2010年02月01日
殿堂入りの基準
財団法人野球体育博物館は2010年1月12日に殿堂ホールにおいて「平成22年野球殿堂入り記者発表」を開催し三氏の野球殿堂入りを発表した。競技者表彰委員会プレーヤー表彰選出で東尾修氏、エキスパート表彰選出で故・江藤慎一氏、特別表彰委員会選出で、故・古田昌幸氏が新たに殿堂入りしている。野球殿堂入りは171名になっている。 殿堂入りはプレーヤー表彰なら、現役を引退したプロ野球選手で、引退後5年以上経過した人。その後15年間が選考対象となる。野球報道に関して15年以上の経験を持つ委員(約300人)が投票。75%以上得票した人が殿堂入りとなる。 (財団法人日本体育博物館ホームページ(HP)より) http://www.baseball-museum.or.jp/baseball_hallo/summary/index.html 昨年に続き今回も落合博満は基準に一票足りずに殿堂入りを逃している。これはかなり異常な事態と思われる。今回は落合がチームにどれだけ貢献したか(Win Shares)という視点で評価をして、選出が妥当だったのか見てみよう。 Win Shares(ウィン・シェア)はB.ジェームズが開発し、選手がチームの勝利にどれだけ貢献したかを算出した指標だ。打撃・投球・守備などをチームの得点・失点への働きに換算して評価をしている。Win Sharesが優れている点は、打撃や投手成績に比べ、時代の特性・環境の違いを修正し(今の野球と昔の野球の違いや球場やボールの違いなど)、投手と野手を同じ土俵で比べられるところだ。勝敗への貢献なので年代の違う選手の比較も可能になる。殿堂選手を評価するには有効な指標だろう。 <表1>表1は1970年以降に活躍し、殿堂に選ばれた選手と落合の比較だ。Win Sharesの数値を3で割るとチームの勝利数に変換される。例えば衣笠なら打撃で84.3勝分、守備で17.5勝分、合計でチームに102勝分の勝利を一人でもたらしたと考えられる。これをみると、殿堂入りを果たしたいずれの選手より落合の数値が高い。残念ながら1969年以前はデータがなくWin Sharesの算出がまだできない。そのため、一部選手は69年以前の数値は加算されていないが、キャリアの中では活躍以前の期間であり、落合を上回ることは難しい。 <表2>
表2は1970年以降の打者で250以上のWin Sharesを記録した選手である。こちらも一部選手は1969年以前の数値が未加算である。今後、殿堂入りが期待される面々ではあるが、やはり落合には及ばない。 <表3>
さらに表3は各年代で最高のWin Sharesを記録した選手である(言い換えると最もその時代で影響力があった選手)。1970年代の王貞治は圧倒的だが、80年代の落合も2番目に高い値で、ほかの年代に比べても影響力の大きさがうかがえる。その後、古田(ヤクルト)、金本(阪神)と続いていくが、いずれも殿堂入りに異を唱(とな)える選手ではないだろう。 上記のとおり、落合は勝敗への影響でも1970年以降で傑出したプレーヤーであったことは間違いない。もちろん、今回選出された殿堂入り選手に異を唱(とな)えるつもりはないが、プレーヤーとして落合が2年連続で落選するのは選出側にあきらかに問題がある。落合の成績なら「満票で選出されなかった」として話題になる方がよほど自然だろう。 ■データスタジアム株式会社アルバイト募集
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posted by 岡田 友輔 |13:08 |
日本プロ野球 |
コメント(5) |
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*こんにちは。
コメント投稿者ID :
お邪魔しますわ。
「ブラッサム・ウェイダーの戯言。」
ってのを
エントリーさせてもらっている者です。
過去の記事も
読ませてもらいました。
「素晴らしい」
の一言ですわ。
オレは敢えて
データとかを書かずに
やらせてもらっているんですが
そのやり方を
ちょっと省みる気持ちになりましたよ。
パッと見るより
遥かに大変な作業だって思いますよ。
表にするってことはね。
これからも
頑張って下さいな。
何の前触れもなく
突然ですいませんでした。
posted by blossom wader | 2010-02-01 14:53
殿堂入りの基準
コメント投稿者ID :
はじめまして
