2008年06月27日

ワールドリーグについてと、雑談

皆さま、こんにちは。
いよいよ週末はワールドリーグ東京大会ですね。

ワールドリーグは第5週までの登録メンバーが発表されました。
国内での2節は斉藤選手と富松選手が入れ替わった以外、OQTのメンバーです。
前回のコメントでもご質問がありましたが、この変更の理由については
いまだ何の情報も得ていません。
今後、もし会見などで話題に上ったらお知らせしますね。

ポーランド大会のMBが2名になっているのは何かの間違いでしょうか?
でも、1名のセッターでアジア選手権に出てしまったこともありますから
ありえないこともないかも。。。

WSの顔ぶれの中に石島選手がいれば、いざとなったときにMB出場ということも
考えられますが、確か、このメンバーでMB経験者はいないですよね。

それにしても「オリンピック出場を控えている」状態で、
全日本がワールドリーグに参戦するのを見るのが初めてなので(!)
OQTのメンバーがフルで出場するべきなのか、それとも
本番に備えて調整程度の出場にとどめるべきなのか
わたし自身、現段階では判断できません。。。

記録を見るとイタリアはMBのサラ選手以外は
ほぼ、OQTメンバーのまま戦っているようですね。
各国、数名の選手を新たに試し、最終エントリーを決めるのでしょうか。

個人的には北島選手、柴田選手、谷村選手らのプレーを見たかったのですが。
大阪大会に期待したいと思います。

ワールドリーグは毎年、ガンガンに冷房がかかった会場で
しかも観客が少ないため館内が異常なほど冷え過ぎてしまい
ぶるぶると震えながら試合を見た覚えしかないのですが
前売りチケットの売れ行きもいいそうで
今回はそんな思いをしなくて済みそうですね。

余談ですが、どこかでOB戦、企画してくれないかなぁと期待しています。
筑波大OB対東海大OBとか。
もちろん、当時のポジションで。
石島選手のブロード攻撃、柴田選手&北島選手の対角や
富松選手のライトからのバックアタックをもう一度、見てみたい気がします。
以前はVリーグもオールスター戦があって、混合チームも楽しかったですね。
スケジュールの問題で難しいかとは思いますが。

それにしても試合がないと、まともな記事が書けませんね。
そして、まさかこんなに執筆依頼が来るとは思わず
ブログにじゃんじゃん書きすぎてしまった!(苦笑)という反省もあって
落ち着くまでは雑談のような話ばかりになってしまうかもしれません。
しばらくの間、内容がまったりしてしまいますが、どうかお付き合いください。

ではまた。

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posted by 市川忍 |00:27 | 近頃思うこと | コメント(11) | トラックバック(1)
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2008年06月18日

6月19日発売のNumberにて

皆さま、こんにちは。
記事掲載のお知らせです。

6月19日(木)発売のNumber 706号にて以下の特集が組まれています。

バレーボール世界最終予選

【密着ドキュメント】男子バレー、16年ぶりの結実

【緊急インタビュー】荻野正二

わたしは「密着ドキュメント」の記事を担当しています。

それから前回の記事に対してもたくさんのコメント、ありがとうございました。

Mさん!
セッターの成績の出し方、なにかで目にして
「ふふーん、なるほど」と思った覚えがあるのですが、
それをどこで見たのか全く思い出せなくなってしまいました。
(どうも最近、記憶がどんどん上書きされる傾向が…)
確か、Mさんがおっしゃるようにスパイカーが決めればセッターにも●ポイントとか、
そういった「結果による加点減点式」も含まれていた気がします。
ニュースソースを思い出せたらお知らせしますね。

ようこママさん
> WLの初戦で監督が二人のエースを日本にの越しているとおっしゃっていましたが二人って、三人じゃないの?と素朴に疑問に思いました。
エースの定義は難しいですね。
ただし昔、レフトの選手のことを「エース」と呼ぶ習慣がありましたので、
監督の発言の場合、そういったポジション的な意味かもしれません。

