2008年02月25日

指導者冥利に尽きる時

指導者冥利に尽きる時ってどういった時でしょうか?
大会で優勝した時?強敵相手に勝った時?自分たちの目指すサッカーが出来た時?

今日の試合で私はその一片を感じました。
それは自分の指導している選手の成長が見られた時でした。

いつも試合でベンチスタートのフランコという少年。
技術的に優れているわけでもなく身体的能力的にも他の選手に比べて劣っている、むしろ体型は太っていて走れないし動きも鈍い。
この年代になってくるとやはりゲームのスピードが速くなってくるために動けないと指導者としては非常に使いづらいものです。

イタリアには無数のサッカークラブがあるので試合に出れないと他のチームに移る選手が多いのですが、彼はずっとペルージャに残り続けています。
それは彼なりの理由があるのでしょうが、毎回ベンチスタートで出られない日もあるのに彼はずっとペルージャで練習を続けてます。

その体型を冗談交じりにバカにされたりもする彼ですが(イジメといった感じではなく)やはりある程度以上のレベルでプレイするにはそれなりの身体の管理が必要です。

そんな彼が今日の試合で後半途中(既に3-0でリードしている時)から出場しました。
ベンチでマネージャなんかと「フランコ最近痩せたな」なんて話していたところ、中盤からのフィードに走りボールをキープ、そしてディフェンス相手に数回フェイント入れてシュートが見事に決まりました。

マネージャーは「信じられない」なんて笑ってましたが、数ヶ月前の彼ではありえない走りにありえない動き。
その瞬間自分のことでないのにすごいうれしい気持ちになりました。

まだ自分が指導してるとか自分が育てたなんて言えるような立場ではないですが、一緒に練習している選手の、しかもどちらかと言えば上手くない選手がこうして少しずつでも成長していく姿を見られた時、それは指導者冥利につきる一時でした。
franco


posted by イダリア |05:18 | 指導者 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年02月22日

壊れていくサッカー選手

今日のスポーツ新聞「corriere dello sporto」の記事で、最近急増している膝の故障についての記事がありました。
イタリアでもつい先日、1週間に3人(ミランのロナウド、インテルのコルドバ、エンポリのポッツィ)が試合中に膝を故障しました。
膝の怪我は場合によっては選手生命にも関わりかねないものとなります。
数年前に比べて明らかに急増しているこの膝の故障について、FIFAとフィジオセラピストの見解が書かれてあったので紹介します。

膝の怪我の2/3が接触のないプレーで起こるものであり、その70%近くが前十時靭帯の損傷だそうです。
数十年前では膝を怪我すると1年以上の長期離脱、もしくは選手生命の危機となるようなものでしたが、医学の進歩により今では約6~9ヶ月位で復帰できるようになりました。
しかし膝を故障の件数は近年増加しています。
この原因はまず試合数の増加が原因とされています。
ビッグクラブになると年間平均で3日に1試合をこなしています。1週間の中で試合後のクールダウンの日を除けば実質的に週に1回しか練習ができないことになります。
ちなみにA.Cミランは多いときでは6日で3試合をこなさなければいけない時もあるそうです。
フィジオセラピストの意見では人体学的に言えば週に1試合が妥当だと言っています。
試合数の増加が選手を危険に曝しているという意見は様々なところで議論されているようです。
実際にセリエAのチーム数を現在の20チームから16チームの減らそうという声もあがっているそうです。

また選手の身体的な変化として、20年前のプロサッカー選手に比べ現在の選手の持つパワーは40%程度高いとこのフィジオセラピストは言っています。
しかし増しているパワーに比べ靭帯や腱などは遺伝的なものであり増加しているパワーに比べ昔と変らず、そのパワーに耐え切れずに故障が増加しているとも言っています。

先日、イタリア研修プロジェクトにて、A.Cミランでトレーナーをされている日本人の方とお話する機会がありました。
その方も「マルディーニなんかは筋肉だけ見れば今でもこれからもバリバリ現役でプレーできるけど、関節や靭帯がボロボロなんだよね」と言っていました。
正にそれがこのフィジオセラピストの言っていることに当てはまるものなんだと思いました。

