2007年07月31日
サイドバックの憂鬱
僕は中学のとき中盤をやっていたが、高校になってから、自分で志願してサイドバックに転向した。当時バイエルンミュンヘンに居たジョルジーニョにあこがれていたからだ。 Bチーム(いわゆる2軍)だったので、特にコーチから何か言われることもなかったが、練習が終わった後、センタリングの練習をひたすらしていたのを覚えている。落ちるボール、早いボール、ストレート系のボール。おかげで現役を引退して10年もたつ今でも、クロスの精度には悪くないんじゃないかと思っている。 何が言いたいのかというと、別にクロス精度がいいとかいうしょっぱいプチ自慢をしたいわけではなく、僕はサイドバックというポジションにちょっとした思い入れを持っている、ということを言いたいのだ。 そんな僕からすると、現在の日本代表の両翼、加地と駒野に対する世間的な評価は不当に低く感じるのだ。 もちろん2人がパーフェクトな選手だというつもりも無いが、どういうわけか、このポジションに対しては皆『分かりやすいパーフェクトなプレー』を求める。ドリブルで相手を抜き去り、ピンポイントでクロスを入れて、守備でも相手の危険なサイドアタッカーを完封しない限りは評価されない。激しいアップダウンを繰り返すことで中盤をサポートしようが、適切なパス出しでポゼッションにしっかり絡もうが、評価されることは無い。 まあ、別にそれはいい。黒子は黒子で結構である。だが、この2人に対する風当たりはやっぱり異常だと思う。 4バックを勤める上で、サイドバックは重要だ。当然、まず守備が出来ることが基本となる。そして90分上下動を繰り返すスタミナ。そしてパスの選択も重要だ。まず斜め前の選手。そして次は縦の選手。そして横、最後はバックパス。この判断が誤っていると上手くボールを運べない。そして、クロスと突破力が加わってくる。 加地と駒野は、日本人では紛れも無く屈指のサイドバックだ。トータルバランスとしてこの2人を超える人間は居ない。少なくとも現状はそうだし、今後も簡単にこの状況を突き崩せるほどの選手は見当たらない。下のカテゴリーにもそうは居ない。(バックアッパーとしては別だ。) 「突破できない」というような意見も良く聞くが、ああいうスペースの消され方をされていると仕方が無い。深い位置で1対1になるケースは少なかったし、駒野は言われているほど仕掛けていなかったとも思わない。加地はフォローが少なかったのが仕事を難しくしていた。 彼らが「ダメ」ならやり方を代えるしかない。3バックだ。アウトサイドなら人材はいる。ただし、その場合は好選手がそろう日本のミッドフィールドから誰かを削る必要がある。そうするべきだとは思わない。豊富な中盤のコマを生かすためにも4バックにすべきだと思うし、彼らがそこまで言われるほどダメだったとも思わない。最低限の仕事はしている。 ちょっと話が横道にズレて来たが、あのクソ熱い気候のハードなスケジュールの中でほとんど出ずっぱりでアップダウンしなければならない2人に対する評価は本当に不当だと僕は思う。もうちょっと分かりやすいところ以外も見てあげられないものかと。 まあ、もちろんサイドバック出身としての身びいきも込みなんだけど。
こっからはメチャクチャ書きます。
なんでかというと、今しがた読んだサッカーマガジンの後藤氏のコメントにメチャクチャ腹が立ったからです。
彼はこう言う。
「駒野も加地も守備が弱い」
「クロスもあわない。どうせ攻撃面で貢献できないなら守れる選手を初めから使ったほうがいい」
「サイドバックなら、下からの世代で家長、本田、中村北斗というあたりが成長すれば上がってくるだろう」
ふざけんな、と思う。
別に加地も駒野も守備が苦手な選手ではない。初めのコメントは、結局日本代表のやり方がリスクを負っていることを指摘しないのはおかしい。両サイドバックは攻撃時に共に高い位置を取り、カウンターの時には中澤・阿部・鈴木の3人で対応するというリスクを負ったやり方だ。そこから戻って真っ先に守備をしなければならないのはこの2人だ。そういう側面を無視して「守備が弱い」と断定するのはいかがなものか?しかも別段この2人がやられまくってサイドからピンチを招いていたわけでもない。失敗した印象的なプレーが合ったのかもしれないが、大会通して守備力の欠如が見受けられたとは思わない。(別段守備が良かったというつもりも当然無いが。)
クロスが合わないはその通りだが、だから守備が出来る選手を入れろという言い方はおかしい。オシムのやり方をそのままでサイドバックにストッパータイプの選手を入れても解決しない。坪井や今野を入れても同じだろう。長い距離を駆け上がって攻撃に参加し、守備時には長い距離を戻って守備をする。共にハイレベルの仕事をこなさなくてはならないのだから2人のスペシャリストをチョイスしてるのだ。攻撃参加しなくていいというのならオシムサッカーへの否定なので、やり方そのものから非難すべきだ。
最後のはバカバカしくて突っ込む気もしない。百歩譲って内田や安田を入れてくるならまだ許すが、なんだこの人選は?本当にこのチームのサイドバックとして機能するメンバーと考えているのか?どこまで成長すればオシムジャパンのサイドバック足りえるというのだろうか?根拠を示してもらわなければまったく納得できない。
世の中のサッカー少年たちに忠告しておく。こんな不当な評価を受けるサイドバックは絶対やるな。キツイだけで報われない。
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posted by Lee |17:26 |
雑談 |
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