2008年07月26日

現場には教科書にないことが詰まっている

トレーニングも3日目に入り、少しずつチームの雰囲気にも慣れてきました。
しかし現場に立つと教科書上になかった様々なことがわかってきます。
しかも去年までの自分のように「トレーニング補助」という立場でなく、「コーチ」として現場に立つのとでは選手との関係もまた全く違ったものとなってきます。

計画通りいくこともあれば、思ってたことと違う反応が出ることもあります。
まだ選手の能力や特徴を掴んでないこともありますが、予定してたよりも高い負荷がかかっていたり、選手が着いてこれなかったりするといったようなことも、実際に現場で指導してみないことにはわかりません。

それに日本人とイタリア人とではトレーニングの取り組み方なんかもまた違ってきます。
例えば日本人は反吐がでるまで頑張る選手が多いのに対し、イタリア人はダメだと思ったら自分で立ち止まります。
単に根性がないんじゃないの?と思うかもしれませんが、おそらく彼らの中では「怪我したりぶっ倒れたりしても意味ないし」といった考えがあるのかもしれません。
イタリア人は痛みなんかにとても敏感です。正直「大袈裟だな」と思うこともしばしばありますが、裏を返せばそれだけ自分の身体に敏感に反応しているとも言えるかもしれません。
そこを日本のように「根性」の一言で片付けてしまうことはできません。
もちろん甘やかすことはあってはいけないでしょうが、指導の仕方の工夫が必要であり、日本人と同じようなやり方ではいけないとここでも感じました。

また選手の中にも様々なタイプがいて、例えば昨年までセリエC2(プロチーム)の下部組織にいてトップチームの選手と一緒にトレーニングを積んでいたような選手は、おそらく前のチームにもフィジコが就いていて科学的な知識を多少持っているからだろうか、走った後に「心拍数はこんくらいなんだけど付加的にはどう?」と自ら聞いてくる選手もいれば、おそらく数字を言ってもわからないだろう選手もいるし、選手によっても様々な対応があることを感じました。

選手皆に同じ形で接するのでなく、その選手の特徴を捉えそれにあった接し方をし、その中で必要だと思われることは皆同じように指導していく必要があると思いました。。(自分からそうやって聞いてくるからいい選手とかそういう意味でなく、選手の興味、取り組み方にあった接し方が必要なのだろうなということです)

こういったことは教科書には書いてないことであり、またそれぞれのチーム、選手によってそれは異なるものであり、場数を踏んでいろいろなタイプの選手に接していくことで身に着いていくものだと感じました。

posted by イダリア |18:59 | 指導者 | コメント(3) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年07月24日

イタリアサッカーでの指導キャリアスタート!!

semonte
2008-09シーズンに向けて、多くのチームが続々とPreparazione(準備)を始めています。
プロクラブはシーズン開幕が早いため既に先週からトレーニングを開始していたのですが、アマクラブのひとつである私の所属するSEMONTE CALCIOも23日からスタートしました。

新チームで自分にとって初めての指導ということで、練習前はかなりの緊張がありました。
選手のほとんどが私がこのチームに入ることを知らなかったため、練習場に着くと「なんだこいつ?」といった目で見られました。
これから徐々に彼らとの信頼関係を築いていかなければなりません。

初日のトレーニングは軽めのランニングのみ。
イタリア中がインテルのモウリーニョ監督のトレーニングに注目していますが、実際の現場では今までどおりのイタリア流のトレーニングが行われているのは私のチームも同じなようです(それが良い悪いということでなく)

練習の合間にストレッチの指導を監督から任されたのですが、イタリア人が普段やらないようなストレッチを指示した時は「何なんだこれ?」といった声が多く聞こえてきて、真似すらしない選手もいました。
個人的にイタリア人の印象としては、知らないもの、新しいものを中々取り入れようとしない保守的なイメージがあります。
まあ彼らはそれで何度も世界一を取ってきたのでそれを大事にしてるとも言えるのかもしれませんが、私個人的には自分の色を出していくのには多少時間とやり方の工夫が必要だなと感じています。

まだコーチとしての実績や彼らの信用もない自分としては、「郷に入れば郷に従う」ことも必要になってきますが、その中で少しずつ自分の知識や情報の色を出していければと思っています。


posted by イダリア |17:38 | イタリアサッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年07月18日

日本を育てるための指導者に

長らく更新してなくて申し訳ありません。
3週間日本に滞在し、休暇を取るとともに様々な人たちに会って多くの話をさせて頂きました。
現役選手、指導者、サッカー以外のスポーツ関係の方や全く分野の異なる方まで本当に多くの人に会い話をすることで自分の中で新たに考えさせられたことや感じたことがたくさんあります。
その中でも印象的だったのが、題名にも書いた「日本を育てるための指導者に」ということでした。

私は現在イタリアでサッカーの指導を学んでいます。
ヨーロッパという世界でも最高峰の地域の、世界一に4回もなったことのあるイタリアという国で、その中に入り込んで学べているということはとても恵まれていることだと思います。
今年からはアマチュアチームですが、仕事として働かせてもらうことにもなっています。
今後あと何年イタリアにいられるかはまだわかりませんが、可能性がある限りこうやって海外で指導する経験が積めたらいいなと考えています。

しかし私は将来的には日本に帰って日本人(チーム)の指導をしたいと思っています。
日本でも世界レベルに追いつこうと多くの外国人指導者や選手が日本に招聘されています。それはサッカー以外のスポーツでも。

しかし、単に海外の風をそのまま日本に入れるだけでは中々日本のレベルは上がりません。
外国人指導者や、連れてくる強力な外国人助っ人頼みのチームだけでは、勝利はできても日本のレベルアップ自体には中々繋がり難いのです(もちろん世界レベルの選手と対戦できるというメリットもありますが)
ただプロの世界では、招聘された指導者にはそのチームを勝たせることが第一の責任となります。しかもある程度短期の間にそれを(その傾向を)見せないことには解任されてしまいます。
そのために手っ取り早く強力な助っ人選手を連れてきて勝たせるという方法を取らざるえない部分はあると思います。

しかしそれで満足していては結局は先にも書いたように中々日本自体のレベルアップには繋がり難いと思うのです。(毎年Jリーグの得点ランキングTop10に何人の日本人選手がいるでしょうか??)

日本のレベルアップという点から考えたらやはり日本人選手を中心としたレベルアップのための指導方法を考えなければいけないでしょうし、海外のものをそのまま日本人に与えてもそれはうまくいかないと思っています。

よく日本人は、「海外のいいものをそのまま真似ようとする傾向があるよね」とある指導者の人と話をしてました。
例えば今回ユーロで優勝したスペインのサッカーや、クラブでいいサッカーをしていたと評判のアーセナルのサッカーなど、確かに理想を持つのはいいことだと思いますし、参考にすることを否定はしません。
ただそれをそのまま日本人にやらせようとしても無理があるのは明らかでしょう。

私もイタリアでイタリア人選手の中で学ぶなら彼らのやり方を吸収する必要があり、そうしなければ彼らに認めてもらうことも自分の地位を確立することもできないでしょう。
ただ将来的に日本人を指導したいと考えている以上、常に学んだことをどうやって日本人に活かしていくか考えていく必要があると思います。

そんな考えのきっかけをくれたある選手と指導者の方に感謝しています。

posted by イダリア |11:50 | 日本サッカー | コメント(3) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加