2006年10月26日
阪神タイガースには「ベンチがアホやから負けた」と言って、そのまま引退に追い込まれた投手がいる。周りは、ネタにするが、ご本人がそれを得意げに語っているのは、見かけたことがない。
ワンプレーに対する思考時間が長く、その分監督の采配が大きく影響する、野球というスポーツにおいては、選手間の連携以上に、チームそのものの意思統一が欠かせない。従って、監督だけでなく、誰か特定の選手を、批判することはチーム戦略の遂行上大きな妨げになる。
日本ハムの金村投手に、シーズン中から相当なストレスがたまっていたことは、察することができる。まるで、成功事例のように日本ハムの北海道移転は語られているが、長期的な戦略に欠けた、思いつきに近い計画が、たまたま地元の熱狂で成功したように見えているだけだ。運が良かったともいえる。金村だけでなく、古くから日本ハムに在籍する選手の中には、そもそも北海道へチームが移転する事に対する説明もほとんどなされず、強引に計画を推進するフロントのやり方に、不信感を持っている人も多いという。移転前にチームを去ることのできた選手は幸せな方で、生活の糧を失うわけに行かず、なくなく家族を置いて単身赴任している選手も多い。西武ライオンズの長期的な北海道フランチャイズ計画を横取りして大もめにもめたことを棚に上げて、得意気に地元密着について語る日本ハム球団のフロント陣には、厚顔無恥という言葉がぴったりだ。
それは選手には関係のないことなので、これ以上は止めておく。
金村に話を戻すと、
ヒルマンベイブともいうべき、若手投手の台頭で、ローテーションも金村を中心には回っていかない。もちろん、シーズンを通して、決して素晴らしい投球を続けたわけでもなく、声高に「オレオレ」と叫ぶわけにはいかなかったろう。
だからこそ、せめてもの、プライド、もしかしたら契約上の到達点でもあったかもしれない、二桁勝利、を前に気合いが入っていたに違いない。ただ4回2/3で交代させられただけでは、シーズン終盤、大事な時に個人記録のことだけであそこまで監督批判(外国人差別的な内容まで!)をぶちまけることなどできないだろう。
パリーグのシーズン大詰めは、プレーオフを、何回、どのチームがどこで戦うかが、最後まで読めない、スリリングな展開だった。そして、そこに金村の力が必要なかった、という結果になってしまった。
第四戦でようやく先発機会が巡ってきた金村だったが、投球には、特筆すべき点はない、というより、毎回のようにピンチを招く、苦しいピッチングであった。中日打線も、第三戦では拙攻ではあるが良く振れて、ヒットは出ていた。打線は総じて上向きといえる。
中日の先発中田は、どちらかというと悪い出来。制球はいつもつかないのだが、ボールがほどよく散る時は勢いにまかせて打者を押し込める。しかし、この日は、ボールがはっきりしており、四死球で走者を塁に貯めてしまう、悪い方の中田だった。
中田は初回こそ、無失点だったが、3回、上位に再度回ってきた時は、通用しなかった。慎重にストライクを取りにいったところを、森本、田中に連続長打を浴びてしまって、先制点を献上。小笠原、セギノールに死球を与えて、満塁、稲葉。さすがに、「ここで打ったらMVP」とでも頭をよぎったか、力んでしまい三振。新庄の三遊間ライナーは井端の好捕にあってしまい、続く稲田は日本シリーズクオリティになく三振。無死満塁では点が入らないとは良く言ったものだ。
5回表、中日は無死から9番井上が二塁打を放つ。絶好の形で、最悪の状態の1-2番。しかし、打てなくても、何でも出来るのが、中日のはず。そしてその通り、荒木は右打ちで走者を進めて、一死三塁。同点は固いはずなのだが・・・拙攻しなくてはいけないことになっているのか、井端は最悪のサードゴロ。ランナー動けず。二死三塁。
ここで、ヒルマン監督、マウンドへ。
監督批判のきっかけとなったのと同じ、あと一死というところでの、行動。
だが、前回は、三点差で、二死一二塁からベニーにヒットを打たれ、満塁となって今江、で交代だったのだ。1-0で、一死三塁、サードゴロで二死三塁で福留、では交代も、確認事項も何もないよ。
役者なだけだ。しかし、チームをのせるために、役者になるのも、監督の采配の一つだ。
金村は渾身の投球で福留から奪三振。
金村の奪三振率は4を切る程度で、決して三振を多く取る投手ではない。今日もこれが2つ目だ。
それをこの場面で。渇を入れられた。気合いが入った。
なんとでも見出しがとぶだろう。感動が売れる。そんな気分だ。
そして、5回裏試合が決まった。中日は中田から石井にスイッチしてきた。三巡目は持たないだろう、と言う判断はやむを得ない。しかし、石井も持たなかった。小笠原二塁打、セギノール四球。セギノールは軽くガッツポーズをしたようにも見えた。そして稲葉が、タイムリー二塁打で二点追加。初回の失敗が生きて力みもとれた良いバッティングだった。
中日には、もう跳ね返す力がない。
継投も石井-鈴木。もう普通ではなく、監督の混迷がうかがえる。
