高度な駆け引きが登場したのです。潮目は第4セット第4ゲームです。計20ポイントの応酬です。第5ゲームに錦織がブレイクを奪うのですが、それ以降錦織ペースに引き込むことに成功しています。第5セットも立ち上がりは錦織ペースでした。ここまで錦織の展開になればほぼポイントを奪れていたのです。第1ゲーム、第2ゲームも錦織ペースでした。しかし、ここで錦織はミスを連発します。これまで出さなかったようなミスです。そして第3ゲーム終了時に錦織はMTO(メディカルタイムアウト)を取ります。フェデラーが跳ねて似合わぬ歓喜の表現を示したのも理解できる試合でした。

フェデラー戦を観戦した後、もとに戻ってベルッシ戦を観直しました。錦織は振り切るフォアハンドは封印していました。原則です。オープンスタンスとしていました。2016年シーズンマドリードやローマでのフォアハンドの様です。錦織は振り切るフォアハンドは浅く入ることを自覚していたのだと思います。深くコントロールすることが重要であることを再確認したのだと思います。しかし、ウイナーが奪れない、攻撃的な展開が出来ずにリスクをとってバックアウト、サイドアウトのミスをします。併せてバックハンドをネットに掛けます。

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「マレー戦とフェデラー戦とベルッシ戦と 錦織のフォアハンドについて」へのコメント

コリさん

コメント、ありがとうございます。
「取り立てて騒ぐことではない。」とのご指摘を頂きました。騒ぎ立てているわけではないですが、ほんとにそうなのでしょうか。大変大きな課題と受け止めています。これは錦織陣営の思惑の強さによります。全仏を奪るくらいの覚悟があるとしたならば、途轍もなく大きな課題と思います。時間がありません。二者択一を迫られていると思います。フォアハンドです。振り切るフォアハンドの精度を上げるか、オープンスタンスでいくかです。マイアミ後に改めて記事にさせて頂きたいと思っています。是非、フォアハンドに注視して頂ければと思います。

マレー戦とフェデラー戦とベルッシ戦と 錦織のフォアハンドについて

決勝でナダルが弱点であるバックハンド責めをしたのに対して真っ向から対抗したフェデラーが、錦織の得意のバックハンドに真っ向から対抗するのがおかしいという解釈になるのか。


相手の得意なプレ-に真っ向から自分のテニスで対抗して勝つから、フェデラーが世界中で愛されるんだよ。


フォアを評価するための結論ありきで、マレー戦を本当に見たか疑問だな。錦織が苦しい時/マレーが乗っている時に雨の中断があったという運の要素も作用したが、すばらしい勝利ではあった。

しかし、これは錦織のバックハンドが振り抜けていたから。マレーの2ndを攻略できていたのも大きい(これはゾーンに入ったり、決め打ちがうまくいっていた面もあろうが)。


錦織の武器はバック。ベルッシ戦は、フォアも良くなかったがそれ以上に、バックのエラーが何本あったのか。だから負けた。でもこれはボールとサーフェスの問題。ドルコ戦は相手の1stが良く決まっていたのが大きい。

錦織はボールやサーフェスが合わないと苦戦するのも、サーブが強い相手に苦戦するのもいつものことだから、取り立てて騒ぐことではない。ベルッシ戦はボールとサーフェスを知り尽くしている相手だったので、錦織の出来が酷くなっただけ。

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