2009年02月15日

【オーストラリア戦】漂う閉塞感

久々に、真面目なエントリー。

オーストラリア戦を終えて、モヤモヤ感を抱えたままで過ごしている。

この試合を終えて、色々な意見を目にするが、はっきり言って今の状態を見て「これでいけるぜ!!」とか「これじゃだめだ!!」と言えるようなものでもないように思う。


なにしろ、全てが「保留」状態で終わったしまったからだ。


試合内容が悪いわけではない。狙ったサッカーが出来ている。

でも、明らかにコンディションの悪いオーストラリア相手にスコアレスドローだ。


そして、この試合は「絶対勝たなければならない」という類の試合でもない。なにしろ、2位までは自動通過で、たとえ3位だったとしてもプレーオフがあるというレギュレーション。

現実的に見れば、数字は悪くない。予選突破に関しては有利な状態は変らない。あとはホームのバーレーン戦とカタール戦に負けさえしなければ問題ないだろう。


つまり、試合内容からも、結果からも、ここからは何か決定的なものが読み取れるわけではない。その状態では断定的な判断など出来ないだろう、と思うのだ。





しかし、岡田ジャパンには、閉塞感がある。



少なくとも、僕はそう感じる。






客観的な評価とすれば、岡ちゃんはしっかりとした監督の仕事をしていると思う。試合を見ていればそれは分かる。

攻撃面では、選手間の距離を近くしてのシンプルなパスワークと逆サイドへの展開を機軸に、アジリティと技術をもつ選手を重用しての局面の打開を期待する。

この試合でも、田中達の飛び出し、サイドチェンジからのサイドバックの抉りは十分機能していた。


守備面では、前線からのプレスを義務付け、そしてボールを奪われたあとは、帰陣を早くするのではなく、瞬時の切り替えとボールホルダへのプレスを徹底させてカウンターを受けにくくする。

中澤はケーヒルを完封したが、前からの守備が厳しかったことが彼の仕事を楽にしていた。オーストラリアは速攻を出したくても出せなかった。




だが、である。


この代表に、あと何を加えていけばいいのだろうか?


例えばジーコの最終予選などは、ツッコミどころ満載で、グダグダの状態だった。ただし、グダグダな状態でも予選でなんとか成績を収めていたわけで、課題山積み状態だったからこそ、打たなければならない手というのは容易に想像できた。

ジーコがやっていないことなど山ほどあったので、チーム力の上積みは可能だと思えた。(実際ジーコがその後上積みしたかどうかは置いておいて。)


オシムのアジアカップでの敗退もそうで、オシムがあの時点で、かなりポゼッションを重視した選手起用を行っていた。そして海外組の選手は高原と俊輔だけだった。ドリブラータイプの選手が少ない、速攻が上手く行かない、というのが問題点として見えていて、チームに欠けているアタッカーを融合させていけばチーム力は上がる、と推測できた。

事実としてその後のヨーロッパ遠征や親善試合では、田中達、大久保、松井、山瀬といったアタッカータイプの選手をチームに加え、シーズン最後のエジプト戦では1つの成果が見えたものである。



そして、岡田ジャパン。


選手起用に関してはどうか?


岡田ジャパンは、ダイレクトなサッカーをする選手を起用しながら、ポゼッション出来る選手をあとから加えていった。「攻め急いでボールが落ち着かない」という初期の問題に対して、一時外していた遠藤を再びチームの軸として起用する。そしてボランチには長谷部を使い。俊輔を入れる。そうして、ポゼッション出来る選手とダイレクトなプレーが得意な選手のバランスを取った。

ジーコと違い、若い選手の起用にも積極的だ。内田、長友、香川、岡崎。若い力をチームに加え、それぞれ課題はあろうが、主力として力を出せるレベルでチームに加わっている。

オシムと違い、海外組も、呼べるだけ呼んでいる。すでにチームへの合流を果たしている。


つまり、選手起用に関しては、既に手を打っている。選手のタイプも、選手の年齢層も、国内組も海外組も今のチームコンセプトに乗っ取って、バランス良く整えてしまっている。


チーム戦術に関しては上で触れたとおりだ。

「やりたいことは出来ている」と岡ちゃんがコメントしたが、それは事実だと思う。確かにやりたいことそれはピッチ上で表現されている。

つまり、戦術的な上積みは、これ以上は難しい、ということである。





繰り返すが、岡ちゃんは監督としての仕事をしっかりやっている。たしかにチームは悪くない。コレクティブに、ハードに戦えている。

しかし、結果としてはコンディションの悪い相手に、ホームでスコアレスドローである。試合は支配し、相手に何もさせなかったが、実際に決定的なチャンスは少なかった。チャンスになりかけても、ほとんどがその手前で跳ね返されてしまっていた。

「あとは精度を高めて行きたい」というコメントを試合後に多く見かけたが、それは個人の能力が伸びる、ということに期待するということと同義であり、簡単な話ではないだろう。



この試合の結果を受けて、岡田監督が解任される可能性はほぼ無くなった。ワールドカップの本大会にもほぼ間違いなく進めると思う。



しかし、その先で「世界を驚かせる」のが日本代表の目標ではなかったのか。

この先、チームの上積みというのはどういう方法でなされるのだろうか?

正直、僕には想像が付かない。




しつこいようだが、岡ちゃんはしっかりしたチーム作りをしている。皮肉にも、だからこそ、このチームの先に明るい未来が見えてこない、というのが僕の印象だ。


「世界を驚かせる」というい目標への道程は、深いモヤに包まれたままである。


そう感じた、オーストラリア戦だった。



posted by Lee |00:53 | 日本代表 | コメント(22) | トラックバック(1)
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