日本ハムも、金村を5回で替えてきたので、盤石の継投には少し足りない。どう補うかがポイントだったが、金村の後を受けたトーマスを早めに見切り、建山にスイッチ。中日は満塁まで追い込み、井上の大飛球(ファール)を打たれるが、結局とらえきれず無失点。
建山は7回も走者を出したが、その後を、岡島がこれまた満塁にまでされるが結局抑えた。
中日は、第三戦の3併殺に続き、第四戦は、12残塁。
ここまで、守備のミスは減りつつあり、試合運びはそれなりにらしいものを見せるのだが、継投がおかしい。
しかし、「仮に」、第五戦で勝負が決まらなければ、多くの投手が既に登場し、調子もつかめている状況は、中日にとって有利にはたらくとも考えられる。単に、託せる中継ぎ陣がいない、という結果であったのならば、もう第五戦で試合は決まるだろう。
試合後のお立ち台は・・・金村。
インタビュアの問いかけに応える前に、涙顔で、謝罪と感謝の気持ちを述べる金村。
彼が辛い1ヶ月を送ったのは本当によく分かる。
しかしシナリオにしてはできすぎだ。
だが、伝える側、見る側の、薄っぺらな感動を誘う美辞麗句がなくても、プレーする選手、そしてチームの、醸し出す雰囲気だけで、感動が伝わる。きっと伝わらないだろうという思いから、こうやってブログに記すことも憚られるが、それを見た人はよく伝わったと思う。
日本ハムには、優勝するための条件が整ってしまっている。それも、何となく日本一、ではない。数年後まで、いくつかの場面が語り継がれるであろう、日本一として。
その場面が、三文芝居くさくても、一向に構わないではないか。
主役は、選手であり、我々は幸せにもそれを見られる、そういう立場なのだから。素直に感じ取りたい。
posted by ironmouse |18:57 |
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2006年10月25日
シーズン中の中日は、試合終盤に脅威的な(感動的な)逆転劇を何度も演じてきた。その過剰なまでの集中打は、サイン盗み疑惑まで呼んだ。その真偽について何のソースも持ち合わせていないので、議論はできない。だが、試合終了まで何が起こるのかわからないのが、野球の怖さである、とつくづく思い知らされたものである。
第三戦の先発である武田勝と朝倉はどちらの立ち上がりもさほど悪くなかったが初回は点の取り合いとなった。
日ハム3点、中日1点であるが、谷繁の野選の分、日ハムが余計に点を取っただけ。朝倉はシーズン中とさして変わらぬ出来。ただ、第二戦の流れを引きずっているのか、中日の選手のプレーには硬さがみられる。
そして、初回以降、またしても試合が動かない膠着状態となる。武田勝であれば、中日打線は苦もなく得点を重ねるかと思ったが、武田は、打たれても、打たれても、点は許さない。
象徴的だったのは4回表。ウッズのヒットの後森野が併殺打。二死からアレックスと立浪が連打で谷繁が三振。
中日は5回無死一塁・荒木の打席でエンドランを仕掛けたが、これも荒木の今の状態を踏まえて最悪走者をすすめよう、という意図のはずが、二塁ベース真横に打球がいってしまい、楽々併殺。
アップアップの武田勝が5回まで持ってしまった。
6回表に福留に二塁打を浴びたところで、武田久に交代。
ウッズに対して、初戦とは別人のような、攻撃的な投球で、フルカウントから高めの球を空振り三振にとる。まるで藤川の投球を見るような、「力でねじ伏せた」というにふさわしい投球だった。
中日は7回も井上が併殺打。
8回、右右と並んだ中日の一・二番を抑えて二死まででお役ご免。
武田久の投入が早いことが気がかりであったが、2回2/3を抑えたことで、帳尻を合わせた。これは日ハムにとってはもちろん大きいが、中日にも「武田勝をとらえきれなかった」後悔をさせるのに充分であった。
朝倉は、2回以降ほぼ完璧に日本ハム打線を抑えた。早いカウントから打っていく日本ハム打線の狙いもあったのだろうが、実にスイスイと投げていた。第二戦のような交代期を逸したわけではなく、替える理由が見つからない、素晴らしい投球であった。
3-1のスコアで、9回となれば、日ハムはマイケルが出てくるだろう。
そして、そういう場面で、中日は何かを起こしてきた。
逆にいうと、常に緩んだ投手交代をせず、あきらめずに3-1のスコアを維持するのが中日の確実性であった。
しかし、8回裏に森本にポテンヒットを打たれ、田中の今シリーズ5個目の犠打で送られる。左の小笠原を迎えて、ついに朝倉は交代。投手は左の久本・・・じゃなくて、小林。あれ?なんで?
とりあえず舞台慣れさせる場面ではないしな・・・久本が悪いのかな・・・と思う間もなく、初球デッドボール。
あらら、おいおい、どうする。
テレビは、珍しく痛恨の表情を露わにする落合監督の顔を映し出した。
そして、交代。右の中里。まあここは、平井か中里だろうから、やはり舞台慣れ優先なのかな・・・
中里のストレートは素晴らしく、セギノールを三振に切って取る。お、こりゃなんとかなるか。きっとまた落合がしつこく出てきて、左の久本に替えて、ブラウン監督が怒る・・・と思いきや、中里続投。は?あれあれ?嫌がらせ級の投手交代はどうしたの?日本シリーズはテレビ中継が終了しないから、嫌がらせの意味がないとか?
