2008年06月07日

いよいよ

皆さま、おはようございます。

昨日の記者会見で「この16年間を振り返ってください」と言われた荻野選手。
思わず、天井を見上げて苦笑していました。

簡単に、短い時間で振り返ることができない「長さ」だったと思います。

わたしが男子バレーの記者になったころ、
すでに日本は世界で勝てないチームになっていました。
でもそれは、当時の全日本の選手が手を抜いていたとか、
がんばっていなかったからでは、決してありません。

たった一度のボタンのかけ違いからリズムが狂い、
それまでの努力すべてが水の泡になる瞬間を何度も目にしてきました。
バレーボールというのは、一度歯車が狂うと、流れも、勝利も、
あっという間に手の中からこぼれ落ちてしまう怖い競技なのだと
バレー記者になってからの13年間で学んだ気がします。
(ですからマジック1となった今も、全く楽観はしていません)

8年前、ポルトガルでアルゼンチンに惨敗し、
初戦で五輪出場への望みが消えてしまったとき、帰りの飛行機の中で、
涙をこらえ原稿を書いたことを昨夜、急に思い出しました。

こうやってあるとき、ふと、鮮やかに蘇ってくる思い出ってあるんですね。
この8年間、普段はすっかり忘れていたことなのに。

荻野選手にはぜひ、16年間の思いをぶつけていただきたいと思います。
過去の出来事を笑って振り返ることができるよう、なんとしても勝ってほしい。
そして、全日本チームは過去の代表チームがつないできたバトンを手に
ゴールのテープを切る瞬間まで全力疾走していただきたいと思います。

では、行ってきます。

posted by 市川忍 | 09:24 | コメント(6) | トラックバック(1)
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2008年06月05日

タイ戦

オーストラリアが韓国に惜敗!という
驚くような試合を見たあとに始まったタイ戦でした。
(どこかで見たような冒頭文???)

昨年のアジア選手権の最終日、オーストラリアが中国に破れ
日本に優勝の可能性が転がり込んできたときと似たシチュエーション。
アジア選手権では優勝のプレッシャーから
選手の脚が完全にロックされてしまいましたが
昨日は大丈夫でした。動いてました。

タイはアジア選手権のときと、メンバーを代えて臨んできましたね。
アジア選手権で活躍したスパチャイ選手はエントリーもされていませんでした。
同じく、日本戦で嫌なイメージを残したワンチャイ選手はそのまま。
(毎年、博多で行われるアジア太平洋カップの会場アナウンスのおかげで
タイには名前だけは強烈に覚えている選手が多いのですが
この2人の場合は昨年のアジア選手権の活躍で、忘れたくても忘れられない人に)

センターからのバックアタックは完全にオープントスだし
ワンチャイ選手がレフト、ライト、バックセンター、バックライトと
いろんな場所から打ってくる、高校バレーのような「ワンマンチーム」と化していました。
メンバーの入れ替えでワンチャイ選手の負担が大きかったのかもしれません。

対する日本は……。
朝長選手が入ると山村選手、石島選手が生きる。
(石島選手のスタートローテの位置も堺と同じですし)、
宇佐美選手が入ると越川選手の速いレフトが生きる。
途中で代わることがあっても、違った組み立てで相手を翻弄できるのでは。
朝長選手はVリーグ中、出場機会が少なく、なかなか調子が上がりませんでしたが
なんとか五輪予選には戻してきました。

今大会では石島選手が前衛にいるときも、後衛にいるときにも
フローターサーブのフォーメーションに入る機会が多いので
バックアタックを打てるとすれば、3人で守るジャンプサーブ時、
それも津曲選手か越川選手がサーブを受けたときがチャンス。

第3セット、その少ないチャンスをしっかりパイプ攻撃につなげたのを見たときに
朝長選手は試合に出られなかった2試合、
本当によくチームを観察していたのだと感じました。