男子バレーファンさん
残念ながらイタリア対オランダの試合は見ていませんでした。
でも、パピやジャーニのプレーは
日本で開催された国際大会で何度か目にしたことがあります。
パピは小柄ですがキレがあり、日本人でもフィジカルとテクニックを鍛えれば
こんなプレーができるのではないかと期待を抱かせてくれる選手でしたね。
ちなみにオリンピックでわたしの記憶に強く残っているのは、
ユーゴスラビアが金メダルを獲得した試合です。
グルビッチ兄弟の活躍はもとより、ユーゴの組織立った守備力を見て、
これが世界レベルのディフェンスなのだと驚愕した覚えがあります。
あのときのユーゴと同じ舞台に全日本も立つのだと思うと、感無量です。

ケイタロウさん
補足ありがとうございます。
確かにルールはご指摘の通りです。
ただし、ワンポイントブロッカーが起用されるのは大抵が20点以降の「勝負所」なので、
その後のことを考える必要がそれほどあるのかという意味で
斉藤選手の起用方法がずっと心に引っかかっていました。
他国は普通にMBをワンブロに出していましたし。

こおろぎさん
> 朝長選手の方にばかり長い列ができていた事が印象に残っていたのですが、
プロトコールのアタック練習に関して特別に取材をしたことがないので、理由はわかりません。
お役に立てずすみません。

ピピさん
タンピョウ選手はそんなに深刻な状況だったのですか。
本当に残念ですが、一日も早く回復することをお祈りしたいと思います。

posted by 市川忍 |21:53 | メディア掲載のお知らせ | コメント(15) | トラックバック(0)
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2008年06月16日

OQTを振り返ります その2

皆さま、こんにちは。
たくさんのコメント、アクセス、ありがとうございます。
改めてOQTへの関心の高さを痛感し、同時に、とてもうれしく思います。

すべてにお返事ができず心苦しいのですが、取り急ぎ、質問に対するお答えを。

ナオさん
> あそこは宇佐美を投入して前衛の山本越川を生かしても良かった場面ではなかったかと見ていました。
> 朝長のトスはブレていましたし、流れを変えるミスもしました。
セッターの交代については、おっしゃるように何度かチャンスがあったと思います。
ただし、もう1敗もできない崖っぷちに立たされた状況で、
前の試合まで勝ち続けてきた司令塔を代えるのは、やはり勇気が必要だったのかもしれません。
あとは宇佐美選手を起用するチャンスがあったとしたら
オーストラリア戦のスタート時だったとわたしは思っています。
でも、やはり朝長選手のそれまでのトス回しが監督の印象に残っていたのか、実現はしませんでしたね。

> もつれた結果、勝てた要因は采配だったのですか?
朝長選手の配球も、大きな勝因のひとつだと思います。
朝長選手の功績については、ここでさらに語る必要はないと思い、
前回の記事では彼の課題ばかりにスポットを当ててしまいましたが、
朝長選手の活躍もあってこその出場権獲得だとわたしは思っています。

アルゼンチン戦の5セット目の終盤、朝長選手と松本選手との間で
クイックのコンビミスが2本、出ました。
セオリーならリスクの少ないサイド攻撃に頼りたくなるところですし
(コンビミスで失点することを考えれば、2枚3枚のブロックがついても
その日、決定力の高いWSに上げたほうがいいとおっしゃる専門家もいます)

一度、失敗した攻撃であれば、なおさら避けてしまいがちですが
朝長選手は臆せずMBに上げました。
どんな場面でも「最も決まりやすい攻撃は何か」と考え、
アタッカーに託せるのが朝長選手の長所だと思います。
朝長選手はアタッカーに対して過度な信頼を寄せ過ぎず
(よく聞く「○○選手と心中」という台詞のような意味での)
先入観のない目で、最も決まる確率の高い「ポジション」を選択しているように見えます。

