2008年05月24日

誰かが決めたかった1点

女子は出場を決めましたね。
おめでとうございます。

いよいよ次は男子。
ホスト局はNTC合宿を取材しているはずなのですが
テレビのスポーツニュース等で合宿の様子は取り上げられているのでしょうか。

26日に最終エントリーの発表記者会見が行われますが、
30日には対戦国の監督会見が開かれるというプレスリリースが送られてきました。
26日は記者発表のみで、公開練習はナシとのこと。
寺廻ジャパンも、田中ジャパンでも、ここまで報道が締め出された経験はないので、
いったいどんな練習をしているのか気になるところです。

さて、唐突ですが今日は、わたしのライターという職業について少し語りたいと思います。

総労働時間はおそらく一般会社員のかたとあまり変わらないと思うのですが、
本や雑誌の出版サイクルに合わせて仕事をしているため、
どうしても不規則な生活になります。
特に「締め切り前」と「普通の状態」の忙しさの度合いに
恐ろしいほどの差があるのがこの職業の特徴かもしれません。

非常にバランスの悪い(体にも悪い)職業です。

そんなわたしのいちばんの気分転換方法は「書くこと」です。
わたしは、旅行に行くとか、スポーツで汗を流すといった、
いわゆる世間で言われている「気分転換」を必要だと感じたことはありません。
(確かに旅行にも、遊びにも行きますが、それで気分転換を図っているという
意識はあまりないのです)

きっと、原稿でも、こうしたブログの記事や返信でも、何かを書くことによって
日々、自分の中で消化し切れなかった感情に区切りをつけているのだと思います。
つけきれず引きずることも多々あるのですが、
書くことによって少しスッキリした気分になるのは事実です。

そういえば「復活」の執筆中、斉藤信治選手から
「一冊の本を作るのには一体、どれくらいの原稿を書くものなんですか?」
と尋ねられました。
「だいたい原稿用紙にすると400枚から500枚くらいです」と答えると、斉藤さんは
「すごい量ですね。僕なんか講演会で話すことの下書きだけでも困っているのに、
やっぱり記者って書くことが苦じゃない人にしかできませんね~」と驚かれていました。

「実は書きたいことがあるのに、書く場所がないほうが余程つらいんです」
「だから文字の制限があまりなく、思い切り、好きなだけ書いていい書籍は
ものすごく楽しいですよ」とわたしが言うと、
斉藤さんは「へえ、そういうものなんですか」と意外そうでした。

伝えたいことを伝える手段がないほど、切ないものはありません。
わたしはバレー記者になってから過去、寄稿していた専門誌の廃刊を2度経験しています。
自分が働いていた場所が無くなるというのは、身を切られるような辛い出来事です。

そこから一般紙に働き場所を移したのですが、一般紙となると、
ご存じのように、サッカーや野球などの他の競技に比べ
バレーボールが取り上げられる機会は決して多くありません。
そのせいか、わたしはいつも「書きたい」「でも書く場所(媒体)がない」という
フラストレーションを抱えて記者を続けてきたような気がします。

書きたいことが胸にたまってくると、本当に
胸に何かがつかえているような感覚に陥り、息苦しくなってくるから不思議です。
そんなとき、たとえば原稿用紙2枚程度の短いコラムを依頼されたりすると、
わたしは「1文字も無駄にするものか!」という貪欲な気持ちで(笑)執筆していました。
ですから「Vリーグ」が「V・プレミアリーグ」に変わったり、
「センター」を「ミドルブロッカー」と呼ぶようになったときには悲しかったです。
それでなくても文字数が少ないのに、貴重な原稿用紙の数コマを
名前の表記だけで余計に奪われてしまうなんて!と。

思えば、選手が毎日毎日、練習を積んで準備を整えてきても、試合に出られない。
書く場所がないというのは、そんな歯がゆさに似ているのかもしれません。

さて、話は世界最終予選に戻ります。
26日、最終エントリーの12名が発表になります。
OQTに出場し、オリンピックを目指したかった選手は、
おそらく日本中に大勢いることでしょう。
日本代表は、そういった選手の文字通り「代表」です。
すべての「1点」は、コートに立っている選手以外の
誰かにとっても「決めたかった1点」なのだということを
頭の隅に置いてプレーしてほしいと思います。

そして、残念ながら願いの叶わなかった選手にも、
自分の目標を見失わず、自分の能力を疑うことなく日々、
バレーと向き合ってほしいと願っています。

全日本に入ること以外にも、地域に愛される選手になる、
観客を呼べる選手になるなど、バレーを続ける上での重要な目標は
たくさんあると思います。

わたしが記事を書くのは、働くフィールド柄、
どうしても全日本の選手や代表チームに偏りますが
自分の目標をしっかりと持っている選手たちを
これからも追いかけ、記事にするチャンスをうかがいたいと思います。

さて、次の更新はおそらく12名の発表後になるかと思います。
またその会見の感想などもアップしたいと思います。

posted by 市川忍 |23:28 | コメント(6) | トラックバック(0)
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