まあ、敬遠気味で、新庄勝負かしらね・・・ほら初球からボールだよ
・・・・とそれをスクって稲葉がダメ押し3ラン。
んんー。勝負あり。
なんだけど、釈然としないのは、中日のあっけない試合運び。
継投のタイミングといい、投手といい、監督の選択は最善だったのか。
併殺が三本、というのも、運が悪いのを通り越している。
プレーでミスがあったとすれば、結局初回の谷繁くらいだ。
日本ハムサイドからすれば、まともに攻撃できたのは初回と八回だけである。投手もやっとこさ抑え、守備も当たり前のプレーがあっただけである。ベンチワークの差・・・としか言いようがない。
あるいは、中日には、シーズン中の、粘っこさを失うような、何かが、監督とチームに起こっているのか。
不思議な、
しかし、日本ハムには大きな二勝目だった。
中日は得意の「普通の野球」ができなくなっている。
そのことが三戦を通じてはっきりしている。
posted by ironmouse |19:05 |
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2006年10月24日
15年ほど前まで名古屋に住んでいたが、そのころ既に山本昌はプレーしていた。
当時の名古屋は今のような中途半端なおしゃれ感はなく、ナゴヤ球場は場末の雰囲気がプンプンであった。それは、地域の地方都市が東京化目指すのとは、ひと味違う、名古屋のプライドのような気がしていた。
スタンドの応援はエネルギッシュで、チームもスマートではなかった。野武士軍団、などと言われていた。そんな中、山本は、線の細い投手で、おいおい、こんなん取ってきて大丈夫か、というのが中日ファンの衆目の一致するところだった。
彼が劇的に変わったのは、アメリカに野球留学に行ってからである。なんだかとても長く野球留学に行っていた。しかし後にも先にも、数ヶ月であれほどドラスティックな成長を遂げた選手を、私は他に覚えていない。もっとも野球留学というのもバブルで太っ腹な話だが。
彼の変化は、スクリューボールの会得である。
アメリカに行ったと思ったら、帰ってきて、いきなり日本シリーズで投げたんじゃなかったか。五年目での突然の開花だ。その当時から、緩急で勝負するピッチングスタイルは変わっていない。それどころかトレーニング技術の向上か、得意のラジコンパワーか、直球の急速は増してさえいる。彼は緩急は使うが、勝負は本格派で、奪三振も多いのだ。その上、制球力は若いときより格段に上がった。
その日本シリーズから18年。山本に四度目の日本シリーズがやってきた。しかし、隠し球の日本シリーズから、未だにシリーズで勝ち星はなく、そして一度も日本一になっていない。
四十歳になろうが、なんだろうが、期するものはあって当然だ。
初回、森本にえらく簡単にヒットを飛ばされた。谷繁のリードは、第一戦とほとんど変わらず外角が多いが、川上に比べると球の勢いでやはり見極めやすいのか。審判の判定も第一戦よりはるかに厳しい。
インコースの見せ球にスクリューとカーブを配することで、川上に慣れたハム打線を山本のペースに持ち込むことが重要だ。
一方のハムはその前に何とかしたい。田中がきっちり送ってクリーンアップへ回す。これは良い形だ。この場合別に点が取れなくたって良い、というぐらい良い形だ。両チームも何度も同じ形を作りに来るだろう。どちらがミスをするか、が鍵を握るし、選手の重圧になる。
日本ハムは点を取る体制を整えることに成功した。そして、セギノールがショート強襲タイムリーで日ハム先制。これは後ろに弾いてはいけない球だった。レフトの守備位置も謎だった。エラーはつかないが、昨日のいくつかの美技よりも、こういうミスをしないことの方が野手は大切だ。
その裏、井端は同点本塁打を放つ。テレビはしきりに先ほどのプレーを取り返す一打、とはやし立てたが、初回の井端のプレーはソロ本塁打一本で取り返せるプレーではない。
あのプレー一つで、この試合、重圧がかかり特に中日の選手にプレー精度が落ちる可能性がある。
中日はなんとか連打で得点して嫌な空気を払いたいが、二本目のヒットは四回の福留のソロアーチ。福留も日本シリーズでブレーキになってきた男なので、嬉しかったろうが、ガッツポーズをしすぎ。この辺り、個人的に相当嬉しいのと、チームが張りつめているのがうかがえた。もっとも中日ベンチは一年中暗いので、比べようがないが。
五回、日本ハムは新庄がヒットで出塁。鶴岡がすぐさま送る。これはヒルマンのオートマティズムなのかもしれないが、やはり解せない。DHがないことを忘れるのか?九番・投手のバッティングを計算してのことか?謎だ。
下位打線が山本昌を打てるはずもなく(だいたい阪神では七番以降から全く子供扱いだ)この回を無駄に終え、やはり裏に中日のチャンスがやってくる。井上・谷繁と連打で無死一二塁。日ハムバッテリーは谷繁が送ると思ったのか?淡泊な攻めだった。この辺が雑なのは若いせいもあるだろう。
山本昌は当然犠打の構え。初球バント。三塁側へ少し弱く、投手八木のダッシュはあまり良くない。が、取ってからが早かった。反転しサードへ投げ、間一髪アウト。
この指示を誰が出したのか分からないが、捕手鶴岡が出したようには見えなかった。ランナーであれば、暴走と好走は紙一重だが、この場合も八木の紙一重のスタンドプレーだったのではないか。だが、結果として、ファインプレーとなった。運
悪く、中日はバント失敗という形になってしまう。中日は重圧を払えず、日本ハムは期せずして不確実な好プレーで、流れをつかむ。
六回。山本昌は明らかに球威が落ちていた。独特の緊張感で体力の消耗が激しいのか。昨日の川上もそうだったが、シーズン中より早めにへばってくるようだ。一番森本は強い遊ゴロ。井端はまたもオロオロしたプレーで送球。次の田中も一二塁間抜けようかという当たり。ウッズが好プレーで止める。続く調子のでない小笠原にもフルカウントまで粘られたが、打ち取った。ここが替え時だった、というかよくこの回持った。
しかし七回、山本昌続投。
確かに、二枚腰の山本である。とらえられる、と思わせてからズバッと直球を投げ込んでくる。しかし、今日はそんな余力がなかった。