さて、明日はいよいよ天王山です。
ブログの更新が滞るかもしれませんが、便りがないのは元気な証拠(?)と思って
皆さまも観戦、応援、がんばってください。
コメント欄はちょこちょことのぞくようにします。

posted by 市川忍 | 09:54 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年06月04日

韓国戦

オーストラリアがイタリアに完敗!という
驚くような試合を見たあとに始まった日韓戦でした。

印象に残ったことをふたつばかり。

代わって入った朝長選手は、やはり基本に忠実で、相手をよく観察しています。
相手のブロックの低いところを中心に攻めていました。

第1セットから第2セットにかけてと、第2セットから第3セットにかけて、
韓国はスタートローテーションを変えてきましたが
3セット目以降、石島選手の目の前(日本から見たレフト側)で跳んでいたのが
セッターのチェ選手でした。
朝長選手はその最も低い場所から執拗に攻撃を仕掛け、日本のペースを作りました。

もうひとつは清水選手。
第4セットでしたか、ライトから決めたスパイクですが、
一旦、コートの中央に切り込んでから
もう一度、外側に開くという変則的な助走で相手のブロックをかわしていました。
成長のあとを感じました。

次はタイ戦ですね。
タイの印象はブロード、ブロードをフェイクにしたライトの攻撃など
コンビネーションが多彩なイメージです。
日本がどんなディフェンスを見せてくれるのか楽しみです。

posted by 市川忍 | 00:48 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年06月02日

2試合を終えて

今日は練習日でした。
予想通りホスト局以外は見学禁止。
なのでわたしは休養日にし、コンディショニング(?)に務めさせていただきました。
どんな練習をしているのか、気になるところですが、
練習内容というのは必ず試合運びに出るものです。
明日以降の試合で確認することにして…。

まずは、ここまでの2戦を振り返っての感想を。
石島選手の打数が少ない。特にバックアタック。
ワールドカップ時に比べ、スタートローテーションの越川選手と石島選手の位置が
逆になっているのですが、このローテだと石島選手が後衛の際、
前衛にいるミドルブロッカーは松本選手が2ローテ、山村選手が1ローテとなります。
パイプもない、クイックも少ないとなると
どうしても攻撃は両サイドに限定されます。
今は越川選手に決定力があるので凌いでいますが、このままでは大会終盤、
手詰まりになる恐れが。石島選手のパイプをもっと使うか、
もしくはクイックを増やすか(決定率を上げることももちろん)、
改善が必要だと思います。
幸い、石島選手が後衛にいる際には、宇佐美選手とコンビの合っている松本選手が
前衛にいる機会のほうが多いので、もっとクイックで中央を意識させることは可能だと思います。

センター線の機能について
ワールドカップ2007、日本対スペイン戦で日本は実に13本のシャットアウトを食らいました。
試合後、スペインの監督に「ブロッカーに対しどういう指示を出したのか」と尋ねると
「ブロッカー個人には特別な指示は出していない。ただ、戦前に
相手のセッターの傾向…チャンスボールが返ったときにはこういう攻撃が多い、
逆に崩れたときにはこのポジションに上げるというデータを選手に見せて、
そのことを頭に入れて戦うよう指導していた」と話していました。
対戦相手がそういった「セッターの傾向」を読んでくることを考えると、
もう少し「レセプションが崩れた状態からでもクイックを使うのだ」という
意思表示は見せたほうがいいのではないかと思いました。
イタリア戦の第2セットでしょうか、山村選手の縦のBクイックを使って失敗しましたが、
Bカットからのコンビは、回数をこなし
「セッターがビビらずに上げないと成功率も上がらない」と
Vリーグ期間中、東レの篠田歩選手もおっしゃっていました。
ゲーム序盤であれば、たとえミスをしても取り返しはいくらでもできます。
勇気を持って試してほしいと思います。

NTCに移ってからいったいどんな練習をしていたのかと心配しましたが、
スピードアップされた越川選手(特にライトの決定力が上がりましたね)や
山本選手の攻撃を見ると、個人個人はきちんと課題を克服してきたのだなと感じました。
あとはブロック。大会が進むにつれ、選手間の意思疎通はもっと密になると思いますので、
ブロックとディグの関係が改善されることを願います。

