2008年03月10日

V・プレミアリーグ男子大会雑感 《手持ちのカード》

皆様、こんにちは。

お返事が遅くなりましたが、Tosshiさん。
クラブの運営については、立場が違う相手からでも、
ノウハウのヒントを得ることは可能だと思います。
想像力を働かせ、アレンジを加えるなどして、
自分たちに合った方法を模索していくことが大切なのではないでしょうか。

それから「勝負」の前では、置かれた立場の違いは
度外視すべきだとわたしは思っています。

V・プレミアリーグに参戦し、
他の7チームと同じ土俵で戦うと決断した時点で、
大分三好には(2000年の堺にも)自己責任が発生しているからです。

環境を含めた試合にいたるまでのプロセスも、
試合結果も、すべてが自分の責任となります。
その道を選択したのは自分だからです。

だからこそ、そういった「並々ならぬ覚悟」を持ってリーグに参戦しているチームには、
ぜひとも健闘していただきたいし、運営が潤滑に進み、
少しでも他のチームと近い条件で試合ができることを祈っています。

ユウさん、文呼さんと同様に、わたしも、
わたしの立場でできることで貢献したいと考えています。


さて、前節の観戦雑感です。

スタメンが発表され、試合が開始して、
わたしがまず最初に注目するのはスタートローテーションです。

スタートローテーションの考え方はチームの方針によっても違いますが
そのセットで長く前衛にいることになる選手が
「攻撃の要」だとわたしはとらえています。
「スーパーエースに最も長く前衛で攻撃させたい」と考えているチームであれば、
セッターのサーブからセットをスタートさせる。
そう考えると、徳元選手のサーブからスタートするJTは、チームから
対角にいるパンテレイ選手が攻撃の中心だと期待されているのではないかと予測できます。

たとえば、東レは今田選手が前衛のレフトにいるローテーションで
セットをスタートすることが多いのですが、
今田選手がレフト、レアンドロ選手がライト、そして越谷選手が
後衛センターのパイプ攻撃に参加するローテーションが、
チームとして最も得点力のある布陣なのだろうと考えられます。

スタートローテーションが変わったときは、
そのチームが何らかの戦略の上、手を打ってきたと考えるべきでしょう。
前節の広島大会では堺、東レ、サントリーがそうでした。

成功するかしないかは別として、各チームとも、
相手のエースにどのブロッカーをぶつけるか、
推敲を重ねているように感じます。
相手のエースを封じることを優先するのか、
それともこちらの攻撃力が高いローテーションを優先するのか。
それはチームの判断だと思います。

日曜日の東レとサントリーの1戦には、
セミファイナルでの戦いを見据えた「ベンチ同士の攻防」を感じました。
この伏線が大一番での戦いにどうつながっていくのか楽しみです。

ちなみに近年では、すべてのローテーションで
レフト(越川選手のいるサントリーは後衛レフトも)、
ライト(または後衛ライト)、パイプ、クイックと
常にリベロを除いた4名の選手が攻撃に参加できるよう
メンバーを構成するチームがほとんどです。
(セッターのツーアタックやフェイントを入れると5名になりますが)

これらのチームのセッターは、常に4枚のカードを手にしているわけで、
その中から場面に応じて最も効果があると思われる
「1枚」を選んで使うことができます。
手持ちのカードが多ければ多いほど、
相手のブロックが警戒してくれるポジションは増えることになり、
当然、攻撃する側が優位に立てます。

そのうちのひとつでも決定力が落ち、攻撃としての効果がなくなれば、
1セットのうちに数度、手持ちのカードが減るローテーションが生まれてしまいます。
その分、相手のブロックの頭の中からは
「警戒しなければいけない攻撃」がひとつ消えることになります。
ブロッカーにとっては助かります。

東レがここへきて勝ち星を増やしてきたのは、今田選手が復調することで、
6つのローテーションでの決定力の差が少なくなり、
連続失点を最小限に留めているところにあるのではないかと
わたしは感じています。

posted by 市川忍 |12:15 | コメント(4) | トラックバック(0)
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V・プレミアリーグ男子大会雑感 《手持ちのカード》

