2010年02月23日

日本サッカーが世界に羽ばたくために・・・その3 『岡田監督を非難する者たちが日本サッカーを駄目にする』

 つい先日、yahoo!!のスポーツ欄に悲しいトピックがありました。
ニュースランキング「やった!」の1位に、「大久保選手の怪我」が選ばれたことです。
選手の怪我を喜ぶって、どういう心理なのでしょうかね?
上手くいかなくても必死に戦い、重圧に耐えてきた選手に対して、あまりにも失礼なことです。
大久保選手のことを、ゲームのキャラクターとでも思ってるのでしょうかね?
自己中心的に「日本代表が強くあって欲しい」と思い、そのためには「いらない選手は怪我しても仕方がない」という思考回路にでもなっているのでしょうか?
日本代表のサポーターの前に、サッカーを愛する者の前に、怪我を喜ぶ思考なんざ、人としておかしい。
私はそう思います。


 さて、本題です。
岡田監督への非難が増しています。
人格を中傷するもの、見下して罵詈雑言を吐くもの、様々です。
笑ってしまったのは、「小学生を教えている指導者の方がまだマシ」という発言。
どういう思考回路で考えたらそう考えられるのでしょうかね。
具体性がまったくないですね。

 日本サッカーの歴史、日本の歴史をちょっとだけ振り返ってみます。
まずは日本サッカーの歴史から。

 日本サッカーの歴史といっても直近のものですが、海外から多くの選手、監督が発展に関わってくれました。
ジーコさん、ドゥンガさん、ピクシー、などなど・・・。
名前を挙げろと言われればそれだけで恐ろしい数になるので止めておきます。
上に挙げた3名は特に日本サッカーの発展に寄与して下さってくれた方であり、ジーコさんやピクシーは選手としてプレーした後、監督までしてくれています。

 こうした方々は日本を愛し、日本サッカーの発展のために身を粉にして尽くしてくれていますし、いました。
何故、日本を愛してくれたか。
それは日本のサポーター達が彼らに敬意をもって接してきたからだと思います。
敬意に対して、愛着や親愛を感じてくれて日本サッカーの発展のために尽くそうと行動してくれた。
この関係性は素晴らしいものであり、こうしたものがあったからこその、日本サッカーの発展の歴史だと思います。

 しかし、今この敬意の心がサポーター達から無くなってきていませんでしょうか?
ジーコさんが代表監督を行っていたときから・・・いや、もしかしたら加茂さんが代表監督をしていたときにすでに芽吹いていたのかもしれませんが、異常な解任を求める声。

 しっかりとした理由をもって批判し、メリット・デメリットを分析した上で解任と叫ぶならば、私はむしろ賛成します。
けれどもジーコさんの解任騒動の頃からどうでしょうか?
監督が変わればきっと今よりもマシになるという、何の根拠もない感情論に振り回されて、ただ単に変化・・・もっと悪い言い方をすれば気分転換がしたいだけではないでしょうか?

 ここで日本の歴史について多少振り返ります。
マスコミに扇動されて、国民が感情論で沸騰し、そのまま無意味な戦争へと繋がったことが幾度あったでしょうか?
・・・考えるのも馬鹿らしいですよね。
ほんの少し歴史を振り返っただけでも、感情に流されて暴発して良かったためしがないことはわかると思います。
こんなことはみなさん理解していると思いますが、ならば何故、同じような思考をするのでしょうかね?


 感情に流されていると感じる点として、最近の日本代表の試合への評価があります。

 まず第一に、「何をしたいかわからない」という漠然とした内容への非難。
何をしたいかはわかると思いますし、多くの専門家がしたいことについて語っています。
なのに、わからないと言う。
これは、わからないのではなくて、初めから否定的に考えてわかろうとしないだけではないでしょうか?

