2009年02月23日

勝負をかける

土曜日の大分三好と堺の試合で、37対35というセットを見ました。
2月7日、サントリー対東レ戦での45対43で免疫ができていたのか
比較的、落ち着いて見ることができました。
まだ30点台か…と。
プレーしているかたたちは大変だったでしょうが^_^;

サイドアウトの応酬が続けば、けっきょく2点差がつかず
こうして延々とゲームは続いていきます。
そんなとき、必要になるのが「勝負をかける」戦略です。

2月7日のサントリー対東レの攻防は、まさに
両チームの知が集結した戦いでした。
それぞれのセッター、栗原選手も阿部選手も、
トスを散らし、相手のブロックに全く的をしぼらせませんでした。
クイックが使えるレセプションを上げ続けた守備陣も素晴らしかったのですが
レフト、センター、ライト、どこに上げてもブロックが1枚に。

となると…以前もこのブログに書きましたが、
1枚ブロックでは攻撃をする側が圧倒的に有利になります。
その有利であるアタッカーが確実にスパイクを決めて
サーブ権を奪い返す、その連続でした。

途中、東レが米山達也選手に2枚のブロックを張ったりもしましたが
米山達也選手がそれをうまく打ちぬきました。
レセプションがきちんとセッターに返っている際、
ひとつのポジションに2枚以上のブロックがつくのは、
おそらく「その選手をマークするように」という指示が
ベンチから出ている場合が多いとわたしは思っています。
(トスにスピードがない場合は
ボールの行方を見てから動いても間に合いますので
ベンチの指示とは関係なくブロックが揃うケースもあります)

そこでブロックポイントが生まれれば
ベンチワークの勝利…となったのでしょうが
サントリー対東レの場合は米山達也選手の技術が上回りました。

そんな知と知、技術と技術のぶつかり合いで
最後は米山裕太選手がサントリーの2枚ブロックにつかまり
セットを失ったと記憶しています。

サーブ権を持っているときに、いかに得点を奪うかが
ジュースを制するカギになります。
そこで、リスクが高くても思い切って強いサーブを打ったり、
たとえ一方のポジションのブロックが手薄になっても、
より攻撃してくる確率の高いポジションにブロックを多く集めたりと
相手より一歩、抜け出すために「勝負をかける」ことが必要になります。

試合の終盤、サーブミスが多くなるのは
こうして「勝負に出る」ため、強いサーブを入れようと
ぎりぎりの厳しい場所をねらうせいだと感じています。

そして、おもしろいことに、このように、どこかで勝負をかけなければ
永遠にサイドアウトが続き、セットを取れないよう
仕組まれているのがバレーボールのルールです。

もし今後、このようにもつれる試合を見たときには
サーブの強さや、ブロックの動きなどにもぜひ目を止めてみてください。

土曜日の大分三好対堺の場合は…、ミスも多く、
(1枚ブロックに止められるなどのミスも含めて)
それがなければもっと早い段階で勝負がついていたセットだったように思います。
ただし、大分三好は東京で見たときとは別のチームのようでした。
闘志が伝わってくる試合運びでした。

さて、コメント欄でご指摘をいただいて気づきましたが
2月21日でこのブログも1周年を迎えました。
ブログを始めるまで、読者のかたの反応をこうして直接、
受け取る機会がなかったわたしにとって
ここに寄せられる皆様の声は大変、励みになります。
呆れるような出来事に直面して、ヘナヘナと力が抜けそうになっても
事実を知りたがっている人がいらっしゃるのだと思うと
なんとか掲載先を探して記事にしなければ、と力が湧いてきます。
よく選手の皆さんが「応援が力になる」とおっしゃいますが
その言葉を、身を持って実感した1年間でした。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

posted by 市川忍 |10:15 | 試合の感想 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2009年02月17日

20分の1ではなく

皆様、こんにちは。

前節、久しぶりに石島雄介選手のクイックを見ました。
ブロック戦略上、限られたローテーションの、
しかもラリー時にしか見られない攻撃なのですが
石島選手が中央から、そして伊藤信博選手がレフトに開く
変則的なフォーメーションでの出来事です。
思わず「おおおー!」と記者席で笑顔に(^-^)

伊藤選手のレフトからのオープンスパイクにもしびれましたし
石島選手の能力を考えると、ダブルクイックや時間差など
バリエーションも増えそうで、俄然楽しみに…。
「このポジションはこうあるべき」という固定観念を
打ち破ってくれる戦略だったと思います。
こうした「B票には表れないプレー」を目にしたり
前節のサントリー対堺、前々節のサントリー対東レのような
白熱した試合を見ると、やっぱりライブ観戦はいいなと改めて感じます。