あのとき、おそらく前衛にいたのが松本選手ではなく山村選手でも、
コートに立っていたのが斉藤選手でも、
富松選手が12名に残って試合に出ていたとしても、
きっと朝長選手はMBにトスを上げたでしょう。
手持ちの駒、すべてをフルに生かして戦うというのが
朝長選手の信条なのではないかと、彼のトス回しを見ていると感じます。

対照的だったのは、開幕前からコンビに不安を残していた石島選手に対し
宇佐美選手は序盤、なかなかトスを上げることができませんでした。
ところが朝長選手は、何度か息の合わなかった越川選手に関しても、
越川選手がベンチに下げられる直前まで
越川選手の存在を「駒のひとつ」として忘れていませんでした。
それが「アタッカーを信じる」ということなのかもしれません。

宇佐美選手VS朝長選手、MBの争い、WSの人選など、
「競争の原理」が全体の底上げにつながります。
こうして選考に関して様々な意見が出てくるということは
選手層が厚くなってきた喜ぶべき証拠だとわたしは思います。

mikeさん
> ワンブロでの交代の場面で、どうして清水選手・福沢選手に声がかかるのかが非常に疑問でした。
> 斎藤選手のブロック力が、大学生コンビに劣るとは私は思えないのですが・・・。
大会期間中は他に取材しなければいけないことがあったために、
この一件に関しては監督に質問をぶつけることができませんでした。
ただ、普通に考えるとmikeさんのおっしゃるように
まずは斉藤選手に声がかかるべきで
「何か斉藤選手を出せない事情があるのか」と勘ぐってしまいそうになる起用法です。
そこで「要員がいない」という表現を使いました。
今後も謎を解明するチャンスをうかがいたいと思います。

ミーさん
> もしそのへんの数字もわかるのなら教えてほしいです。
レセプションの成功率に関しては以下が大会終了後の公式記録です。
(FIVBホームページより)
http://www.fivb.org/EN/volleyball/competitions/WorldOQT/2008/WM3OQT08/Stats/Best_Receivers.asp?sm=27
どんな大会でも「BEST PLAYER」というコンテンツで
個人の成績とランキングを知ることができます。
レセプションは相手のねらいによって受数も変わりますし、
各々の選手の守備範囲の広さも違いますので
一概に数字だけでは判断できませんが、ご参考までに。
しかし、国際大会の公式記録を見ると、
VプレミアリーグのB表の親切さが身に染みます。
国際大会のP2表ではバックアタックの本数はわからないし、
P3表を見ないと出場全選手の成績もわからないので持ち歩く資料が膨大な量に。
「普段、効果率を載せてほしいなどと贅沢ばかり言ってすみませんでした」
という気持ちになります。

久留里さん
> ちなみに、市川さんのブログは監督や選手の方に
> 読まれてるんですか?
うーん、おそらく全日本の皆さんは存在を知らないと思います。
いつか人づてにでも届けばいいなと、問題定義に関してはコツコツと草の根運動を続けます(笑)。

しのぶさん
> 福沢選手は大舞台、特にオリンピックは大丈夫でしょうか?
福澤選手に限らず、すべての選手が、むしろOQTよりオリンピックのほうが
「失うものはなにもない」状態で思い切りプレーできるのではないかと思います。
出場権を取ること自体、戦前は非常に厳しいと考えられていたので
OQTのプレッシャーのほうが計り知れないかと。

初めましてのかたも、いつもコメントをお寄せくださるかたも、ありがとうございます。
「復活」ですが、今後、新たに書店に出荷される分は、
帯に「出場決定の瞬間」の写真と(あ、監督はまだ起きていらっしゃいます)
「祝 北京へ」という文字が使用されるようです。
書店でチラっと見てみてください。

ワールドリーグは1勝1敗でのスタートですね。
早くホームでの試合を見たいものです。
ではまた。

posted by 市川忍 |02:26 | 試合の感想 | コメント(15) | トラックバック(0)
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2008年06月13日