特にヨーロッパサッカーでは国内リーグだけに留まらず、CL、国内カップ戦、そして代表選手は代表戦に加え、ビッグクラブは夏季にアジアやアメリカなどにエキシビジョンマッチをしに行き、選手は年間ほとんど休みなしに活動しています。
しかしこれを続けることによって選手達がどんどん壊れていくことにななり、それを選手が壊れた後に気づいても遅いでしょう・・・。
そういったこともサッカー界は考えていく必要があると思います。

posted by イダリア |20:20 | その他 | コメント(8) | トラックバック(2)
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2008年02月20日

他の種目にも目を向けてみよう

以前にも書いたことがありますが、イタリア研修プロジェクトに1人バスケットボールの指導者の方が参加されていました。
鈴木良和さんという方で、バスケットボールの家庭教師を行う「ERUTLUC」という会社を昨年の4月に設立しバスケットボールの指導者の普及、選手の育成、そしてバスケットボールの普及のために活動されている方です。(http://homepage3.nifty.com/Basketball-tutor/)

鈴木さんは今回のこのイタリア研修プロジェクトに参加された理由を「同じスポーツ(球技スポーツ・チームスポーツ)であるサッカーの指導者の人達とその現場を見て周ることで、バスケットボールに活かせるものを見つけれるのではと思ったから」と仰っていました。

研修中に鈴木さんを含め参加者みんなで話し合いをよくしていたのですが、サッカー以外の種目の人がいるだけでいつもとは違う視点からの意見が出たりととても新鮮で興味深いな話し合いが行われていました。

鈴木さんの話の中で一つ面白いと思った話を紹介させていただきます。(鈴木さん、間違って説明してたら訂正してくださいね・・・。)
鈴木さんがアメリカのバスケットボールの視察に行った時の話で、ある日本人の少年がストリートバスケのコートで1人でバスケをしていたところ、アメリカ人(外国人)が数人やってきたそうです。
彼らはその少年をバスケのゲームに誘い、一緒にプレーしたそうです。

それとは違う時、その少年がまた1人で練習していると今度は日本人がそのコートに現れたそうです。
その日本人は彼にシュートやドリブルなどの技術を教えてあげはじめたそうです。

このアメリカ人と日本人の違いがみなさんにはわかるでしょうか?
人がいれば子どもでも大人でも一緒にゲームをはじめるアメリカ人と、子どもや年少者に対して技術を教えようとする(逆側は教わろうとする)日本人。
日本人の中にはどこか、「物事は教えるものであり教わるもの(人から与えられるもの?)」という概念が植えついてるのかもしれません。
一方でアメリカ人(外国人)は日本人に比べると、「やってるうちに学んでいく(自分で学ぶ姿勢が強い?)」といった感じに思います。
単なる偶然からそうなったのかもしれませんが、この話を聞いて私も妙に共感しました。

ただ「自分で学ぶ」という姿勢はどういったことに対しても重要な事です。
それがなければ成長には限界があると思います。

あくまでひとつ話でありますが、サッカー以外のスポーツ(スポーツ以外の事でも)の中にもサッカーと共通すること、活かせることっていっぱいあると思います。
時間や機会があればそういった他の種目にも目を向けたり、他の種目をしている選手指導者なんかと話をしてみると、いろいろな新たな発見があって面白いかもしれません。

posted by イダリア |07:03 | 指導者 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年02月19日

技術の専門家

Perugia Calcio2
イタリア研修プロジェクト、ペルージャの2日目は私がいつもお世話になっているPerugia Calcioの育成部の練習見学に行きました。

育成責任者からこのクラブについての説明があり、そして参加者からの質問、その後はこのクラブで主に技術指導の専門家として指導するMichele Pascarosa氏(以後ミケーレ氏)によるAllievi Nazionali(U-16)の子ども達を使った特殊技術練習のデモンストレーションをわざわざ参加者のために行ってくれました。