Win Sharesというものを知らなかったのですが、ちょっと調べた程度では理解困難な難しい代物ですが興味深い指標ですね。
表1を見て思ったのですが、例えば衣笠-連続試合出場、福本-盗塁世界記録、村田-日本人初の肘の手術からの復活、若松-通算打率歴代最高(引退時)等の特別な偉業もありますよね。
特に村田兆治さんは数字も素晴らしかったので良かったものの、彼のように数字で表せない偉業を成し遂げた選手が当落線上に来た場合、投票者の印象に頼らなければならない場面もあるでしょうから、痛し痒しだと思います。
ただ、落合の三冠王3回の偉業が前記のものに劣っているとは到底思えないので、どの方向から考えても不可解なのは間違いないですねw
posted by tamamo | 2010-02-01 16:01
殿堂入りの基準
コメント投稿者ID :
本当はあってはならないんだけど、いくら選手時代の成績が突出してても、監督になってからの落合は、無愛想・ぶっきらぼう・ノーコメント・ファンサービス無視。投票するのは人間なんだからある程度感情が入るのは当然でしょう。勝つことがファンサービスって、ここ4年間優勝はしてないですからね。キャンプインの際のコメントも・・・。
posted by いや、だから | 2010-02-01 17:02
殿堂入りの基準
コメント投稿者ID :
感情が入るのが当然って姿勢が報道のプロッフェショナルとしておかしいって話でしょ。
ファンがあれこれ言う分には感情が入るのは当然。マスコミってのはそうじゃなくて物事を公平に報道することが仕事。感情云々は自分の仕事を放棄してるも同然ですよ。
優勝してないから「勝つことがファンサービス」ってのも果してないって極論も聞き飽きました。
posted by 上の人何言ってんの? | 2010-02-01 17:24
殿堂入りの基準
コメント投稿者ID :
非常にわかりやすく説得力のあるデータ、ありがとうございます。
メジャーの殿堂では、マスコミと断絶状態だった選手たちが、そんなことは関係ないとマスコミによって当然のように選出されてきたそうです。それが報道するプロとしては当然の姿勢。日本のマスコミは、自分たちに都合のいいことを言う人だけにいい思いをさせて、そうでない人は選手としての不動の名誉にも泥を平気で塗って辱めるというわけですね。
何のための記録であり、何のための選手の才能なのか。マスコミによってそうしたものも、ひいては野球そのものの価値までもが台無しにされていますね。情けない限りです。
posted by monday | 2010-02-01 20:41
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表1は1970年以降に活躍し、殿堂に選ばれた選手と落合の比較だ。Win Sharesの数値を3で割るとチームの勝利数に変換される。例えば衣笠なら打撃で84.3勝分、守備で17.5勝分、合計でチームに102勝分の勝利を一人でもたらしたと考えられる。これをみると、殿堂入りを果たしたいずれの選手より落合の数値が高い。残念ながら1969年以前はデータがなくWin Sharesの算出がまだできない。そのため、一部選手は69年以前の数値は加算されていないが、キャリアの中では活躍以前の期間であり、落合を上回ることは難しい。
<表2>
表2は1970年以降の打者で250以上のWin Sharesを記録した選手である。こちらも一部選手は1969年以前の数値が未加算である。今後、殿堂入りが期待される面々ではあるが、やはり落合には及ばない。
<表3>
さらに表3は各年代で最高のWin Sharesを記録した選手である(言い換えると最もその時代で影響力があった選手)。1970年代の王貞治は圧倒的だが、80年代の落合も2番目に高い値で、ほかの年代に比べても影響力の大きさがうかがえる。その後、古田(ヤクルト)、金本(阪神)と続いていくが、いずれも殿堂入りに異を唱(とな)える選手ではないだろう。
上記のとおり、落合は勝敗への影響でも1970年以降で傑出したプレーヤーであったことは間違いない。もちろん、今回選出された殿堂入り選手に異を唱(とな)えるつもりはないが、プレーヤーとして落合が2年連続で落選するのは選出側にあきらかに問題がある。落合の成績なら「満票で選出されなかった」として話題になる方がよほど自然だろう。
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