2009年10月31日
屈辱から再起をめざす獅子たち
※文章、表中の数字はシーズン終了現在 2008年、渡辺久信新監督(当時)を迎えて4年ぶりの日本一、そしてアジアシリーズ制覇を果たした埼玉西武ライオンズ。しかし2009年は最後までクライマックスシリーズ出場争いに絡んだものの、最終的には4位となり屈辱を味わった。今回は前年の日本一からBクラスに転落してしまった要因を分析していきたい。![]()
始めに今季の先発・救援投手の成績を昨年と比較してみた。2009年、西武の先発投手陣はリーグの中でも素晴らしい成績を残した。これは涌井・岸・帆足といった若手投手が良い成績を上げていることからもわかるだろう。しかし問題は救援投手陣である。2009年の成績の低下は、前年素晴らしい活躍を見せたグラマンの早期離脱が大きな影響を及ぼしたといえる。グラマン不在の救援陣の成績では、特に与四球率の悪化が目に留まる。被打率こそ変化は少ないが、与四球率が上昇しているということはそれが失点につながっていたといえるだろう。
次にパ・リーグチーム別の先発投手と救援投手の成績を見てもらいたい。前述の通り、先発投手はリーグ1位の防御率を残すなど素晴らしい成績だったが、救援投手ではリーグ最下位である。そのなかでも勝利数を14も上回った敗戦数は特筆に価するだろう。もしもこの借金分をそのまま勝利にできていれば、チーム成績は84勝56敗となり、リーグ2連覇を達成することができたのである。
上記は今年のパ・リーグのホールドとセーブのランキングである。昨年は星野-グラマンという勝ちパターンの継投が構築されていたが、今年は守護神不在により継投パターンを固定することができなかった。先発投手が好投をしても、後を受けた救援投手が打たれてしまえば試合に勝つことができない。武田久のような絶対的守護神を擁する日本ハムや、ソフトバンクのように先発投手が弱くてもファルケンボーグ-摂津-馬原という“勝利の方程式”ができているチームは強いチームといえるだろう。 西武が来シーズン上位に浮上するには、やはり信頼できる守護神の存在が鍵となってくる。現段階でグラマンの残留は決定的とされているが、肩痛という持病を持っているだけに完全復活できるかどうかは疑問である。西武には、途中加入ながらも安定した成績を残した藤田や、5年目の松永、そして2年目の武隈などまだまだ有望な投手が多くいる。打撃陣はブレなく活躍を見せているだけに、新たな守護神の誕生を期待したい。 ■データスタジアム株式会社アルバイト募集
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posted by 渡辺 佑希 |20:09 |
日本プロ野球 |
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始めに今季の先発・救援投手の成績を昨年と比較してみた。2009年、西武の先発投手陣はリーグの中でも素晴らしい成績を残した。これは涌井・岸・帆足といった若手投手が良い成績を上げていることからもわかるだろう。しかし問題は救援投手陣である。2009年の成績の低下は、前年素晴らしい活躍を見せたグラマンの早期離脱が大きな影響を及ぼしたといえる。グラマン不在の救援陣の成績では、特に与四球率の悪化が目に留まる。被打率こそ変化は少ないが、与四球率が上昇しているということはそれが失点につながっていたといえるだろう。
次にパ・リーグチーム別の先発投手と救援投手の成績を見てもらいたい。前述の通り、先発投手はリーグ1位の防御率を残すなど素晴らしい成績だったが、救援投手ではリーグ最下位である。そのなかでも勝利数を14も上回った敗戦数は特筆に価するだろう。もしもこの借金分をそのまま勝利にできていれば、チーム成績は84勝56敗となり、リーグ2連覇を達成することができたのである。
上記は今年のパ・リーグのホールドとセーブのランキングである。昨年は星野-グラマンという勝ちパターンの継投が構築されていたが、今年は守護神不在により継投パターンを固定することができなかった。先発投手が好投をしても、後を受けた救援投手が打たれてしまえば試合に勝つことができない。武田久のような絶対的守護神を擁する日本ハムや、ソフトバンクのように先発投手が弱くてもファルケンボーグ-摂津-馬原という“勝利の方程式”ができているチームは強いチームといえるだろう。
西武が来シーズン上位に浮上するには、やはり信頼できる守護神の存在が鍵となってくる。現段階でグラマンの残留は決定的とされているが、肩痛という持病を持っているだけに完全復活できるかどうかは疑問である。西武には、途中加入ながらも安定した成績を残した藤田や、5年目の松永、そして2年目の武隈などまだまだ有望な投手が多くいる。打撃陣はブレなく活躍を見せているだけに、新たな守護神の誕生を期待したい。
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初のクライマックスシリーズ(以下CS)第1ステージでは、見事な2連勝で第2ステージ進出を決めた楽天。そのCS第1ステージでソフトバンクのエース・杉内から本塁打を放ち、左キラーとしての存在感を存分に発揮したのが中島俊哉だ。昨シーズンは自身最多の81試合に出場し、対左投手では際立った打撃を見せた。今年は出場試合数こそ減ったものの左投手への強さは健在だった。そんな中島の左キラーとしての実態を探ってみた。
まず、対左投手における球種タイプ別の打率を調べてみた。昨季はどちらも高打率の中でストレートの方が打率は高い。しかし、今季は変化球に対して高打率を残しているのだ。
また、対左投手におけるコース別の成績を見ると、昨季は相性の良い左投手でも内角だけは苦手としていた。しかし今季は内角に対して高打率をマークし、内角の弱さを克服したようだ。外角に対する打率が落ちたのは気がかりだが、全体的に見れば苦手なコースが減ったと言えるのではないだろうか。
