2008年08月20日
シーズン開幕を2週間前に控え(アマチュアリーグは9月の1週目からリーグ戦開始)私の所属するSEMONTEの練習も準備期の後半戦に突入しています。
さて今回は、イタリアサッカーリーグの中にある若手育成のための制度を少し紹介します。
イタリアサッカーにはセリエAを筆頭にアマチュアリーグを含めて10部まで存在します(その内プロリーグは4部まで)
各カテゴリーによって外国人登録人数制限だとかいろいろと決まりがあり(毎年ころころ変わっているため全てを把握しきれていませんが)
その中で私のチームが所属すセリエE(6部)では若手選手育成のためにフオーリ・クヲーター制度(若手選手枠)のようなものが存在します。
この制度は試合時に各チームフィールド上に2人以上の若手選手(19歳・18歳以下の選手)をプレーさせなければいけないという規則です。
(他のカテゴリーにも存在し、カテゴリーごとに選手枠の数が異なります)
アマチュアリーグと言えども上の方のカテゴリーではほぼセミプロで、選手たちはお金を貰いながらプレーをし、元セリエAやBでプレーしていた選手もプレーしており、リーグ戦も真剣勝負で行われております。そのため若手選手にとってはなかなかプレーする機会が少なくなってしまいがちです。
しかしこの制度によってどのチームも若手選手を起用しなければいけなくなり、逆に若手選手にとってはプレーをする絶好の機会を得るわけです。
プロクラブの育成上がりの選手がレンタルで下のリーグのこの制度を利用してプレー機会を与えることも頻繁にあります。
どのチームもリーグ戦を勝ち抜くためにはこの制度をどううまく利用するかが一つの鍵になってきます。
どのチームも若手のプレーするポジションを突いてきますし、逆に若手のいい選手を持つチームは安定したチームを作り上げることが可能です。
そのためにアマチュアリーグでもこの年代のスカウト活動が活発に行われています。
こういったことで上のリーグで試合に出れない若手よりも下部リーグで下積みをして成長し、上のリーグに帰ってくる選手も沢山います。
その中からセリエAで活躍する選手や、代表入りまでする選手達も出てくることがあるのです。
よい選手が出てくる国には、そのためにいろいろな工夫がされていて、この制度もその一つだと思います。
posted by idalia_calcio |06:30 |
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2008年08月09日
さて、前回の内容からしてイタリアサッカーの堅実な守備は文化や伝統、またはイタリア人の性格などからくると思われたかもしれませんが、それだけでできるのであればサッカーの歴史の短い日本には到底できないということになりますよね。
もちろん日本サッカーがイタリアサッカーの真似をする必要もありませんし、選手の体格や質もまったく異なりますので真似しようとしてもできないでしょう。
今回は私が現場にて感じ始めたイタリアの守備戦術の作り方を少し紹介できればと思います。
現在私が所属しているチームに来て初めてイタリアサッカーの大人のカテゴリーのトレーニングを見ることができています。(今まで何チームかの練習を見に行ったことはありますが、こうして続けて見るのは初めてです)
現在はシーズン前の準備期で主に体力強化と戦術練習を交互に行っています。
この戦術練習で初めて私はイタリアの守備戦術の練習を目にしたのです。
7月に日本に帰ったときにあるJチームのコーチと話をさせて頂いた時に、そのチームに所属するある代表選手がフランスのツーロン国際大会でイタリア代表と対戦した時の感想を「守備の戦術がすごく徹底されていた」と言っていたと聞きました。
私のチームの監督が守備戦術のトレーニングをする際に言っていたのが「イタリアのサッカーチームならどこのチームでもこのトレーニングをする。それはセリエAでもウチのようなアマチュアチームでも。ただ違うのは選手の質だけだ。」ということでした。
つまりイタリアサッカーの指導者はある意味、共通の守備戦術を持っておりそれを指導しているということになります。
