2009年01月30日
女子代表監督の選考の件で、Vリーグ各チームから
意見書が出された旨を新聞紙上で知りました。
先週、東京体育館で会見があったようですが、男子大会の観戦のため
わたしはその現場にいることはできませんでした。
ただし、各報道を見る限り、意見書を出された方たちの見解は
わたしが感じていた「監督選びの問題点」とは論点が違うようです。
むしろ問題の核心からどんどんズレてしまっているような気がします。
そこで、この件をもう一度、蒸し返したいと思います。
代表監督が決まった昨年12月。
会見場や、その他の試合会場でお会いした同業者(ライター)のほとんどが、
外国人監督の招へいが叶わなかったことを残念がっていました。
特に女子は実績のある著名な監督の名前が上がっていたとのこと。
そして記事にも書きましたが、男子と違い、
すべての候補者が横一線だったこと。
それらを考えると、外国人監督に任せるチャンスは大いにあったのだと思います。
だからこそ、余計に残念だったのかもしれません。
そしてさまざまな話をしましたが
その場に居合わせた同業者のかたたちの意見はほとんど同じでした。
世界ランキングでトップクラスのチームを指揮した経験のある監督が、
もし今、まっさらな目でVリーグを見たとしたら、どの選手を代表に選ぶのか。
そうして選ばれた全日本がどんな練習をし、どんな成長を見せるのか。
どんな戦いをするのか、「純粋に見てみたい」と。
「とにかく、ワクワクするような代表チームが見たい」と
口をそろえて訴えていました。
わたしも全く同感でした。
皆さん、それだけオリンピックの結果には
疑問を抱いていたのではないでしょうか。
わたし自身、「Number」にあのような記事を書きましたが
植田監督にも真鍋監督にも個人的な恨みは全くありません。
植田監督は熱意のある指導で全日本を蘇らせました。
真鍋監督は女子バレーの世界に男子の要素を取り入れ、
久光製薬を常勝チームへと育てました。
両者とも日本バレーへの貢献度は言葉では表せないくらい大きいと思います。
問題は今の全日本に必要な監督であるか?
世界で勝てるチームを作れる人物なのか?
その可能性がどれだけ高いか?なのです。
その点が考慮されなかったことが「残念」なのです。
ただし、その「残念さ」と、今回、意見書を出された方たちの「残念さ」は
種類が違うのではないかとわたしは思っています。
そしてバレーボールを観戦して、応援している方たちの「残念さ」も
意見書を出されたかたたちのものとは種類が違うはずです。
何より問題なのは、意見書を出された方たちが、
その「ズレ」に全く気づいていないことだと感じます。
人は誰でも、長い時間、同じ場所にとどまっていると
固定観念に取りつかれます。
協会の役員のかたたちも、意見書を出されたかたたちも
何十年も同じ環境で同じ生活を送ってきているわけですから
先入観が生まれることも、致し方ないと理解できます。
しかし、その固定観念が「進歩」の邪魔をするケースも多いと思います。
わたし自身も取材をする際は、なるべく公平な目で、真実を見ようしますが
過去の経験によって抱いた印象が含まれてしまうときがあるのは否めません。
たとえば今、全日本についてその固定観念を言葉に表すと
「○○選手はもう代表に選ばれないだろう」という憶測が、
それに当てはまると思います。
もうベテランだから、過去に呼ばれて活躍できなかったから、
あの監督には評価されていないから等々
そんな、これまでの慣例を照らし合わせて予測を立ててしまうのです。
いけないなぁとわかってはいても、つい、
そういう目で選手を見てしまうことがあります。
しかし、これは単なる「思い込み」です。
もし、何も知らない外国人監督が純粋に、
個々の選手の技術やリーグでの活躍度、
伸びしろなどを見て選んだときには
過去とは違う選考がなされるかもしれません。
先入観で凝り固まっているわたしたちの視点とは、
全く異なる何かが見えてくるかもしれません。
自分とは異なる意見に耳を傾ける。
それが、「視野を広げる」ということなのだとわたしは思います。
今後、意見書の存在がどのように影響するのか、
そして、選手選考は無事に行われるのか不安は尽きませんが。
ぜひ、広い視野を持ってものごとに臨んでほしいと思います。
長くなってしまいました。
ではまた。
posted by 市川忍 |01:27 |
バレーボールの未来 |
コメント(7) |
トラックバック(1)
2009年01月26日
この週末は静岡サイトで計4試合を観戦しました。
まずは気になっていたJTについて。
相変わらずゴメス選手の打数は多いのですが
記録で見ていたときの印象よりは、
相手のブロックの裏を書いた配球もあり
なんでもかんでもゴメス選手頼み…という内容ではなかった気がします。
しかし依然、打数が多いことは確かです。
試合を見ながら、ふと考えました。
クイックを使うのは、それほど勇気がいることなのでしょうか。
確かにコンビミスには失点というリスクが伴いますし
決まらなかったときのダメージも大きいです。
ただし、センター攻撃なしで勝利することは近代バレーでは不可能です。
と考えると、攻撃が単調になりがちなチームには
必ず何らかの原因が存在するのだと感じています。
