2010年01月26日

トラ党の期待を背負って

※文章、表中の数字はすべて2009年シーズン終了現在

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 就任2年目を迎える真弓監督の下で5年ぶりの優勝を目指す阪神に、今シーズンから新たに城島健司が加入する。右打ちの強打者不足と正捕手不在に悩んでいた阪神の補強ポイントと合致して獲得に至ったという。

まず初めに、城島のメジャーリーグにおける成績を見てもらいたい。
城島は2005年オフ、FAで福岡ダイエーホークスからシアトル・マリナーズへ入団。渡米1年目から本塁打数では日本人メジャーリーガー1年目の最多を記録、素晴らしい成績を残した。しかし2008年以降は度重なる故障や打撃不振により出場機会を得ることが難しくなっていった。

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 上記の表は阪神の主な右打者の成績と過去5年間の5番打者成績である。
 ここ数年、阪神は右打者の人材不足に悩まされており、昨シーズンの終盤には1~4番まで左打者で固められるほど、左打者偏重が目立っていた。長距離砲として期待され続けている桜井も、レギュラーに定着するほど安定した成績を残していないのが現状である。
優勝した2005年以来、阪神は4番・金本の後を打つ5番打者の不在に苦しまされてきた。日米通算259本塁打の城島で5番を固定できれば、金本の負担を少しでもやわらげることができるだろう。

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 次に守備面を見ていこう。上記の表は城島のメジャー通算守備成績と、2009年セ・リーグ主要捕手の守備成績である。 
 昨シーズンは矢野のケガもあり、狩野が自己最多の127試合に出場した。しかし守備面には不安が残り、特に守備率はリーグの主要捕手のうち最低の数字を残してしまった。
 一方の城島はメジャー通算で.994の守備率と、4割の盗塁阻止率をマークしていることから守備の評価は高い。特に2007年には守備率と盗塁阻止率共にメジャーリーグで最高を記録した。今なお衰えることのない城島の守備は日本でも不安は見えない。
 
 城島は、新入団ながら2010年のチームカレンダーに登場したり、レプリカユニフォームが驚異的な売り上げを見せるなど、すでに球団だけでなくファンからも十分すぎる期待が寄せられている。熱狂的で知られている阪神ファンを納得させるには、自身の数字に加えて、チームを5年ぶりのリーグ優勝に導くしかない。
 奇しくも、2010年の干支は「寅」である。球界全体が「虎」年になるかは、この男の活躍にかかっている。 



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posted by 渡辺 佑希 |19:07 | 日本プロ野球 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2010年01月22日

選手分析 ~日本ハム #2 高橋 信二~

※文章、表中の数字はすべて2009年シーズン終了現在

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 2009年は高橋信二にとってまさに転機の年となった。ひざを痛めたこともあり本職のキャッチャーではなくファーストとして多くの試合に出場。また、確定した4番打者がおらず、そのポジションを高橋が任されたのである。出場試合は自己最多の134を記録し、打率を3割の大台に乗せた。

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 高橋のようなタイプの4番打者は非常に珍しい。本塁打は一桁だが、三振が少なく、高打率を残せる4番打者なのだ。一般的にチームの長距離砲が座るこの打順で高橋はどんなバッティングをしていたのだろうか?

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 まず、年度別打撃成績からわかるように年々打率が向上している高橋だが、それと比例するように伸びているのがファーストスイング打率だ。2007年と比べると08年のファーストスイング打率は上がっており、昨季はさらにその数字を伸ばした。一振りで仕留める力が向上したことが、成績を上げる要因となったと考えられる。

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 さらに、見送り割合を見てほしい。2007年に比べ08、09年はストライクゾーンに来た球を見送る割合が増えているのだ。これはただ見送りが増えただけではない。前述したファーストスイング打率からもわかるように一振りで仕留められるようになった結果、余計な球に手を出さず狙い球を絞る打撃を実践できたのだ。

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 そして昨季の決定的な変化は安打の内容である。ファーストスイングでとらえる能力に長けた高橋であるが、その打撃は一昨年までと全く異なる。これまでは“長打狙い”だったのに対し昨季は“安打のための狙い待ち”にモデルチェンジを果たした。日本ハムは年間30本を打つような長距離砲がいないため次の打者につなぐ、より確実なバッティングが求められる。そのため確実性を重視し、これまでの魅力でもあった長打を封印した。だがこの決断が高橋にとって“転機”となり、異色の4番打者として地位を固める要因となった。

ドラフト最下位指名の男が打線の大黒柱を任され、13年目にして1億円プレーヤーの仲間入り。ゴールデングラブ賞、ベストナインを受賞とまさに今が成熟期と言えよう。4番打者という重圧を感じずに、これからも高橋信二のスタイルを突き通してもらいたい。


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posted by 伊藤 順平 |19:43 | 日本プロ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2010年01月15日

幕張からアメリカへ

※文章、表中の数字はすべて2009年シーズン終了現在

 昨年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)で、大会2連覇を果たした日本を最後まで苦しめ続けたのが韓国だった。
 今季から千葉ロッテに入団する金泰均は、韓国代表として全9試合に4番で出場すると、大会ベストナインに選出される大活躍を見せ、韓国の準優勝に貢献した。果たして日本でもその力を発揮することができるのだろうか。