こんにちは、はじめまして。
先ほど、こちらのページを見つけ、その分かりやすさに、喜んでおりました。
よく、ブログを見ればプロライターを御職業にされているということで、改めてプロということはすごいのだなぁと感嘆しておりました。
セッター、手持ちのカードの文に、ああそうか、と深く納得しています。試合の勝敗にセッターの度量が反映されているとのことでしたが、そうすると、よくリーグオフィシャルサイトなどで公開されているアタッカーの個人決定率にも、セッターの技量が関わっているのでしょうか。素人の私はあの数字を見て誰々はすごいのだなと判断していたのですが、そんなに簡単なものではなさそうですね。逆にいえば、チームの状況が芳しく無いために才能を生かすことの出来ない選手はいらっしゃるのでしょうか。市川さんの視点から見える範囲で構いませんのでお聞きしてみたいです。

posted by 加奈子 | 2008-03-10 14:44

堺ブレイザーズと大分三好について

丁寧なお返事ありがとうございます!
私が言いたかったのは、企業バレーのカタチから脱却しようとして、クラブ運営化した堺と、現在の大分三好の置かれる(置かれてきた)環境の違いについてです。
私自身、大分三好については詳しくはわからないのではっきりは語れませんが、それぞれのバックグラウンドの違いを知りながら話題とした方が有意義な気がしましたのであのようなコメントをさせて頂きました。

市川さんの言うように、私も「勝負」は「勝負」と考えています。その点についてはこれらの話題(バックグラウンドについて)は度外視だと思っています。
ただ、バックグラウンドの「違い」を知ることで、より深くスポーツを楽しめる気がします。それは単に、「大変な環境の中でやってるから応援したい」という様なものではなく、「スポーツの価値」の部分にまで入り込むような楽しみ方のことです。



余談です↓
実は今、コロンビア共和国でバレーボールのコーチをしているんですが、「勝利に対する思い」の違いを感じるときが多々あります。
コーチと言ってもアマチュアとジュニアのチームですが。
「勝利へのこだわり」というのは、日本人と外国人とでまた異なった感覚がありそうだな・・・と一年経って強く感じます。

posted by Tosshi | 2008-03-12 14:31

V・プレミアリーグ男子大会雑感 《手持ちのカード》

オイラは九州に住んでいるのですが、去年大分三好の一年間が地方番組で特集としてやってました。
病院の院長はバレーをやっていたらしく、寛大な方のようです。選手の殆どは看護学校、病院勤務、練習、資格の勉強と大忙しです。
突然あるチームが廃部になり、繰り上げで大分三好にプレミアへの参加要請が来るのですが
「とてもじゃないが忙しくて無理だ」
と素直に本音を喋る選手もかなりいました。プロ選手として外国人助っ人や南選手などが入団するのですが、練習も授業などで全員揃うのが難しいというのが現実だったようです。
バレーを練習したいが介護の勉強もやりたい選手と、もう一度日本代表に復帰したい選手との間に溝が出来るのですが、リーグ終盤になってお互い歩み寄っていきます。
テレビなのでどこまで真実かは分かりませんが、オイラは純粋に好感を持てて、大分三好のファンになりました。同じ九州やし・・・
若い選手達が「俺達はなんでバレーをやっているんだろう?」と勉強の合間に考える場面があったんですが、その部分こそ正にTosshi殿が仰った
「スポーツの価値」
だと勝手に解釈しました。

念願の一勝には感動しましたね~

posted by 小太郎 | 2008-03-12 22:25

V・プレミアリーグ男子大会雑感 《手持ちのカード》

Tosshiさん、小太郎さん、コメントありがとうございます。

「スポーツの価値」について、同感です。
単純に競技への興味だけではなく、
プレーしている選手各々の「生き方」「感じ方」があり、
そこに魅力を感じるからこそ、わたしもこういう仕事を選んで、
背景や人物像をあぶり出す作業を繰り返しているのだと思います。

自己責任の世界とはいえ、当事者にとっては
簡単に割り切れる出来事ばかりではないでしょうし、
だからこそ、そこには小太郎さんがご紹介してくださったような
「ドラマ」が生まれる気がします。

それにしてもコロンビア共和国ですか!

Tosshiさんの選んだ道にも、
Tosshiさんが感じる「スポーツの価値」が隠されていそうですね。

Tosshiさんに限らず、バレーを好きで見ている人、
プレーしている人、携わる仕事をしている人、それぞれに
「バレーと係わる意味」があるのだとすれば、
その数だけ物語がありそうで、見たい、知りたい、
書きたいという好奇心が揺さぶられます。

posted by 市川忍 | 2008-03-13 18:46

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