JTに関しては、まずはその原因究明が必要なのではないかと思います。
センターが機能したJTは、きっと今より
相手にとって嫌なチームとなるのではないでしょうか。
ちなみにセンターとの関係は練習だけでは築けないとわたしは思っています。
クイックをうまく使うインナーワークに定評のある
朝長孝介選手が以前、こんな話をしていました。
「センターの選手も人間なので、自分に上がってくると思って助走に入るときと
きっと上がってこないだろうと思って飛ぶときでは微妙にタイミングが変わってくる。
だからフェイクばかり飛ばせていると、いざ本当にトスを上げたときに
コンビネーションが合わなくて決まらないことが多いんです」
センターを使うのだ、信頼しているのだという意思表示として
たとえコンビネーションに不安があっても、やはり上げ続けるべきなのでしょう。
そんな朝長選手が在籍する堺は前週から3連敗。
厳しい戦いを強いられています。
日曜日はスタメンで出場した金井選手や、
途中、エンダキ選手に代わって入った西尾選手が奮闘しましたが
残念ながら勝利を手にすることはできませんでした。
選手交代が有効に作用しなかったのは
「チームが勢いに乗れない理由の本質」が
交代で補った部分とは違うところにあるからだとわたしは感じました。
堺の問題点は北島選手の対角に入るWSの決定力です。
このポジションに入る選手の決定率が低いため
相手のブロックからすれば、堺の攻撃は非常に読みやすいのだと感じます。
現に日曜日の試合では北島選手がサーブで狙われました。
北島選手の動きを止めれば、あとはエンダキ選手をマークするだけ。
そんな同じパターンで失点している気がします。
石島選手のコンディションが戻るまでの間、
打開策として、普段は途中から出場するWSなどの、
起爆剤的な起用を試みてもいいのではないかと感じました。
東レも年明けの連敗から、どうにかチームを立て直したようです。
Vリーグ再開からいきなり連敗をしましたが
司令塔の阿部選手は依然、健闘していると感じます。
バレーは勝てば研究され、対策を立てられ、
次にまた勝つためには、その上を行く研究と対策が必要になります。
良い結果が出れば、そのあと、必ず壁にぶつかるスポーツです。
現在の阿部選手は、その成長過程にある「壁」に
ときどき、ぶつかっているように見えますが
上のステージに行くために、通らなければいけない道だと
わたしは思いながら試合を見ています。
サントリーはメロを欠いても、代わりに出た米山選手が活躍…と
選手層の厚さを感じました。
とにかく寒い会場で、選手が故障などしないかと心配しました。
会場係の人も、見ていたかたも大変だったと思います。
環境の改善も、引き続き訴えていきたいと思います。
同じ大会、そして氷見へ試合を見に行かれたかたは
この週末、どんなことを感じられたでしょうか?
ではまた。
posted by 市川忍 |00:16 |
試合の感想 |
コメント(5) |
トラックバック(1)
2009年01月19日
皆様、こんにちは。
寒さのあまり、外取材の際は、人目も気にせず
フードをかぶり、ネックウォーマーで顔半分を覆っています。
かなり怪しい風貌になりますが、一度、コレをやってしまうと
やめられないくらい暖かいのです^_^;
皆様は外出のとき、どんな防寒対策を取っていらっしゃいますか?
さて、Vリーグも中盤に差し掛かり12試合を消化しました。
今週は恐怖の執筆期間。
パソコンの前を離れると、抱えている原稿に支障を来しそうなので
Vリーグ生観戦は自粛しております。
観戦されたかたは、お疲れ様でした。
4つの勝利数の中に7チームがひしめく混戦となっています。
7チームに4強入りの可能性があるわけですが、
となると、どうしても気になるのは残りの1チームのことです。
リーグというものは、ある程度、力が拮抗していないと
リーグ全体が盛り上がりに欠ける性質を持っています。
今年度の大分三好はとても見ごたえのある試合をしていると聞きますし、
わたし自身も試合を見て感じました。
なんとか踏ん張って、他のチームを
勝ち星の数でも追いかけていただきたいと思います。
今週のB表を見て気になった点がひとつ。
JTはこの週末、1勝1敗で終えたようですが
ゴメス選手の打数の多さが気に掛かります。
確かに酒井選手の戦線離脱は痛いのですが
酒井選手が出場していたときも
ほぼ同じくらいの配球率だったように記憶しています。
今は勝てていても…
決勝ラウンドのような「ここ一番」の試合になったとき
この戦略がどう影響するのか。
一人の力で勝つには限界がある。
ここを読んでくださっている方はすでにご存じかと思いますが、
それがわたしのバレーボール論です。
JTの戦い方には今後も注目していきたいと思います。
執筆の山を超えると、Vリーグ観戦が待っています。
眠い目をこすって頑張ります。
皆様も新しい一週間、元気で乗り切ってください。
ではまた。
posted by 市川忍 |00:09 |
戦略、戦術、コーチング |
コメント(5) |
トラックバック(0)
2009年01月13日
全国的に寒い一日となったようですね。
皆様、お風邪など召してはいませんでしょうか。
プロ野球は自主トレが始まっています。