 第二に、「ちびっこFWを並べても意味がない」という非難。
上記と繋がってくるものですが、これも意味をわかろうとしないだけではないでしょうか?
過去のエントリー記事を見ていただければわかりますが、私も長身FWを一人いれるべきだと主張しています。
でも同時に、現状の問題が長身FWを入れたからといって解決されるものではないとも思っています。
問題の根は深く、様々な要素が絡み合っているものでしょう。
・・・その辺については過去のエントリーと今後のエントリーで一つ一つ問題提起していきます。
長身FWですが、起用すれば生まれるメリットと失われるデメリットが当然出てくる。
例えば、今の日本代表は前線の選手のスピードと敏捷性とテクニックを生かして、組み立てを行っており、ペナルティエリア付近までボールを運べるのはFWの貢献が大きい。
長身FWを起用してスピードや敏捷性が多少失われたら、もしかしたら相手陣内までボールを運ぶことさえ出来なくなってしまうかもしれない。
そうなると、放り込みしか選択肢がなくなり、日本人にはまったく向かないサッカーとなってしまうかもしれない。
だから、安易に長身FWを起用すれば問題が解決すると言い切れないし、ちびっこFWを完全否定する気にもなれません。

 第三に、「日本が敗戦したり苦戦したりすると、それじゃあベスト4には入れない」という非難。
中国に引き分け、韓国には負けました。
これらの試合前から、「W杯でベスト4に行くには、中国や香港には圧勝しなければいけない、韓国には内容でも結果でも圧倒しなければいけない」的な論調が多かった。
なんでしょうかね?
「W杯ベスト4」という看板が付けば、急に実力が上がるとでもお考えなのでしょうかね?
ベスト4を逆算して、「~せねば」論に陥り、期待の結果が出ていないとパニックになってしまっている。
目標をベスト4にしたところで、本質的な問題は急にはクリアできませんし、アジアで飛びぬけて強くなれるわけでもありません。
逆算からの理想の強さばかりを見ていて、現状の実力から目を遠ざけているようでは、代表の強化にも繋がらないのではないでしょうか?

 岡田監督の「ベスト4を目指す」というのは、「そこまでの努力を日本全体でしよう」という呼びかけだったと思います。
発言したことへの責任はもちろん取るべきです。
でも同時に、その言葉に私たちサポーターが踊らされていてはいけない。
あくまで、現状の実力は理解すべきだと思います。
その上で、目標に近づくためにはどうすべきかを考える。
そうでなくては、ただ感情的になって騒いで、一致団結もサッカーへの発展にも何にもならない・・・むしろ足を引っ張ってるだけになってしまう。



 ここまで読んでいただいて、しっかりと文章を理解された方は、私の真意が、「冷静に分析して評価しよう。そうでなくては日本サッカーの発展には繋がらない」ということだとご理解いただいていると思います。
冷静さなくして、有意義な議論はできません。

 では、冷静さを保つためにはどうすべきか?
熱くなる代表戦において、冷静さを保つことは非常に難しいのは理解しています。
そのためには、最初の方にありました、敬意であると思います。

 オシムさんが倒れた後、物凄いプレッシャーの中で監督就任を引き受けた岡田監督。
彼への敬意は忘れるべきではない。
その上で、しっかりと評価し、もしも日本サッカーの発展と道を違えるようならば、辞めていただきましょう。

 岡田監督を批判されている言葉で非常に共感できるのが、「岡田監督がベスト4を目指すために最大限の努力をしているか」というものです。
(同じような切り口でまったく中身の無い、感情論のものも多いですが)
岡田監督の発言に対し、冷静に分析して批判している。
多くのメリット・デメリットを分析して岡田監督の進退について言及している。
ここまでやって、初めて説得力ある岡田監督批判だと思います。
しっかりと批判している方は少ないですよね・・・。
スポナビでは私が仲良くさせていただいているあるブロガーさんと、あと数名の名ブロガーさんくらいでしょうかね・・・。


 余談
最近では、国母選手や朝青龍さんに対して「品格」がどうのと言われますね。
しかし、言う方の品格はどうなのでしょうかね?
あなたの発言に、ちゃんと責任をもってますか?と問いたくなりますよね。
自己の行動や発言に責任をもつことこそ、「品格ある人間」だと思います。

 これは、岡田監督の解任話にも繋がります。
岡田監督を解任と叫んで、その責任を発言者はおもちなのか?
よく代わりに西野監督やオリベイラ監督の名が出ますが、Jリーグでクラブを率いている彼らをチームから引き剥がすことをしてもいいのか?
中には、Jリーグの監督をしながら日本代表の監督も、という意見もありますが、ジーコさんは代表監督をして後半は重圧によるストレスで顔はやつれ髪は抜け、オシムさんは病魔に襲われ倒れ、岡田監督も疲れ果てた顔をしている。
それだけのプレッシャーがあるのに、安易に兼任といって、無責任ではないのでしょうか?
「他人事」
だから言える発言って、少なくないと感じるのは私だけでしょうか?