このミケーレ氏は以前インテルで同じように技術指導者として働いており、中国に技術指導をしに行ったこともあるそうで、アジア人に対してとても興味があるらしくこのデモンストレーションを参加者に見せることを提案してくださいました。

彼の練習メニューは全て彼が考え出したオリジナルのものであり、その数は600以上に及ぶそうです。(以前個人的に話をした時は300って言ってたんですがそこはイタリア人らしいとこですね・・・笑)

それらのメニューに共通して言えることは、
1・ボールを使うこと(ウォーミングアップにおいても)
2・動きの中での技術トレーニング(常に動きながらのトレーニング)
3・練習している全員が関わるトレーニング(見ている人、止まっている人がいない)です。

まず1について、サッカーにおける技術は必ずボールが必要なので当たり前かもしれませんが(身体の動きに関する技術は他の話であるとして)、彼はウォーミングアップにまで必ずボールを使います。
2に関しては日本でもよくありがちな止まった状態での基礎練習とかでなく、常に動きの中でのトレーニングを行います。
この動きも単純なものから複雑なものまでいろいろなレベルがあり、頭も使うトレーニングでもありました。
3は常に全員が何かしらの作業に関わっているということです。

そして彼は考えたトレーニングを実行し選手に何が欠けているか、どんな能力がその選手達に必要かを見極め、それを補うための練習をまた考えだして600(推定)にも及ぶトレーニングメニューを考えだしたそうです。

また、一つ一つのトレーニング時間(セット数)なんかはフィジカルコーチと話し合い、そのトレーニングの負荷や反復回数を設定しているそうです。

Perugia Calcioの責任者に、「イタリアサッカーの育成の良い点は何か」と質問したところ、フィジコ、キーパーコーチだけでなく、こういった技術の専門家も少しずつ出てきてより専門的なトレーニングを行えてきているということでした。

このミケーレ氏、日本での指導も行ってみたいと大変興味を持たれています。
こういった参考になるものは是非いろいろな指導者や選手に経験してもらいたいものです。


posted by イダリア |20:27 | イタリアサッカー | コメント(3) | トラックバック(0)
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2008年02月16日

育成と勝敗の共存はできる?

前回の「セルフジャッジ制」に引き続き、イタリアの育成年代で導入している制度でもう一ついいなと思ったのは3タイム制度です。
これは試合を本来の前半・後半の2タイム制でなく、もうひとつ加えて3タイム制にすることです。
そしてルールとして1本目と2本目は違うメンバーで戦い、3本目はチームの好きなように決めていいというものです。
各勝敗は1本ごとで決まり、3本の合計勝利数でチームの勝敗が決まります。

この制度のいいと思う点は、選手が皆試合に出られること、合計勝利数でチームの勝利が決まるのでこの時期に1軍・2軍といったうまい子とそうでない子が別々にプレーするといった日本ではありがちなことが起こりにくいこと(そうするためにこのクラブでは3本目もみんな平等の時間プレーさせるようにしている)、そして勝負にもこだわって試合に望めることです。
日本ではよく、「小学生年代から勝敗にこだわるのはよくない」「この年代は育成に努めることが大事だ」といった「勝敗」と「育成」が相反するものに捕らえられがちです。
しかしルールややり方を工夫することによって、それらは相反するものではなく共存できるものなんだということがこういったイタリアのやり方を見て感じました。

サッカーも勝負事ですから負けてうれしい人なんて誰もいません。
イタリア人なんか子どものころからそういった思いの強い子が多いです。
だからといってうまい子ばかりプレーさせる勝負に徹したサッカーをしていては選手は育ちません。
選手達は試合をこなしながら成長していきます。
子ども達みんなに真剣に勝負する場(公式戦)を与えていきましょう。
その中でチームとしても勝利を目指せる制度を私達大人が作って与えていくべきだと強く思います。
monte morcino2


posted by イダリア |02:44 | イタリアサッカー | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年02月16日