二試合かけて、谷繁のリードにも完全に慣れてしまっていた日ハム打線は先の回当たりから良い当たりを連発。この回は粘った稲葉の最後ボテボテの補ゴロを、谷繁が一塁悪送球。チーム全体の、プレーに対する萎縮と、捕手としての違和感が影響したのか。彼の送球ミスはあまりみない。新庄は、外角球を、らしいテキサスヒット。右打者にはほとんど何も効かなくなっている様子だ。続く鶴岡も粘る。昨日今日と、九番に向けての犠打の場面で打席慣れしていたら、と残念な思いで見ていたが、やはり最後は子供扱いで三振。
しかし二死からあと一人で、金子にタイムリーを浴びる。稲葉、新庄がかえって逆転。
この時の谷繁のブロックプレーが尋常ではなかった。とうていアウトにできるタイミングではないところで、走路をふさぐ完全ブロックである。あれでは今度中日側の大事なときに報復をされても文句が言えない。
新庄の運動能力で誰も怪我なく終わったプレーだが、そもそも谷繁はそんな野蛮なプレーをする選手ではない。これは、彼の状況判断能力が鈍っているんじゃないか。いや、やっと交代を告げた落合監督も、含めたチーム全体の状況判断がおかしいというか、パニックか。
もっとも今の中日の中継ぎ陣は、とても日本シリーズクオリティではない。継投にリスクが高いことも、山本を引っ張ってしまった原因だろう。タラレバは禁物だが、山本昌を六回で代えられれば、試合は違ったものになったのではないか。それでも、誰かが打たれただろうが・・・。
しかし、落合監督の「あそこで変えたら死んじゃう」というコメントは、あそこまで引っ張ったので生かせなかった、という反省だったように読めた。
中日はその後もバントに失敗し、セギノールに気持ちよくホームランを打たれるなど、まあ、ミスから完敗の典型的なゲームとなった。
それにしても中日の重圧は、シリーズ独特の緊張感とか試合の流れだけで語れるモノではないようだった。ナゴヤドームのスタンドは日本シリーズとは思えない、盛り上がりに欠けたものだったが、しかしそれでもシーズン中に比べれば人が入り、はるかに大きな声援が送られていた。敢えて言えば、中日の選手は、こうしたホームスタジアムでの歓声に慣れていない、それが原因か?。
むしろ、札幌ドームのブーイングの方が、彼らにとっては実力を発揮できるのかもしれない。
シリーズとしては一勝一敗でおもしろくなったが、個別の試合としては、もっと良い試合が見られることを、中日には期待している。今日の試合も、レベルの高い試合だからこそ、ミスが結果につながってしまったのだが、もっとぞくぞくするような試合が見れるような、期待感がある。
もっとも、中日がミスなく試合を運んだら、あっさり勝ってしまうのだろうが・・・
posted by ironmouse |17:42 |
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2006年10月22日
2006年の日本シリーズが始まった。
中日対日本ハム。
数年前までであれば、対戦カードのマイナーぶりに世間のトーンは下がりっぱなしだったかと思う。巨人一極集中時代の終焉と、(それに伴う?)野球人気の相対的低下によって、かえって対戦カードのマイナーさは浮き彫りにならなくなってきている。
交流戦も日本シリーズでの対戦にドラマ性を与えてくれるようになった。日本シリーズそのものを楽しむには、これでいい。
先発投手は川上とダルビッシュ。
日本ハムは、大事な初戦で、ダルビッシュしか出せないのが、すでに限界がみえている感がある。
しかし立ち上がりは、川上の方が若く、青かった。力が入り、球が上ずり、逆玉が多い。アンパイアに助けられた面も多かった。
ダルビッシュは初回は完璧。直球の走りも良く、これは手が出ない、と思わせる立ち上がり。
だが、二回に入って、ガラリと様相が変わった。
川上は外・外の谷繁の要求にこたえる、外角低めの制球力が戻る。一方ダルビッシュは、インコースを有効に使っていた一回から一変し、先頭のウッズにまるで勝負を避けるかのような外一辺倒で、四球。
中日に、無死の走者を出すようなリードをする時点で、捕手鶴岡の、あるいはチームの中日対策が徹底されていないことを感じた。
ラジオの解説で矢野(阪神)が、「この場面は絶対四球はいけない、ソロホームランの方がまし」と言っていたのが、ずばり的中。森野のツーベースも外角。さらに、二回にして井上を敬遠して満塁策。
このあたりで、日本ハムの危険な兆候を感じる。
それは、「ペナントレースの続きの気分で臨んでいる」とでもいえるだろうか。
パリーグ終盤戦からプレーオフにかけて、一戦必勝、ガムシャラな戦法で戦ってきた。それは中日もそうだ。その戦法のまま臨もうとしているチームと、シリーズは別物、として臨んできたチームの違いを感じた。
パリーグが、プレーオフ導入後、実戦感覚などの面でセリーグのチームに対して、アドバンテージを持って日本シリーズに臨んでいたことは間違いない。だが、西武しかり、ロッテしかり、日本シリーズは万全の対策をして臨んできた。しかし、日本ハムにはそれがないのではないか?と二回の満塁策で、少し思いはじめた。
今年、四月のシーズン開幕時から、総力戦で臨んだ読売があっという間に沈んだのは、けが人のせいだけではない。シーズンを通して戦う準備ができていなかったのだ。
日本ハムのとった戦法は、始まったばかりのシーズンの開幕戦で、もう後がない戦い方をとってしまった、という点で痛恨だ、と私は思った。シリーズは、今始まったのだ。プレーオフとも交流戦とも違うのだ。始まったばかりのシリーズでの、消極的な試合運びで、チームは、選手は、奮い立つだろうか。
しかもこの場面では、確率的に、合理的な戦法とさえ思えない。谷繁の四球数は打席数が少ないにも関わらずリーグ4位の71である。1点がどうしてもやりたくないなら押し出しのリスクを負う必要はない。それに川上のバッティングも、悪くない。一死三塁走者で回されたら、犠飛だって打てる。
併殺が取りやすくなるという面はあるが、それ自体が、一点さえやれない、という思考の表れだ。井上を内野ゴロに打ち取れば、一点だけで、二死三塁で谷繁である。カウントを悪くしても、最悪四球に逃げられる。
だがその一点が嫌なんだな。だからウッズを歩かせてしまうんだもんな・・・
などと考えていると、ボール先行の四球目に谷繁がドカンと二点タイムリー。
ああ、決まったのかな。これで決まったらつまんないな。
だが、川上もやってくれた。
矢野のびびリードとネットでは命名されていたが、今日の谷繁も外角要求が多過ぎた。三回は川上も制球は安定せず、森本にヒット、四球をはさみつつ、セギノールにタイムリー、新庄に犠飛と、あっという間に追いつかれた。