 最後に、岡田監督に辞任しろという意見も少なくなかった。
その人たちは、元総理大臣の安倍さんの行為を評価するのでしょうか?
投げ出すことが、責任なのでしょうか?
簡単に投げ出せるポストが、代表監督でもいいのでしょうか?
甚だ疑問です。

posted by ittyo1 |00:03 | 日本代表 | コメント(47) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2010年02月19日

日本サッカーが世界に羽ばたくために・・・その2 『長所をそのまま評価できない日本人』

 「ファーディナンドを見てみろ。アイツが出来るのはボールを弾くだけ。でもそれで世界のトップだ」
 「ファーディナンドの)足りない部分を補える選手をつければ、物すごいセンターデュオができる。」

 これは昨年12月に発行されたサッカー批評の中で、オランダのフィテッセで監督をしていたアデモス氏の言葉です。
長所と長所の掛け算。
非常にシンプルな考え方であり、当たり前といっては当たり前の言葉なのですが・・・日本において、こうした考え方や意見を聞く機会がほとんどありませんでした。

 中沢選手と闘莉王選手のセンターバック二人であったり、その控えが岩政選手であったり。
果たしてこのメンバーがお互いの長所を掛け合わせ、足りない部分を補い合えるユニットであるのでしょうか?
そして多くの方の意見を目にしていても、現状の代表のセンターバックの並びとほぼ大差ないものが多い印象です。
両選手の組み合わせがどうだ、という意見よりは、中沢選手と闘莉王選手のどちらかが欠けたときの備えをどうするんだ?という意見が主ですよね。

 と、偉そうに言う私自身も多くの方と同じような考えでした。
どこか「選手と選手の掛け算」というのをわかっていたようでわかっていなかった。
日本において、まだまだこの「掛け算」という意識は低いのではないかと思います。


 何故、当たり前のことが日本ではできていないのか・・・。
文化的なものや民族的なものもあるでしょうが、UEFA A級ライセンスをもっているという林雅人さんの言葉が日本サッカー界全体のレベルを言い表しているように感じました。

 林雅人さんの言葉によれば、
「何かに特化した選手は、指導者としては使い方が難しい」
指導者全体の質の問題というのが一つ。
これは指導者だけの問題ではありませんが、選手をよく見ている指導者自体が、選手の長所を評価しきれない、もしくは、使い方がわからないという問題があるのでしょうね。

「短所は見えやすい。でも長所を見つける方は奥が深い」
この言葉も、選手を見る目の難しさをあらわしていると思います。

また、痛烈な言葉として、
「選手に自分の知識を押し付ける。それをオランダでは、指導者の初歩的なミスだと言います。引き出しが少ないと、枠にはめずに育てるのが難しい。間違った選択をした選手に、間違いだと指摘するのではなく、どうしてそれが間違いだったのか、と我慢強く問いかけるような指導ができない。選手が『ダメだからこうしろ!』と言われ、その通りに成功しても、それは『よくやった』ではなく『よく聞いた』なんですよ」と言われた部分は、サッカー界全体の指導者・・・いや、日本の教育すべて含めて耳が痛いものがあります。


 「日本人はサッカーに向いているか?」
というテーマで書かれたこの、サッカー批評という本。
発売当時読んで・・・また今読んでも、多くのことを感じさせてくれます。
短所にばかり目がいきがちなサッカーファンが多い日本人ですが、長所について深く理解し、生かすためにどうするか?と考える必要があるのだと、東アジア選手権を見ていても思いました。

 例えば、岡崎選手に対する評価。
評価の際によく、「世界で通用しない」という言葉が書いてあります。
理由としては、足が遅い、フィジカルが弱い、といった身体的理由により、彼の持ち味である危険なスペースへの侵入を高いレベルではさせてもらえないというものです。

