2010年03月04日

【日本VSバーレーン】結局、覆い隠される問題点

岡田ジャパンに関して、自分のブログで昔語ったことを改めて見返してみた。


最後のエントリーはこれである。


【オーストラリア戦】漂う閉塞感


これを書いたのがちょうど1年ぐらい前の話。


1年間を経て、何かを書こうとしても、この頃と同じようなことしか思いつかない。これは自分の表現力の限界なのか、岡田ジャパンが進歩していないということなのか。

まあ、もちろん前者の問題が大きいのは否定できまい。この1年ぐらい、代表をレポートしているライターさんたちが、停滞ムード漂う中、四苦八苦して読ませる文章を書いているということに関しては素直に敬服したい。やはり力のあるライターさんは仕事サボってブログ更新しているレベルのサラリーマンとはわけが違うのだ。


さて。バーレーン戦である。


東アジア選手権を含めた一連の試合の低調さは確かに酷いものだったが、今日は内容に関しては別に大きくケチをつける必要も無いだろう。練習試合として見れば何ら問題はない。岡田批判の流れは、とりあえず一段楽しそうだ。


この試合のポイントは大きく2点だったと思う。


■速攻から手早くゴール前まで進出するケースが増えた


ここ最近は単調なショートパス交換とサイドバックのオーバーラップぐらいしか見所が無かった日本の攻めだが、今日はともかく迫力を持ってゴール前に進出するシーンが多く見られた。迫力がある速い攻めを見せられるようになったのは本当に久しぶりだと思う。


・フィジカルコンディションの回復で、攻守の切り替えが早くなったこと

・合わせて、長い距離を走る選手が増えたこと


まあ、単純すぎるきらいはあるが、これが主要因だろう。シーズン開始前の体が重い状態で迎えていた東アジア選手権が低調になるのは当たり前。海外組の方が戦える体が整っている、ということだ。

ただ、もちろん相手の問題も大きい。バーレーンは、日本に中途半端にスペースを与えていた。特に前半に関しては、バーレーンのディフェンスはずっと混乱したままだった。ガチンコ勝負のアジアの場合は、あんなにスペースを与えてはくれないだろう。相手がそれなりにサッカーをしようとしてきたのは好都合だったと言える。




■本田がチームに溶け込んだ


1点取ったから言うわけではないが、少なくともピッチ上で何をしたらいいかわからずさまようようなことは無かった。これは本当に岡田ジャパンにとってはデカイことだと思う。

岡崎の起用は良いとして、ずっと岡ちゃんに重用されてきた玉田や大久保はちょっと難点があるプレーヤーだ。共にスピード・技術を併せ持ち、ドリブルで相手に仕掛けられる相手ではあるのだが、大久保はとにかくプレーセレクションが悪く、玉田を使うとゴール前での迫力がなくなってしまう。

今日の本田は必要な時に必要なプレーをしていたし、それで居てチームに埋没しすぎることも無かった。サイズあってフィジカルも強い。中盤では必要なプレーをしつつ、ゴール前で迫力を出す、ということで、サイドからのクロスをビッグチャンスに繋げることができたのも彼の功績。

このぎりぎりのタイミングでチームに溶け込んだだけでなく、ゴールも決めた。「救世主!」とか持ち上げる必要も無いが、岡田ジャパンの攻撃での課題を少しは解消するきっかけになるかもしれない。



総括すれば、バーレーン戦は良いテストマッチだったし、収穫があったと締めくくることが出来ると思う。



だが、である。



個人的には、岡田ジャパンの根本的な問題というのは、全く解決されていないように思う。

ここ最近は「得点力不足」とか「決定力不足」とかいうありきたりな語句で「それ」は覆い隠されていたわけだが、根本的な問題はそこではない。


色々言う人も居るが、岡田ジャパンのサッカーのコンセプトはハッキリしている。小さい展開で速いテンポのショートパスを連続交換し、サイドから仕掛けられる選手を重視する。そしてボールを奪われた後の攻守の切り替えを素早くし、前でプレスを掛けて再度奪い返すことを狙う。局地戦でショートパスを連続させることで狭いフィールドを作っているので、その後のプレスも掛かりやすい。かなり尖がったスタイルだ。

当然のことながら、中盤から前の選手にはハードワークが必要とされる。あれだけ素早い攻守の切り替えが出来るチームはなかなかあるまい。選手は相当に走っているし、ハードワークしている。これを徹底することが出来れば、オランダだろうが、デンマークだろうが、カメルーンだろうが、試合の主導権を握ることは可能だろう。



ただし、90分続けば。



これが厳しいのは、既にオランダ戦で証明されて居るだろう。メチャメチャに走ることで主導権を握り続けたが、結果は無残なものだった。70分間ハードワークを続けた日本代表は、のこり20分で3点を叩き込まれて粉砕された。


今日のバーレーン戦でも、それは出ている。明らかに選手は途中から疲れていた。セカンドボールを拾えなくなり、ゴール前の迫力は時間が経つに連れて失われていった。


「もっとメリハリをつける」というのが普通の考えなのだろうが、岡ちゃんはそう思っていない。オランダ戦の直後、彼はこう語っている。




――前半かなり激しい勢いで相手を追っていたが、どれくらいペースがもつかについては想定内だったのか?

 これはサッカーなので、その前にどこかで(先制点を)入れられていたらもっともたなかったと思いますし、コーナーキックのこぼれ球から点が入らなかったらもっともっていたかもしれないです。まあ、90分持たないということだけは、大体予想がついていました。

――あれくらい立ち上がりから飛ばすというのは、ペース配分に問題があるのではなく、あれを90分間続けないといけないということか?

 そうです。逆に言うと、それ以外にわれわれが、目標を達成する道はないと。あれではもたないから、戦い方を変えるのではなくて、もつようにする、それだけです。

※スポナビ会見より引用




岡ちゃんの言うとおり、90分間同じことをやり続けることが出来れば、ベスト4も夢ではないだろう。それは僕もそう思う。


でも本当にそれが出来るの?そりゃ無理でしょ?


というのが一番大きな岡田ジャパンの問題点なのだ。



本田が溶け込もうがなんだろうが、幾らいい形での攻めが出来ようが、この最大の問題点が解決するわけではない。上で「溶け込んだのはデカイ」と書いておいてなんだが、瑣末な問題とさえいえる。





さて。90分間、やり続けることは出来ますかね?





そこを問うのは当然だと思うのだが、その後の記者会見や専門誌の論調でもその手の質問が出ないのは不思議でしょうがない。あれだけ明白に監督が「90分間やり続けられるようにしないと目標達成は出来ない」と言い切っていたのだから。


岡田監督が続投・解任という議論には加わりたいとかは思わないが、どういう手段でそこを解決するのかだけはハッキリさせて欲しいと思う。

posted by Lee |00:10 | 日本代表 | コメント(3) | トラックバック(1)
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