明日は日韓戦のほかにもイタリア対オーストラリアという見逃せないカードがありますね。

ではまた。

posted by 市川忍 | 20:59 | コメント(9) | トラックバック(0)
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2008年06月01日

イタリア戦

一言書いておかないとすっきりしない、という試合内容でした。
とはいえ、怒っているわけでも、がっかりしているわけでもなく
どちらかというと、わたしは善戦と見ているのですが。
(不可解な選手交代については、またいずれ)
絶対に勝たなければならない大会なのに、何を悠長なとお叱りを受けるかもしれません。
仕事としての記事ではなく、ブログなので、お許ください。

イタリアのアナスタジ監督が「ここ20年来で最高の試合」と表現されていましたが
わたしが10年以上、全日本の試合を見てきた中でも、
これほど面白い試合は過去、ありませんでした。

どんなところがおもしろかったのか?
その日本の戦い方については今後、仕事として書く可能性が高いので、
あまり言及できないのですが、ひとつだけ。

何誌かの新聞を見たところ「センターが機能しない」という意見を目にしましたが
バンチリードブロックのイタリアを相手に、まずはサイドの速い攻撃で攻めるというのは
セオリー通りの作戦だったと感じています。
その後、相手がサイドを意識し出したときに、プラン通りにセンターを使ったところ、
思いのほか決定率が上がらなかった。
しかし、そこで一工夫あったのは、もう一度、相手ブロックにコートの中央を意識させるため
越川選手のパイプを増やしたことでした。
試合の中盤以降は彼のパイプが有効に決まっていたと思いますし、その際、
ミドルブロッカーの「おとり」に釣られてブロックが割れる場面もありましたので
わたしは打数も決定率も低かったものの、センターを意識させることはできていたと思います。

ということで、宇佐美選手については、4セット目、24点目までのトス回しは及第点。
1セット、1試合をトータルで考えた配球だったと思います。
イタリアのチゾーラ選手に「素晴らしい活躍だった」と絶賛されていました。
25点目を、リスクの高い攻撃で取るか、安全な方法で取るかという選択肢になるのでしょうが
あえてリスクの高いクイックを選び、そこから後手に回ってしまいました。
今後の試合でどう立て直してくるか、注目します。

ちなみに、あと一点が奪えなかった原因について某誌の記事には
「また山本に弱気の虫が出た」という一文が。
そうなのかな? うーん…。
レセプションのミス、トスミスなどが最後のアタッカーにかかる負担を大きくしてしまった。
誰か一人の責任で…という問題ではないとわたしは思います。7点もあったんですから。


さて、では会場へ向いたいと思います。
今日はすっきりと晴れましたね。
皆さまもよい一日を。

追伸
ピピさん、Pinoさん、コメントありがとうございました。

posted by 市川忍 | 10:28 | コメント(16) | トラックバック(1)
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2008年05月30日

12名の発表が

やっと12名が発表されました。

4年前のOQT。確か直前に選考から落ちたのは越川選手と直弘選手だったでしょうか?
すみません、記憶が定かではなくて。覚えているかた、教えてください。

でも、確か、越川選手が会場に試合を見に来ていて、
2階席から悔しそうにコートを見下ろしていた姿が印象に残っています。

「まだまだ自分には可能性がたくさんある」と思えば、未来は無限に広がります。
越川選手はそのときの屈辱をバネに、この4年間で大きな成長を遂げましたね。

富松選手がわたしの著書の取材で語ってくださった言葉の中で、
わたしの胸にもっとも響いた一言を紹介させていただきます。

「負けた試合も勝った試合も、そこから何かに生かさないといけない。
これで終わりじゃないんです。バレーをしている限り、
選手生命が終わるまで、ずっとつながっているんだと思います」

