2007年09月03日

「なぜ高木監督にチャンスを与えなかったのか聞きたい」 VS横浜FC戦



Q:前回、横浜FCと対戦したときと比べての印象は?

「私が言いたいのは、魔法を使える監督はいないということです。新しく来て、たった3日間くらいのトレーニングで大きくチームを変えられる監督はいません。横浜FCのフロントに質問ができるのなら、なぜ高木監督に、このチームでのチャンスを与えなかったのかということを聞いてみたい。

私は、自分の同業者である監督すべての人をリスペクートしています。高木監督にチャンスを与えてもよかったのではないかと、私は思うのですが。ただ、32年間、選手・監督としてやってきましたが、サッカーの世界ではどんなことでも起こりえるものです。監督という仕事は明日何が起きるかわかりません。私自身も、今日負けていたらクビになっていたおそれもあります。それがサッカーです」


J's Goal 横浜FC戦後の会見より

http://www.jsgoal.jp/news/00053000/00053922.html





横浜FC戦後のミシャの言葉である。サッカーマガジンで西部さんが取り上げそうな言葉だったりするので(笑)、発売前に僕が取り上げておくことにした。



チームにおいて、責任を取るのは監督だ。手駒がそろっていようが、そろっていなかろうが、いいサッカーをしていようが、していなかろうが。結果が伴わなければ解任になる。いや、結果が出ていても解任になることもある。カペッロのように。


高木監督は解任された。結果だけ見れば当然だろう。守りきれず、点も取れない。メンバー的に同情する面は多々ある。ただ、それだけの手腕を持っていなかったのも確かだ。守備を重視してJ2を戦い抜いてきたチームはJ1に上がってくると苦戦することが多い。解説者としてもJリーグをしっかり見てきた高木監督もそのことは分かっていたと思う。だが、そこを耐え抜く手段は持ち合わせていなかった。まだ2年目の監督にそこまで望むのは酷だろう。

後任はブラジル人。どういう意図を持って監督を連れてきたのかは正直、分からない。ひょっとしたらカズのオヤジのコネクションを使っているのかもしれない。ただ、どういう経緯にしろ、フロントがどういうビジョンを持って監督を変えているのかは傍目からは分からないのは確かだ。監督が交代した後、若手を抜擢するわけでもなくカズや山口が先発に復帰している。来年を見据えているわけではないようだ。


磐田のアジウソン監督は辞任した。辞任というか、実質上解任なんだろう。昨年から不安定な状態ながらも勝ち点を積み重ねてきた監督である。現在9位。それほど結果が出ていない、とは思えない状態ではあるが、現状では上積みは望めないという判断があったのだろう。来年新体制でいきなり臨むよりは、降格はほぼ無い状態で半年先にチーム作りを進めたほうがいい、という判断なのかもしれない。戦力が拮抗しているJリーグ。ちょっとしたことで残留争いに巻き込まれるのはよくあることだ。

後任は日本人コーチの昇格。磐田お得意のパターン。フロントとモメてチームを抜けた柳下さんがコーチに加わるということだ。ただ、以前と違い、中盤より前に頼れるベテラン選手はいない。ここから優勝争いできるようなチームが出来るかどうかは不透明だ。




メンバーから見れば、今のサンフレッチェの順位は納得はいかない。決定力のある2トップと、日本最高峰のサイドプレイヤー駒野がいる。中盤には年度別代表の主力がいる。GKも最高水準の選手がゴールマウスにはいる。(DFは・・・まあ置いておこう。)失点はリーグトップ。一試合あたり2点以上失っているような状態では普通勝てない。

今ミシャを代えることは絶対に反対である。チームにいい影響があるわけもないし、それによってどれだけのことが改善されるのかがかなり不透明だ。チームの方向性も間違っているわけじゃない。蹴ってカウンターが出来るほどディフェンス力があるチームではなく、ユースだって技術がある選手を育てているのだから、この路線は当たり前だ。

また、明らかにミシャはロマンチストだが、昨年見せたように、切羽詰った状況になったらゾーンを下げて対応するようなリアリストとしての一面も見せている。ただ、その時でさえメンバーを大きく変えなかった。選手に責任を取らせるようなマネは基本的にしない男だ。腹が据わった監督だと思う。





横浜FC戦はギリギリの戦いだった。そもそも移動で体力的に厳しい。7日間で3試合。その間、横浜→広島→横浜という移動。代表勢を大量に抱える中盤は明らかに疲弊し、ウェズレイも2試合に出ることが出来なかった。

そういうギリギリの中、最低限のチューニングでミシャは望んだ。ウェズレイの復帰で外れたのは槙野。高さが無い相手に対して槙野を外した。この試合では、戸田やストヤノフの経験値を頼りにした。そして、昨年のようにゾーンを下げて対応した。まず失点を防いで、決定力のあるツートップに頼る。昨年後半の戦い方と同じである。

「横浜FCが内容的に圧倒した」というようなレビューがJ's Goalに載っていた。別に間違ったことを言っているわけではないが、結局シュート数でも決定機の数でも負けている。ボールを保持した後どう崩すかということが最大の課題で、これを成し遂げるには3日間どころか1年あっても難しいのだ。


ミシャは現状に合わせて、負けてはならない試合を拾った。必要な勝ち点はあと7~8というところだろう。入れ替え戦までは有り得るかもしれないが、本当に勝ち点が必要な試合ではリアリストとしての1面を出して勝ち点を取りに行くだろう。残留に関しては目処が立ったと言える。



ただ、来年もミシャなのかどうかということに関してはまだなんともいえない。チームがやや閉塞感を見せている事も確かだ。育成路線に納得してチームを継続的に強化できる監督がいるかどうか、チームに上積みが見込めるかどうか。総合的に判断する問題だと思う。少なくとも、早々に契約延長を決め、結局シーズン後半からあった危うさを次シーズンまで持ち越してしまった小野体制の二の舞は避けなくてはならない。


個人的意見で言えば、僕はまだミシャがやるべきだと思っている。そもそも選手層の薄い広島にとって、このスケジュールは厳しすぎる。ナビスコを戦い、さらにリーグ戦は1週間早く再開している。アウェーでは長距離移動を強いられる地の不利もある。それなりに未来を見させるサッカーは目指しているだけに、なるべくいい結果を出して来年も指揮を取って欲しいものだ。





もちろん、クビになってもミシャは上のような不利に関して泣き言など言わないだろう。


ただ一言。


「監督という仕事は明日何が起きるかわかりません。それがサッカーです」


と言うだけで。

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posted by Lee |16:45 | サンフレッチェ | コメント(5) | トラックバック(0)
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