セルフジャッジ制度

イタリア研修プロジェクトがペルージャにもやってきました。
1日目は地元にあるアマチュアクラブの練習見学と責任者との対談でした。

1999年、98、96年生まれの3つのカテゴリーの練習を見学しながら、参加者達はその指導方法やイタリアサッカーの育成の実態などさまざまな質問をしていました。

その中でも興味深かったのが、10歳以下の子ども達のリーグ戦で導入している「セルフジャッジ制」つまりレフリーをプレーしている子ども達の間でやらせるという制度です。

イタリアはここ最近レフリーのジャッジの問題が大きく報じられいます。
ビッグクラブが審判を買収しているだとかそんな噂にもなっています(現実に2年前はそれが大問題に発展したのですが)

そんな中で小さい子ども達にこの制度を導入することにより、選手達にルールを学ばせたり、ジャッジングの難しさを感じさせたり、またお互いがジャッジし合う事によりフェアプレー精神を学ばせるといったことが目的です。
子ども達が判断できないような問題が起こったときには監督などの大人が介入することもあるようですが、基本的には子ども達に任せています。
これらの年代の子どものリーグ戦は5vs5~7vs7くらいで(年齢により異なる)グラウンドも本来のコートより小さいものを使用しているため目が行き届きやすいのでこういったことも可能だと思います。

もちろん小さいころから負けず嫌いのイタリア人ですから、「あーだ」「こーだ」と判定を巡ってごちゃごちゃすることもあるでしょうが、そこはうまく大人がコントロールしていけばそれはとても素晴らしい制度なのではと思いました。

日本でもサッカーの指導方法だけにこだわらず、こういった制度の工夫はされていってるのでしょうか?
もし何かそういったことをしている地域があれば是非教えてください。
self jaggi


posted by イダリア |01:55 | イタリアサッカー | コメント(6) | トラックバック(1)
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2008年02月12日

サッカー暦10年競技暦3年

今回のイタリア研修プロジェクトのメンバーと練習の見学中だけでなく食事中や夜のホテルで様々な議論が行われています。
実際にイタリアサッカーの現場を見て気づいたこと、イタリアの指導者に質問して感じたこと、日本サッカーとの違い、その1日をふりかえってみんなで話し合うことによって自分の考えも整理され他の人の考えや意見も聞くことができ非常に有意義なものとなっています。

ところで今回参加者の中に1人だけバスケットボールの指導者の方がいます。
鈴木良和さんという方で、日本でバスケットボールの家庭教師をされている方です。
バスケット界も指導者不足や選手の発掘がうまくいかずに低迷しているそうです。
そのバスケット界を立て直そうと自ら会社を設立し(「ERUTLUC」http://basketballtutor.com)個人・チーム・団体とさまざまなところでバスケットの指導をされている方です。
その指導数は1年に450回を超えるということでそれを聞くだけでどれだけすごいことをしているのか想像できると思います。

さてまたまた前置きが長くなってしまいましたが、そんなサッカー以外の指導者の方を含めて今のサッカー界、バスケット界の現状を話し合っている時に「はっ!!」気づかされたことがあります。
それが「サッカー暦10年競技暦3年」ということです。
それはバスケット界でも同じことだそうです。

日本での育成年代でのリーグ戦の導入は最近いろいろなところで言われてきています。
ノックアウト方式のトーナメント戦ばかりでは公式戦の数が少なすぎる、1回負けてもう終わりでは選手が育たない、負けても次があることで課題を修正し立て直すことができる、小さいころからリーグ戦の戦い方を学ぶことでプロになった時にすでにリーグの戦い方に慣れているなどこういった様々な理由からです。

欧州では小学生の年代からリーグ戦があります。
本格的に11人制サッカーでは小学校高学年の年代くらいからですが、彼らは小さいころからリーグ戦を戦うことを学んでいるのです。
しかも日本のように1クラブ1チームだけしかリーグに参加できないのでなく、チームがある分だけみんなリーグに参加できます。
つまりうまい子もそうでない子も公式戦を体験できるのです。

