2007年04月22日

リーガの若手選手が大人びている理由

4/19のスーペル紙に掲載されたバレンシアのダビド・シルバ
【4/19 スーペル・デポルテ紙に掲載されたバレンシアのシルバ】

この人が代表格じゃないかと思うわけです。なにか?

リーガの若手選手はみなえらい大人びています。シルバはその代表的存在でピッチ上でのプレーのみならず、ピッチ外でのファン、マスコミ対応が実に素晴らしい。まだ21歳ですからね、彼…(自分がその年齢、大学生の頃と比較すると恥ずかしくなります)

カンナバーロにも「シルバが今季のリーガのサプライズ」と言わしめたくらい、シルバの名前は既に一躍リーガの新人王的存在になっていますが、彼の良さは決して浮かれないところ。謙虚さはやはり彼のお父さんの存在が大きいんでしょうね。

でも、シルバでなくともバレンシアでいえばアルビオルもガビランもBに所属しているパジャルドやセッラであっても若手はきっちりプロの選手らしいファン、マスコミ対応をする。その理由は、やはり環境にあるのでしょう。

スペインのクラブはどこも基本的に練習もオープンでファンもマスコミも問題なく選手に近づけます。練習後に毎日記者会見があり、それ以外にも各媒体が個別にインタビューをとったり取材したりして選手も基本的に対応してくれる。

そして、新聞、TV、ラジオとメディアの情報はとにかく量もソースも多いため彼らが目にする機会も多く、自然と先輩選手から良い例、悪い例を学んでいる。

スペインの若手はとにかく場数を踏んでいる。経験値は20歳そこらでももしトップに籍を置いていれば多分、日本代表クラスの選手くらいファン、マスコミ対応をしているのではないかと思うわけです。

逆に日本では“U-●日本代表”と日本代表の名前が付くとちやほやされ、周りから「おーっ」という目でみられますが、スペインではU-●スペイン代表なんて選ばれてもメディアに取り上げられることはほとんどない。というか、下部カテゴリーのスペイン代表の活動内容なんてマスコミに登場してこないのです。

要するに、優先順位がはっきりしています。スペインの若手選手はトップに上がって1部でプレーすることが目標。そこに到達してやっと一人前と認められる。周りの見方もそう。だから、例えカンテラ選手でやれスペインU-19代表だの肩書きを持っていてもトップに上がっていないなら相手にされない。

選手本人もファン、マスコミもそれが当たり前でそういう環境の中でサッカーが成立しているため、自然とそこに到達する選手というのはそれなりのものを身にまとっています。

だから、Jリーグで日本的に「新人研修」なるものが開催されていますが、リーガでは絶対にやらないと思います。必要ないですから…。

指導哲学についても同じスタンスなんだと思います。日本の指導者はどうしても「教える」「伝える」上からのベクトルになりがちですが、スペインでは「育つ」「出てくる」スタンスなので余裕があってとにかく指導者と選手の立場が対等。日本のように先生、生徒的関係はまずないというのがスペインにいて思うことです。

だから必然的にそういう土壌から出てきた選手というのは「教えてもらう」という受身の姿勢ではなく環境から「吸収して芽を出した」選手が多く実に積極的な姿勢を持っている場合が多い。

また、日本のようにカテゴリーで分断された壁がないので、天狗になりにくい環境でもあると思います。

例えば、高校生で選手権に出て活躍しようものなら一躍全国区のスター扱いですが、スペインでは有り得ない。例えばそのカテゴリーで優秀ならすぐに上に引っ張られて上のレベルでガツンと鼻をへし折られる。バレンシアのアーロンがいくら17歳で秀でていてもトップで練習したらアジャラさんやアルビオルにガツンとやられてしまって「俺って凄い」とか思う時間や環境を与えてもらえないんですよね。

シルバにしたって同じでしょう。

いくら今シーズン活躍したとはいえ、リーガやCLで世界的なDFやボランチ相手にがっつりやられる時にはやられている。だから、天狗になんてなれるわけないのです。

環境… その点は本当にスペインが羨ましくなる時があります。


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posted by Ichiro Ozawa |03:59 | リーガ全般 |
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