OQTを振り返ります

締め切りを無事、終えましたので、記事とは重ならない部分で、
わたしが感じた世界最終予選の感想を記しておきたいと思います。

今後のお仕事で「収穫」について多々、触れそうな予感がするので
ブログは課題を中心につづろうと思います。

目立った大きな課題は3つあったと思います。

・ブロック要員の確保
ピンチブロッカーに福澤選手と清水選手を出す作戦に効果があるとは思えませんでした。
2人とも高さはありますし、もちろん今後、
ブロック部門でも成長する可能性はありますが、現時点での実力は疑問。
後ろを守るディフェンス陣の心理も考慮し、ピンチブロッカーには、
外される選手より確かな力がある選手を出すべき。
ブロック効果率が高い宇佐美選手にピンチブロッカーを出す必要はないと考えます。
何より大学生コンビの他にピンチブロッカー要員がいない「チーム編成」が
非常に気がかりでした。

・攻撃のスピード化
皆さんもお気づきだと思いますが今大会、宇佐美選手-越川選手というコンビは速さがあり、
非常に有効に機能していたと思います。
課題は朝長選手に変わったあと、サイドへのトスが遅くなったこと。
バンチリードブロックでは、ブロッカーはトスの行方を見てから移動しますが
朝長選手に変わってからは、ミドルブロッカーがトスを見て動いても
十分、サイド攻撃に間に合ってしまっていました。
越川選手にとって気の毒だったのが、
たとえば完全にブロックがつくと予測できる場面であれば
相手のブロックを見て、割れている部分をねらったり、コート外に出したりと
きちんと工夫して打てる技術を彼は持っています。
宇佐美選手もそれをねらって、2段トスに関しては、
越川選手がブロックを見る余裕が生まれるように
あえて、ふわっと高いトスを上げていたと思います。
ところが、朝長選手のトスはブロックを振れるわけではなく、
かといってブロックを見る時間があるほど高くもない。
それが越川選手にとっての不運だったとわたしは感じています。
セッターが朝長選手に代わったとたん、決定力が落ち、出番が減りました。
ただし、朝長選手は自身のトスのスピードアップという課題を把握していますし
出場権を獲得したあとの最終戦で、あえて石島選手に前日までより速いトスを出し、
コンビ合わせに務めていたと思います。
そのトスが低くなってドキっとする場面もありましたが、
最後の1戦を無駄にしないという意気込みは見えました。

・もう1名のアウトサイドについて
福澤選手が才能にあふれ、気骨を兼ね備えた将来有望な選手だということは、
最終戦のプレーを見てもよくわかります。
ただし、チーム編成にはバランスが重要です。
今回、荻野選手がありえないくらいの気力で踏ん張ったために
アウトサイドの人材不足は目立ちませんでしたが
やはり、もう1名のアウトサイドは、荻野選手と同レベルは無理にしても、
石島選手とは同じくらいの守備力(特にレセプション)があり、
荻野選手より多い打数(特にパイプ)が期待できるアウトサイドを入れるべきだと思います。
以前「福澤選手を入れるのがこのタイミングなのか」と書いたことがありますが
もっと早い段階で代表入りに踏み切っていれば、ワールドリーグやアジア選手権などで
海外の「生きたサーブ」を受けるチャンスがあり、
ぶっつけ本番でOQTに臨むこともなかったでしょう。
もしアルゼンチン戦で五輪出場が決まらず、最終戦までもつれていたら、
おそらく福澤選手の出番はなかったと思います。
出番を必要とされない選手がベンチにいるのは、
世界最終予選という舞台を考えると健全ではないですし
福澤選手本人にとっても、非常に気の毒だと感じます。

それから以前、「越川選手と石島選手ならどうして越川選手が下げられるのか」
という質問をお寄せいただきました。
OQTが終わったらお返事しますと約束していましたね。

まず今大会に関しては越川選手はアタッカー同士の力関係というより
「セッター(朝長選手)ありき」のチーム作りの前に、
コートに立つ機会が減ってしまったのだと感じています。

