2008年08月26日

どういった子がよい選手になる?

昔A.Cミランで監督を務めていたある人(名前と国籍をど忘れしてしまいました・・・イタリア人ではないです)がイタリア人に対して「この国でどういった子がよい選手になるか、それは孤児の子だ」と言ったそうです。

どういう意味だかわかりますか?

これは選手の親に対する皮肉を込めた言葉のようです。
つまり試合時なんかに親が選手起用や采配に口出しをしたり文句を言ったりする人が多く、選手自身よりも前に前に出てくる親が多いことを指しています。

純粋に楽しむために始めたサッカーが、いつのまにか親の手によって楽しむためだけのものではなく、プロになるため、または勝つためだけのものに成りつつあることからそういったことを言ったそうです。

逆に孤児にはそういった口出しをする親がいないから、純粋にすくすく育つと。

こっちのクラブに入るときにクラブの規則として、「親は全権をクラブの指導者に委ね、口出しをしないこと」といったものを入会時に約束するクラブもあります(前にいたペルージャのチームの規則にも書いてました)

これってイタリアだけでなく、日本にも同じことが起こっていると思いませんか?
もちろん全ての親がそうだとは言いません。
でも子どもの成長を黙って見守ることも親の愛情の一種であると私は思います。

posted by idalia_calcio |18:08 | イタリアサッカー | コメント(7) | トラックバック(0)
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2008年08月20日

イタリアサッカーの若手育成制度

amichevole
シーズン開幕を2週間前に控え(アマチュアリーグは9月の1週目からリーグ戦開始)私の所属するSEMONTEの練習も準備期の後半戦に突入しています。

さて今回は、イタリアサッカーリーグの中にある若手育成のための制度を少し紹介します。
イタリアサッカーにはセリエAを筆頭にアマチュアリーグを含めて10部まで存在します(その内プロリーグは4部まで)
各カテゴリーによって外国人登録人数制限だとかいろいろと決まりがあり(毎年ころころ変わっているため全てを把握しきれていませんが)
その中で私のチームが所属すセリエE(6部)では若手選手育成のためにフオーリ・クヲーター制度(若手選手枠)のようなものが存在します。
この制度は試合時に各チームフィールド上に2人以上の若手選手(19歳・18歳以下の選手)をプレーさせなければいけないという規則です。
(他のカテゴリーにも存在し、カテゴリーごとに選手枠の数が異なります)

アマチュアリーグと言えども上の方のカテゴリーではほぼセミプロで、選手たちはお金を貰いながらプレーをし、元セリエAやBでプレーしていた選手もプレーしており、リーグ戦も真剣勝負で行われております。そのため若手選手にとってはなかなかプレーする機会が少なくなってしまいがちです。
しかしこの制度によってどのチームも若手選手を起用しなければいけなくなり、逆に若手選手にとってはプレーをする絶好の機会を得るわけです。
プロクラブの育成上がりの選手がレンタルで下のリーグのこの制度を利用してプレー機会を与えることも頻繁にあります。

どのチームもリーグ戦を勝ち抜くためにはこの制度をどううまく利用するかが一つの鍵になってきます。
どのチームも若手のプレーするポジションを突いてきますし、逆に若手のいい選手を持つチームは安定したチームを作り上げることが可能です。
そのためにアマチュアリーグでもこの年代のスカウト活動が活発に行われています。

こういったことで上のリーグで試合に出れない若手よりも下部リーグで下積みをして成長し、上のリーグに帰ってくる選手も沢山います。
その中からセリエAで活躍する選手や、代表入りまでする選手達も出てくることがあるのです。

よい選手が出てくる国には、そのためにいろいろな工夫がされていて、この制度もその一つだと思います。


posted by idalia_calcio |06:30 | イタリアサッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年08月09日

イタリアの守備戦術について②

さて、前回の内容からしてイタリアサッカーの堅実な守備は文化や伝統、またはイタリア人の性格などからくると思われたかもしれませんが、それだけでできるのであればサッカーの歴史の短い日本には到底できないということになりますよね。
もちろん日本サッカーがイタリアサッカーの真似をする必要もありませんし、選手の体格や質もまったく異なりますので真似しようとしてもできないでしょう。

今回は私が現場にて感じ始めたイタリアの守備戦術の作り方を少し紹介できればと思います。

現在私が所属しているチームに来て初めてイタリアサッカーの大人のカテゴリーのトレーニングを見ることができています。(今まで何チームかの練習を見に行ったことはありますが、こうして続けて見るのは初めてです)

