2008年04月19日

取材こぼれ話 《きっかけ》

先日、野球の記者をしている友人と、こんな話題で意見が一致しました。
「一度、話を聞いてみたいと思いつつ、
なかなかそのタイミングがつかめない選手っているよね」

実際、なんと声をかければいいのか迷っている間に、
あっという間に何年か経ってしまっていたというケースが多々あります。
(これは記者としてはあまりお勧めできない例なのですが)

わたしやその友人のようなフリーランスの記者は、
特定の媒体で記事を書くことがまだ決まっていない場合、
球場や試合会場で「ちょっといいですか?」と怪しげ(?)に選手を呼びとめ、
「ぶら下がり」と呼ばれる立ち話、もしくは歩きながらでの取材を
お願いすることが多くなります。

顔見知りならまだしも、初めて口を利く選手に、
まだ記事にできるかどうかもわからない状態で声をかけるのは、
仕事とはいえ、なかなか勇気のいる行為です。
「これを絶対に聞きたいんだ」という覚悟がないと、きっかけがつかめません。

しかし、友人とそんな話をしていた直後、幸い、長い時間、
タイミングを逃してきた選手にご挨拶するチャンスが訪れました。

以前、セッターの力量についての記事の中で、
「まだじっくりお話をしたことはないが、その配球から意図を感じる」と書いた
パナソニックの岩田正之選手です。

全日本合宿の、練習後のほんのちょっとの時間だったのですが、
Bカットからのトスについての見解などをうかがいました。

今シーズンのパナソニックは、レセプションがAカットで返らなくても、
サイドやパイプの決定力が高いという印象が強かったのですが
岩田選手のお話を聞いて、その理由がわかりました。
チーム単位で「Bカットでのサイドアウト率をどう上げていくか」という
課題に取り組んできたそうです。
練習の成果がこうしてはっきりと試合に表れるのは、
練習効率がよく、選手の理解度も深い証拠です。
パナソニック優勝の理由が少し解明できた気がします。

そもそも北島武選手や柴田恭平選手、阿部裕太選手らが選ばれていた
ジュニアの世界選手権当時から、何度か選抜合宿の取材にはうかがっていたし、
もちろん大学でもVリーグでも、岩田選手のプレーを見るチャンスはたくさんありました。

ジュニア時代の岩田選手の印象は、とにかくアタッカーからの評価が高いセッター。
誰に聞いても「岩田のトスは打ちやすい」という言葉が返ってきたのを覚えています。
これほど一貫して評価が高いセッターは珍しく、
その動向がずっと気になっていました。
気になっていたものの、話をするチャンスがなく現在に至っていたのです。

今回、シニア代表には初選出ということで、今後の合宿でも注目してみたいと思います。

関東は雨が上がりました。
今日は久しぶりに大学バレーを見に行こうと思います。

皆様もよい週末を。

posted by 市川忍 |09:09 | コメント(4) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
取材こぼれ話 《きっかけ》

 先日「復活」を買い読ませていただきました!!
本が読むのがあまり好きじゃなくて、滅多に読まないのですが、
「復活」はあっという間に読み終わっちゃうくらい、熱中してしまいました☆
なかなか選手たちの裏話など知ることができない私にとって、とても読み応えがあり、いいほんでした、、、
時間があったらまた読み返したいとおもっています。笑

取材など大変だと思いますが頑張ってくださいねー!

posted by らら☆ | 2008-04-19 16:21

取材こぼれ話 《きっかけ》

らら☆さん、こんにちは。

本が苦手なかたに一気に読んでいただけたというのは、
記者冥利に尽きるお褒めの言葉です。
コメントありがとうございました。

posted by 市川忍 | 2008-04-20 10:37

取材こぼれ話 《きっかけ》

久しぶりにお邪魔させていただきます!
私も「復活」読ませていただきました。
自分の考えをまとめるのにかなり時間がかかり今日になってしまいました。
ゆっくり読ませていただきました。市川さんの文章は本当に読みやすくわかりやすいです。
とても心が痛く切なくなりました。
オリンピックへの選手のみなさんの思いが凄く伝わってきます。
チームの為に自分を犠牲にしたり、自分を変えようとしたり、我慢したり、盛り上げようとしたり、みんながチームの事を考えている。
越川選手が言う「行かなきゃいけない場所」は私から言えば選手のみなさんの今までの苦労や努力を思えば「行くべき場所」だと思います。

ワールドカップは試合を見てそして「復活」を読んで自分なりに思ったのは、選手達は相手チームをしっかり見て試合が出来たのだろうか?という事です。
失敗したら代えられるという思いからびくびくして、ベンチの方ばかり気にしていていたのではないのかと・・・
競技は違いますが私はベンチ側にいたことがあります。
試合中調子の悪い選手がいたらいかにいつも通りの調子に戻してあげるか考えアドバイスするものだと思っていました。
あんなびくびくした選手達の試合を今まで見たことがありません。
特に越川選手の頬がこけて青白くなっていく顔は涙が出ました。
開き直っての最後の3戦は今までとは全然違うチームだったと思います。ベンチをチラチラ見ることもなく相手チームをよく見ていた試合だったと思います。
最終予選はそんな試合をしてもらいたいです。

そして荻野選手の「僕は喜んで犠牲になる。」という言葉、でも自分を大切にしてこそ出来ることです。ですから選手のみなさん1人1人自分を大切にしてほしいです。

考えをまとめて書いたつもりでしたがごちゃごちゃしてしまってすみません。

また機会がありましたら本を書いて下さい。
素晴らしい本を書いてくださってありがとうございました。

posted by RYO | 2008-04-20 21:27

取材こぼれ話 《きっかけ》

RYOさん、こんにちは。

ごちゃごちゃなんて、してないですよ。
真摯な思いが伝わってくるコメント、ありがとうございました。

おっしゃるように、わたしも、誰かが犠牲になったり、
我慢をするのではなく、すべての選手の長所が輝くような
全日本であって欲しいと思います。

posted by 市川忍 | 2008-04-22 23:49

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