そして、ワールドカップ当時、植田監督は2人を比較し
「石島のほうがレセプションが安定しているから」と
何度か会見で発言されていたと記憶しています。
植田監督の構想では「越川選手OR石島選手」で、
守備重視で石島選手を起用していたのだと思います。
(だったら尚更、早い段階から2人を固定して、実戦で
守備力の強化を図るべきだとわたしは感じていましたが)

ただし、著書にも書きましたが、
わたしの印象では、越川選手には1枚ブロックに止められるとか、
味方のファインプレーのあとの1本をミスしてしまうという、
悪いほうで目立つイメージが正直、ありました。
石島選手は2枚3枚のブロックを前にしても、エンドライン際をねらって打ったり、
リバウンドを取って(自分で拾って)攻撃を立て直すテクニックがあります。
そして全体でのアタック決定率は悪くても(OQTも43%と決して高くはありません)、
終盤のここ一番、流れを引き寄せる大事な場面で、なんとかできるという印象がありました。
その「印象度」の違いも起用法に影響したのかもしれません。

しかし、今大会で、わたしの中にあった越川選手の
「勝負弱い」というイメージはすっかり拭い去られました。
イタリア戦の終盤、競り合いの中で決め続けた姿に、彼の成長が現れていたと思います。
周囲の評価を弾き飛ばそうと、彼が努力を重ねた結果だと思います。

……という答えでご納得いただけるでしょうか。

オリンピックでの組み合わせが発表されましたね。
初戦がイタリア戦とは、なんとも楽しみです。

大会期間中、そして終了してからも
たくさんのコメント、ありがとうございました。

posted by 市川忍 |00:09 | 試合の感想 | コメント(34) | トラックバック(1)
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2008年06月11日

ありがとうございました

やっと締め切りが終わりました。
皆さまは、まだ熱戦の余韻にひたっていらっしゃるでしょうか。

さて、OQTの感想を書く前に、どうしてもひとつ、触れておきたいことがありました。

ここ数週間でさまざまな選手の勇退、移籍が発表されています。
近年は特に、親しくさせていただいていた選手の引退が続き、寂しい思いをしています。
ちょっと前に発表された澤畠雄一郎選手には、
さっそく長年、お世話になったお礼を申し上げたのですが
またひとつ、寂しいニュースを耳にしました。

JTサンダーズからも平野信孝選手と臺光章選手の勇退が発表されました。

平野選手は、わたしが初めて「担当」という形で、
何度も続けて取材をさせていただいた選手でした。

わたしがバレーボールの記者になったばかりのころ、
男子バレーはとても人気がある時期で
今では信じがたい話ですが、わたしが働いていた専門誌では
全日本の人気選手には各々、その選手を継続して取材する「担当記者」がついていました。

当時、全日本の主力選手は中垣内氏や南氏、青山氏。
彼らのインタビューは毎回、すでに先輩記者が担当することが決まっていました。
そこで新入りのわたしが、ちょうど全日本に選出されたばかりだった
平野選手を担当させていただくことになったのですが、
その専門誌が休刊になるまでの間も、
そして、一般紙へと活動の場を移してからも、
何度も何度も取材にご協力いただきました。

最初のころは、突然、バレーボールという未知の分野を任されることになり、
右も左もわからない状況で、頭に叩き込んだルールや
資料を頼りにインタビューへと向っていました。
そんなわたしにも、平野選手は、とても優しく接してくださった覚えがあります。
(そもそも当時のわたしは、スーパーエースがポジションの名前だとは知らず
「すごいエース」という意味だと勘違いしていました!恥ずかしい…)

初対面の印象は、そのまま、何年経ってもずっと変わりませんでした。
普段から本当に穏やかな性格のかたでした。
普通だったら嫌な顔をされても仕方ない状況でも
(何日間も遠征に密着させていただいたり、負けた試合のあとでもコメントを取りにいったり)
驚くほど真摯に対応してくれる選手でした。

