2009年02月28日

相性

※データは2008年シーズン終了時点

 競馬用語に「中山巧者」、「小回り(福島、小倉)巧者」などがある。いずれもその競馬場との相性が良いということだが、野球にもそのようなことがあると言える。
 野球規則にはマウンドの大きさ、傾斜などは各球場とも同一でなければならない旨の記述があるが、実際には使用している土が異なり厳密には同じではない。また、ドームや芝など球場タイプの違いや選手各々の潜在意識など、球場との相性の良し悪しはどの選手でもあるだろう。
 そこで、以下ではセ・リーグ本拠地球場ごとの投手成績を比較してみたいと思う。なお、ホーム球場ではホームの投手の登板機会が必然的に多くなるので、今回はビジターでの投手成績を見ていくこととする。


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 まずは東京ドームから。3位には現役最多の対巨人戦40勝(2008年シーズン終了時)を誇る山本昌がランクイン。実績どおりの好成績を残した。昨季防御率2.67と安定した働きをみせた阪神・渡辺だがここでは防御率7.50と相性が悪かった。


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 続いて甲子園。浅尾、山口、藤田と、高校時代に甲子園出場経験の無い選手が目立つ中、前田健が14回3分の2を投げ無失点という成績を残した。東京ドームではランクインした中日・チェンだったが、ここでは4試合を投げ防御率6.17。甲子園との相性は良くなかったようだ。


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 ナゴヤドームの1位は五十嵐。投球イニングは5回と少ないが、被打率.125を記録。続く下柳、館山も防御率0点台と相性が良かった。


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 続いて広島市民球場。1位には小山田、山口、越智が名を連ねる。特に小山田は1999年から2007年まで広島でプレーしていた選手である。9年間投げ続けてきたマウンドは相性が良いようだ。成績下位を見ると、ここまで甲子園とナゴヤドームでランクインしていた昨年最優秀投手のグライシンガーが防御率6.35と際立って成績が悪かった。
 

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 次に神宮球場。上位5人が防御率0点台という成績を残した。2007年シーズン終了後の改修工事で両翼が拡張された影響をうかがわせる結果だ。ランク外では広島・ルイスが2試合を投げ、防御率0.60の好成績。一方で、相性の悪さを見せたのは横浜・三浦。2試合を投げて防御率は6.75であった。


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 最後に横浜スタジアム。クルーン、押本、浅尾、川上、久保田の5人が防御率0.00で並んだ。上述した広島市民球場の小山田と同様、横浜を古巣とするクルーンがここで好成績を出した。また、昨年は防御率2.68で15勝を挙げたルイスは2試合を投げ、防御率8.25と振るわなかった。

 以上のように一部ではあるが、選手と球場の「相性」というものを見ることができたと思う。今季のプロ野球をこの点に注目して観るのも面白いかもしれない。


posted by 伊藤 順平 |15:13 | 日本プロ野球 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2009年02月20日

被打率から見る変化球

※データ及び所属球団は2008年シーズン終了時点

 変化球を評価するのは難しい。変化の大きさや「キレ」等は視覚的・感覚的な判断となるため、客観的な評価を下しづらい。直接打席で相対している選手でなければ分からない要素もあるだろう。
 その中で、ひとつの基準となりうるのが「被打率」の存在。投球に対して安打・凡打・三振などいわゆる「結果球」を集めて安打数を打数で割ったものがそれだ。打者が打ちにいった際に安打にしやすいか否かを判断できる、というわけだ。


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 昨季のセ・パ両リーグの全投球を9つの球種に分け、被打率を算出すると表1-1、1-2となる。ストレートを除き、右腕・左腕を通じて一番打数が多かったのがスライダー。次いで右腕ならフォーク、左腕ならチェンジアップの落ちる系の変化球となった。落ちる系の変化球は被打率も低く、決め球として有効に機能していることが分かる。


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 球種別に細かく見ていこう。まずはスライダーから。昨季、全投手中最もスライダーを打たれていない投手は高橋秀(ソフトバンク)。これまで目立った実績も無いだけに驚かれた方も多いのでは無いだろうか。サイドから腕を振る力投派タイプで、制球面の課題さえ解決できれば一気にブレイクする可能性を秘める。2位は凄まじく変化の大きいスライダーを投げる新垣(ソフトバンク)。左腕のトップはウィリアムス(阪神)。スライダーでお馴染みの二人が上位にランクインした。


