2009年05月17日
前回の記事で、「どういった時に選手を叱るか?」ということについて書いていき、その中である指導者が「指導者が選手に対してできるだろうと思ったことができなかったとき、またはしなかった(チャレンジしなかった)時に叱る」という言葉がありました。
それでは今回は選手の能力に対して「できること」「できないこと」とはどういったことか、そして指導者はどういった役割が必要かについて考えていきます。
「できること」「できないこと」というのは大きく4つに分けられると思います。
①選手(本人)が「できる」ことを知っている能力
②選手(本人)が「できない」ことを知っている能力
③選手(本人)が知らない(気づいていない)「できる」能力
④選手(本人)が知らない(気づいていない)「できない」能力
まず①は説明の必要もなく既に選手が取得した能力であり選手自身もできることを理解しているため、必要なのはその能力を向上させる本人の力(努力)でしょう。
②については、その選手がまだできないことですが、それが何かを選手本人は知っているために、これを得るためには本人の努力、そしてそれを習得するための的確な指導者の助言が必要になってきます。
③について、選手ができる(できるであろう)の能力なのですが、それを選手本人が気づいてない場合。これが指導者が一番気づいてあげるべき部分だと個人的には思います。
本人が自分で気づいてない部分を指摘したり教えることによってその選手の幅が広がっていく、そのきっかけを与えるのは指導者としての重要な役割であるでしょう。
④については必要ないとは言いませんが、こいうったものもあるんだよという紹介程度で、他の3つに比べてその部分は特別気にしなくてもいい部分だと思います。
ただ指導者が「これはできるはずだ」とか「これはできないだろう」とか勝手に決め付けたり限界を作ってしまってはいけません。
また年齢を重ねていったり、経験を積んでいくことでどんどんできることが増えていきます。
ですので、しっかりとその選手の個人の能力、チームの全体的な能力を観察し、現時点ではどういったことができるのか?どういったことはできないのか?本人はそれに気づいているのか?もしくは気づいていないのか?そういった部分にまで気を使っていけば指導者として選手のどういったポイントを見ていけばいいのか、それに対して選手に求める要求が変わったり、、前回書いた「叱る」タイミングなんかにも役立つのではないでしょうか。
posted by idalia_calcio |18:30 |
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2009年05月10日
しばらく時間が空いてしまいましたが、4月に行われたイタリア指導者研修の内容がまだ残っていたので続きを書くことにします(ここのところ少し違う話題で盛り上がってましたが切り替えていきましょう・・・笑)
さて、みなさんはどういったことが起こったときにどのように子どもたちを叱りますか?(日本語というものは難しいもので、この「叱る」という言葉が正しいかどうかわかりませんが・・・)
イタリアの指導現場を見てて感じるのは、育成年代においても指導者は選手達にかなり強い口調で「こうしろ」「ああしろ」といったことを言う人が多いです。
一見それは指導者の押し付けであったり、またあまりにも強すぎる口調から日本の子どもだったらこう言われたら萎縮してしまうのではないかなと最初は思っていましたが、イタリア人の性格を理解していくとその謎はとけていきました。
イタリア人の子どもはとにかく気が強く多少のことを言われたくらいではへこたれません。相手が何かを言ってくればそれが大人相手であろうと自分の意見をぶつけてきます。それは単に言い逃れとしての言い訳でしかないこともありますが、とにかくただ言われたことを黙って受け入れるような人はほとんどいません。
そんな選手達を相手にする指導者も何か自分の意見を伝えるときはかなり強い口調で言わないと選手達は言うことを聞かないのです。
逆に選手達に「このコーチは強く言ってこない」と判断されるともうそれはやりたい放題で収集がつかなくなる可能性が非常に高いです。
ですので現場ではきちんと「指導者」と「選手」の立場の理解を示すためにも指導者は威厳を見せなければいけなく、それに必要なのがこの「叱責」する能力なのです。
ただこれだけを聞くと大人の力だけで押さえつけているようにも見えますが決して指導者の気分の良し悪しで叱るようなことはなく、上手い指導者になればなるほどその叱り方も非常に上手く、時には理論的なことを述べたり、時には最後に冗談を交えてわだかまりをなくしたりと指導者によってそのやり方も異なります。
ただ共通して言えることは非常に口の達者な指導者が多いという印象を私は受けています。