 これは理に適っていると思います。
確かに岡崎選手がどんなに頑張っても、今の日本代表がブラジルやスペインから得点を取れるとは思えない。
危険なスペース自体を消されて岡崎選手は仕事を一切させてもらえないでしょう。

 でもこの適っているはずの理には落とし穴があるのではないでしょうか?
例えば、今の日本代表にC・ロナウド選手がいたとしましょう。
今の代表がC・ロナウド選手にドリブルを仕掛けて独力でシュートを打てるだけのスペースや時間をつくってあげることが出来るか?
私はNOに近いと思います。
ということはつまり、C・ロナウド選手が日本にいたとしても、仕事をさせてもらえない可能性が高いということです。
(ただこの理屈の落とし穴は、もしC・ロナウド選手がいたら、岡田監督は今の戦術すべてを投げ打って、一人の選手のためのやり方にしてしまう可能性があるということです。世界的なスーパースターがいれば、監督の思考も変化するかもしれません)

 もっと岡崎選手の長所を引き出して補える選手とユニットを組ませれば、生きてくるのではないでしょうか?
それは例えば、キープと人を使うプレーが得意な平山選手であったり、もしかしたら速いボールに点で合わせられニアに飛び込むことが得意な佐藤寿人選手であったりするかもしれません。
ペナルティエリアの角からドリブル突破を仕掛けまくるキレキレ状態の玉田選手との2トップであれば、彼のドリブルで引き付けられて生まれたスペースを突けるかもしれません。
(そのためには、ドリブル突破を玉田選手の最大最高の仕事としてあげなければいけないため、他の部分で組み合わせが生まれてきますが)

 もっと選手の長所を深く見れば、考え方や視野が広がるのだと思いました。
サッカー批評の中において、foot!!でもおなじみの鈴木良平さんが、小野選手と中村俊輔選手の長所について面白い見方をしていました。

 小野選手については、
「ひょっとしたらFWが向いていたんじゃないかと思う。もちろん素晴らしいパスは出すけれども、それだけでトップ下と決めてしまうのはどうだったか。相手のゴール前、ペナルティエリアの中で、あの技術を発揮されたほうが相手は嫌だったのではないか」

 中村俊輔選手については、去年の12月時点で
「エスパニョールでレギュラーポジションをとれないのではないか」とおっしゃっており、その理由を、
「タッチライン際で芸術的なテクニックを使って突破する。それが中村本来のプレーだと思うのですが、ボールを失うリスクを避けて簡単にさばいたり、無理をしなくなっている。ミスをしないサッカーに傾いている気がします。本来は、相手がどうやって抜かれたのかわからないぐらいの技術をもっているのに、リスクを負ってそれを駆使するプレーをやらなくなった。チームがそれを期待していたのなら、レギュラーでは起用されなくなってしまう」
スピードの欠如ですとか言語の問題ですとか言われてますが、私も中村俊輔選手の失敗はリスクを冒さないことだと思い、ずっとそれを言い続けてきました。
たぶんこの状況のままでは、Jリーグでもスタメンから控えへと落ちていくでしょう。
横浜・F・マリノスに移籍したとして、ボール回しならスピードもある狩野選手、突破が魅力の山瀬選手と前にいい選手が二人もいて、決定的な仕事をしないならばいずれ最後の仕事ができる二人に負けて起用されなくなる。
ボランチは・・・松田選手や河合選手の守備力を差し引いてまで起用されるとは思えない。
となると・・・リスクを冒せないならば控えですかね?
決定的な仕掛けやパスを強引にでも出すようになれば、スタメンは確実な実力はありますが。

 ここでもしかしたら、
「さっきまで選手の長所の掛け算だと言ってたじゃないか!何故、中村俊輔だけユニットでなく単独の評価をするのか!足りない部分を補い合える選手と並べたら、彼は素晴らしいプレーをする!!」
とおっしゃる方がいるかもしれません。
ですが、長所の掛け合わせが大きな力を生むのであって、長所を出そうとしない選手は0であり、いくら掛けても0にしかならないということです。
・・・そしてこのことは、今の日本代表にも言えることだと思いますが・・・。


