2010年05月17日

インテル優勝(愛される選手だけでなく愛されるクラブを)

インテル
セリエA2009-2010シーズンが昨日全日程終了しました。 前節までで1位インテルと2位ローマとの勝ち点差は2。最終節にその決着はつき、インテルがアウェイでシエナを1-0で破り、18回目のスクデット(セリエA優勝)を飾りました。 私はミラノのバールにてテレビでの試合観戦でしたが、試合終了後店の外から車のクラクションが鳴り始め、インテルのユニフォームを着た人やマフラーや旗をかざした人達が歌いながら車で走り回っています。 そしてみんなそろって向かう方向へと私も向かうと、着いたのはミラノのドゥーオーモ前の広場。この広場にインテルファンが集結し、優勝を祝っていました。 普段は観光客でごった返しているこの広場ですが、この日ばかりは観光客はどこかに押しやられ、広場とその近くの通りは歌いながら歓喜に沸くインテルファンだらけでした。 私は友人とその様子を上から眺めるためにドゥーオーモに登ってみましたが、広場の前にそびえるドゥオーモの上からの光景はすさまじいものでした。
インテル2
試合終了後すぐというのに、いったい何人のインテルファンがここに終結したのでしょうか? 大人だけでなく子どももお父さんやお母さんに手を引かれ、インテルのユニフォームを身にまとい、「フォルツァ、インテル!!」と叫んでいる姿を見ていると、こうやって親子を通じて熱いファンが作られていっているのだなということがわかります。
インテル3
インテル4
日本ではサッカー好きだと言うと「えっどの選手が好きなの?」という会話になることが多いと思います。 しかしこちらでは「どのチームのファンなの?」といったクラブを聞かれることが必ずです。 もちろんその中にお気に入りの選手がいたりはしますが、根本的に彼らはそのクラブを愛しており、好きな選手が移籍しても、好きなチームが不甲斐ない成績に終わってもそれを罵倒しながらもクラブを応援し続けます。 今回良い成績を収められなかったミランやユヴェントスファンは非常に悔しい思いをしているでしょう。しかし彼らは決して自分のチームを見捨てることはありません。 愛される選手がいることはクラブにとって財産ですが、それよりもそのクラブ自体が愛される、そんなクラブが日本にも増えてきたとき、日本にサッカーが根付いたと言えるのかもしれません。 そういったところではまだ日本では野球の方が上なのかもしれませんね。まあ歴史の差というのも大きいですがね。


posted by idalia_calcio |17:26 | 世界のサッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年09月14日