日本でもプリンスリーグが始まったり、地方でも各県や地域でのリーグ戦が少しずつ導入されていい方向に進んでいます。
しかしまだまだ1高校チーム、1クラブ1チームの参加というのがほとんどでしょう。
つまり1軍でプレーしている選手は公式戦の経験が多く積めるものの、そうじゃない選手はまだまだ公式戦を戦う経験を積める環境がありません。
するとどうなるか、
「サッカーは10年やってるけど、公式戦の経験(競技暦)は3年分しかない」
ということになるのです。

特に学校の部活動で起こりがちな、1年生は玉拾い、2年生で練習参加、3年生でレギュラーといったことがあると、3年間で競技できるのはたったの1年間です。
それを中・高・大学とやっても10年間で3年くらい。
一方で欧州なんかは10年サッカーやってると10年公式戦に出ることができます。

同じ10年でも公式戦の経験数が3年と10年では大きな差があるでしょう。
その差が今の日本と欧州の差なのかと思いました。

やはり日本でもリーグ戦の導入、多くの選手が公式戦を経験できる環境が必要です。
運営面や指導者の数の面でいっぱい問題はありますが、少しずつでもそういった場が増やせていけるように考えなければ日本サッカーはいつまでも進歩しないでしょう。



monte morcino


posted by イダリア |16:53 | 日本サッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年02月11日

イタリア研修プロジェクト~キエーヴォ編~

前回書いた通り、日本から指導者の団体がイタリアにやって参りました。
私の大学の同期が現在働いている「特定非営利活動法人スポーツ指導者支援協会(http://sportif-support.net/)」が企画した海外研修プロジェクトの呼びかけにより集まった8人の若い指導者達です。
まだ駆け出しの指導者達ですが、皆日本各地でいろんなカテゴリーの指導を行っており、よりレベルの高い指導を学ぶためにこうして遥々日本からやって来た志の高い人たちです。

ちなみにこのプロジェクトのメインテーマは「カテナチオはどこで造られているのか」ということだそうです。

ところで、イタリアサッカー=カテナチオと思っている人は日本にもかなり多くいると思います。
ただイタリアに来て実際にそのサッカーを生で観たら、今はそうではないということに気づくと思います。

このプロジェクトのメインテーマがいきなり無意味なものに??
なんて私も心配していたのですが、彼らは「逆に今は違うという方が非常に興味があるね。それでは今はどのようなものなのか?」などと前向きに考えてくれています。

ただやはりイタリアの組織的な守備は健在です。
しかし正直私自身もこの2年半イタリアにいて、守備的な練習をほとんど見たことがなく、むしろ攻撃の練習ほとんどした。
なのでイタリアのあの守備の堅さがいったいどうやって造られていってるものなのか、これを機会に探っていこうと思っています。

前置きが長くなりましたが、最初の3日間はヴェローナという街にあるキエーヴォ(現在セリエB)というチームのプリマヴェーラと(Uー18)アリエッヴィ(U-16)の2チームの練習見学と監督への質問をメインに行ってきました。

2チームとも数日後に試合を控えた日の練習ということもあり、戦術の確認のような練習を行っていました。
そこで目にしたのは正に組織的な守備の練習。
しっかりとコントロールされたラインと、第1ディフェンダーと第2ディフェンダーのポジション関係など細かく指導されていました。
正直ペルージャの練習でも見たことないくらいきっちり指導していました(単に私がついているチームがまだ細かい戦術的な指導を始めてないからかもしれませんが)

そこで監督への質問の際に、何時頃から守備の戦術を教えだすのかと聞いたところ、戦術的なものの指導は高校生年代くらいになって本格的に始めるそうです。
それまでに、10歳から12歳までは個人技術、13歳~14歳くらいに個人戦術、そして15歳くらいからグループ戦術と段階的に指導し、プリマヴェーラの時期に一つの完成型を造るといったようなことを言っていました。
そのために、各カテゴリーの監督達はある意味一人の監督のようなものであり
(それぞれがバラバラの指導をするのでなく)次のカテゴリーにつなげるためのそれぞれの目的・目標を持って指導していると言っていました。

他にもそれぞれが監督質問し、彼も快くそれに答えてくれました。
ただ専門的な質問を通訳するのにかなり苦労し、このキエーヴォのコーディネートをしてくださった方と2人で苦労しながら通訳してました・・・(2人とも同じくらいのイタリア滞在です)