バレーを続ける限り、無駄な経験などひとつもないと、わたしも思います。

開幕まであと1日。
皆さま、心の準備はよろしいでしょうか。
わたしも目の前で切符を逃した2大会分(年数を数えるのが恐ろしい!)
過去の悔しさをぶつけ、かつ冷静に取材活動に励みたいと思います。

posted by 市川忍 | 00:18 | コメント(10) | トラックバック(1)
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2008年05月27日

最終エントリー発表は延期

すでにニュースでご存じかと思いますが、26日の記者会見では
12名の発表はなく、NTC合宿に参加していた14名の顔見せだけにとどまりました。
予想外の出来事でした。

というか……。
なんだか肩透かしに会った気分です。

ルールでは初戦の48時間前までにエントリーすればいいので
確かに「規則違反」ではないのですが。

12名に絞れない理由については、山岸専務理事も植田監督も会見で
いろいろと語っていらっしゃいましたが、おそらくテレビやネットのニュースで
すでに情報が流れていると思いますので、ここでは割愛させていただきます。

何名かの選手に話を聞いたところ、
アメリカ選抜チーム(代表ではない)との練習ゲームでは
選手各々が自分の課題を持って取り組めて、成果が上がっているとのこと。

ただし対戦相手を想定した練習を今はイタリアだけに絞っているようで
オーストラリア、韓国については、まだ手付かずの様子。
万が一、イタリアに勝てたとしてもオーストラリア、韓国に負ければ
アジア1位の可能性はかなり低くなります。

開幕までのあと4日で、オーストラリアと韓国の対策練習が可能なのか。
12名選びの遅れ以上に、むしろ、こちらのほうが不安かも。
取り越し苦労で終わってくれるといいのですが。

明るい材料もあります。
何より、わたしにとっての朗報は石島選手の回復です。
プレーを実際に見ていないので、断言できないのが残念なのですが
本人も、セッターの朝長選手の口からも
「コンディションはよくなってきている」という言葉が聞かれました。
「この1年の間では最もいい肩の状態」(本人談)に戻せたそうで、
(逆に考えると、リーグ期間中はそれほど悪かったんですね…)
堺合宿で会ったときに比べ、表情もとても明るくなっていました。

コンディションだけではなく、技術面でも復調のきっかけをつかめたようで
記者会見後の限られた時間でしたが、雄弁に、いろいろと語ってくれました。
その姿を見ただけでも、わたしにも明るい気持ちが蘇ってきました。

泣いても笑っても開幕まであと4日。
わたしも徐々に緊張感が高まってきました。

posted by 市川忍 | 10:13 | コメント(5) | トラックバック(1)
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2008年05月24日

誰かが決めたかった1点

女子は出場を決めましたね。
おめでとうございます。

いよいよ次は男子。
ホスト局はNTC合宿を取材しているはずなのですが
テレビのスポーツニュース等で合宿の様子は取り上げられているのでしょうか。

26日に最終エントリーの発表記者会見が行われますが、
30日には対戦国の監督会見が開かれるというプレスリリースが送られてきました。
26日は記者発表のみで、公開練習はナシとのこと。
寺廻ジャパンも、田中ジャパンでも、ここまで報道が締め出された経験はないので、
いったいどんな練習をしているのか気になるところです。

さて、唐突ですが今日は、わたしのライターという職業について少し語りたいと思います。

総労働時間はおそらく一般会社員のかたとあまり変わらないと思うのですが、
本や雑誌の出版サイクルに合わせて仕事をしているため、
どうしても不規則な生活になります。
特に「締め切り前」と「普通の状態」の忙しさの度合いに
恐ろしいほどの差があるのがこの職業の特徴かもしれません。

非常にバランスの悪い(体にも悪い)職業です。

そんなわたしのいちばんの気分転換方法は「書くこと」です。
わたしは、旅行に行くとか、スポーツで汗を流すといった、
いわゆる世間で言われている「気分転換」を必要だと感じたことはありません。
(確かに旅行にも、遊びにも行きますが、それで気分転換を図っているという
意識はあまりないのです)