そして加藤陽一選手のリべロ姿を見て、
ふと大学時代のことを思い出しました。

加藤選手は大学のとき、MBだった時期もあるのですが
都沢監督がおっしゃるには、そもそも筑波大に入学してきたときに、
山口誠選手(現つくばユナイテッド監督)と加藤選手、
どちらをセッターに転向させようかと迷ったとか。
「それほど何をやらせても巧かった」と
おっしゃっていたことを思い出しました。
セッターになった加藤選手?
そんな発想も面白いですね。

企業スポーツが置かれている厳しい立場は依然、変わりませんが
現場ではこうして見どころの多い試合が繰り広げられています。

武富士の件も含め、企業スポーツに関するテーマついては
今後も取材を続け、発表の場を探すつもりです。

この数年、クラブチームの活動を追ってきた中で、
堺ブレイザーズの出陣式に何度か顔を出させていただいています。
行かれたことのあるかたはご存じだと思いますが
出陣式の開始時間が迫るとともに、いろいろな世代の
OBらしき長身の人たちが続々と体育館に集まってきます。
客席からその様子を見降ろしていると、いつも思います。
こうして大勢の方の手から手へ、伝統は受け継がれていくのだな、と。
十何年と在籍し、輝かしい成績を残した選手だけではなく
たった1年でもユニフォームに袖を通したことのあるプレーヤーにとって
スタッフや応援団として関わった人にとって
そして企業の関係者ではなくてもそのチームを応援し、
勝利を願ってきたファンにとってチームの存在がどれほど大きいものか。
どんなに年月が経とうと、チームが存続する限り
こうして出陣式や試合会場に集い、世代や立場を超えて、
バレーを見、同じ話題で盛り上がることができる。
「そんな場をなくしてはいけない」と切実に感じるひとときです。

90年代に休廃部に追い込まれたバレー部は男女合わせて20チームでした。
こうして「ニュース」として見ると単なる20分の1ですが
当事者にとっては大切な1分の1なのです。

今、リーグ戦を戦いながら、休廃部の危機とも戦っているチームには、
「あのときもっと頑張っていれば…」
そんな後悔だけはしないでほしいと思います。

さて、また寒さがぶり返してきました。
わたしは手洗い&うがい&マスクの3点セットで、
ここまでなんとかインフルエンザを回避しています。
皆様もお体に気をつけて。

posted by 市川忍 |18:47 | 試合の感想 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2009年02月09日

1勝17敗・大分三好の存在意義

皆様、こんにちは。
先週末は東京体育館へ足を運びました。
土曜日は東レとサントリーとの壮絶な試合があり
日曜日もその上位2チームが順当に勝利を収めました。
3位以下、7位までの5チームも加わって来週以降は
4強入りに向けて、ますます熱い戦いが繰り広げられることと思います。

そこで気になるのが大分三好の状況です。
今節の結果を受けて1勝17敗。
しかも土曜日の第一セットは得点数が10点という
大差でゲームを落としました。
何より、得点数以上に気になったのが、
選手の目の輝きが薄れていることです。

ファーストボールが乱れるのは致し方ないと思います。
でもツータッチ目のボールを誰も追わない、
足が止まっている、声が出ない……。
試合に出ている選手だけではありません。
アップゾーンからも何のアクションもない。
試合を見るのは天皇杯以来でしたので
そのムードの悪さに正直、目を疑いました。

確かに負けが込めば、チームのムードは沈みます。
ただし、それ以上にわたしの目には
選手一人一人が何に目標を置いてプレーしていいのか
とても迷っているように見えました。

2戦目は声も出るようになっていましたが
根本的な問題を解決しなければ
また同じようにチームの士気が下がる危険があると感じます。
たとえ入れ替え戦で勝ち残っても
この実力差でトップリーグに参加する意義があるのか。
リーグ全体の問題に発展する可能性もあります。

そもそも打開策というのは、まずは、チーム内にいて
身を持って問題を感じている人が考えるべきだとわたしは思っています。
かつ、当事者が提案、発言するほど影響力は大きいものです。
そこで、今までもこのブログで何度も話題に上ってはいたものの、
大分三好についての発言を避けていました。

外野からアレコレと言われたとしても
けっきょく、最後に決断するのも行動するのも自分です。
内側にいる人が自分のプライド、自分のプレーの質を守るために
声を上げなければ本当の解決にはならないと考えたからです。

ただし、そう思ってはいても、もう
どうにも見過ごせない状況になっているような気がします。

病院での仕事があるため、慢性的な練習不足であること、
戦力が整っていないことなど、問題点は多くあると思います。
ただし、大分三好の根本的な問題は、
「クラブチームとして生きていこう」という覚悟が
見えてこないところだとわたしは感じています。
この根本的原因を解決しない限り、目先の課題にも手がつけられません。