来週からは彼らがペルージャにやってきます。
私のいるペルージャ・カルチョと、地元のアマチュアチームの練習見学です。
これは私1人の通訳なので、気合を入れてやってきたいと思います。


chievo


posted by イダリア |05:55 | イタリアサッカー | コメント(7) | トラックバック(0)
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2008年02月07日

イタリア研修プロジェクト

明日、日本から「イタリア研修プロジェクト」と題して、9人の指導者がイタリアにやってきます。
このプロジェクトのオーガナイズをしているのが私の大学の同期の友人ということもあり、私もできる限りのお手伝いをさせてもらうことになっています。

この9人のほとんどはこれまた私の同期や後輩にあたる者がほとんどで、私にとっても懐かしい顔ぶれとの再会となります。
彼らは日本の様々なチームや学校で指導をしていて、今回イタリアのチームの練習を見学し、今後の指導に活かそうとしています。

明日からはヴェローナという街にあるキエーボというチームの育成組織の練習の見学、週末はセリエA・Bの試合を観戦した後に、来週には私のいるペルージャにもやってきます。

ペルージャの育成責任者が私に「お前はもうこのクラブの家族だから好きなように案内していいよ」と言ってくださった時は最高にうれしかったです。
そして彼らのためにペルージャの子ども達を使って普段やっている練習の中から特別に選んだ「応用的技術練習」のトレーニングのデモンストレーションとそれに対する質疑応答もしてくれることになりました。

他にもペルージャではアマチュアクラブの練習見学なども計画しており、参加者の人達にイタリアサッカーをしっかりと見てもらえるようにしました。

彼らにとって充実した1週間になってくれればと思います。

帰ってきたらどのようなプロジェクトになったか報告したいと思います。
それでは行ってきます。

posted by イダリア |04:56 | 指導者 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年02月04日

引き出しの出し方

指導者に大事なものの一つに、引き出しの多さということがあると思います。
練習メニューの引き出し、指導の仕方の引き出し、声のかけ方の引き出し、選手との接し方の引き出し。

私にも今までの選手経験、大学時代に学んだこと、イタリアに来て学んだことなど少ないながらも引き出しをもっているつもりです。

しかしその引き出しも、引き出しの引き方を間違えるとその効果は薄れます。
今日はそれを身をもって感じました。

今日行われたリーグ戦。
試合の時はチームのフィジコは他のチームでもフィジコをしていることもあって私達の試合には来ません。
ということで試合前のウォーミング・アップの指示を私がすることになりました。

今までは試合の時は子ども達は自分達でアップを行っていました。
しかしそれは私から見て不十分なものでした。(今までそれを注意できなかった自分にも問題がありますが・・・)
なので私は自分の中にある引き出しをさぐり、その中からもっとアップとしてふさわしいと思われるメニューを指示しました。

ただここで私が見落としていた点は、この日の天気は小雨で気温も低め。
それにも関わらず、ごく一般的と思われるアップをしてしまっていたのです。
もちろん寒いからしっかり動いて身体を温めることが必要だということは意識していました。
しかしアップの途中で監督に「ショウ、今日みたいな寒い日や雨の日はストレッチは最初と最後に一気にやってしまって、動く時は動き続けないとせっかく温めたものが冷えてしまうぞ」と注意されました。

指導慣れしてないから?緊張しているから?言葉の問題から?
それらもあるかもしれませんが今回は、自分は引き出しの出し方をまだわかってないなということを気づかされました。

オシム監督なんかは練習の当日にその日の気温、グラウンド状況、選手の状態を見て練習メニューを決めるということを聞いたことがあります。
彼の場合、本当に多くの引き出しを持っているだけでなく、その時の状況などによって引き出しを使い分け最良だと思うものを引き出している指導者なんだと思います。

私もこの経験を今後に活かし、引き出しの数を増やすことだけでなく、その出し方も学んでいくようにしたいと思います。

posted by イダリア |07:28 | 指導者 | コメント(3) | トラックバック(0)
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