 と、随分と長いエントリーになってしまいました。
語りたいことはまだまだあるのですが・・・次のエントリー内容と多少絡んでくるので、そちらに回したいと思います。

 最後に、ここまでの内容だと、単なるサッカー批評の回し者になってしまうので、私なりに考えるユニットを書いて終わります。

 FWは、上記に書いた理由で、平山選手と岡崎選手の2トップ。
ただし、SBにクロスが得意な選手と配置して速い段階でのサイド攻撃をするならば、点で合わせることが最も得意な前田遼一選手とワンタッチゴーラー佐藤寿人選手の2トップがFW,SBのユニットとして面白いかと。
その場合のSBは、駒野選手や阿部翔選手ですかね。

 センターバックには、カバーと危険察知、そしてスピードと組み立てにも参加可能な伊野波選手を是非。
前に行って奪える闘莉王選手とカバーの伊野波選手を組ませるとビルドアップの面から見ても面白いかも。


 みなさんも長所と長所の組み合わせとして、面白いんじゃないかと思えるユニットをコメントで残していっていただけるとうれしいです。

posted by ittyo1 |17:29 | 日本代表 | コメント(5) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2010年02月15日

奥行きの欠如

 少し前ですが、大雨の香港戦を見に行ってきました。
その時の感想は、寒かった・・・ではなくて(笑)、「テレビで見るよりも前線の選手は連動しているな」というものでした。
たとえば、ボランチの選手がボールを持っているときに、中村憲剛選手が走っていって相手を引っ張る。
そして空いた手前のスペースを、玉田選手や大久保選手が使うという動きでした。
この動きがテレビで見るよりもずっと巧みであり、特にFWの選手たちは工夫した動きを多く見せてくれました。
はっきり言って、巧いです。
選手たちの敏捷性と個性は生かされていると思います。
大久保選手と玉田選手が起用される理由の一端を理解しました。
これはある程度の相手にも機能するし、価値のある動きです。

 でも、それだけなんですよ、前線の選手の動きが。
そしてそれは韓国戦でもまったく同じでした。
解説の風間さんも盛んにおっしゃってました。
「裏への動きがない」

 攻撃的MFの選手が動きで吊って、FWがそこのスペースを利用するというのは、高い位置でボールを持つという意味においては有効です。
でもボールを持って、そこから何が生まれたでしょうか?
いや、何を生み出したいのでしょうか?

 奥行きがありません。
中村憲剛選手が相手を吊り出しているわけですから、裏を取るスペースは消えています。
高さのある選手もいませんから、ゴール前に蹴り込むことも出来ません。
吊りだすということは中央に相手選手を密集させるということですから、ミドルシュートを打つコースもありません。
・・・奥行きがまるでない。

 そのために・・・というか、予定調和として空いたサイドにSBの選手が駆け上がって来ます。
さて、中央は固められ、高さのある選手もおらず、ミドルのコースも見付からないという状況の中、サイドでボールを持った選手は何をすればいいのでしょうか?
「せめてゴール前にたくさん選手がいれば、万が一何か起こるかも・・・」
と思っているかもしれませんね。
そうして横へのパスか相手が待ち構えている中へのドリブル突破しかありません。
そんな中にドリブルを仕掛けるって、メッシ選手でも厳しいですよね。
ボールを持たされて仕掛けさせられる状況ではどんなドリブラーも輝けないことは、アルゼンチン代表のメッシ選手を見ればよくわかりますから。


 今の日本代表にとって大事なことは、攻撃に奥行きをもたせることだと思います。
もっと端的に言えば、相手DFの後ろをどう使うかです。
高さで言えば、平山選手。
もっと欲しいのは、常に裏を、得点を狙い続けることに専念させた、岡崎選手。
個人的にはこの2トップがベストです。
後はこの二人に、森本選手が競争してくれれば・・・という感じです。
高い位置で遠藤選手や内田選手がボールを持ったとき、相手DFの背後のスペースを狙う岡崎選手か、その奥で待ち構えている平山選手か、どちらでも選択できる状況というのが理想的です。
そしてそれに合わせて走れるのが中村憲剛選手であり、石川選手ではないかと思います。
・・・何か本題とズレて来ましたが、ノリと勢いで私個人の前線の選手の並びを書かせていただければ、