その裏、今度はダルビッシュである。
ウッズがヒットで出塁。そして打席は森野。
阪神ファンの私は疑心暗鬼で、バントもあるかな、と思うが、やはり落合はそこまでしない。投ゴロ。
だが、ダルビッシュ君、何を思ったが、二塁をチラ見してしまい、オールセーフに。ウッズは結構走るのよ。
このあたりから、やはり、スコアラーからの情報が徹底されていない、日本ハムの状況が明らかになってくる。
井上のタイムリーで中日が再びリード。
川上はその後4回・5回・7回と三者凡退で抑える。6回も新庄の二塁打のみ。
球数が多くなりどうかな、と思われた8回も続投。正直、岩瀬につなぐ中継ぎ陣は、シーズン後半から状態が良くなかった。
だが、川上ももう限界。この回はセギノールにヒットを浴びたが、小笠原と新庄の打球を井端がファインプレーで止めてくれた。中日にはこのディフェンス力がある。
結局もう一点追加して最後は岩瀬。
4-2で中日勝利。
中日にとっても、川上を引っ張らざるを得ないなど、決して楽な展開ではない。しかし、井端の好プレーも含めた総合的なディフェンス力は、織り込み済みである。
落合監督が、「普通にプレーすれば普通に勝てる」というのは、「楽勝だ」ということでなく、個々の能力が発揮できなければ勝てない、ということの裏返しだ。
そうした意味で、今日、普通にプレーができなかったのは、おそらく谷繁と福留か。谷繁のリードは疑問も残ったが、川上の制球力を信じて、であれば明日以降は配球を替えてくるだろう。福留は力みが見られ、無安打。日本ハムは福留マークで、ウッズは勝負を避けたのかもしれない。
ダルビッシュは、三点目の後も、辛抱して良く投げた。しかし後の武田久の牽制悪送球もそうだが、ミスが結果につながってしまった。
もっとも、日本ハムにとっても、これも「普通」である。シーズン中もそれほど精度の高いプレーで勝ってきたわけではなく、何かが崩れた、という風情でもない。
しかし、チーム全体で、シリーズに臨む準備がおろそかな点は看過できない。チームを高揚させるような、戦略もとれなかった。
八回、小笠原の打球が井端に抑えられたとき、一塁にヘッドスライディングを見せた。個人のガッツでしか、チームを乗せられないのであれば、日本ハムに勝ち目はない。勢いづくのを待つ余裕はない。
逆に、中日には勝利に勢いなど必要ないのである。井端の見せた普通のプレーが、明日以降徹底できるか。谷繁は投手の力を引き出すリードができるか、福留は力を抜いて打席にたてるか。
中日が一試合勝った以上の、「大きな差」は初戦ではつかなかったはずである。
流れだけでは、片付けられないが、シリーズの神様は、まだどちらを向くかは決めていない。
posted by ironmouse |19:07 |
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2006年10月21日
危うく始まってしまうところだった。
MLBチャンピオン決定シリーズの予想を。
そもそもの印象としては、4連勝か、七戦までもつれるか、極端だよな、とか、同地区同士で良く対戦してるよな、という感覚がある。
で、調べてみた。
ストライキ後の過去11回のチャンピオン決定シリーズの成績の傾向。
みなさんご存じのことなのかもしれませんが、以下にまとめます。
11回のシリーズのうち、同地区同士の対戦は7回。そのうち東地区同士が5回(全てヤンキースがらみ)。
なお、同地区同士の対戦7回のうち、アメリカンリーグがチャンピオンとなったのが6回。
11回のシリーズのうち、対戦成績4-0で終わったのが4回(すべてアメリカンリーグの勝利)、また4-3で終わったのが3回(ナショナルリーグが2回)
11回のシリーズのうち、アメリカンリーグがチャンピオンとなったのが7回(東地区が5回、うちヤンキース4回)。また、ナショナルリーグがチャンピオンとなった4回のうち、東地区チームが3回。
やはり印象が当たっているな、と。しかし、傾向を見るには、ヤンキースの4回優勝が非常に目障りではあります。まあ、ヤンキースを抜きにすると、その年のアメリカンリーグ・東地区の情報が欠落してしまうので、そういうわけにもいかず。
で、ありのままの傾向と対策からだけ予想しますと・・・
今年のシリーズは、タイガース(アメリカン・中地区)対カージナルス(ナショナル・中地区)ですので、やはり同地区対決になりました。ちなみに、昨年と同じ地区同士ですが、チームがともに入れ替わっているというのは非常に珍しいですね。
以上より、アメリカンリーグのタイガースが優勢。
次に対戦成績はどうか?
おかしなパターンがあるのだが、二年間同じ勝敗の後、翌年勝敗数が一つ変わる、という三年周期がこの11年続いている。
直近では、2004年がレッドソックスの4-0、2005年がホワイトソックスの4-0ですので・・・今年は4-1で決着するはず。
以上合わせて、タイガース4勝、カージナルス1勝で、タイガースがチャンピオン。
カージナルスに悪いデータはもう一つ。
この11年間、チャンピオン決定シリーズで敗れたチームが、数年後に再度シリーズに進出しても、リベンジできていない。
1995と1997のインディアンス、1996と1999のブレーブス、2001と2003のヤンキースである。
カージナルスは2004にレッドソックスの前に敗退しているので・・・
これだけでは何なので、プレーからも予想。
対照的な両チームだが、総合力では、カージナルスの方がやや上か。昨年までのような圧倒的戦力からの低下は感じるが、それでもタイガースよりは攻守のバランスが取れて良いチームではないか。
もっとも、カージナルスはシーズン中、投手陣で苦労した。しかし、マルダーとイズリンハウゼンの故障は、まあ予期できたことではあり、後半はなんとか投手陣を立て直し、ポストシーズンではカーペンター、スパン、ウィーバーが少なくとも試合は作っている。あとは、打線が何とかしてくれる、という安心感もあるだろう。
一方、タイガースは、ピッチングスタッフは充実しているが、守備力や打撃力が致命的だ。しかし、シーズン前半のように、ノってしまうと勝ちまくる。それは、後半のような失速との裏返しだ。五連敗でポストシーズンに突入したわけで、ヤンキースに初戦敗れた時は、三連敗で終わるかとも思ったが、たった一日の雨が流れを変えた。立ち直りが早い、というのも一つの勢いだ。