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 落ちる系のフォーク・チェンジアップでは巨人勢が共に1位。クルーンの150キロに迫るフォークは低めに決まればほぼ敵無し。昨季セ・リーグ新人王の山口は主に右打者に対しチェンジアップが威力を発揮した。注目はフォークで2位の小松(オリックス)。15勝を挙げパ・リーグ新人王に輝いた昨季の活躍は、絶対的な決め球の存在が大きかった。


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 日本でお馴染みの変化球・カーブはどうだろうか。カウントを整えたり、打者の目線を変える意図で投じられる機会が多いためか、全体として被打率は高めの傾向。それでも抜群の数字をマークしたのがダルビッシュ(日本ハム)。左打者に対して投じることが多く、決め球としても十二分に機能した。左腕では那須野(横浜)がトップ。リーチの長さを生かした曲がりの大きなカーブで、不振脱却の鍵を握るボールとなるかもしれない。
 ちなみに、昨年の日本シリーズで大きく注目された岸(西武)のカーブは被打率.243で9位だった。


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 表1の特殊球に関心を持たれた方もおられるかもしれない。これは総数自体少ないのだが、その中でも多くをパームが占める。1位の浅尾(中日)は昨季全投球数の14%をパームが占め、150キロ超の速球との緩急が有効に機能した。4位帆足(西武)のパームは独特の変化で、スライダーに似た軌道。昨季全投球の35%と多投している。
 昨季初のセーブ王に輝いた加藤(オリックス)の変化球といえば、ナックルカーブ。制球の難しさから日本で本格的に投げているのは加藤ぐらいだが、指に掛かった時は強烈な変化を見せる。


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 ストレートの数字も参考までに。パ・リーグトップはダルビッシュと驚きは少ないが、セ・リーグトップは打数が少ないながらも山口(横浜)。僅差で藤川(阪神)を上回り、大器の片鱗を覗かせた。両リーグ4位の齊藤(広島)、片山(楽天)はともに期待の大きい若手左腕。ストレートで勝負できる投手として、大成が期待される。

 各ランキングとも意外な名前が出てきたり、納得の選手だったりと堪能していただけたことと思う。プロの投手はキャンプ中はもとより、シーズン中でも新球種の習得や持ち球の改良に余念が無い。今季どのような変化球に出会えるか、今から待ち遠しいのは私だけではないだろう。


posted by 佐々木 浩哉 |19:57 | 日本プロ野球 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2009年02月13日

プロ野球活性化

※データは2008年シーズン終了時点

 近年、視聴率が低迷するプロ野球の巨人戦中継について、日本テレビが今季の巨人主催試合の地上波放送を、昨年より16試合少ない26試合に減少する旨を発表した。巨人だけに限らず、プロ野球全体の人気低迷が叫ばれている中、昨年球場に足を運んだ野球ファンがどれだけいたのか。ファンは自分の好きな球団が試合に勝ち、好きな選手が活躍するほど応援したくなるものであろう。それを前提に見てみたい。


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 まずはセ・リーグから。1試合の平均観客動員数トップは阪神で、41,344人。阪神は平均動員数が両リーグ通じて唯一の4万人超えを記録しているが、前年と比較すると5.3%ダウンしている。常勝を求められる阪神が巨人に13ゲーム差をひっくり返されたことが大きな要因であろう。

 2007年に続き2年連続のリーグ優勝を果たした巨人は、39,948人で1.2%の減少。リーグ上位に位置するも観客動員が減少したのはもの寂しいが、シーズン終盤でファンを沸かせ、なんとか1.2%ダウンでとどまったという感じだ。今季は話題の高卒ルーキー・大田が活躍するようならば、観客動員数増加が見込めるかもしれない。

 中日は2007年より順位をひとつ落とすも、33,720人で1.6%の増加。これは中日のマスコットキャラクターである「ドアラ」の存在が大きく、ドアラ目当てに球場へ行くという人も少なくない。また、7回終了後のバック転のパフォーマンスはファンの間で人気がある。
 
 広島は19,315人で23.2%アップ。昨年は広島市民球場の閉鎖や、シーズン終盤のクライマックスシリーズ出場をかけた中日との3位争いによって大幅な増加に至った。今季も新球場効果で観客増加が見込めそうだ。


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 次にパ・リーグを見てほしい。1試合の平均観客動員数1位は31,251人でソフトバンク。リーグ最下位の成績が響き、前年より2.5%のダウンにつながったが、パ・リーグの人気球団として、その地位は確固たるものと言えよう。

 リーグ優勝の西武、リーグ2位のオリックスは大きな躍進をみせ、西武は29.3%、オリックスは11.4%のアップ。西武の29.3%アップは両リーグ通じてトップの上がり幅である。
 