            岡崎      平山
   中村憲剛                  石川

という感じです。
中村憲剛選手のところに、本田圭佑選手というのもいいですが。

 そんな余談は置いといて、ようは攻撃の奥行きが足らないと。
そしてこれは、FWが悪いのか?というとそうでもないと思います。
もちろん選手個人で批判するとすれば、玉田選手と大久保選手の両名を上げます。
ですが、今の代表ではどんな優れたFWを置いたところで、大して活躍はできないでしょう。
理想の並びで書いた平山選手にしても、今の代表では埋もれていくだけだと思います。

 これは単純な監督批判ではありません。
岡田監督をここで批判するつもりはありませんし、今の代表の状況は岡田監督だけが招いた結果だと思っていないからです。
・・・岡田監督に関しては別のエントリーで書きたいとも思っているので、この場では選手のみについて、批判します。


 ユニットとして見た場合、どこに問題があるか。
それは、MFだと思います。

 よく日本はMFが優れていると言います。
海外で活躍している選手の多さからも、個人としては優れていると私も思います。
でも、ユニットとしてはどうでしょうか?
古臭い分業制の捉え方で申し訳ありませんが、MFはゲームを創るのが役割です。
攻撃においてはボールを運び、FWが得点を決める形をつくる。
・・・でも現状の代表はどうでしょうか?
ボール運びに関してはFWやSBの選手から多くの助けを借り、決定的なチャンスに関してもSBに責任を負わせるかのようにボールを預ける。
MFというユニットでボールを運び、決定的なパスを送った場面がいくつあったでしょうか?
現代サッカーにおいてSBが攻撃の基点となること、FWのサポートがなければ相手の組織の中で繋げるのは難しいこと、というのは重々承知しています。
しかし、MFが己の本分を全うせずにいて、FWの選手やSBの選手に過負荷がかかって、しかもFWとSBが批判の中心となっている状況は、正しいのでしょうか?。
ボールを運ばなければいけない選手たちが運ばなければ、「得点力不足」は当たり前ですし、FWがFWとして機能しないのも、至極当然だと思いませんでしょうか?


 何故、ユニットとしてのMFを批判しているかと言いますと、FWが奥行きをもった動きをする・・・つまりは相手の後ろを狙うということは、それだけ中盤に下がってMFのサポートをする機会が減るということです。
サポートをする機会が減れば、それだけMFが自分たちで前に運ばなければいけないということになります。
「そこをもっとしっかりとして欲しい」
という思いから、MFを批判しました。
攻撃の奥行きのためには、今以上の負荷がMFには求められますから、MFの意識が変わらなければ何時まで経っても、日本代表のチャンス不足は変わらないでしょう。


 その上で、FWにはもっとMFを信じて、得点を狙って欲しい。
岡崎選手には本来の恐ろしさがあまりにも感じられなかった。
あれこれやろうとしなくていいと思います。
山形に移籍した田代選手はあれこれやろうとして、スランプに陥りました。
彼はただ高く飛んでいるだけで脅威だった。
そこを見失えば、良さがすべて消えてしまう。
本当に極端に言えば、岡崎選手はただGKとDFの裏へ走り続ければいい。
MFを信じてそれを続けて欲しいと思います。


 SBは頑張り過ぎですね。
香港戦でも、左の駒野選手があえて低い位置で組み立てに参加し、その間に内田選手が駆け上がり相手DFの裏を取るというシーンが目に付きました。
どれだけ走らされてどれだけ攻守の鍵を握らされているのかと、不安になりました。
内田選手と駒野選手が逆のパターンもありましたが、多くの場合で駒野選手が手を挙げてアピールしてもボールは来なかった(笑
そんなに駒野選手の技術が信用できないか(笑
どちらにしても、SBは攻守の大事な場面で使われ過ぎですね。


 闘莉王選手の退場は愚かでした。
だけども、いなくなって気付くビルドアップにおける彼の有能さ。
長いボールにしても虚をついた持ち上がりにしても前線に張り付いての攻撃参加にしても、闘莉王選手がどれだけ陰に陽に貢献していたかを感じました。
・・・だからこそ、なんなんだあの退場のプレーは?
チームを勝たせるという、いつもの責任感はどこいった?