そもそも自主トレとはポストシーズン中に選手が
「自主的に行うトレーニング」のことを略したものです。
南の島へ行って暖かい土地で始動する人、
地元で動き始める人、みな、人それぞれです。
東京に初雪が降った9日。
埼玉西武ライオンズの選手の自主トレを取材させてもらいました。
寒さを想定し、使い捨てカイロをベタベタ貼りまくって現場に行きました。
室内練習場でみっちり4時間。
休憩も取らず、体を動かし続ける選手たちを見ていると
足もとからじんじんと伝わってくる強烈な寒さも忘れるほど。
人より多く、質の高い練習を積もうという熱い思いが伝わってきます。
それにしても野球選手のオフは短いですね。
年末はぎりぎりまで球団主催のイベントや取材が入り
年始はファンのかたたちと触れ合う祝賀イベントに参加。
そして1月の第一週からは、こうして
トレーニングを始める選手がほとんどです。
そうこうしている間にあっという間にキャンプインです。
特に今年は3月にWBCが開催されますので
候補選手は例年よりピッチが速いような気もします。
思えばシーズン中も休みはほとんどなく、
試合のない日は遠征先への移動日。
移動先で練習する選手もいます。
ナイターの日は午前中から練習場に顔を出す選手もいますし
試合後、ユニホームのまま室内練習場へ向かう選手もいます。
そうやって生き残りをかけた戦いに臨んでいるのですね。
「これで生きていくのだ」という覚悟を感じます。
見習わなければ。
毎年、この時期に自主トレの取材をすると、
わたしも自然と背筋が伸びお正月気分が一気に吹っ飛びます。
さて、今週は新人合同自主トレの取材があります。
寒さの和らぐ自主トレ日和でありますように。
posted by 市川忍 |00:37 |
野球 |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2009年01月06日
皆様、こんにちは。
2日から取材へ出たり原稿を書いたり
あわただしい新年を過ごしています。
とはいえ、年末にしっかり休んだので十分な休養も取れました。
改めまして、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年最初の記事は、旧年中から考えていたテーマが表題となっています。
わたしたちの生活にスポーツは必要か?
必要なのだとしたら、それはなぜか?
考えさせられたきっかけは西武アイスホッケー部の休部です。
バレーボール部の休廃部は90年代がピークでした。
現在の世界規模の不況は、現時点ではバレー界まで波及していませんが
先行きの見えない経済状況を見ると、
このあとも、企業スポーツにとっては厳しい時代が続くかもしれません。
男子Vプレミアリーグに所属する8チームのうち
企業のスポーツ部として活動しているチームは6チームです。
2つのクラブチームにもメインスポンサーが存在していますので
ほとんどが、企業の業績に身を委ねていると言えるでしょう。
西武アイスホッケー部の休部は決して人事ではない気がします。
そもそも、スポーツというのは
「生活になくてはならないもの」ではありません。
食べ物や住む場所は、失うことで日常生活に支障を来しますが
スポーツがなくなっても餓えませんし
寝るところを探してさまようこともありません。
そう考えるとスポーツは「必要不可欠なもの」ではないのかもしれません。
世間でこれだけ職を失っている非正社員のかたが多い現状を見ると
スポーツ部の活動費が削られるのも致し方ない、
そんな気分にもなります。
そして、そう考えてしまうところに「企業スポーツ」の限界を感じたりもします。
難しい問題です。
わたしにとってスポーツ観戦は「生きるエネルギー」です。
スポーツライターという職業であることはもちろん、
ひとりのスポーツファンとしても「人生に欠かせないもの」のひとつです。
たとえば、仕事で嫌な思いをしてもスポーツを見れば一瞬で忘れられますし
傷ついた心を癒してくれることもあります。
試合で頑張る人の姿を見て、自分も励まされたり
あきらめない人の姿を見て、自分もそうありたいと努力します。
食料や住居と同様、生活する上で欠かせない
優先順位の高い重要なものです。
そういった「誰かの力のもと」が徐々に減っていくことに
世の中は、もっと大きな危機感を抱くべきではないか。
そんなことを、年末からお正月にかけて考え続けていました。
どうしたら企業がスポーツ部を手放さなくて済むのか。
不況だから仕方ないという一言で済ませてはいけない、
企業スポーツは今こそ、景気に左右されない
新しい道を模索すべき時期ではないかという気がします。
なんだか、結論の出ない記事ですみません。
あまりにも難しい問題なので、これからもずっと考え続けるでしょうし
考えるたびに答えが変化したり、気持ちが揺れることもあるかもしれません。
ただ、今の気持ちをなんとか言葉に残したいと思って記しました。
奇しくもJVAの会長挨拶に
スポーツは夢であり希望だというコメントがありました。
その理念には、全く同感です。
そして、大事なのは、それを守るために
携わるすべての人が知恵を絞ることだと思います。
posted by 市川忍 |23:56 |
近頃思うこと |
コメント(12) |
トラックバック(1)