平野選手を筆頭とした、記者になって間もないころに出会えた人たちの優しさのおかげで、
素人同然だったわたしが今でもこうして
バレーの記者を続けていられるのだと感謝しています。
出会った選手、皆様全員に育てていただいたのだと思っています。

平野氏はベテランと呼ばれる年齢になってからも常に進歩を続けていた選手だと思います。
スーパーエースからレフトに転向し、
レセプションフォーメーションに入るようになったのも近年でしたね。
早出練習で毎日のようにレセプションの練習を繰り返していたそうです。
そのプレースタイルと同様、常に「攻め」「挑戦」の姿勢を失わない選手だったと思います。
これからはコーチとしてチームに係わられるとか。
ぜひ後輩の育成にご尽力いただきたいと思います。

そして臺選手のほうは、非常にユニークで、不思議な人といったイメージでした。
あるとき、わたしの質問に対して、長い長い沈黙が続いたことがありました。
「こんなにじっくり考えてくださって、これは、ものすごい答えが返ってくるに違いない!」
と身を乗り出して待ち構えていると「で、質問の内容、なんじゃったかねぇ」と。
新喜劇のようにズッコケました(笑)。
個性的な、ステキなかたでした。
新しい世界でもより一層のご活躍をお祈りしています。

今シーズン、勇退を発表された皆さま、本当にお疲れ様でした。
ありがとうございました。

posted by 市川忍 |00:25 | 思い出話? | コメント(1) | トラックバック(0)
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2008年06月09日

北京へ

男子バレーを応援する皆様、
バレーボールに携わるすべての方々、
オリンピック出場、おめでとうございます。

いまだ執筆の最中なのですが、煮詰まったので気分転換を、と思い更新します。

振り返ると長かったような、あっという間だったような、不思議な9日間でした。

「終わったんだな」とホッとすると同時に
(いや、まだ原稿があるのでホッとしている場合じゃないのですが)
なんだか寂しい気持ちもあります。
試合展開を見ていて、これほど楽しいと感じ
体が震えるような思いを味わった大会はありませんでした。

スポーツを書く仕事をしていると、当たり前なのですが
その競技自体を「楽しむ」ということを徐々に忘れていく気がします。
試合中は展開に集中し、試合が終わったあとは
次は誰それの取材、あの選手のコメントも取らなきゃと
自分の課題をクリアしていくことでいっぱいいっぱいで
試合を楽しんでいる余裕はありません。

しかし今大会は少し、違いました。
自分が取材を続けてきたテーマが、試合の中でひとつひとつ
結実していく様子を見るのが、
これほど楽しく、嬉しいことなのかと、初めて知った気がします。

一方で、選手がなにを課題に取り組んでいるのか、
何に悩み、迷っているのか、
知っていたがゆえに、味わう苦い思いもありました。
結果を出せない選手に対しては
どんなに歯がゆいだろう、どれほど辛いだろうとも思いました。
しかし、やはり記者は「伝えること」でしか、彼らに係われません。

この9日間で自分が目にしたものを
どんなかたちであれ、徐々に記していければと思います。

オリンピックに出場すると世界が変わる、と荻野選手はおっしゃっていました。
とりあえず、資料が散乱した自分の部屋と
持病によって回らなくなってしまった首を見る限り
わたしの人生は全く変わっていませんが(苦笑)。

すべてがこれからの努力次第ということなのでしょう。
キモに銘じて、まずは目の前の仕事に全力で。

ではまた。

posted by 市川忍 |11:38 | 試合の感想 | コメント(13) | トラックバック(0)
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2008年06月07日

いよいよ

皆さま、おはようございます。

昨日の記者会見で「この16年間を振り返ってください」と言われた荻野選手。
思わず、天井を見上げて苦笑していました。

簡単に、短い時間で振り返ることができない「長さ」だったと思います。

わたしが男子バレーの記者になったころ、
すでに日本は世界で勝てないチームになっていました。
でもそれは、当時の全日本の選手が手を抜いていたとか、
がんばっていなかったからでは、決してありません。