きっと、原稿でも、こうしたブログの記事や返信でも、何かを書くことによって
日々、自分の中で消化し切れなかった感情に区切りをつけているのだと思います。
つけきれず引きずることも多々あるのですが、
書くことによって少しスッキリした気分になるのは事実です。

そういえば「復活」の執筆中、斉藤信治選手から
「一冊の本を作るのには一体、どれくらいの原稿を書くものなんですか?」
と尋ねられました。
「だいたい原稿用紙にすると400枚から500枚くらいです」と答えると、斉藤さんは
「すごい量ですね。僕なんか講演会で話すことの下書きだけでも困っているのに、
やっぱり記者って書くことが苦じゃない人にしかできませんね~」と驚かれていました。

「実は書きたいことがあるのに、書く場所がないほうが余程つらいんです」
「だから文字の制限があまりなく、思い切り、好きなだけ書いていい書籍は
ものすごく楽しいですよ」とわたしが言うと、
斉藤さんは「へえ、そういうものなんですか」と意外そうでした。

伝えたいことを伝える手段がないほど、切ないものはありません。
わたしはバレー記者になってから過去、寄稿していた専門誌の廃刊を2度経験しています。
自分が働いていた場所が無くなるというのは、身を切られるような辛い出来事です。

そこから一般紙に働き場所を移したのですが、一般紙となると、
ご存じのように、サッカーや野球などの他の競技に比べ
バレーボールが取り上げられる機会は決して多くありません。
そのせいか、わたしはいつも「書きたい」「でも書く場所(媒体)がない」という
フラストレーションを抱えて記者を続けてきたような気がします。

書きたいことが胸にたまってくると、本当に
胸に何かがつかえているような感覚に陥り、息苦しくなってくるから不思議です。
そんなとき、たとえば原稿用紙2枚程度の短いコラムを依頼されたりすると、
わたしは「1文字も無駄にするものか!」という貪欲な気持ちで(笑)執筆していました。
ですから「Vリーグ」が「V・プレミアリーグ」に変わったり、
「センター」を「ミドルブロッカー」と呼ぶようになったときには悲しかったです。
それでなくても文字数が少ないのに、貴重な原稿用紙の数コマを
名前の表記だけで余計に奪われてしまうなんて!と。

思えば、選手が毎日毎日、練習を積んで準備を整えてきても、試合に出られない。
書く場所がないというのは、そんな歯がゆさに似ているのかもしれません。

さて、話は世界最終予選に戻ります。
26日、最終エントリーの12名が発表になります。
OQTに出場し、オリンピックを目指したかった選手は、
おそらく日本中に大勢いることでしょう。
日本代表は、そういった選手の文字通り「代表」です。
すべての「1点」は、コートに立っている選手以外の
誰かにとっても「決めたかった1点」なのだということを
頭の隅に置いてプレーしてほしいと思います。

そして、残念ながら願いの叶わなかった選手にも、
自分の目標を見失わず、自分の能力を疑うことなく日々、
バレーと向き合ってほしいと願っています。

全日本に入ること以外にも、地域に愛される選手になる、
観客を呼べる選手になるなど、バレーを続ける上での重要な目標は
たくさんあると思います。

わたしが記事を書くのは、働くフィールド柄、
どうしても全日本の選手や代表チームに偏りますが
自分の目標をしっかりと持っている選手たちを
これからも追いかけ、記事にするチャンスをうかがいたいと思います。

さて、次の更新はおそらく12名の発表後になるかと思います。
またその会見の感想などもアップしたいと思います。

posted by 市川忍 | 23:28 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年05月18日

全日本男子合宿

昨日、北京オリンピック世界最終予選の女子大会が開幕しましたが、
男子開幕までの間に終わらせなければいけない業務が山のようにあり、
録画してあるものの、まだ観戦できていません。

