2006年09月27日

9/23 G大阪vs川崎F 裏切っていないか

美しいサッカーという言葉がある。オシム氏もそのような言葉を使っていた(美しいサッカーは死んでしまった?とか)。

美しいサッカーは、客観的な立場であれば、楽しいサッカー、感嘆すべきプレーと置き換えることができるかもしれない。
しかし、(特定のチームを指しているわけではないが)、美しいサッカーをやっていれば負けてもよい、というのはプロサッカーとしては間違っていると思う。それは、客が入れば負けてもよい、という思想(@パナソニック)と同列ではないか。

指向に一定の理解はできる。しかし、勝つための、あるいは勝ち点を取るための本気のプレーができなければ、リーグ戦は成り立たない。

たとえば、R天がいくら弱いとしても、パ・リーグの球団は、楽天との対戦数20試合を勝利数として自動的に計算されるわけではない。であるならば、R天に対して、取りこぼしがないよう、各球団は戦わなければならない。それに対して、負けてもよいというメンタリティーで望むことは公正ではない。
勝ち数20をあげます、になってしまうのだ。たとえ金銭等の見返りがなくてもこれでは八百長である。


言いたいことは、どんなサッカー、というのも大事だが、勝つことを目指す、というのが最もプライオリティーが高くあるべきだ、と考える。


話を戻す。
ガンバのサッカーは美しいのか。

頻繁なポジションチェンジと硬軟まぜたパス交換、ポゼッションを高めて守備リスクを下げつつ、速度差をつけた波状攻撃。
あえて言えば、最終ラインでのシジクレイの不要で謎のパスと、宮本の決定的なクリアミスも含めて、息をつかせないサッカーをしてくれるチームである。
少なくともサポーターである私には、楽しいサッカーだ。

FC東京が原監督だった頃、誰かが「(面白いサッカーの必要性)様々なアミューズメントの選択肢がある東京で、誰がつまらないサッカーを見に行くか。見ていて楽しいサッカーをしないと、客も来ないし地域になんか根付かない」と語っていた。

これは関西でサッカーが今も根付かなかったこととも関係がありそうだ。
スポーツ文化が、阪神タイガースへの熱狂、高校野球への憧憬、に支配されている中で、誰がつまらないサッカーを見に行くか。

しかし、ガンバはどうだろう。
やっているサッカーは、面白いようだ。しかも、勝つ。4点・5点とって勝つことも珍しくない。
昨年はリーグ戦優勝もした。ナビスコ杯も準優勝。
今年も、リーグ戦首位争いである。

あまり好きではないが、個人のタレント性とメジャー度も結構高い。
比べても仕方がないが、
鳥谷にキャー、矢野にキャー、という阪神ギャルよりも、宮本にキャー、吉原(現大宮)にキャー、のガンバギャルの方が健全な気がする。


では、何が足りない?


過去にガンバが、大事な試合でころっと負けたりしてるから?
(たとえば2002年1st:ジュビロに5-4、2nd:鹿島に2-0でともに優勝戦線から脱落)

大阪ダービーが試合として盛り上がらないから?


それもあるかもしれない。期待を裏切られたときの失望は大きい。

しかし、もっと大きな理由は、タイガースが勝っているから、なんじゃないか。
関西プロスポーツ界の大先輩である。弱くても
タイガースの暗黒時代に、ガンバが今のサッカーをできていれば、きっと楽しくて(美しい、とはまだいえない)、勝つサッカーで、関西のサッカー熱を盛り上げていたことだろう。

残念だが、ガンバは、勝ち続けるしかない。
阪神が暗黒時代に戻るまで
(僕は阪神ファンです)

王者然とするには、まだまだ早すぎるが、
それでも、挑戦者を跳ね返し、結果でも、中身でも、期待を裏切らないサッカーを続けていくしかない。


ガンバ対フロンターレは4-0と言う結果に終わった。

この試合は、壊れてしまったのではなく、フロンターレの選手たちが壊したのだ。
彼らが時折見せるファイトは、試合を壊す可能性のあるプレーでもあることを知る必要がある。

また、先日のコラムでも書いたように、彼らは、リーグ戦を捨ててしまったのだ。
その選択は間違いとはいえないが、二日で修正できるような戦略とダメージではないことは、確かであったと言うことだろう。


試合内容に触れることはあまり意味がないかもしれない。
退場者のでた後も、ガンバは攻撃のリズムを無理に強めなかった。
それはまるで、「川の水が徐々に増水し、堤防が決壊する瀬戸際」を見るようであった。とても静かなプレッシャーに感じられた。

ところで、もんじゃ焼きは具(粉?)で堤防を作って、だし汁を中に注ぐ(?)と聞く。
10人の相手に合わせてしまい、攻め手もリズムを失うことは、良くあるが、それはもんじゃが徐々に固まって、堤防(=守備)に絡め取られていく様によく似ている。

この日は、ガンバの攻撃陣も多彩であったが、
フロンターレもDFラインやGKがあれほどミスをするチームではないはずだ。

結局堤防は決壊し、試合は壊れてしまった。

ガンバに勝って欲しいという願いもあった反面、良い試合を見たいという思いもあったので残念だ。

一番の気がかりは、観戦した人を、またしても、裏切ってしまったのではないだろうか。
「勝てば良い」ですませられるのだろうか。

posted by ironmouse |19:45 | サッカー | コメント(4) |
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この記事に対するコメント一覧
Re:9/23 G大阪vs川崎F 裏切っていないか

はじめまして、sportswalkerと申します
中々、面白い着眼点をお持ちですね
これからも楽しみにさせていただきます

posted by sportswalker | 2006-09-27 21:17

Re:9/23 G大阪vs川崎F 裏切っていないか

ありがとうございます。
励みになります。

とりあえず、もっと早く記事が書けるよう、努力します。

posted by ironmouse | 2006-09-28 10:28

Re:9/23 G大阪vs川崎F 裏切っていないか

フロンターレは一人退場になった段階でも、いつものように攻撃的だった。引き分け狙いで徹底的にディフエンシブな戦いをすべきでは。イタリアのチームなら、絶対そのような試合をする。お客からするとつまらない試合展開になるけど。
トルシェが日本には守備の文化がないと言っていたことを思い出しますよね。

posted by potato | 2006-09-28 17:06

Re:9/23 G大阪vs川崎F 裏切っていないか

きっと、波状攻撃、以外のチーム戦術トレーニングをしていないのではないでしょうか。

それは大げさですが、きっと、実戦で見せられるほどの、成熟度ではないのかと、推測します。

関塚監督はいつか「様々なオプションを準備できるだけのチーム力は、まだうち(川崎F)にはない」という発言をしていましたが、これがアントラーズならば、という言外の想いがにじんでいたように感じます。


昨年度UEFAチャンピオンズリーグの決勝で、アーセナルが10人になってから見せた戦い方は、欧州のトップチームが常にあらゆる準備を怠っていない一例ですよね。
(いつも通りに、スペース消して守り、突然スピードに乗った攻撃を繰り返してただけだ、と言われたこともありますが・・・)

posted by ironmouse | 2006-09-28 23:38

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