タイガースがリーグチャンピオン決定シリーズを連勝で勝った時には、その勢いでいってしまうかと思われたが、カージナルスは7戦までもつれることで、チームを勢いづけた、と言っても良い。短期決戦なので、何が起こるか分からない。タイガースは、ピッチングスタッフ四枚の左右も年齢もバランス良く、万全の状態。ただ、守備のミスから大きな失点を引き起こした時に、バッティングに回復力はない。カージナルスは総合力を発揮できるチャンスがあるかどうかだ。
つまり、初戦に注目。ミスなくタイガースが勝ってしまうと、最初に傾向で予想したように、スイープもありうる。
カージナルスは、長引いて、途中に雨でも降って投手陣のやりくりに余裕が出ると、地力を発揮できそう。
こんなところで。
posted by ironmouse |13:57 |
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2006年10月16日
出張でブラジル・サンパウロへ行っておりました。
現地から色々記事を書き込もうかと思っていたのですが、到着日に自分のPCがダウンしてしまい、無念の事後記となってしまいました。
さて、ブラジルには3泊4日の強行軍だったので、日程が合わず、ナマでサッカー観戦する機会には恵まれず。
しかし国際Aマッチデーもあり、また週末の全国選手権の試合を繰り返し再放送していたこともあり、テレビをつければ何がしかのサッカーを見ることができた。(日本-イラン戦はもちろん見れていません)
その中で考えるきっかけになったのは、ブラジルの下部リーグ(現地の人は二部だと言っていた)である。
以前ブラジル人とサッカーをする機会に恵まれたとき、そのレベルの高さに驚いた。もちろんお互い素人だ。しかし、そのパスの速さ、強さ、正確さと言ったらない。極端な話、走ってさえいれば、勝手にワンツーになり、ゴール前で軽くジャンプさえすればシュートになる、そんなボールをまさに配球ならぬ「配給」してくれるのだ。
何の参考にもならない話だが。
さて、そんな一般ブラジル人に驚かされた話はさておき、ブラジルの二部リーグというのはどうだったか。端的に言うと、時間がかかりイライラするサッカー。トラップミスが多く、状況判断も遅い。
どこかできいたような表現だ。
レベルとしては、Jリーグ一部の下位チーム同士のような戦いであった。
違いを挙げるとしたら、まず、守備意識の低さ、というか緩さ。
その結果、試合としてものすごくルーズな印象をうけてしまう、そんなネガティブな感想を持つのは、きっと私が日本人だからだろうか。あるいは、二部リーグの特性だろうか。
今時、南米の上位リーグのチームが攻撃偏重だなんてステレオタイプなことは、トヨタカップの中継でも聞かれないし、守備軽視の国柄、と片付けるほどサッカーが後れているはずもない。おそらくこのレベルのチームであれば、攻撃のタレントを育てて勝ち点を稼ぎ、頃合を見て他クラブへ移籍させる、というのが経営上重要という視点もあろう。
またもうひとつの違い、それはゴール前でのミドルシュートがないこと。「今日はミドルなしね」と約束して試合をはじめたのか?というほどこれは驚きだった。ドリブルか、必ず形を作ってゴール前に迫ろうとする。まあそれがいたって不正確で遅いのだが。つまるところ、決定力不足だ。
手数をかけないと、ゴールが作れないのなら、その熟成を待たねばいけない。日本代表について、先日そう書いた。
だが、ブラジルで疑問が湧いてきた。果たして熟成するんだろうか。
Jリーグを席巻している、またはしてきたブラジル人アタッカーは、無論本国で一流と呼ばれる人たちではない。ワシントンしかり、マグノアウベスしかり。さかのぼっても、ジーコやらエジムンドやらは別として、得点王に絡んでくるような、アラウージョ、エメルソンなどクラスの選手には事欠かない。
ブラジルで何流の選手といえるのか分からないが、とにかく彼らは、二部のレベルではなさそうだった。(もしそうだったら、少し安心したのだが)
ブラジルには、一流と言われる以下のレベルで、このクラスの選手がゴロゴロしている、と言うことだ。
つまりこうだ。少なくとも中盤からゴール前までの実力はブラジル二部とJリーグに大差ない(ように見えた)。だが、ブラジルには、最終的に前線で決定力を持った一流以下のレベルの選手が、確かにいるのだ。二部でプレーしないだけで。
一方、日本。そのレベルであっても、ゴール前を自国の選手が張れない、というのはその国の代表にとっては致命的なんじゃないか。
ブラジル代表は二部の選手だけで構成されるわけではない。だが、日本では、現段階でいくら探しても、代表暦があるFW以上の選手は出てこない。
そうした選手のレベルが高くないから、一流ではない外国人選手や、動きがアグレッシブで読めない若手がJリーグでは即活躍できるのだ。
つまり、いくらゴールにいたる手順について連携を高めていったって、フィニッシュを外国人選手におまかせ、としているリーグ戦の状況では、代表の時だけFWを責められない。急にうまくなるわけじゃない。
崖の底がかすんでよく見えない怖さには実体がない。想像上の恐怖だ。だが霧が晴れた時、喪失感すら覚えるような焦り・絶望を感じてしまう。大げさだが、やはり、足りないのだ。
どうすればいいんだ。
松橋や杉本やカレンがなんとかしてくれるのか。柿谷の世代まで待つのか。僕が生きている間じゃ無理なのか。
楽観論を戒める代表監督は、彼が生きている間にこの問題をどう解決するつもりだろう。
自分にできることは、Jリーグのスタジアムで、数少ない日本人アタッカーを、叱咤することだけだ。
良いプレーには敵味方なく正しい評価を(難しい。せめて黙って拍手か)。悪いプレーには、味方なら罵声を。敵なら失笑を。
播戸が、走りこむのはいい、飛び込むのもいい。だが、自由に動けるのは、マグノアウベスがいるからだ。
それに、オフサイドにかかるのには理由があるのだ。相手のラインが優れている時ばかりじゃない。
サポーターの立場になるとスタジアムではつい目をそらしてしまうが、日本人FWのレベルを上げていくためには、今プレーしている選手にきちんとやってもらわなければ困るのだ。
どうか、「外国人選手におまかせ」にせずに、日本人FWが前を張って欲しい。