もちろん指導者によって多少の違いはあるでしょうが、大まかな部分や基礎となる部分はイタリアサッカーとして共通している部分のようです。
ある意味「イタリアサッカーの基礎」と言えるのかもしれません。
ですので代表などのいろいろなチームから集まった選手達でも普段自分たちのチームでやっていることであり共通した戦術のために代表戦でもそれを徹底できているのかもしれません。
さてみなさんが気になるのは、「では何をやっているのか?」ということでしょう。
こう言っては残念に思われる方もいるかもしれませんが、これもまた特別なことをやっている訳でもないようです。
基本的にイタリアサッカーのフォーメーションは4-4-2です。
今私のチームでやっていることは、まず4バックのラインの統率で、ラインの左右の動き、そして1人がボールにアタックしたときのカバーリングです。
またチーム全体としては、ボールのある場所によって全体のポジショニングの修正、どこを切ってどこに追い込んでボールを奪う、その動きの確認をひたすら行っています。
最初はボールも使わずに動きだけ、そしてボールをつけて、そして今度は敵をつけて、そして最後にはゲームの中でそれを確認していきます。
これを2日に1回は行っています。そしてこのトレーニングはシーズン中も1年中ずっと行うらしく、それこそまさにある意味機械的にこの動きを「徹底」して覚えこむといったものだと思います。
イタリアでも育成の時点ではそこまで戦術のトレーニングを行っているとこは少ないと思います。それはイタリアでも小さいころから戦術ばかりに走っていては技術が身につかないといった考えがあるからのようです。(ただスペインなんかでは戦術を学びながら技術のトレーニングもできるのでは?といった考えも広まっているみたいです。ここではどちらがいいということではなく、あくまでイタリアではこうやっているという紹介です。)
でもそれではこういった高い守備戦術能力を学びだすのが大人のカテゴリーになってからということになりますよね。それには私も驚きです。(子どもはテレビなどで大人のサッカーを見て学んでいる部分も多いとは思いますが。)
ただセリエAの下部組織などの強豪チームでは育成段階でも選手の技術力は高く(そういった選手を集めているということでもある)、高校生年代くらいからでも戦術トレーニングを行っているとこもあるみたいです。
つまりその選手たちはこの守備戦術をある程度身につけて、下の年代で代表として披露しているのがそのサッカーなのだと思われます。
このことからひとつ言えることは、イタリアはイタリアのサッカーの色を持っており、それがこの共通された守備戦術であるのではないかと言うことです。
強豪国と言われる国はどの国もその国の特色のあるサッカーを持っています。ある意味その国のサッカーの「文化」ですね。
日本サッカーが学べることはどこどこのサッカーを真似ることではなく、これらの国のように自分の国のサッカーを行えるようになることなのだと思います。
そういった意味では「走るサッカー」というのが、今見えてきている日本のサッカーの色なのかもしれませんね。
posted by idalia_calcio |16:42 |
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2008年08月06日
イタリアサッカーと聞いて一番に思いつくのは「堅実な守備」ということだと思います。
おそらくみなさんがイタリアサッカーで一番興味があるのがこのことだと思います。
日本人の指導者の方とお話をさせていただく際にいつも聞かれることは「イタリアの守備の堅さはどういったことからきてるの?」ということです。
しかし私は今までイタリアでの3年間、主に育成のチームを中心に見てきましたが、その今まで見てきたチームのほとんどが守備の練習をしているところを見たことがありませんでした。
育成年代ということもあって戦術的な練習を行っているチームも少なかったですし、かと言って1vs1などの個人の守備のトレーニングを行っているチームも見たことがありませんでした。
むしろ攻撃の練習をしているチームがほとんどであり、イタリア人指導者に「イタリアの守備の堅さはどこからきてるの?」って質問したことがありますが、「伝統的に守備を大事にする文化がある」といった答えでした。