女子ファンの皆様は応援、女子担当の同業者の皆様は取材、がんばってください。

さて、今回は男子合宿の印象を記したいと思います。
サントリーでの合宿を2日間、堺での合宿を1日、見学しました。
とはいえ、今回はホスト局(TBS・フジ)以外は
フロア内立ち入り禁止という決まりでしたので観客席から見ました。

サントリーでの合宿を見学したのが5月の初旬。堺での合宿は13日に行きましたので、
その間、10日間近く間が空いていたことになります。

サントリーで完全に別メニューだったのは5名の選手。
堺で見学したときには、途中で故障したという
山村選手以外は全員がゲーム練習に入っていましたので、
徐々にコンディションも上がってきているのでしょう。
実際、山本選手にお話を聞いた感じでは
「まだ感覚は完全ではないけれど、コンディションは徐々に戻ってきている」とのこと。
堺での合宿(最終日)では、石島選手にも彼らしい(まだ7割程度でしょうが)
パワフルなサーブやスパイクが見られました。

何より、故障が心配な選手が別メニューで、
無理をせずに練習できているのは全日本にとって大きな進歩だと思います。
昨年までの全日本のキーワードは「ALL OUT」。
常に全力を出し尽くすという意味ですが、植田ジャパンが始動した当初、
若い選手を育成する段階においては、この方法は基礎体力を鍛えたり、
「厳しい練習を皆で乗り越えた」というチームの連帯感を生む上で
効果があったとは感じています。
ただし昨年、ワールドカップの開幕を目の前に控えても、
チームには「ペース配分」とか「大一番にコンディションのピークを持っていく」という
概念は生まれなかったようで、疲労が見られたり、選手が痛みを訴えて初めて、
練習メニューを調整するということが多々ありました。
そのせいか、ギリギリのコンディションで開幕を迎えていた選手も数名いましたから、
それを思うと大きな改革です。
どうかこのまま無理をせず、無事に開幕を迎えてほしいと思います。

そして、気がかりだったのは練習内容です。

ワールドカップで洗い出された最も重要な課題は
「レセプションが崩れた段階からいかにコンビネーションを作り上げていくか」
だとわたしは感じていました。
しかしゲーム形式の練習の中では、
そういった課題を克服しようという姿は見受けられませんでした。
「全日本にはもっと大きな課題があって、それを優先しているため、
Bカットからのコンビネーション作りが後回しになっているのだろうか?」
などと好意的に考えてみましたが、それも違うような……?

コンディション不良により、まだすべてのセットに出場できない選手もいましたから
まずはその主力(と予測される)選手たちの試合カンを取り戻すことが優先なのでしょうか。

でも、だからこそ他の選手(特にサイドプレーヤー)にとっては、
自分のプレーの幅を広げ、エントリー入りをアピールするチャンスなのになぁ、
そのためには崩れたレセプションからでもパイプが打てたり、
速い攻撃に決定力があれば強烈な「売り」になるのになぁと残念に思いました。

どちらにしても、チーム単位でもっと課題を明確にしなければ、
この中から誰が12名に残っても、ワールドカップの反省(というか過去3年間の反省)を
試合に生かせないのではないかと若干、不安を感じます。
厳しいようですが、率直な意見です。

わたしはいつも記事を書く際に、その選手やチームの現時点での課題、弱点を
なるべく忠実に描こうと心がけています。
(ただし、むやみに傷をつけるのが目的ではありませんから
言葉、表現方法、構成などは慎重過ぎるほど慎重に検討します)

それは選手も、選手という「人間」から形成されるチームについても言えるのですが、
人間は完全ではありませんから、弱点があるのが当たり前で、
それを描かなければ、今後の成長と、その成長の裏にあるご本人の努力の大きさが
きちんと読み手に伝わらないと思うからです。

試合も同じです。
人間が行うことですからときには失敗もあります。
だからこそ反省が生まれ、そこからまた前に進もうと努力をする。
その姿が尊く、美しいのだとわたしは思っています。