 前年より順位を落とした日本ハム、ロッテ、楽天だが、それぞれ2.2%、2.8%、2.8%と増加している。特にロッテはファンサービスを徹底しており、内野席も応援席とする「応援スタジアム」や、ドリンクを割引して販売する「ビアスタジアム」などを実施。球団設立40周年を迎える今季は、新たなファンサービスが実施されれば、さらなる集客を見込めるだろう。

 こうして見ると、チームが勝つことだけでなく、中日のようなマスコットキャラクターのパフォーマンスや、ロッテのような多様なサービスもプラスとなりファンは球場に足を運ぶようだ。このような取り組みを球団が積極的におこない、プロ野球人気を取り戻すことを願いたい。


posted by 伊藤 順平 |20:23 | 日本プロ野球 | コメント(7) | トラックバック(1)
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2009年02月08日

Km/h

※データ及び所属球団は2008年シーズン終了時点

 ストレートのスピードは投手の能力の一面をシンプルに量ることが可能な数字だ。分かりやすくインパクトがあり、「MAX○○○km/h」という表記は野球ファンにとって馴染み深い。ひいき球団の新人選手や新外国人選手の「MAX」を見て一喜一憂するのは、この時期のストーブリーグならではの楽しみではないだろうか。そしてシーズンに入ってガッカリ、なんて光景もお馴染みであることは言うまでもない。

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 プロが実際にどれ位のスピードのストレートを投げているのか、というのを表したのが表1だ。昨季セ・パ両リーグで投じられた134509球のストレートから未計測・誤計測を排してカテゴリー別に平均化した。傾向としてはややセ・リーグの方が高い数字となっている。右投手なら142km/h、左投手なら138km/hほどがNPBの一軍投手のアベレージとなる。あなたの感じているイメージに近いスピードとなっているだろうか。

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 個人別最高球速をランキング化すると、150km/h超の速球派がズラリと並んだ。注目は昨年日本人最速をマークした五十嵐(ヤクルト)だ。自己最速に1km/h迫る157km/hを記録。大きな怪我を乗り越えて、全盛期にも劣らないスピードで豪腕復活を印象付けた。今年もスピードガンで球場を大いに沸かせてくれることを期待したい。

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 次に、追い込んでからのストレート、というテーマで2ストライク後の平均球速を算出した。日本記録保持者のクルーン(巨人)が平均155km/h超のスピードで貫禄の全体1位。ランキングの性質上リリーフ投手が大半を占めることを予想していたが、先発投手の新垣(ソフトバンク)、ダルビッシュ(日本ハム)の2人はさすがの一言。全体2位の寺原(横浜)は今季より先発に復帰する予定だが、この2人のように先発に回ってもスピードを維持できるか要注目だ。

 全体を振り返るとクルーン、ウィリアムス(阪神)が左右でそれぞれ頭一つ抜けた存在。浅尾(中日)、由規(ヤクルト)、高橋(中日)、吉川(日本ハム)などの若手速球派の名前も見られ、今後の成長が楽しみだ。
 スピードマニアの方も、そうでない方も楽しんでいただけただろうか。常に同じ条件下の測定ではないにしても、スピードは野球の醍醐味のひとつ。これらの資料をご覧いただいて、スピードのイメージ作りのお役に立ててもらえれば幸いである。最後に、以下の表を掲示して終わりとしたい。これまでの表1~3と比較しながらご覧になると、あるいは興味深い発見があるかもしれない。

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posted by 佐々木浩哉 |19:49 | 日本プロ野球 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2009年02月01日

40本塁打&40盗塁

 野球における攻撃の基本は「打って走る」ことである。打席に立ってはホームランをかっ飛ばし、塁に出ては颯爽とスチールを決める――、これが点取り屋の究極型だ。しかし、今日の球界においてパワーとスピードの双方を兼ね備えた選手は少ない。かつては1987年に秋山幸二(当時・西武)が年間43本塁打38盗塁の驚異的な数字を残したが、MLBで史上4人が達成している40本塁打40盗塁の大台にはあと一歩及ばなかった。果たして、日本国内で前人未到の偉業を達成する者は現れるのだろうか。日米での試合数の差異を承知した上で、あえてその可能性を探ってみたい。