現在はシーズン前の準備期で主に体力強化と戦術練習を交互に行っています。
この戦術練習で初めて私はイタリアの守備戦術の練習を目にしたのです。

7月に日本に帰ったときにあるJチームのコーチと話をさせて頂いた時に、そのチームに所属するある代表選手がフランスのツーロン国際大会でイタリア代表と対戦した時の感想を「守備の戦術がすごく徹底されていた」と言っていたと聞きました。

私のチームの監督が守備戦術のトレーニングをする際に言っていたのが「イタリアのサッカーチームならどこのチームでもこのトレーニングをする。それはセリエAでもウチのようなアマチュアチームでも。ただ違うのは選手の質だけだ。」ということでした。

つまりイタリアサッカーの指導者はある意味、共通の守備戦術を持っておりそれを指導しているということになります。
もちろん指導者によって多少の違いはあるでしょうが、大まかな部分や基礎となる部分はイタリアサッカーとして共通している部分のようです。
ある意味「イタリアサッカーの基礎」と言えるのかもしれません。
ですので代表などのいろいろなチームから集まった選手達でも普段自分たちのチームでやっていることであり共通した戦術のために代表戦でもそれを徹底できているのかもしれません。

さてみなさんが気になるのは、「では何をやっているのか?」ということでしょう。
こう言っては残念に思われる方もいるかもしれませんが、これもまた特別なことをやっている訳でもないようです。

基本的にイタリアサッカーのフォーメーションは4-4-2です。
今私のチームでやっていることは、まず4バックのラインの統率で、ラインの左右の動き、そして1人がボールにアタックしたときのカバーリングです。
またチーム全体としては、ボールのある場所によって全体のポジショニングの修正、どこを切ってどこに追い込んでボールを奪う、その動きの確認をひたすら行っています。
最初はボールも使わずに動きだけ、そしてボールをつけて、そして今度は敵をつけて、そして最後にはゲームの中でそれを確認していきます。
これを2日に1回は行っています。そしてこのトレーニングはシーズン中も1年中ずっと行うらしく、それこそまさにある意味機械的にこの動きを「徹底」して覚えこむといったものだと思います。

イタリアでも育成の時点ではそこまで戦術のトレーニングを行っているとこは少ないと思います。それはイタリアでも小さいころから戦術ばかりに走っていては技術が身につかないといった考えがあるからのようです。(ただスペインなんかでは戦術を学びながら技術のトレーニングもできるのでは?といった考えも広まっているみたいです。ここではどちらがいいということではなく、あくまでイタリアではこうやっているという紹介です。)
でもそれではこういった高い守備戦術能力を学びだすのが大人のカテゴリーになってからということになりますよね。それには私も驚きです。(子どもはテレビなどで大人のサッカーを見て学んでいる部分も多いとは思いますが。)

ただセリエAの下部組織などの強豪チームでは育成段階でも選手の技術力は高く(そういった選手を集めているということでもある)、高校生年代くらいからでも戦術トレーニングを行っているとこもあるみたいです。
つまりその選手たちはこの守備戦術をある程度身につけて、下の年代で代表として披露しているのがそのサッカーなのだと思われます。

このことからひとつ言えることは、イタリアはイタリアのサッカーの色を持っており、それがこの共通された守備戦術であるのではないかと言うことです。
強豪国と言われる国はどの国もその国の特色のあるサッカーを持っています。ある意味その国のサッカーの「文化」ですね。
日本サッカーが学べることはどこどこのサッカーを真似ることではなく、これらの国のように自分の国のサッカーを行えるようになることなのだと思います。
そういった意味では「走るサッカー」というのが、今見えてきている日本のサッカーの色なのかもしれませんね。

posted by idalia_calcio |16:42 | イタリアサッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年08月06日

イタリアサッカーの守備戦術(1)

イタリアサッカーと聞いて一番に思いつくのは「堅実な守備」ということだと思います。
おそらくみなさんがイタリアサッカーで一番興味があるのがこのことだと思います。
日本人の指導者の方とお話をさせていただく際にいつも聞かれることは「イタリアの守備の堅さはどういったことからきてるの?」ということです。

しかし私は今までイタリアでの3年間、主に育成のチームを中心に見てきましたが、その今まで見てきたチームのほとんどが守備の練習をしているところを見たことがありませんでした。
育成年代ということもあって戦術的な練習を行っているチームも少なかったですし、かと言って1vs1などの個人の守備のトレーニングを行っているチームも見たことがありませんでした。
むしろ攻撃の練習をしているチームがほとんどであり、イタリア人指導者に「イタリアの守備の堅さはどこからきてるの?」って質問したことがありますが、「伝統的に守備を大事にする文化がある」といった答えでした。

