2009年05月11日

パの田中、セの坂本

※掲載データは2009年5月8日現在

 “今が旬”と表現するのは、あまりにも安易かもしれない。弱冠20歳の若武者二人が、今季のプロ野球において最も輝かしい光を放っている。躍動感に満ちあふれた彼らの存在は、まさしく日本球界の希望だ。

■ 田中 将大(楽天)

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 田中将大は楽天にとって、もはや「未来のエース」ではない。開幕以降、2度の完封を含む4連続完投勝利はまさに圧巻だった。今季は投球の安定感が劇的に増している。驚異の防御率0点台に加え、WHIP も3イニングあたり2人以上の出塁を許さない計算となる。さらに、1イニングに要する平均投球数(P/IP)が07、08年と比べおよそ3球も少ない。安定かつ効率的な投球によって、右腕の連続完投は達成されていたのだ。

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 今季の田中はめりはりのある投球を習得したようだ。奪三振のデータがそれを物語る。走者を背負った状況での成績を年度別に算出すると、今季は極めて高い割合で三振を奪っていることがわかった。走者の進塁を防ぎたい場面で、確実に奪三振を狙うことができる。必要性に応じた能力の発揮が、好成績を生む大きな要因となっているのだ。“神の子・マー君”の進化は計り知れない。

■ 坂本 勇人(巨人)

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 坂本勇人は打撃の開眼が著しい。今季の打率は3割台後半と、飛躍的な成長を遂げている。中でも特筆すべき点は長打の多さにある。本塁打数は早くも5本をマークし、8本にとどまった昨年を大きく上回るペースだ。IsoP(長打率-打率)も大幅に上昇しており、長打力の向上は明らかなものといえる。さらに、フライアウトに対するゴロアウトの割合(GO/AO)が1以下の坂本は、比較的打球弾道が高いタイプに分類される。将来的に、長距離打者として大成する可能性を秘めた逸材でもあるのだ。

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 坂本がこれまでのキャリアで放った全13本塁打は、いずれもレフトスタンドへたたき込まれたものである。彼は“引っ張り”で力を発揮する打者なのだ。そして、今季は左方向への打球が全体の半数以上を占めている。これは、坂本にとって理想的な打撃が実現されていることを意味する。驚異的な好調ぶりは、打球の傾向としても顕著に表れているのだ。巨人の未来を背負って立つ男に、首位打者戴冠の期待が膨らむ。

 彼らは、将来的に“球界の至宝”となるだけの素質を備えている。共に06年の高校生ドラフトで1位指名を受け、田中は1年目、坂本は2年目からメディアの高い注目を浴びてきた。3年目を迎える今季、序盤の好調がシーズンを通して維持されたならば、二人は名実ともにまた一歩“至宝”への階段をのぼるだろう。彼らが両リーグを代表する選手となる日は、きっとやって来る。


posted by 山田 隼哉 |16:34 | 日本プロ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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