「伝統的にそういった文化があることで守備を大切にする考えが、ある意味遺伝子に組み込まれている、それがサッカーが根付いた文化の差なのか」と思う一方で、「単に伝統や文化だけであれだけ組織的な守備が行えるのか?」という疑問を持ち続けていました。
今までイタリア人を見たり接してきたりする中で個人的に感じていたのが彼らの「負けず嫌い」な性格と「勝利」に対する執着心で、「1-0で勝利すること」が最大の美学とよく聞いたりしますが、「勝つ」または「負けない」ことへの執拗なほどの気持ちが、「負けないために点を取られないようにする」だとか「点を入れられるくらいならファールを犯してでも止める(相手を怪我させるという意味でなく)」といった行動に現れていんだろうと考えていました。
また子ども達は大人がそういったサッカーをしているのを毎週テレビで見てそこから自然とそういったサッカーを学び、自分がプレーをする際にそういったサッカーをするようになっているのかもしれません。
それだけイタリアという国の「カルチョ」という文化がイタリア人に与える影響が大きいなものなのだと思います。
もちろんイタリアでも最近では他の国のリーグ戦やカップ戦の中継も見ることができ(有料放送ですが)イタリアのカルチョより他の国のサッカーのほうが興味があると言った人達もいます。
しかしイタリアでサッカーを学びプレーしていくとなると自然とイタリアの「カルチョ」が身についていきます。
少し長くなったので今回はここで一度切り、次回は本題の「イタリアサッカーの守備戦術」に関する具体的な部分について書こうと思います。
posted by idalia_calcio |18:25 |
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2008年08月01日
新チームに合流して1週間が過ぎました。
先週の日曜日からは朝と夕方の2部練習が始まりこのブログもなかなか更新できずにいました。
このシーズン前の準備期は1年を戦っていく上で非常に重要な時期であり、イタリア流の準備期のトレーニングに携わって学ばせてもらえていることを非常にうれしく思っています。
(ちなみにアマチュアチームですが準備期というのは非常に重要視されており2部練習を行ったりもしています)
さて、我がSEMONTE CALCIOには監督とアシスタントコーチ兼フィジカルコ-チの私と、あともう一人GKコーチの3人体制で指導しています。
イタリアの指導体制は基本的にそれぞれの分野を専門して行う分担制のような形のチームがほとんどです。
そしてイタリアでは監督の次に重要視されているのがGKコーチの存在ではないかと私は感じています。(フィジカルコーチももちろん重要視されていますが、お金のないチームなどでは監督がフィジカルトレーニングを見ているチームも多々あります)
GKというポジションはサッカーで唯一手の使える特別なポジションであり、そのトレーニングの仕方も他のフィールドプレーヤーとは別のトレーニングが必要となってきます。
日本でもプロクラブやJの下部組織、または強豪高校などにはGKコーチが就いているところも増えてきましたが、まだまだGKコーチのいないチームが多いと思います。
ここイタリアではGKは専門的なトレーニングが必要なためにGKコーチという専門家がとても重要視され、どのクラブにもGKコーチが必ずと言っていいほどいます。(中にはトップチームと育成のGKコーチを兼任しているとこもあります)
イタリアサッカーに代表される堅実な守備はDFだけでなく、GKを含めたものから成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
実際に個人的な感想としてもイタリア人GKの実力はアマチュアチームであっても、そのポテンシャルはかなり高い方だと感じています。
それでは少し質問形式のような文章になりますが、日本のGKコーチのいないチームはそのトレーニングをいったいどうしているのでしょうか?
また、どういったものを参照にしてトレーニングを行っているのでしょうか?