 最後はまとまりのない雑感となってしまいました。
次のエントリーでは、シリーズ物の続きを・・・2ついっぺんに書ければいいな~と思っています。

posted by ittyo1 |20:00 | 日本代表 | コメント(5) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2010年02月06日

連動性・ポジションチェンジの弊害

 久々のエントリーになります。
しかも、シリーズ物じゃないやつをアップ・・・。
いつになったら、「日本サッカーが世界にはばたくために・・・」の続きを書けるのでしょうね・・・。
アイデアは固まってるけど、書く気力がね・・・。
まあ、今日はタイムリーな話題でしかも不満が溜まりまくった中国戦のことを書きます。


 今日の中国戦を見ていて単純に思い続けたことは、
「で、誰が点を取るの?」
ということです。
ようは、点を取るべき選手が点を取るためのプレーをしていないことが何よりも問題だったのではないかと思います。

 一例を上げるならば、岡崎選手。
彼の最大の持ち味であり、得点パターンの多くは、危険なスペースに入り込む・・・もっと具体的に言えば相手DFとGKの間に入り込み、シュートを打つことです。
このプレーを今日、岡崎選手は何回しましたか?

 下がってサイドに流れてチャンスメイクをいくらしても、今の代表で一番点を取れる選手がいて欲しいところにいなければ、ゴールは果てしなく遠い。
・・・でもこれは、岡崎選手の個人的な問題ではないのでしょう。
チームの約束事として、そうなっているのかと。
でも結局の問題は、攻撃において、連動性やポジションチェンジといった走ることを意識しすぎる余り、それぞれの選手の持ち味が消える場所でプレーをしていることかと。

 別にポジションチェンジをするな、とは言いません。
走るなとも言いません。
持ち味の生きる場所で働かせてあげて下さいと言いたいんです。

 ベネズエラ戦において、大久保選手がサイドに張り付いていいプレーをしました。
サイドで起点となれば、いい仕事をするということが再確認されたわけです。
でも今日の大久保選手は・・・中に入ったり無駄に動いたりしていましたね。
前半なんか、FWの3人はごっちゃになってほとんど仕事をしていませんでした。
何故、成功したプレーを使えるオプションとして使用しないのか。
最後の最後に金崎選手を投入して、ベネズエラ戦の大久保選手のような動きをさせるならば、何故最初からやらなかったのか。
内田選手が上がってきて逆サイドに振って、ようやくそこが起点になるという手間をかけるよりも、シンプルに大久保選手がサイドに張って起点になる方が後ろの選手も上がりやすくて助かっただろうに。

 動いて連動してポジションチェンジをして、今日の試合で何かが起きたでしょうか?
青島アナウンサーが「連動してボール回しが繋がっています」と言っていましたが、じゃあ誰がそこから点をとるかペナルティエリアを見てくださいと言いたくて仕方がありませんでした。


 サイドに大久保選手を張らせて起点とすること、岡崎選手は裏を狙うプレーを多くすること、中村憲剛選手は岡崎選手が走って空けたスペースを狙うこと、というこのチームが今まで多くチャンスを生み出し得点していた軸はブレてはいけなかったと思います。

 今日の試合の日本代表は、ごちゃごちゃごちゃごちゃ動いているけれど、芯がまったく通っていないフニャチームでしたね。


 最後に、岡田監督が玉田選手を代表に呼び、スタメンで起用することに異論はありません。
でも、まったく機能していないどころか、まるで中村俊輔選手のように無駄に走り下がってボールを受けるという、遠藤選手や中村憲剛選手の仕事を奪うようなプレーをしているときは、即座に変えて欲しいと思います。

 ベネズエラ戦で岡崎選手、大久保選手の動きすぎで失敗し、今度は玉田選手、岡崎選手、大久保選手の動きすぎで失敗した。
・・・そろそろ、ボール回しのためだけの連動性・ポジションチェンジのプレーをFWに求めるのはやめてもらいたいと思う今日の試合でした。

posted by ittyo1 |22:09 | 日本代表 | コメント(12) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加