もちろん、選手の頑張りや必死にボールを追う姿を見ているファンの皆様にとって
大分三好はとても魅力的なチームなのだろうなぁと感じます。
ただし、取材を通じて「クラブの在り方」を見てきたわたしにとっては
疑問に感じるところが多いクラブです。
その疑問を放ったらかしにしたまま、どんなにチームの強化を叫んでも
現実味のない、絵に描いたモチのように感じてしまうのです。

では今の大分三好に、真っ先にできることは何んでしょうか?
それはチーム名からメインスポンサーである
「三好」の名前を外すことだとわたしは思います。
そして、大分に根付いて生きていくのだという姿勢を
チーム内にも、チームの外部へも見せることが必要だと思っています。

確かに、外したところですぐにスポンサーがつくとは言いきれません。
ただし練習不足も、選手が追う負担も、そのすべてが
「資金難」から生まれていると考えられます。
資金を得るにはスポンサーを見つけるしか方法はありません。
そのためには、メインスポンサーの名前がついたチーム名では
営業面で重い足かせとなる恐れがあるのです。

そもそも昇格から3年間、わたしが大分三好に興味を持てなかったのは
「クラブとして活動していくためのビジョン」が見えなかったからです。
チーム名に「三好」という名前を残している現実と
クラブ化という目標に矛盾が見える部分、
そして選手の練習環境が一向に改善されない面などを見ると
本当にチームを強くしよう、クラブとして生きていこうという
覚悟を持って臨んでいるようには受け取れませんでした。

もし、同じような理由で大分三好を評価し、観察し
わたしのように「興味の対象」から外したスポンサーや
サポーターがいたとしたら…
クラブ運営の足を引っ張ることになるのではないでしょうか。

ヴァイセアドラー(あえてこう呼びます)には
じっくりお話をさせていただいたことのある選手がいないため
選手側がどう感じているのか、実際のところ、わかっていません。
ただし勝つために何が必要なのか、自分たちはどうしたいのか、
選手側も要求ははっきり口にすべきだとわたしは思っています。
負け続けていいと思っている選手は一人もいないはずですし
どうせ苦労をするなら、報われる苦労をした方が建設的ではありませんか。

今後もリーグ戦は続きます。
試合で見せる「目先の課題」だけではなく
根本的な解決にも着手されることを願っています。

posted by 市川忍 |09:35 | バレーボールの未来 | コメント(7) | トラックバック(2)
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2009年02月02日

混戦

皆様、こんにちは。
浅間山の火山灰でベランダが真っ白になっていて驚きました。
皆様の住んでいる地域は大丈夫ですか?

Vリーグは週末、サントリーが12勝目を挙げて
混戦から頭ひとつ抜け出した感がありますね。

相手のエースに対するブロック戦略、
1セット目を取られたあとの攻撃パターンの修正などが明確で
やはり「強いな」と底力を感じるチームです。

そして観戦された皆様もすでに感じていらっしゃるかと思いますが
サントリーは米山選手の活躍がチームを勢い付けています。
レオ選手が出られなかったときにはスーパーエースで
そして前節は越川選手に代わって本来のポジション、
レフトでも起用されました。
大学リーグでのプレーしか見たことがなかったため
「Vの高さにどれくらい通用するか」と探りながら観戦したのですが
相手のブロックの手と手の間をきちんと見て、
巧くスパイクを打っているなぁという印象を受けました。

レセプションも及第点ではないでしょうか。
今後も楽しみにプレーを拝見したいと思います。

さて、訂正とお詫びが。

まずは前回の記事ですが…提出されたのは
「意見書」ではなく「質問書」だったようです。
早とちりです、すみません。

それからコメントの返信で書いた「試合会場の規定」ですが
その後、資料を調べてみたところ
「サブコートを有する体育館」というルールは
現在の運営マニュアルには存在しませんでした。
メインコートの明るさや客席数などははっきりと決められていましたが
サブコートに関しては「ウォームアップ・エリアを確保する」という表記に留まっています。
ただしプレーする選手の立場からすると
やはりそれなりの広さのコートは必要なのでは?と改めて思いました。
(中には試合後、居残り練習をする選手もいますし)

そして以前、ホームゲーム方式のお話をしたときに
「大分三好は今シーズン、他のチームより少ない4試合」と書きましたが
開幕の福島での試合がホームゲームだったようです。
パンフレットの日程表を見て初めて知りました。

お詫びして訂正いたします。すみません。

さて、今週末も東京で男子大会が開催されます。
1節で順位が入れ替わる混戦。
しかも、最も疲れが現れるであろう中盤戦です。
各チームの戦いに注目したいと思います。

ではまた。

posted by 市川忍 |20:32 | 試合の感想 | コメント(4) | トラックバック(0)
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