私が所属していた中学・高校のチームにもGKコーチはおらず、それぞれのGKが先輩から教えてもらったことを代々下の世代に伝えていっているといった感じでした。
SEMONTE CALCIOのチームのGKコーチは自作でトレーニングDVDを作成し彼自身の指導法を他のチームやGKコーチに広めたりもしています。
海外での指導にも興味があるようで、こういったコーチを日本に連れて行ってGK用の講習会なんかがあっても面白いかなと個人的には感じています。
日本でもJクラブや代表コーチがそういった指導法をまとめた参考となる物があったりすればGKコーチのいないチームのためにもなるでしょう。(おそらく協会なんかがGK用トレーニング教材を作っているでしょうが)
GKもまた、日本から世界に誇れる選手が出てくれば日本のサッカーの発展に大きなプラスとなると感じています。
posted by idalia_calcio |05:15 |
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2008年07月26日
トレーニングも3日目に入り、少しずつチームの雰囲気にも慣れてきました。
しかし現場に立つと教科書上になかった様々なことがわかってきます。
しかも去年までの自分のように「トレーニング補助」という立場でなく、「コーチ」として現場に立つのとでは選手との関係もまた全く違ったものとなってきます。
計画通りいくこともあれば、思ってたことと違う反応が出ることもあります。
まだ選手の能力や特徴を掴んでないこともありますが、予定してたよりも高い負荷がかかっていたり、選手が着いてこれなかったりするといったようなことも、実際に現場で指導してみないことにはわかりません。
それに日本人とイタリア人とではトレーニングの取り組み方なんかもまた違ってきます。
例えば日本人は反吐がでるまで頑張る選手が多いのに対し、イタリア人はダメだと思ったら自分で立ち止まります。
単に根性がないんじゃないの?と思うかもしれませんが、おそらく彼らの中では「怪我したりぶっ倒れたりしても意味ないし」といった考えがあるのかもしれません。
イタリア人は痛みなんかにとても敏感です。正直「大袈裟だな」と思うこともしばしばありますが、裏を返せばそれだけ自分の身体に敏感に反応しているとも言えるかもしれません。
そこを日本のように「根性」の一言で片付けてしまうことはできません。
もちろん甘やかすことはあってはいけないでしょうが、指導の仕方の工夫が必要であり、日本人と同じようなやり方ではいけないとここでも感じました。
また選手の中にも様々なタイプがいて、例えば昨年までセリエC2(プロチーム)の下部組織にいてトップチームの選手と一緒にトレーニングを積んでいたような選手は、おそらく前のチームにもフィジコが就いていて科学的な知識を多少持っているからだろうか、走った後に「心拍数はこんくらいなんだけど付加的にはどう?」と自ら聞いてくる選手もいれば、おそらく数字を言ってもわからないだろう選手もいるし、選手によっても様々な対応があることを感じました。
選手皆に同じ形で接するのでなく、その選手の特徴を捉えそれにあった接し方をし、その中で必要だと思われることは皆同じように指導していく必要があると思いました。。(自分からそうやって聞いてくるからいい選手とかそういう意味でなく、選手の興味、取り組み方にあった接し方が必要なのだろうなということです)
こういったことは教科書には書いてないことであり、またそれぞれのチーム、選手によってそれは異なるものであり、場数を踏んでいろいろなタイプの選手に接していくことで身に着いていくものだと感じました。
posted by イダリア |18:59 |
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2008年07月24日
2008-09シーズンに向けて、多くのチームが続々とPreparazione(準備)を始めています。
プロクラブはシーズン開幕が早いため既に先週からトレーニングを開始していたのですが、アマクラブのひとつである私の所属するSEMONTE CALCIOも23日からスタートしました。
新チームで自分にとって初めての指導ということで、練習前はかなりの緊張がありました。
選手のほとんどが私がこのチームに入ることを知らなかったため、練習場に着くと「なんだこいつ?」といった目で見られました。
これから徐々に彼らとの信頼関係を築いていかなければなりません。
初日のトレーニングは軽めのランニングのみ。
イタリア中がインテルのモウリーニョ監督のトレーニングに注目していますが、実際の現場では今までどおりのイタリア流のトレーニングが行われているのは私のチームも同じなようです(それが良い悪いということでなく)