たった一度のボタンのかけ違いからリズムが狂い、
それまでの努力すべてが水の泡になる瞬間を何度も目にしてきました。
バレーボールというのは、一度歯車が狂うと、流れも、勝利も、
あっという間に手の中からこぼれ落ちてしまう怖い競技なのだと
バレー記者になってからの13年間で学んだ気がします。
(ですからマジック1となった今も、全く楽観はしていません)

8年前、ポルトガルでアルゼンチンに惨敗し、
初戦で五輪出場への望みが消えてしまったとき、帰りの飛行機の中で、
涙をこらえ原稿を書いたことを昨夜、急に思い出しました。

こうやってあるとき、ふと、鮮やかに蘇ってくる思い出ってあるんですね。
この8年間、普段はすっかり忘れていたことなのに。

荻野選手にはぜひ、16年間の思いをぶつけていただきたいと思います。
過去の出来事を笑って振り返ることができるよう、なんとしても勝ってほしい。
そして、全日本チームは過去の代表チームがつないできたバトンを手に
ゴールのテープを切る瞬間まで全力疾走していただきたいと思います。

では、行ってきます。

posted by 市川忍 |09:24 | 試合の感想 | コメント(6) | トラックバック(1)
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2008年06月05日

タイ戦

オーストラリアが韓国に惜敗!という
驚くような試合を見たあとに始まったタイ戦でした。
(どこかで見たような冒頭文???)

昨年のアジア選手権の最終日、オーストラリアが中国に破れ
日本に優勝の可能性が転がり込んできたときと似たシチュエーション。
アジア選手権では優勝のプレッシャーから
選手の脚が完全にロックされてしまいましたが
昨日は大丈夫でした。動いてました。

タイはアジア選手権のときと、メンバーを代えて臨んできましたね。
アジア選手権で活躍したスパチャイ選手はエントリーもされていませんでした。
同じく、日本戦で嫌なイメージを残したワンチャイ選手はそのまま。
(毎年、博多で行われるアジア太平洋カップの会場アナウンスのおかげで
タイには名前だけは強烈に覚えている選手が多いのですが
この2人の場合は昨年のアジア選手権の活躍で、忘れたくても忘れられない人に)

センターからのバックアタックは完全にオープントスだし
ワンチャイ選手がレフト、ライト、バックセンター、バックライトと
いろんな場所から打ってくる、高校バレーのような「ワンマンチーム」と化していました。
メンバーの入れ替えでワンチャイ選手の負担が大きかったのかもしれません。

対する日本は……。
朝長選手が入ると山村選手、石島選手が生きる。
(石島選手のスタートローテの位置も堺と同じですし)、
宇佐美選手が入ると越川選手の速いレフトが生きる。
途中で代わることがあっても、違った組み立てで相手を翻弄できるのでは。
朝長選手はVリーグ中、出場機会が少なく、なかなか調子が上がりませんでしたが
なんとか五輪予選には戻してきました。

今大会では石島選手が前衛にいるときも、後衛にいるときにも
フローターサーブのフォーメーションに入る機会が多いので
バックアタックを打てるとすれば、3人で守るジャンプサーブ時、
それも津曲選手か越川選手がサーブを受けたときがチャンス。

第3セット、その少ないチャンスをしっかりパイプ攻撃につなげたのを見たときに
朝長選手は試合に出られなかった2試合、
本当によくチームを観察していたのだと感じました。

さて、明日はいよいよ天王山です。
ブログの更新が滞るかもしれませんが、便りがないのは元気な証拠(?)と思って
皆さまも観戦、応援、がんばってください。
コメント欄はちょこちょことのぞくようにします。

posted by 市川忍 |09:54 | 試合の感想 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年06月04日