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 記録への挑戦者としてまず筆頭に挙げられるのは、昨季124試合の出場で、21本塁打25盗塁の好成績をマークした中島裕之(西武)だろう。長打力、走力ともにハイレベルで、加えてリーグ2位の高打率を残すなど、攻撃面でのバランスに優れた理想的な3番打者タイプである。トリプル3(3割30本30盗塁)の達成は射程圏内と映るが、プラスアルファでさらに本塁打と盗塁の数字を伸ばせるか。
 中島に続く存在としては、青木宣親(ヤクルト)の名を挙げたい。連年首位打者争いで上位に立つ安打製造機の一人だが、一昨年には20本塁打を放つなど、単なる俊足巧打タイプではないことを数字で実証している。昨季も112試合の出場で14本塁打31盗塁と高い成績を残したが、既に完成された感のある長打力に40本塁打を狙うだけの“伸びしろ”は見込めるだろうか。
 さらにもう一人忘れてはならないのが、今季から5年ぶりに日本球界復帰を果たす井口資仁(ロッテ)である。井口といえばダイエー(現・ソフトバンク)時代の2001年に30本塁打44盗塁をマークするなど、近年で最も40本塁打40盗塁の記録達成に近づいたプレーヤーの一人といっていい。メジャー移籍4年目となった昨季は出場機会に恵まれず成績も伸び悩んでしまったが、かつて日本で見せたパフォーマンスの高さはやはり無視できない。ベースボールの本場で培った力と技を存分に発揮してほしいものだ。
 では実際に記録達成はどれほど期待できるのか、各選手の走攻におけるデータから探っていこう。あらかじめ述べておくが、これは彼らの記録達成を必ずしも肯定するものではない。あくまで大台への道のりを測るための参考資料として捉えていただきたい。

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 まずは3人の盗塁成功率から見てみよう。過去3年で合計90近い盗塁数を記録している青木の走力は今さら疑う余地もないが、成功率では他の2選手がより優れた数字を示している。特に中島に関しては8割を超えるハイアベレージで、昨季40盗塁以上を決めたスピードスター達の平均値をはるかに上回っているのだ。走力・瞬発力に加え、相手の投球モーションを盗む技術なくしては生み出せない数字であり、さらなる盗塁数の増加を大いに期待させる結果となった。一方の井口も、2001年の盗塁王戴冠から久しいだけにやや未知数な部分はあったものの、成功率が表すように衰えは感じない。メジャーでは出場機会の減少により盗塁数が伸びなかったが、環境が変わり、企図数次第ではより多くの盗塁を十分に狙えるはずだ。とはいえ、こればかりはチームの戦略事情に起因する面が大きく、青木も含め、最終的には首脳陣が彼らにどこまで盗塁を求めるか、といった問題になってくるのかもしれない。

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 続いては3人の長打力に関するデータである。本塁打率(打数÷本塁打数=1本塁打あたりの打数)で気になるのは井口の数字だ。昨年までのプレー環境が異なるため他選手との比較は難しいが、メジャーで長打を要求されなかったことによる“軽打癖”が日本での成績にどう影響するだろうか。多くの日本人打者が海の向こうでは本塁打率を低下させるように、井口も打撃スタイルの変化によるものと推測されるが、それゆえにやや気掛かりなデータではある。
 次に、長距離砲の適性を探る指標として「GO/AO」を取り上げたい。これは各選手のゴロアウト(バントを除く)とフライアウト(ライナーを除く)の比率を示したもので、数値が高いほどゴロアウトの割合が多い打者となる。昨季40本塁打以上を記録した大砲達の平均値からわかるように、フライアウトが占める割合の高さも、本塁打数を増加させる上で重要な条件のひとつなのだ。3選手の数字に目を向けると、中島と井口に関しては中距離打者タイプといった印象を受けるが、青木のゴロアウトの多さは際立っている。アベレージヒッターの部類に入るこの数字から、リーグトップクラスの本塁打数は想像しにくい。先に触れた長打力の“伸びしろ”にはやはり限界があるのだろうか。いずれにしても、40本塁打のクリアはただでさえ至難の技である。盗塁数と比べ、こちらは3人にとって大きな難関といえそうだ。

 冒頭で述べたとおり、「遠くへ飛ばして速く走る」選手は珍しい。そして、その最高目標である40本塁打40盗塁を達成する選手もイメージが湧きにくいのが現状だ。検証の結果、筆頭候補と記した中島でさえ「ひょっとしたら」のレベルであったことは否めない。もちろん彼らは打率やチームの勝利を優先するだろうが、一ファンとして、日本球界にも驚異的な身体能力を誇る大物が現れてほしいものだ。この世界にはブレイクという言葉も存在する。いつ誰が爆発的な才能を開花させるかわからない。今回取り上げた3人を含め、新たに頭角を現すかもしれない“40-40予備軍”にも期待しつつ、記録が達成される日を気長に待ちたい。


posted by 山田隼哉 |16:51 | 日本プロ野球 | コメント(6) | トラックバック(0)
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