練習の合間にストレッチの指導を監督から任されたのですが、イタリア人が普段やらないようなストレッチを指示した時は「何なんだこれ?」といった声が多く聞こえてきて、真似すらしない選手もいました。
個人的にイタリア人の印象としては、知らないもの、新しいものを中々取り入れようとしない保守的なイメージがあります。
まあ彼らはそれで何度も世界一を取ってきたのでそれを大事にしてるとも言えるのかもしれませんが、私個人的には自分の色を出していくのには多少時間とやり方の工夫が必要だなと感じています。
まだコーチとしての実績や彼らの信用もない自分としては、「郷に入れば郷に従う」ことも必要になってきますが、その中で少しずつ自分の知識や情報の色を出していければと思っています。
posted by イダリア |17:38 |
イタリアサッカー |
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2008年07月18日
長らく更新してなくて申し訳ありません。
3週間日本に滞在し、休暇を取るとともに様々な人たちに会って多くの話をさせて頂きました。
現役選手、指導者、サッカー以外のスポーツ関係の方や全く分野の異なる方まで本当に多くの人に会い話をすることで自分の中で新たに考えさせられたことや感じたことがたくさんあります。
その中でも印象的だったのが、題名にも書いた「日本を育てるための指導者に」ということでした。
私は現在イタリアでサッカーの指導を学んでいます。
ヨーロッパという世界でも最高峰の地域の、世界一に4回もなったことのあるイタリアという国で、その中に入り込んで学べているということはとても恵まれていることだと思います。
今年からはアマチュアチームですが、仕事として働かせてもらうことにもなっています。
今後あと何年イタリアにいられるかはまだわかりませんが、可能性がある限りこうやって海外で指導する経験が積めたらいいなと考えています。
しかし私は将来的には日本に帰って日本人(チーム)の指導をしたいと思っています。
日本でも世界レベルに追いつこうと多くの外国人指導者や選手が日本に招聘されています。それはサッカー以外のスポーツでも。
しかし、単に海外の風をそのまま日本に入れるだけでは中々日本のレベルは上がりません。
外国人指導者や、連れてくる強力な外国人助っ人頼みのチームだけでは、勝利はできても日本のレベルアップ自体には中々繋がり難いのです(もちろん世界レベルの選手と対戦できるというメリットもありますが)
ただプロの世界では、招聘された指導者にはそのチームを勝たせることが第一の責任となります。しかもある程度短期の間にそれを(その傾向を)見せないことには解任されてしまいます。
そのために手っ取り早く強力な助っ人選手を連れてきて勝たせるという方法を取らざるえない部分はあると思います。
しかしそれで満足していては結局は先にも書いたように中々日本自体のレベルアップには繋がり難いと思うのです。(毎年Jリーグの得点ランキングTop10に何人の日本人選手がいるでしょうか??)
日本のレベルアップという点から考えたらやはり日本人選手を中心としたレベルアップのための指導方法を考えなければいけないでしょうし、海外のものをそのまま日本人に与えてもそれはうまくいかないと思っています。
よく日本人は、「海外のいいものをそのまま真似ようとする傾向があるよね」とある指導者の人と話をしてました。
例えば今回ユーロで優勝したスペインのサッカーや、クラブでいいサッカーをしていたと評判のアーセナルのサッカーなど、確かに理想を持つのはいいことだと思いますし、参考にすることを否定はしません。
ただそれをそのまま日本人にやらせようとしても無理があるのは明らかでしょう。
私もイタリアでイタリア人選手の中で学ぶなら彼らのやり方を吸収する必要があり、そうしなければ彼らに認めてもらうことも自分の地位を確立することもできないでしょう。
ただ将来的に日本人を指導したいと考えている以上、常に学んだことをどうやって日本人に活かしていくか考えていく必要があると思います。
そんな考えのきっかけをくれたある選手と指導者の方に感謝しています。
posted by イダリア |11:50 |
日本サッカー |
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2008年06月24日
ユーロ2008もいよいよ佳境に入ってきました。
4強の内の2チームがトルコとロシアになるとはどのくらいの人達が予想したでしょうか。
前評判や過去の実績だけで勝ち残れるほど甘くないのがこういった世界レベルの大会であり、特に短期決戦ではいかにその大会を通してよいコンディショニングを保てるかが重要になってくると思います。
先日、同じくスポーツナビの記事で面白い記事を発見しました。
スペインを除いて(この記事はイタリア-スペイン戦の前に書かれたもの)ベスト8で敗れたチームは予選リーグの最終戦をBチームで戦ったチームであり、予選の最終戦で主力を温存して戦うことはコンディショニング調整としてどうか?というものでありました。