しかし先にも書いたように、日本の子供達相手にいくら口がうまくてもイタリア人のような強い口調で叱っていては萎縮してしまう子も多いなと感じているのですが、イタリア人の指導を見ててこれは日本人相手でも活用できるなと思うのが、「どんな時に、またはどういったことが起こったときに選手を叱るか」という場面やタイミングの考え方についてです。
指導者の気分次第だったり、また単にミスをしただけで叱るなんてことはあってはならないことだと思います。それでは選手は単に力で押さえつけられてると感じたり、またミスを恐れてチャレンジすることを恐れてしまいます。
この研修の3日目に訪れたブレシアのジュニアユースの監督はこのように言っていました。
「指導者が選手に対してできるだろうと思ったことができなかったとき、またはしなかった(チャレンジしなかった)時に叱る」と。
つまり単純なミスや失敗も、失敗してはいけない状況(例えばプレッシャーのない状態でのプレー)で起こったものなら厳しく言う、またできることをチャレンジしなかったことに対しても叱るといったことです。
これには指導者は自分達の選手は何ができて何ができないのかを知る必要があり、そこには選手を見る「目」が重要になってきます。
単に指導者の思い込みで「これはできるはず」「これはできない」と決め付けてはいけません。選手達の能力をきちんと把握した上で行うことが重要です。
そのためにはしっかりと選手達のプレーを見ることが重要だと言っています。
チーム「全体」をみながらも「個」もしっかりと見てそれを見極め、それぞれの選手に対して求める能力も変わってきます。
当たり前のことのように思えますが、指導者一人で何人もの子どもを一度に練習させる中でそれをしっかり行うことは簡単なことではありません。
みなさんはしっかりと選手一人ひとりまで目が行き届いていますか?
次回は「できること」と「できないこと」を知るということについて書きたいと思います。
posted by idalia_calcio |22:18 |
指導者 |
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2009年05月04日
先日、スペインのリーガ・エスパニョーラの大一番であるレアル・マドリッドとバルセロナの試合をBarにて観戦してきました。
普段はセリエAの試合を見るのがほとんどで他国のリーグを見る機会が少ないのですが、この大一番は見逃せないと思い行ってきました。
結果はみなさんご存知の通り2-6でバルセロナの勝利。
評判どおりバルセロナのサッカーは非常に魅力的でありチームとしても素晴らしく機能していると思いました。
この試合を見ていて普段イタリアサッカーばかり見ている私にとってはある意味違ったスポーツのような印象を受けました。
前線からの高い位置からのプレッシャーや細かいパス回しからの展開が多いスペインの(バルセロナの?)サッカーは、イタリアサッカーでよく見られるディフェンスラインからの長い縦パスのボールや相手を自陣に追い込んでからのディフェンスなどとは全く違ったサッカーでした。
同日その試合の30分後にスタートしたセリエAのインテルVSラッツィオの試合も同じBarで放送されていたため(Bar内に2つテレビがある)少しその試合も見ましたが比べてみるとそれはより鮮明に見えました。
ここで思ったのはどちらが良いとか悪いとかでなく、国が違えばサッカーの特徴も全く違ってくる、言い方を変えればその国独自のサッカーがあり、選手もそれに沿った能力を持った選手が多いといった印象を受けました。
イタリアは主にカウンター主体の縦に早いサッカーをしているとこが多く、それ故にFWが後ろからの縦パスへの反応や身体の使い方、そしてトラップからシュートまでの動きが非常に上手い選手が多いです。
ミランのインザーギのプレーなどはその典型的なタイプだと思います。
バルセロナの試合を見て思ったのは、高いポゼッション率を計るために正確なパス能力はもちろんのこと、パススピードの速さやポジショニングが非常に優れている選手が多いです。
また中盤の3人の選手(シャビ・イニエスタ・トゥーレ)の選手の1タッチ2タッチでの正確なパス回しと絶対に相手にボールを奪われないキープ力は圧巻でした。
ああいったタイプの選手はイタリアリーグにはあまりいないと思います。
このように各国、各チームが自分たちのサッカーの色を持つことでそれに合った選手が育つ(クラブの場合はそれに合った選手を取ってくるとも言えますが)大きな要因の一つになるのだと思います。
日本のサッカーも今日本の特徴を活かしたサッカーを作っている段階だと思いますが、Jリーグでもまだまだ外国人FWに頼るチームが多いのが現状だと思います。
外国人FWがいなくても勝てるサッカーをするチームがどんどん現れるとそれが日本の色のひとつに成り得るかもしれませんね。
(勝負の世界な以上結果を出すために外国人FWを使いたいというのはわかりますけどね。)
posted by idalia_calcio |20:36 |
イタリアサッカー |
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