開幕まで2週間を切ったこの時期に、あまり悲観的なことは言いたくないのですが、
全日本男子の姿が今、わたしにはどんな風に見えたのか。
自分の目で見た印象をきちんと残しておきたいと思いました。

posted by 市川忍 | 10:12 | コメント(11) | トラックバック(0)
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2008年05月14日

《個性を生かす》

皆様、おはようございます。
なぜこんなに早い時間に更新しているかと言いますと、
西武ライオンズを見習って「アーリーワーク」を取り入れてみようかと、ふと思いつきました。

昨年までは「居残り練習」が圧倒的に多かった西武ですが、
新体制になった後は「疲労がないときに練習したほうが身につく」(大久保コーチ)
という提案などもあって、居残り練習が早出練習へと変わりました。

以前ならナイター終了後、室内練習場へ向って何時間もバットを振っていた若手選手も、
現在は全体練習の前に球場へやってきて練習しています。
(それでも試合に出られなかった数名の選手は室内練習場に向いますが)

それに影響を受けた(?)のと、
就寝前にパソコンをいじると持病の首痛に悪いと担当医師からも止められたので、
午前中にこうしてパソコンを開いてみたわけです。

いつまで続くかわかりませんが、少しの間、
午前中に執筆作業をしてみて、効果を見ようと思います。

ここ数日、上の話にも出た西武ライオンズの取材に行っていたのですが、
野球に詳しいかたならご存じのように西武は今季、ここまでダントツの1位を走っています。

昨年は26年ぶりのBクラスに低迷し、首脳陣が総入れ替えとなりました。
シーズン開幕前、わたしがいちばん懸念していたのは、
この首脳陣総入れ替えによって、選手がこれまで信頼し、
指導を仰いできたコーチ陣の顔ぶれが変わってしまうことでした。

今季、開幕から3番を打ち3割近い打率に本塁打9本、
打点31(ともにリーグ第3位)と好調な中島裕之選手に聞くと
「新監督を初め、新しいコーチ陣は今までの僕のやり方、目指すスタイルを尊重してくれて、
その中で、迷うことがあったときだけアドバイスをくれる」と話していました。

渡辺新監督は就任直後から「個性派集団を作りたい」とおっしゃっていましたが、
そういう意識が選手の育成にも生かされているのだと感じます。

数日前のコメントに「個性を生かしつつ
世界標準に近づけるのが重要ではないか」というお返事を書きました。
野球とバレーでは競技人口に差があるため選手が育つ土壌も違いますし、
団体競技でありながら、個の力が勝敗を左右する野球と、
組織力が重視されるバレーを単純に比較することはできませんが、
「個性を生かしつつ、強いチームを作ろうとしている」ライオンズの姿を見て、
改めて個性を殺さない育成とは何かと考えさせられました。

それからもうひとつ。
野球ではオフシーズンに、ハワイで行われるウィンターリーグに
若手選手を派遣する制度があります。
西武から昨年オフ、ハワイ行きを命じられた星秀和選手との雑談の中で
お聞きした話が印象的でした。
ウィンターリーグのチームには、メジャー球団からコーチが派遣されてきているそうなのですが、
星選手が驚いたのは、そのコーチ陣が
「こちらから聞きにいかない限り何も言わない」ことだったとか。
リーグが始まってだいぶ経ってから、通訳を引っ張ってコーチのもとに赴き、
やっと、そこで初めてバッティングフォームについてのアドバイスをしてもらえたそうです。
本人が切実に「変わりたい」とか「解決したい」と考えている悩みに対し、
手を差し伸べるのがメジャーのスタイルなのではないかと星選手は話していました。

さて、全日本男子は今日で堺での合宿を終え、いよいよNTC入りですね。
NTCでの練習は完全非公開なので様子を知りえませんが
堺合宿までを見た印象を、次回更新までにまとめておきたいと思います。

posted by 市川忍 | 08:55 | コメント(2) | トラックバック(0)
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