ヨンセンは良い選手だが、頼りっぱなしでは、目の前の勝ち点だけでなく、チームを強くすることにさえ繋がらない。いわんや、国の代表など。
サンパウロでは、そんな暗いことに、思い至っていました。
でかい肉をため息混じりで食いながら。
posted by ironmouse |17:15 |
サッカー |
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2006年10月08日
10/6の時点で首位中日のマジックが4、残り8試合、二位阪神とは3ゲーム差。阪神は残り5試合。
いくら阪神がなかなか負けない、といっても、中日もよく勝ってきたのだから、今シーズンのペナントの行方はあらかた決した、と言ってもいいのではないか。
阪神としても8月の四連敗と五連敗は痛かったが、これだけ9月以降勝ってきたのだから、もうそれを責めることはできない。私の興味は、10/12の甲子園での直接対決に移っている。
新聞などは、長嶋氏の「メークドラマ」を引き合いに出し、直接対決で奇跡を!などとあおるが、それは無責任だ。あの10.8との根本的な違いは、それが最終戦で勝った方が優勝、という図式か、そうでないか、だ。
確かに10/12は重要な直接対決といえるだろう。だがそれは、阪神にとっては、今シーズンやられっぱなしだった中日に一矢報いるという意味で、中日にとっては試合消化・マジック減らしという意味で、そしてよりによって優勝を争った相手チームの本拠地で胴上げできるかもしれない、という異なった意味合いがある。
そんな中で行われた10/7の試合だった。
阪神は巨人と、中日は横浜と、どちらも二連戦の初戦。
阪神は福原が、中日は吉見がどちらも6回無失点。
スコアもどちらも2-0で試合終盤へ。
なんというシンクロだろう、と思った。今シーズンの終盤の、まるで水中での息の止め合いのような、マッチレースを象徴する、両チームの戦いぶりではないか。
私は勝手に、この二試合の流れは、今シーズンを決めるのだ、と決めつけた。
そしてこう考えた。「きっとこの試合は両方勝つだろう」「つまり優勝するのは中日だ」。
逆の言い方をすれば、試合を観戦する上で優勝の可能性をまだ捨てていない私が、そこにはいる。完全にこの文章の書き出しとは矛盾しているのはもちろん承知である。
そう決めてからの試合展開は、実に健康に悪いものだった。「両方勝つ」はずが、阪神は8回に高橋由に同点2ランを浴びてしまう。投手はウイリアムス。もう駄目だ。巨人は負けていても内海から林と勝ちパターンの投手でつないでいる。次は久保だ。打てない投手ではないが、巨人は勝つ気なのだ。中日マジック2か・・・
だが、その裏、事態は急転する。一死から赤星が出塁し関本が送る。二死二塁。このバントは久保を助けたんじゃないかと思ったが、そんなことはなかった。三遊間が空いたおかげで、シーツのセンター前ヒットが生まれ逆転。そして金本が2ラン。これで5-2となった。
藤川はピリッとせず、ボールが走っていないが、巨人打線ではどうしようもない。清水のソロだけに抑えてゲームセット。自慢のリリーフが打ち込まれた格好だが阪神は負けなかった。
一方の中日はどうだったか。こちらも8回に、横浜村田に、岡本が3ランを放たれ、なんと逆転負け。マジック2のはずが4で停滞することとなった。その間、ほんの10分足らずであった。
この二試合が、今シーズンを決める、なんて言うのは、私が勝手に決めたルールである。しかも、優勝できなかったときに落胆したくないから、多くの防護線を張っていた、その一環である。勝ったら、何の慰めにもならない(倒錯しています)。
現時点(10/8朝)での状況はこうだ。
首位中日のマジックが4、残り7試合、二位阪神とは2ゲーム差。阪神は残り4試合。
10/12がなぜ、奇跡の日とならないか。それは、10/12のあとも中日は3試合残し、阪神は2試合残している。10/12の前日まで中日が全敗し、阪神が全勝したとして、やっとゲーム差0である。10/12に阪神が勝ってもまだ中日は取り返せるのだ。その後、阪神が1勝1敗。中日が2勝1敗なら、中日は逆転優勝である。
私が、なにをむきになっているか、おわかりだろうか。
お釈迦様は、なぜ糸を切ったのだろうか。
溜息をつかれないように、謙虚に「その日」に臨むのも、ファン心理と考えられないだろうか。
選手の皆さんも、どうか、緊張の糸を切らないでほしい。
四番打者が「アンディがタイムリー打った後も、ほっとせずに、いつもより集中して打席に臨んだのが良かった」
というのだから。
posted by ironmouse |14:11 |
野球 |
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2006年10月07日
大リーグのプレーオフで面白いプレーを見た。
無死一二塁で打者がライトフェンス直撃の当たりを放つ。二塁走者は打球の行方を見てスタートが遅れて、ホームでアウトとなる。
ライトからの返球に遠い外側から滑り込み、捕手ももちろんバックネット方向を向いてタッチ。審判は目の前にいる。アウトのコール。
とそこへ一塁走者が捕手の後ろ、ベースの内側からホームへ滑り込んできたのだ。残念ながら、奇襲は実らず、捕手は反転し間一髪アウト。
プレー後、アウトになった走者はチラリと三塁コーチを見た。暴走ではなく、コーチの指示が、ゴーだった。その判断が適切だったか、どうかはわからない。
だが、コーチがゴーを出したから、選手がすぐ機転を利かせてできるような、簡単なプレーではなかった。場面を想定して行われてきた練習の一つだったのだろう。
プロのチームの、プレーに対する準備の周到さが垣間見えて、興奮した。
同日に行われた、キリンカップサッカー、日本対ガーナ。
試合の結果は0-1で日本が敗戦。
ボール保持率はイーブンだが。感覚的には、日本がボールを動かしている時間が、遙かに長く感じた。それは、ボールを回す速度、パスの本数などによるのかもしれない。または、私の体内時計が、保持率50.5%というわずかな差を鋭敏に感じ取っているのかもしれない。
しかし一番の原因は、ガーナの選手のプレーの早さ、のせいだろう。プレスに行くときの(行かないときも多いが)早さ、ボールを奪うときの早さ、パスの早さ、ゴール前に走り込む早さ。プレーの早さで、ガーナが実際にボールを動かしている時間を、忘れさせてくれたのではないか。