「伝統的にそういった文化があることで守備を大切にする考えが、ある意味遺伝子に組み込まれている、それがサッカーが根付いた文化の差なのか」と思う一方で、「単に伝統や文化だけであれだけ組織的な守備が行えるのか?」という疑問を持ち続けていました。

今までイタリア人を見たり接してきたりする中で個人的に感じていたのが彼らの「負けず嫌い」な性格と「勝利」に対する執着心で、「1-0で勝利すること」が最大の美学とよく聞いたりしますが、「勝つ」または「負けない」ことへの執拗なほどの気持ちが、「負けないために点を取られないようにする」だとか「点を入れられるくらいならファールを犯してでも止める(相手を怪我させるという意味でなく)」といった行動に現れていんだろうと考えていました。

また子ども達は大人がそういったサッカーをしているのを毎週テレビで見てそこから自然とそういったサッカーを学び、自分がプレーをする際にそういったサッカーをするようになっているのかもしれません。

それだけイタリアという国の「カルチョ」という文化がイタリア人に与える影響が大きいなものなのだと思います。
もちろんイタリアでも最近では他の国のリーグ戦やカップ戦の中継も見ることができ(有料放送ですが)イタリアのカルチョより他の国のサッカーのほうが興味があると言った人達もいます。

しかしイタリアでサッカーを学びプレーしていくとなると自然とイタリアの「カルチョ」が身についていきます。

少し長くなったので今回はここで一度切り、次回は本題の「イタリアサッカーの守備戦術」に関する具体的な部分について書こうと思います。

posted by idalia_calcio |18:25 | イタリアサッカー | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年08月01日

GKのトレーニングをどうしてますか?

新チームに合流して1週間が過ぎました。
先週の日曜日からは朝と夕方の2部練習が始まりこのブログもなかなか更新できずにいました。
このシーズン前の準備期は1年を戦っていく上で非常に重要な時期であり、イタリア流の準備期のトレーニングに携わって学ばせてもらえていることを非常にうれしく思っています。
(ちなみにアマチュアチームですが準備期というのは非常に重要視されており2部練習を行ったりもしています)


さて、我がSEMONTE CALCIOには監督とアシスタントコーチ兼フィジカルコ-チの私と、あともう一人GKコーチの3人体制で指導しています。
イタリアの指導体制は基本的にそれぞれの分野を専門して行う分担制のような形のチームがほとんどです。
そしてイタリアでは監督の次に重要視されているのがGKコーチの存在ではないかと私は感じています。(フィジカルコーチももちろん重要視されていますが、お金のないチームなどでは監督がフィジカルトレーニングを見ているチームも多々あります)

GKというポジションはサッカーで唯一手の使える特別なポジションであり、そのトレーニングの仕方も他のフィールドプレーヤーとは別のトレーニングが必要となってきます。

日本でもプロクラブやJの下部組織、または強豪高校などにはGKコーチが就いているところも増えてきましたが、まだまだGKコーチのいないチームが多いと思います。

ここイタリアではGKは専門的なトレーニングが必要なためにGKコーチという専門家がとても重要視され、どのクラブにもGKコーチが必ずと言っていいほどいます。(中にはトップチームと育成のGKコーチを兼任しているとこもあります)
イタリアサッカーに代表される堅実な守備はDFだけでなく、GKを含めたものから成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
実際に個人的な感想としてもイタリア人GKの実力はアマチュアチームであっても、そのポテンシャルはかなり高い方だと感じています。

それでは少し質問形式のような文章になりますが、日本のGKコーチのいないチームはそのトレーニングをいったいどうしているのでしょうか?
また、どういったものを参照にしてトレーニングを行っているのでしょうか?
私が所属していた中学・高校のチームにもGKコーチはおらず、それぞれのGKが先輩から教えてもらったことを代々下の世代に伝えていっているといった感じでした。

SEMONTE CALCIOのチームのGKコーチは自作でトレーニングDVDを作成し彼自身の指導法を他のチームやGKコーチに広めたりもしています。
海外での指導にも興味があるようで、こういったコーチを日本に連れて行ってGK用の講習会なんかがあっても面白いかなと個人的には感じています。

日本でもJクラブや代表コーチがそういった指導法をまとめた参考となる物があったりすればGKコーチのいないチームのためにもなるでしょう。(おそらく協会なんかがGK用トレーニング教材を作っているでしょうが)

GKもまた、日本から世界に誇れる選手が出てくれば日本のサッカーの発展に大きなプラスとなると感じています。

posted by idalia_calcio |05:15 | 指導者 | コメント(2) | トラックバック(0)
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