2009年04月09日
クルーンとマイケル
※文中、表中の数字および所属球団は2008年度終了時点 たかが抑え、されど抑え――。巨人にとって、絶対的守護神の確立は長年の鬼門だった。近年は主力先発投手にその座を託すなど、守護神不在による負担増が相次いだ。クルーンの獲得は、その打開策だった。彼が巨人の抑えとして責務を果たせば、チームが長い間抱えてきた悩みは自然と解消されるだろう。 しかし、クルーンの活躍は、全幅の信頼をおいて保障できるものではない。四球を連発しては崩れる自滅症がその主たる原因だ。マイケル中村の加入により、救援陣の起用法はますます多様化する。抑え投手の選択肢も一つだけではなくなるはずだ。果たして、「守護神・クルーン」は最善の策といえるのだろうか。クルーンは本塁打を打たれない。三振を奪う能力も素晴らしい。抑え投手として、必要不可欠な要素を兼ね備えている。被本塁打率と奪三振率は、いずれも巨人救援投手のなかで群を抜く数字だ。 しかし、制球力の低さがそれらを打ち消してしまう。クルーンの与四球率は、上記表に挙げた5投手中最悪で、豊田清と比べると約4倍にも及ぶ四球の多さだ。この独り相撲を脱しなければ、首脳陣が望む安定感を実現することはできない。 さらに、「LOB%」にも大きな弱点がある。これは、自身が許した走者をいかに生還させなかったかを表す指標だが、クルーンのそれはNPB平均値をも下回っているのだ。粘り強さに欠け、走者を背負うとたちまち失点の危険性が高まる。抑え投手としての信頼を得る上では、致命的ともいえる欠点だ。
一方、マイケルの成績には大きな穴が無い。あらゆる面で平均値以上の数字を残し、年度別の防御率も安定している。さらには、おおよそ1イニングあたりの許出塁数を表す「WHIP」、そして与四球率もクルーンと比べ良好だ。これに加え、失点を防ぐ能力が高い。過去4年間の「LOB%」が示す両者の差は歴然だ。背負う走者が少ない上に、それを生還させない粘り強さも持ち合わせる。救援投手として、マイケルの投球がどれほど信頼性の高いものであるかは明白だ。 もちろん、クルーンの奪三振能力や、本塁打を許さない圧倒的な球威は捨て難い。この2点においては、マイケルも遠く及ばないのが実際だ。しかし、一芸に秀でているだけでは、絶対的守護神の重責は務まらない。昨年までのデータをトータルで評価するならば、抑え投手として適任なのはおそらくマイケルだ。球界屈指ともいえる救援陣の歯車が狂ったとき、巨人は正しい選択をすることができるだろうか。それは、決して小さな問題ではない。
posted by 山田 隼哉 |19:12 |
日本プロ野球 |
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Re:クルーンとマイケル
コメント投稿者ID :
クルーンは三振が欲しい場面で使う中継ぎがいいと思う
posted by suzuki | 2009-04-09 19:51
クルーンとマイケル
コメント投稿者ID :
こうして数字を並べてみると、越智とクルーンってなんか傾向が似てませんか?四球さえ減らせば、クルーン以上のストッパーになりそうな予感がします。
山口の安定感はズバ抜けていますが、奪三振率がそこまで高くなく、与四球が少ないところを見ると、ランナーを背負った時にゲッツーが取れる意味で、クローザーより、いざという時にイニングまたぎも可能なセットアッパーが向いているのかも。
M.中村は・・札幌Dから東京Dに来たので、被本塁打率がどうなるかまだわからない、とみます。
豊田が今日も出たので、一日休みもあったけど、5試合全部に出てます・・・年齢を考えると、いくら好調でも、ちょっとだけ不安が。明日は休ませて欲しいです・・。
posted by Gファン | 2009-04-09 21:02
クルーンとマイケル
コメント投稿者ID :
>クルーンは三振が欲しい場面で使う中継ぎがいいと思う
三振を欲しい場面ってどんな場面?ほとんど四球を与えてはいけないような場面じゃないの?
posted by ??? | 2009-04-10 06:33
クルーンとマイケル
コメント投稿者ID :
面白いデータですね!
原はマイケルを抑えに使う気などないでしょうけど…
このデータ一度だけは目にしてもらいたいですね。
ありがとうございました!
posted by yoshi | 2009-04-10 18:33
Re:クルーンとマイケル
コメント投稿者ID :
つまり9回最初はクルーンさんで行って一人ランナーが出たらM・中村さんに繋げば良いってことですよね?
posted by harutomo | 2009-04-14 04:07
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クルーンは本塁打を打たれない。三振を奪う能力も素晴らしい。抑え投手として、必要不可欠な要素を兼ね備えている。被本塁打率と奪三振率は、いずれも巨人救援投手のなかで群を抜く数字だ。
しかし、制球力の低さがそれらを打ち消してしまう。クルーンの与四球率は、上記表に挙げた5投手中最悪で、豊田清と比べると約4倍にも及ぶ四球の多さだ。この独り相撲を脱しなければ、首脳陣が望む安定感を実現することはできない。
さらに、「LOB%」にも大きな弱点がある。これは、自身が許した走者をいかに生還させなかったかを表す指標だが、クルーンのそれはNPB平均値をも下回っているのだ。粘り強さに欠け、走者を背負うとたちまち失点の危険性が高まる。抑え投手としての信頼を得る上では、致命的ともいえる欠点だ。
一方、マイケルの成績には大きな穴が無い。あらゆる面で平均値以上の数字を残し、年度別の防御率も安定している。さらには、おおよそ1イニングあたりの許出塁数を表す「WHIP」、そして与四球率もクルーンと比べ良好だ。これに加え、失点を防ぐ能力が高い。過去4年間の「LOB%」が示す両者の差は歴然だ。背負う走者が少ない上に、それを生還させない粘り強さも持ち合わせる。救援投手として、マイケルの投球がどれほど信頼性の高いものであるかは明白だ。
もちろん、クルーンの奪三振能力や、本塁打を許さない圧倒的な球威は捨て難い。この2点においては、マイケルも遠く及ばないのが実際だ。しかし、一芸に秀でているだけでは、絶対的守護神の重責は務まらない。昨年までのデータをトータルで評価するならば、抑え投手として適任なのはおそらくマイケルだ。球界屈指ともいえる救援陣の歯車が狂ったとき、巨人は正しい選択をすることができるだろうか。それは、決して小さな問題ではない。