現にポルトガル・クロアチア・そしてオランダは予選の2戦目終了時点でリーグ突破が確定しており、最終戦をいわゆるBチームで望み、連戦で疲れている主力を休ませています。
そして決勝トーナメントでは予選とは明らかに劣るパフォーマンスにより敗退していきました。
一般的に中3日~4日で試合が行われるこの短期決戦の大会では、これらのチームのような立場になれば少しでも温存して体力の回復に努めることを考えると思います。
しかし結果を見てみると、どのチームもそれが裏目に出たような結果となっています。
感覚を空けることによって選手の集中力・緊張のバランスが崩れてしまった可能性があり、逆に連戦を続けているチームの方がほどよい集中力と緊張感維持し良いパフォーマンスを維持し続けてるのではという見方もできます。
イタリア-スペイン戦でもその点に注目して試合を見ていましたが、スペインの数人の選手は予選リーグの時と比べてパフォーマンスが落ちていたようにも見えました。
メディアではロシアのヒディング監督のメンタルコントロールの手腕が注目されており、フィジカル的なコンディショニング調整も重要であるものの、選手の気持ちを如何にうまくコントロールするか、そういったことがこういった短期決戦の大会には非常に重要だということが明らかになった大会だと思います。
毎年各国で行われている長期に渡るリーグ戦とは違い、W杯も含め2年に一度しか行われないこういった大会のコンディショニング調整の方法はまた全く別物であり、単にリーグ戦での経験が豊かだからといって一筋縄でいかないのは選手もスタッフも同じなようです。
その点代表監督を長年続けているヒディング監督はその辺のコントロールをうまく行っており、さすが名将と呼ばれるだけあるなと思います。
posted by イダリア |19:14 |
イタリアサッカー |
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2008年06月18日
人生で初めて契約交渉というものを体験しました。
アマチュアクラブでも契約の際に給料の話をし、契約書にサインするのですが、来シーズンはイタリアに来て初めてお金を貰って指導を行うことになりました。
ただこの契約交渉、想像していた以上の緊張感の中で行われました。
いや、実際にはそんなかしこまった契約ではないのですが、自分の中での緊張感が半端ないものでした。
今まで日本でも仕事といってもアルバイトの経験しかなく、基本的に給料は前提示がありそれを知った上で面接に向かうことが一般的でした。
ただこういった契約の場合はその場で条件が提示されます。
その提示額と自分の考えを合わせてサインするかどうか決めるのです。
私も監督にある程度の提示額は聞いていたのですがそこで提示されたものは言われていたよりも低いものでした。
ここでイタリア人なら納得がいかなければサインをせず保留するでしょう。
そして自分の希望額を伝えるのが普通です。
ただ恥ずかしながら今の私はそれを交渉する勇気?がありませんでした。というか正直言ってビビッてました。
「全く無名で実績もない外国人を雇うと言ってくれている以上提示額を受け入れるべきじゃないのか?」「それ以上を提示して、じゃあいらないって言われるんじゃないか」そんな思いが自分の中によぎってました。
もちろんこうなること(提示額が思っていたより低いこと)は予想してましたし、友人から「そこは譲ったら足元見られるだけだよ」と聞かされていたのですが、その場を実際に体験してそれができませんでした。
特に海外ではそういったことを主張していかないといけないと知ってながらも・・・。
今の自分に実績も自信もないことがそうさせたんだと思います。
そしてどこかで監督が既に話をして金額も決まっているものと思って期待していた自分もいました。
帰りの車で監督に「クラブがお前にお金をいくら提示したかは聞かないけど、契約に満足したか?」と聞かれました。監督は最初からそれは自分で交渉するものだという気だったようです。
これは完全に自分の甘えであって、今の自分の弱さだと思います。
お金をもらって経験を積めるならいいではないかという考えもありますが、こういった交渉にズバッと自分の意見を言える強さと自信をつけていけなければいけない必要性を感じました。
とにかくサインをしたのでそれは変わりません。
ならば己を弱さを知ったことをバネにして、チーム関係者に「こいつにはもっとお金払ってもいい」と思わせるような仕事をするしかありません。
2008-2009年度シーズンはセリエE(アマチュア2部)のSEMONTEというクラブのトップチームのアシスタントコーチとして働きます。
日本時代を通してもトップチームの指導をするのは初めてのことです。
7月半ばから始まるシーズン始動まで日本でしっかりとその準備をしたいと思います。