一方で、ボールが散らず、特定の選手を経由する単調さはひどかった。
例えば、エシエンのパス本数は69本、アッピアは64本である。
(日本は遠藤の38本が最高で、30台が5人)
失点シーンだけをみると、日本は絶望しなければいけない。
あのスピードでボールを運ばれ、あの速さと強さでゴール前にボールを入れられて、それを正確にシュートされたら、日本人はサッカーができない。
しかし、実際そんなシーンをほとんど作らせなかった、ともいえる。W杯とはモチベーションも違うし、親善試合で、日本相手にはワンチャンスで充分、と考えても不思議ではない。しかし、失点シーンのような絶望的な差を、90分間見せられ続けたわけではない。
とはいえ、1-0というのは、大きな差だ。
日本は、スコアできなかった。
監督が替わって、守備・中盤でのプレースタイルに多少の変化はあっても、ゴール前で、タッチ数を多くして、ゴールに向かう、という日本の(日本人の?)スタイルは変わらない。
少ないプレーで突破するには、何かで優位に立っていないといけない。
身体能力しかり、総力しかり、高さしかり。
日本は、そこで勝てない以上、形を作ってゴールに向かう以外選択肢がないのだ。
ジーコ前監督は「創造力豊かなプレー」を求めていたが、それは最後まで(ドイツまで)、中盤のプレーに終始した。中盤のプレーがゴールに向かわなかった、とでも言うべきか。
その中で、ゴールを決めていくためには、周到な「準備」が必要なのだろう。そして、おそらくこれまでに比べて、その準備の成果は、ガーナ戦では出たのではないか。
試合序盤に巻にロングボールでボールを供給する一方で、駒野や山岸のシュートは良い形であったし、バランスも良く相手は、次何をされるか読めずに混乱するシーンもあった。
中村や長谷部は少し気負っていたのかもしれないが、遠目からも脅かすという役割を理解していた。
オシム監督は色々な選手を呼んでいると言うが、核となる選手は遠藤・アレックス・鈴木・阿部、など変わっていない。おそらく坪井やトゥーリオも、怪我がなければ変更ないだろう。
今は、中心選手に対して、多くの選手を充てて相性を見て、準備をさせている。そのための各選手の招集だろう。極端に言えば、試合で使うかどうかさえ関係がない。オートマティズムというのは、特に珍しい考え方ではないが、そのための準備が、どれだけできているか、成熟するか、が重要であろう。
FWの選手はもちろん、二川、中村憲剛、長谷部など中盤の選手も、単に交代で変化をつけるだけではなく、中盤同士・前線との関係で攻撃の厚みを増すために必要な準備だ。
時間や日程の問題で、準備が不足している。
そしてそれは、プレーに制約の多い野球と違って、遙かに予測が難しく多岐にわたる。
それは、最初から分かっている。
でも、着々と進んでいるようだ。インド戦で何かを期待するわけではないが、前進する姿を見せてほしい。
posted by ironmouse |22:38 |
サッカー |
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2006年10月01日
何かが起きるのはいつも雨の日だ。
サッカーの試合ごときで大げさかもしれないが。
今日の試合は、そんな趣であった。
芝とボールが濡れるとパスサッカーのチームに不利なことは、分かる。
そういう選択肢を取るかどうかも含めて、雨は両チームに平等に降っているのだ。
そして、甲府のプレスが激しいのも初めから分かっている。
試合の前半は圧倒的に甲府のペースであった。
甲府の密集とプレスに対して、ガンバはツータッチ以上触ってボールを下げたり、バックパスが三本以上つづいたり、いつもとは異なるボール回ししかできない。
いつもと違うことをすれば、ミスが出る。
ガンバファンにとって、本当に見たくないプレーの連続だった。
ボール扱いのうまい子供が、スリップなどミスして格好悪いところを見られたくなくて、消極的な動きをしているだけようだった。
「俺って本当はすごくうまいんだぜ」と虚勢を張る。
プレー内容はもちろん、気持ちの面でも、大人と子供であった。
甲府はバレーに当てるのが常套だが、決してワンパターンではなく、バレー起点の攻撃は実に多彩であった。危険な場面が何度もあった。
あれだけ圧倒されたのは久しぶりだ。前半は運良く一失点で収まったが、前半だけにとどまらずその余勢をかって甲府は後半に二点追加した。
3-0の時点で勝負あり。
もっとも、後半のガンバは、入りから良かった。
パスは緩急つけ、下げすぎず、ツータッチ目で必ず前にボールが出る、それを何本も通す。いつもの危険なサッカーだった。
甲府にとっても、前半で圧倒したイメージがなければ、ゴール前まで来れなかっただろう。
もし今日のガンバが、前半で相手の動きの様子を見て、後半修正して対応しよう、という戦略だったのなら、そのことは間違っていない。でも、後半は前半と別のゲームではないのだ。前半できた良いプレーは、体が覚えている。そして後半もできると思って、相手は動く。それが余勢だったのだ。
後半途中から、さすがに甲府は消耗が激しく、徐々についてこれなくなったが、それでもガンバの反撃が遅く、また精度が低かった。もちろんそれは、前半からの激しいプレスの、記憶がフィニッシュを狂わせたのだと思う。
家長は良く効いていた。右でボールを動かせるようになっていたし、甲府も戸惑っていたようだ。一方、今日は加地不在の右サイドが最後までうまくなかった。最後はシジクレイが走り込んでスペースを使っていたように見えたが、あれは幻覚だったのだろうか。
それにしても、甲府の選手交代は、時間帯も交代選手も的確で、かつ攻撃的であった。プレスの弱くなった選手から交代させ、しかも攻撃の仕事ができる選手を入れることで、ベンチからのメッセージはわかりやすく選手に伝わったはずだ。きっと勇気づけられたことだろう。
確かに、エリア内でのファールを一切とらない審判は問題だが、完全フリーの1対1を外すのも同じくらい問題、そして「それもサッカー」なのだ。
残念。
私にとっては、何もかも残念な週末となってしまった。
でも、人生は続く、のだ。
posted by ironmouse |16:55 |
サッカー |
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