もうひとつのワールドカップ「Homeless World Cup in Milano」

Homeless Cup
みなさんは「ホームレス・サッカーワールドカップ(公式HP http://www.homelessworldcup.org/)」という大会をご存知でしょうか? 名前の通り、選手は世界各国から集まったホームレス(元ホームレスの人も含む)の人達の参加する大会です。 「サッカーは貧富や年齢、人種に関係なく人をつなぐことができる最高のツール。世界に共通する貧困という問題や人間の可能性について世界中に人々に考えてもらい、同時に貧困状態にある人たちに楽しみや喜び、希望を感じるきっかけをつくるためにホームレス・ワールドカップは生まれました。」(日本語版ホームレス・サッカーワールドカップHP http://www.nobushijapan.com/)より 今年で9回目を迎えるこの大会はナイキ・UEFA・Vodafoneがスポンサーになり、世界のホームレスの自立とホームレス問題の解決に向けて毎年行われているホームレスの人のサッカー世界大会で、今年はイタリアのミラノで行われており私も街中に貼られていたポスターを見たことはあったのですが、どういった大会なのか、そして今大会に日本チームも参加しているということを人伝に聞きこの大会を見に行きました。 今大会には世界48カ国、約700人の選手達が集まり、サッカーをすることで世界交流をしたり、また選手個人個人が喜びや楽しみを感じていました。 今回で9回目ということですが日本代表に関して言えば今回で2回目の参加、しかも前回大会は4年前と随分前になります。 日本選手団は大会には日本での寄付金によって参加しているのですが、参加するに至まで4年という歳月がかかるほど集まらなかったそうです。 それだけ日本ではまだこの大会の知名度が低いということでしょう。 一方で他の国に関して言えば毎年参加している国もあれば大勢の応援団やサポートスタッフを抱えている国もあり、国によってこの大会の認識や協力、またホームレス問題に対する取り組みが違っていることがよくわかります。 ただ大会の回数を重ねるにつれて、国によって目的が変わってきているという現状も見て取れました。 それはつまり、この大会には各国のサッカー協会やクラブチームが賛同しクラブの指導者をチーム指導に派遣したり(マンU、アトレティコマドリー、インテル等)、過去の大会で数人の選手がプロとしてスカウトされたという例もあります。 国によってホームレスの現状の違いもあるとは思いますが、特にアフリカ諸国のチームはそういった若くてかなりのレベルの高い選手がいる一方で、日本をはじめとする数国の国々はサッカー経験もほとんどなく年齢的にも40歳以上の選手が多いといったチームもあります。 そんな中「野武士Japan(公式ブログhttp://d.hatena.ne.jp/NobushiJapan/)」と呼ばれる日本代表チームは、路上生活からの自立を目指して東京や大阪を中心に販売している「ビッグイシュー」の雑誌の販売者の中から選ばれて今大会に参加しました。 選手のほとんどがサッカー未経験者、そして平均年齢も40歳以上ということでサッカーの実力的には他の国の選手と比べても大きな差がありました。 ただ彼らがこの大会に参加している目的は彼ら自身の中にあるものであり、この大会を通して「1点」「1勝」を求めてボールを追いかけていました。 ひたむきにプレーする彼らの姿は大会の他の国の参加者やサポーターからも賞賛と応援が送られていました。 大会を通して目標であった「1勝」というものは達成できませんでしたが、1週間にわたる戦いを通して彼らは間違いなく何かを掴んだと思います。 最終試合で3-4と惜しくも1点差で負けてしまった試合の後、選手とスタッフで最後の反省会の時に本当に悔しくて涙する選手、目標は達成できなかったけど自分の力を出し切って満足した笑顔を見せる選手、それぞれの選手がそれぞれの感想を持ち、そして何よりも参加してよかった、何か得たものがあったということがこの大会に参加した意義なのだと思います。 私は単なる一サポーターとして数試合応援に行かせて頂いたり、多少のイタリア語通訳をしてお手伝いしただけですが、選手やスタッフの方からも「応援ありがとうございました。私達の中でもそれぞれ得たものがあり参加してよかったです」といった声を聞いたときはとてもうれしく思い、また「サッカー」というスポーツがこういったことにも貢献できる素晴らしいものなのだと感じることができました。 ただこの大会は彼らにとってほんのきっかけにすぎません。 ここで得たもの、感じたものをこれからどう彼らが活かしていくか、そしてこの大会の目的である「ホームレス問題」の解決に少しでも役に立つことでこの大会の意義ももっと多くの人に伝わり、日本でもまたこの大会を通じてホームレス問題などにも関心を持つ人が増え問題解決のきっかけとなれば素晴らしいと思いました。
Homeless Cup1
(写真:最終戦のオーストラリア戦後の両チームの健闘を称えての円陣。) 最後に、「ホームレス問題」というのは世の中に多々ある様々な問題の一つでしかありません。 ただその一つ一つがどれが大きな問題で重要視され、どれが小さな問題で軽視されるということなく、それぞれの問題を多くの人々がそれぞれに自分達ができることを考え実行することで、少しずつでも解決していくきっかけになるのだと思います。 今回はそれが「ホームレス問題」であり、そしてそのツールとして「サッカー」というものが利用されていたということで、サッカーに関わる者の一人として大変多くのことを感じ学ばせてもらいました。


posted by idalia_calcio |21:40 | 世界のサッカー | コメント(2) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年06月05日

この中から何人の選手が残るのだろうか?

スペイン滞在中に運良く様々なカテゴリーの試合を観ることができたのですが、非常に興味深かったのがビルバオ郊外で行われていたU-10の大会。
この大会はスペインのリーガエスパニョーラ創設時に1部にいた10チームによる大会であり、バルセロナやレアル・マドリッド、アトレティコ・マドリッドやエスパニョールなどの現在でも1部にいるクラブもいれば、現在は3部や4部にいるものの創設当時は1部にいたクラブもいました。

試合は7人制方式で、5チーム2グループに別れてリーグ戦方式で予選が行われ、上位2チームずつが次の日の決勝トーナメントに進む形で大会は行われていました。

idalia_calcio-92705.jpg

また、バルセロナにあるEuropaというチームには日本人監督とアシスタントコーチ、エスパニョールのマネージャーにも日本人スタッフがおり、同じく海外に出てサッカーの勉強をしている方の実際の現場を見ることができたことは非常に貴重な機会であり、外国人の子ども達相手に指導している姿は自分にとっても刺激になりました。

予選・決勝トーナメントとも全試合を観ることはできませんでしたが、2日目の決勝トーナメント1試合目のバルセロナ対レアル・マドリッドの試合はとても見ごたえのある試合で楽しめました。

idalia_calcio-92706.jpg

CLのテーマ曲で入場してくる選手たち、試合前には各クラブの歌が流れ雰囲気はまるでトップチームの様。
選手たちも「バルサには負けるか!!」「レアルだけには負けない!!」といった気持ちがプレーにも現れていたと思います。

U-10といえば4~5年生?くらいだと思いますが、さすがビッグクラブでプレーする選手たちだけあって、この年代からしっかりとした技術だけでなく、相手との駆け引きや状況判断、中には相手を引っ張ったりなんてことまでやってのける選手がいました。

ただスペインで指導をしている友人たちが言ってたことで印象的だったのは「この中でプロになれる選手は1人いるかいないかくらいだろうね」と言ったことでした。
イタリアのビッグクラブでもそうなのですが、育成はもはや育成というより、毎年めぼしい選手を連れてきて競争させる場といった意味合いが強いと思います。
そしてそういったクラブはプロ選手を育成するというより、自分のクラブで闘える選手を育成するといったとこが多いと思います(地方クラブであればプロになれてもそのクラブでプロとして使えなければ意味がないといった)
CLで優勝したバルサのメンバーに多くのカンテラ(バルサの育成部門)出身の選手がいたことは事実ですが、この年代のスクールのころからずっとバルサの選手で生き残れているという選手はいないのではないでしょうか?