posted by イダリア |03:40 |
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2008年06月14日
ユーロ2008も第2戦目が始まりどんどん盛り上がってきています。
イタリアは2戦を終えて1分1敗とかなり苦しい状況ですが最後の3戦目まで見逃せません。
さてユーロについては日本でも放送されており知ってる方が多いと思うので私はあくまでイタリアにいるからこそ見れるサッカーについて発信していきたいと思います。
今週月曜日から金曜日までの5日間に渡って、A.C Milan主催のジュニアキャンプがここペルージャで行われ、責任者の方のご好意によって特別グラウンド内での見学を許可して頂き、この1週間時間のある時を利用して練習を見学させてもらいました。
日本でもバルサやアーセナル、またミランなどのクラブが子どもを対象としたクリニックを開催していることを聞いたことがありますがこれはそのイタリア版です。
対象は6歳~15歳の少年少女約100人。
これを年代ごとに6グループに分けて計5日間午前・午後と行われました。
こういったキャンプでは主に実践的技術と基本的な個人戦術の指導を行っていると指導者の方は言っていました。
ただもちろん年代の幅があるためにその年代にあったメニューを行っています。
行われているメニュー自体はおそらく日本の指導現場でも見られるような基本的なことが多く、例えばエリア内でのドリブルやパス交換、1対1のフェイントの練習などです。
ただこのキャンプでは毎日各担当コーチが自分のグループのその日の練習で課題として出たことを次の日の練習で行うといったあくまで決められたメニューをこなすものでなく毎日選手達に合わせたメニューを行っていることが特徴のようです。
そこで今回私は指導者の人達の指導方法や声のかけ方に注目してみました。
もちろんイタリア人の指導者でもその指導方法は様々です。
日本人以上にやんちゃで騒がしいイタリア人の子どもを指導するために厳しく怒鳴る(悪い意味でなく)コーチもいればイタリア人らしくジョークを言いながら面白おかしく指導するコーチもいました。
その中でも私が目を引いたコーチが一番下のカテゴリーの指導をしていたコーチの指導方法でした。
ちなみに責任者の方はこのコーチが今回の中で一番優れていると思うと言っていたコーチでした。
このコーチが指導していたのは2000年以降に生まれた子ども達、つまり6、7歳の子ども達です。
想像できると思いますがこの年代の子ども達は正に宇宙人です(笑)
じっとしていることなんてできるはずもなければ、こっちでは泣いてる子がいるはこっちではトイレに行きたいという子がいるは、こっちでは好き勝手にボールで遊んでいる子がいるはとまるで保育園状態です。
このグループを見ながら「コーチはストレス溜まるだろうな」と思いながら見ていたのですが、コーチはいつも優しい目で子ども達の行動を見守っていました。
もちろん時には厳しい言い方をすることもありましたが、辛抱強く子ども達全員を見ながら指導していました。
グリッドの作り方もなるべく目の行き渡るように広げすぎずに、それでも子ども達がみんなプレーできる大きさを考えていました。
そしてまだサッカーというものをほとんど知らないこの年代の子ども達に対しても、「これをこうして」と教え込むのでなく、「こういった場合~するのと・・・するのどっちがいいと思う?」といった質問形式にして、小さな彼らにも常に考えさせるような質問を投げかけていました。
こういったやりかたは日本でも推奨されているやり方ですよね。
ただ何もない状態から「はい考えて」といっても特にこの年代の子どもでは難しすぎます。
そうでなく「~と・・・ではどっちがいいと思う?」といったように選択肢やヒントを与えることで彼らの考え方をスムーズに導いていました。
他の年代のコーチを見ていてもそういったような指導をしているコーチもいればそうでないコーチもいました。
私はイタリア人のコーチだから日本人コーチより優れているとは全く思いません。
日本人にだっていろんな指導者がいてもっと優れた指導を行う人もいると思います。
ただイタリア人コーチにはどの人にも強い信念を感じることが多いです。
もちろん指導者といえども常に学ぶ姿勢は必要だと思いますが、これだと思ったことをまっすぐぶつけ実行する強さも必要だなと感じました。自分の指導に自信を持つというかそういったことも必要なんだと思います(過信することは危険ですが)
こうやっていろいろな指導者や指導現場を見ることは本当に勉強になります。
そしてその経験が自分の自信に繋がっていけばと思いこれからも勉強していこうと思います。
posted by イダリア |06:34 |
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