では左投手の中で相性の良い投手は誰か。もともとの対戦打数が少ないが、CS第2ステージで対戦する日本ハムの武田勝と八木に対しては相性の良し悪しがはっきり出た。また、日本シリーズ進出となれば中日と対戦する可能性があるため、小笠原に対して高打率を残しているのは強みである。
左キラーと呼ばれるが故に苦手な球種やコースが少ないものの、昨年と比べると違いが見えた。当然レギュラー定着のためには右投手に対しても結果を出していかねばならないが、左投手からこれだけの好成績を残しているのはチームにとって貴重な戦力である。チーム初の日本シリーズ進出、そして日本一のためには中島の一打がカギを握っているかもしれない。
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これは今季の木元と古木の一軍における打撃成績である。古木は.231と結果を残せず、木元に関しては一軍での出場すら無い。これでは戦力外を言い渡されても仕方がないと思うかもしれない。
しかし、共に80試合に出場したウエスタンリーグでは違う。古木は.315、木元は.306と3割を越える打率をマークし、打率ランキングではリーグ上位に位置する。一軍と二軍では対戦する投手のレベルが違うのは確かだが、規定打席に立ち、3割を打って、能力が無いとは決して言えない。
さらに木元は出塁率が高い。出塁率.408はリーグ2位の記録である。ヒットを打てるが、そうでなくとも出塁する。木元はチャンスメーカーとしての能力を十分に持っていると言えよう。
続いては古木。古木と言えば、一発がある長距離打者という印象が強い。しかし、今季は本塁打をわずか5本しか打っていないのだ。それにもかかわらず長打率はリーグ5位の.488。ここまで長打率が高いのは、二塁打の多さにある。二塁打はリーグトップの22本。本塁打が減り二塁打が目立っている点と、高打率から分かるように、古木はモデルチェンジを果たしたのだ。アベレージ重視のバッティングに切り替え、まさに「ヒットの延長が長打」を実践し、結果を残した。
いくら成績を残しても球団にマッチしなければ戦力外通告を受ける。それが組織というものだが、逆に言えば他球団でなら活躍できる可能性があるということだ。
木元・古木にはぜひとも現役を続け、新球団で奮闘してもらいたい。
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高橋の魅力といえば上述したように、なんと言ってもストレートだ。表1からも明らかなように、投球の7割以上がストレートであり、またこの投球割合はセ・リーグトップの数字である。このデータからも、高橋がいかにストレートにこだわっているかが見て取れる。
高橋の左腕から繰り出されるストレートは最速150km/hを超え、その球には力強さがある。彼のストレートの力強さを表しているデータが表2である。ストレートの内角被打率は.171とリーグ平均値を大きく上回っている。これは高橋のストレートの威力ゆえに、打者が満足のいくバッティングをさせてもらっていない結果と見ることができよう。
しかし今季の高橋の投球には僅かに変化が起きている。今季の高橋は9月24日現在ですでに昨年の倍近くフォークを投げている。そのフォークの奪空振り率も昨年より向上したことから、追い込んでからの決め球としてフォークを投げることが多くなった。今季のフォークによる奪三振割合は全体の約半分を占め、新たな決め球としてかなりの威力を発揮している。奪三振率が昨季の8.00から今季の10.20と向上しているのも、このフォークによるものと考えられる。
ここまでは高橋の今季の成長について見てきたわけであるが、ではなぜ今季の高橋の防御率が昨年に比べ悪化しているのかについて、少し言及しておきたい。上の表からは今季の高橋の被打率が昨年に比べ良化していることが見てとれる。しかし1試合の登板における被安打数に注目すると、被安打3以上の試合が昨年よりも10試合少ない現時点で、すでに昨年に近い数値を記録してしまっている。これはすなわち昨年に比べ集中打を浴びる機会が増えているということである。登板イニングが少ない中継ぎは1試合の結果によって防御率が激しく上下する。集中打を浴びる機会が多くなった今季、高橋は被打率の割に防御率が悪いという結果となってしまっているのである。
しかし、今までのストレートに加えフォークという新しい決め球を身につけたことは、今季の高橋の大きな収穫といえよう。今後の課題は集中打をいかに浴びないようにするか。この課題を克服した時、高橋はセットアッパーとしての存在感をさらに増すことだろう。
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初のクライマックスシリーズ進出へ向けて、激しい戦いを繰り広げている楽天。そのチームにおいて田中、岩隈に次ぐ勝ち星を挙げているのが永井怜である。永井は3年目の今季、自身初の2ケタ勝利を挙げ今季の楽天の躍進を支えている。そんな永井の活躍の要因を探ってみた。
まず、昨年と比べてストライクカウント別の球種投球割合を分析してみた。今季はフォークの投球割合が減り、スライダーとカーブの投球割合が増えている。特にスライダーはどのカウントでも投球割合を大きく伸ばしている。また、スライダーとカーブは昨年に比べて、ストライク率が上がっていることからも両球種に磨きがかかっていると言える。フォークに頼りがちだった昨年に比べ、今季はスライダーとカーブを自信を持って投げられていることがうかがえる。
また、永井はリーグ7位に入るほど奪三振が多い投手である。その奪三振にも変化が表れた。昨年に比べストレートとフォークで奪った三振が減り、カーブとスライダーでの奪ったものが増えている。ストライクカウント別の投球割合と同様に、スライダーとカーブでも三振が奪えるようになったことが今季の永井の活躍を支えている。
これらの投球の変化が、今季永井が活躍している一因だと考えられる。残りの試合数もあとわずかとなり、いよいよ佳境を迎えるペナントレース。チーム初のクライマックスシリーズ進出のためには永井の活躍が欠かせない。
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