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 まずは通算9年間所属したハンファ時代の成績から振り返ってみたい。
 高卒ルーキーだった2001年には20本塁打を放ち新人王に選ばれた。その後、若干の伸び悩みを見せるも、最大の武器である長打力に加え、勝負強い打撃でハンファの4番を任されるようになった。そして2008年には31本塁打を放ち、念願の本塁打王を獲得した。

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 次に2009年WBCでの成績を見てみよう。上は大会全体を通しての成績、下は日本戦に限っての成績である。大会を通して4番で出場した金泰均は、その名に恥じない見事な成績を残し、大会ベストナインを獲得した。
 一方で日本戦だけに限って見てみると、全体の成績に比べると際立った成績を残していないことが見てとれる。第1ラウンドでは、東京ドームの看板に直撃する特大ホームランや決勝タイムリーを放ったものの、それ以後の日本戦では快音が鳴り響くことはなかった。特に、今後同リーグで何度も対戦するであろう岩隈に対しては、5打数1安打と打ち崩すことができなかった。

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 これは同大会での金泰均の高低別打撃成績である。
 短期決戦であるが故に打数が少ないのはご了承願いたいのだが、表を見て分かるように低めの打率が極端に低い。大会を通して素晴らしい成績を残しているにもかかわらずだ。高めの投球にはめっぽう強いが、低めを攻められると抑えこまれる可能性も高いことが分かる。

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 最後に、韓国人助っ人の先輩ともいえる李承ヨプと比較をしてみたい。
 李承ヨプは三星(韓国)時代の2003年にアジア最多本塁打の新記録となる56本塁打を放ち、鳴り物入りで千葉ロッテに入団。2004年の開幕戦では4番で出場し、当時西武のエースだった松坂(現・レッドソックス)から初打席初安打初打点を記録するなど好スタートを切った。しかし、各チームからの研究が進んだ開幕1カ月で二軍落ちを経験するなど、日本での1年目は結局14本塁打に終わり、前評判通りの成績とはならなかった。
 WBCのベストナインにして、2008年の本塁打王の金泰均。左右の打席こそ違えど、金泰均もWBCでは日本人投手との対戦成績は比較的良くないということが見ることができた。早めに日本の野球に適応できなければ李承ヨプの二の舞となってしまうかもしれない。

 入団会見では「日本に多くいるいい投手と対戦することで自分のレベルも上がる。日本でしっかり成績を残してメジャーに行きたい」と語り、米大リーグを最終目標としている金泰均。
 韓国国内では李承ヨプに負けず劣らずの人気を誇っており、国民の期待も高い。それもあってか、外国人選手としては珍しく新年早々に来日し、精力的に汗を流しているようだ。
 先輩の李承ヨプが未だ成し得ていない“日本球界を経由してのメジャーリーグ行き”は実現するのだろうか。今季は金泰均のプレーに注目である。


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posted by 渡辺 佑希 |21:07 | 日本プロ野球 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2010年01月08日

選手分析 ~ソフトバンク #47 杉内俊哉~

※文章、表中の数字はすべて2009年シーズン終了現在

 今や球界No.1左腕と言っていいほどに成長を遂げた杉内。WBCでの好投も記憶に新しい。ここ3年は、投球回190イニング以上、2ケタ勝利、防御率2点台を続けるなど安定感を見せ、名実ともにエースとしての働きを見せている。そして、杉内を語る上で欠かせないのが奪三振だ。今季も2年連続となる奪三振王に輝いたが、昨季までとは少し違った投球スタイルでのタイトル奪取だった。

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 以前の杉内は、伸びのあるストレートと切れ味鋭いスライダーのコンビネーションで三振の山を築くという印象が強かった。しかしながら、表から今季はスライダーよりもチェンジアップでの奪三振割合が高かったと分かる。WBC日本代表でダルビッシュなどに握りを教わり改良したというチェンジアップ。今季の杉内はこの武器を有効に使い、これまでとは違う投球スタイルで勝負していたのだ。

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 ストライクカウント別の投球割合からも、杉内の変化が見てとれる。07、08年と比べて、今季は2ストライクからの決め球としてスライダーよりもチェンジアップを多く選んでいたのだ。また、0ストライク時ではカーブよりチェンジアップを多く投げているように、決め球としてだけでなくカウント球としても重宝しており、杉内にとってチェンジアップがいかに大切だったかが分かる。

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 チェンジアップへの手応えは左打者への投球割合からもうかがえる。07、08年はあまり左打者へチェンジアップを投げていなかったが、今季は全体の7%を占めるほど投球割合が増えたのだ。一般的に、左投手は左打者に落ちる系の球を投げにくいと言われるが、このデータから杉内がいかに自信を持ってチェンジアップを投げきっていたかが分かる。

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 さらに、今季のチェンジアップを代名詞でもあったスライダーと比較してみると、スライダーは高低のコントロールにばらつきがあった一方で、チェンジアップは徹底して低めへコントロールされたことが分かる。最も打たれていない高さにしっかり投げきっており、ここ一番でチェンジアップに頼るのも納得だ。

 チェンジアップで大きな実績を積んだ今季。この実績を経て、来季はスライダー、チェンジアップという2つの武器をさらに磨き上げてくるに違いない。新たな決め球を手に入れた杉内が、野茂英雄以来となる3年連続奪三振王へ。偉業達成への視界は良好だ。


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posted by 伊藤 秀亮 |19:23 | 日本プロ野球 | コメント(4) | トラックバック(1)
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