韓国戦

オーストラリアがイタリアに完敗!という
驚くような試合を見たあとに始まった日韓戦でした。

印象に残ったことをふたつばかり。

代わって入った朝長選手は、やはり基本に忠実で、相手をよく観察しています。
相手のブロックの低いところを中心に攻めていました。

第1セットから第2セットにかけてと、第2セットから第3セットにかけて、
韓国はスタートローテーションを変えてきましたが
3セット目以降、石島選手の目の前(日本から見たレフト側)で跳んでいたのが
セッターのチェ選手でした。
朝長選手はその最も低い場所から執拗に攻撃を仕掛け、日本のペースを作りました。

もうひとつは清水選手。
第4セットでしたか、ライトから決めたスパイクですが、
一旦、コートの中央に切り込んでから
もう一度、外側に開くという変則的な助走で相手のブロックをかわしていました。
成長のあとを感じました。

次はタイ戦ですね。
タイの印象はブロード、ブロードをフェイクにしたライトの攻撃など
コンビネーションが多彩なイメージです。
日本がどんなディフェンスを見せてくれるのか楽しみです。

posted by 市川忍 |00:48 | 試合の感想 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年06月02日

2試合を終えて

今日は練習日でした。
予想通りホスト局以外は見学禁止。
なのでわたしは休養日にし、コンディショニング(?)に務めさせていただきました。
どんな練習をしているのか、気になるところですが、
練習内容というのは必ず試合運びに出るものです。
明日以降の試合で確認することにして…。

まずは、ここまでの2戦を振り返っての感想を。
石島選手の打数が少ない。特にバックアタック。
ワールドカップ時に比べ、スタートローテーションの越川選手と石島選手の位置が
逆になっているのですが、このローテだと石島選手が後衛の際、
前衛にいるミドルブロッカーは松本選手が2ローテ、山村選手が1ローテとなります。
パイプもない、クイックも少ないとなると
どうしても攻撃は両サイドに限定されます。
今は越川選手に決定力があるので凌いでいますが、このままでは大会終盤、
手詰まりになる恐れが。石島選手のパイプをもっと使うか、
もしくはクイックを増やすか(決定率を上げることももちろん)、
改善が必要だと思います。
幸い、石島選手が後衛にいる際には、宇佐美選手とコンビの合っている松本選手が
前衛にいる機会のほうが多いので、もっとクイックで中央を意識させることは可能だと思います。

センター線の機能について
ワールドカップ2007、日本対スペイン戦で日本は実に13本のシャットアウトを食らいました。
試合後、スペインの監督に「ブロッカーに対しどういう指示を出したのか」と尋ねると
「ブロッカー個人には特別な指示は出していない。ただ、戦前に
相手のセッターの傾向…チャンスボールが返ったときにはこういう攻撃が多い、
逆に崩れたときにはこのポジションに上げるというデータを選手に見せて、
そのことを頭に入れて戦うよう指導していた」と話していました。
対戦相手がそういった「セッターの傾向」を読んでくることを考えると、
もう少し「レセプションが崩れた状態からでもクイックを使うのだ」という
意思表示は見せたほうがいいのではないかと思いました。
イタリア戦の第2セットでしょうか、山村選手の縦のBクイックを使って失敗しましたが、
Bカットからのコンビは、回数をこなし
「セッターがビビらずに上げないと成功率も上がらない」と
Vリーグ期間中、東レの篠田歩選手もおっしゃっていました。
ゲーム序盤であれば、たとえミスをしても取り返しはいくらでもできます。
勇気を持って試してほしいと思います。

NTCに移ってからいったいどんな練習をしていたのかと心配しましたが、
スピードアップされた越川選手(特にライトの決定力が上がりましたね)や
山本選手の攻撃を見ると、個人個人はきちんと課題を克服してきたのだなと感じました。
あとはブロック。大会が進むにつれ、選手間の意思疎通はもっと密になると思いますので、
ブロックとディグの関係が改善されることを願います。

明日は日韓戦のほかにもイタリア対オーストラリアという見逃せないカードがありますね。

ではまた。

posted by 市川忍 |20:59 | 試合の感想 | コメント(9) | トラックバック(0)
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