うまい選手を競争の中に入れる方法も一種の育成の手段ですが、自分が親の立場であれば、このくらいの年代でもし自分の子どもがビッグクラブから誘われても考えてしまうかもしれません。

それよりはある年代までは大きくなくても良い指導者や良い環境のあるクラブの方がいいかもしれないかなとも思います。
(逆に親が自分の息子がビッグクラブから誘いを受けたことに熱くなり入れることもしばしばあるようです)

ただ競争の中で伸びる選手もいますし、コツコツと時間をかけて伸びていく選手もいます。

もちろん子どもの意志も大事です。
どの方法が一番正しいかなどは結果が出てみないとわからないものですが、ただ親や周りの大人が選手の特徴を理解して、どの時期で上のレベルに挑戦させるか、助言してあげれるようにすることも大事だと思います。

idalia_calcio-92716.jpg
(最後の写真は後半ロスタイムに逆転ゴールで決勝進出を決めたバルセロナ)


posted by idalia_calcio |19:50 | 世界のサッカー | コメント(14) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2009年06月04日

街全体が一つになって「リーガ・エスパニョーラ最終節より」

久々の更新になります。
実は先週1週間弱スペインに行ってまいりました。
ローマで行われたCLの決勝の日にローマからスペインに飛び立ち、バルセロナでではありませんがスペインで見るというちょっと変わったことをしました(笑)
CL決勝でバルセロナが優勝した夜、私が滞在していたサンタンデールという街はお祭り騒ぎに・・・ということは全くなく、数台の車がクラクションを鳴らす程度であとは何も変わらぬ普通の夜でした。

さすがこちらの国では違う街のクラブが勝ったところで自分たちにはあまり関係ないといった感じです。もちろんバルサのようなビッグクラブともなれば全国にファンがおり、それぞれ自宅で喜んでいることでしょうが、街に出て騒ぐといったことはバルセロナでくらいしかやっていなかったでしょう。

さて、ローマで開催されたCL決勝は見ることができませんでしたが、数日後のリーガ・エスパニョーラの最終節を観戦することができました。
対戦カードはオサスナvsレアル・マドリッド。
正直オサスナと言うチームのことは全く知りませんでしたが、降格争い真っ只中でしかも相手はレアル・マドリッドということもあり試合当日スタジアム周辺は大人から子ども、女性や老人まで大量のファンがオサスナカラーの真っ赤なユニフォームを身にまとい集結していました。

idalia_calcio-92388.jpg


オサスナの本拠地であるパンプローナのスタジアムは約2万人収容のあまり大きくないスタジアム。普段はどの程度観客が入るか知りませんがこの日ばかりは超満員のスタジアム。
レアルのユニフォームを着たサポーターは一人も見かけませんでした。

idalia_calcio-92389.jpg

試合はレアルが試合開始直後に先制。ゴールの後満員のスタジアムには大きなため息が・・・。
しかしその直後に同点に追いつきスタジアムは歓喜のに包まれ、そして後半逆転のゴールを決めたのは元レアルの選手であったフアンフラン。
このゴールがオサスナの2部降格を救い、しかも古巣であったレアルからのゴールと言うこともあっておそらくオサスナの歴史に残るゴールになるのではないでしょうか。

試合終了の瞬間、サポーターが一気にピッチに流れ込みました。
警備員が大量に控えていたのですが何千人ものサポーターの乱入を止めることができるはずもなく、ピッチはオサスナファンで溢れかえりました。

オサスナ

自分たちの街のチームが来年も1部でプレーできる。その喜びが溢れたものすごい瞬間に立ち会うことができたことはとても良い思い出になりました。
試合終了後一度ロッカールームに帰った選手たちも再びスタンドのVIP席に集まりサポーターに挨拶をしていました。
idalia_calcio-92391.jpg

「最後まで応援ありがとう!!来年も応援よろしく!!」と言ったかどうかはわかりませんがサポーターと喜びを分かち合う選手達の姿はこのチームがいかにサポーターに愛されているのか感じることができました。

試合終了後1時間以上興奮の冷めないスタジアム、私達は一足先にスタジアムを後にしたのですが、街に帰る際に道路はクラクションと車の窓から振り回すオサスナの旗の嵐。
夜の街ではどこのBarでもオサスナサポーターが歌い踊り飲みまくっていました。

idalia_calcio-92392.jpg

決して大きくないクラブであっても、街全体にこれだけ感動や喜びを与え、逆に降格したチームは悲しみや絶望を与えるサッカーというスポーツが与える影響力の強さを改めて感じました。


posted by idalia_calcio |01:30 | 世界のサッカー | コメント(2) | トラックバック(1)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加