2008年03月01日
書いていて全然気持ちよさが無いこのシリーズもいよいよ最後です。
もっと書くことあったんですが、書いてるうちにテンション下がってきてしまうんですよね、コレ・・・。
例えば
その5 更新されない携帯サイト
とか。タイトルだけで丸分かりですね。あの運営はありえないでしょう。まあいいや。
というわけで以前のエントリーはこちら。
サンフレッチェ降格の理由 その1 3ヵ年計画の罠
サンフレッチェ降格の理由 その2 「取られないクラブ」の姿は正しいか?
サンフレッチェ降格の理由 その3 ユースはなぜ「4-3-3」なのか
何度も何度も書いていますが、広島は「育成型クラブ」のはずです。
育成型クラブと聞くと、なんだかすごく聞こえがいいですよね。巨人やレッズだと「強奪」とか「金満」とか色々言われてあれですが、なんとなく「清貧」のイメージがあるからでしょうか。
しかし、一見聞こえが良い「育成クラブ」には、一つの足枷があるのです。
それは
「勝利をサポーターに約束していない」
ということです。
この話は結論として初めから考えていたものですが、既に「その2」のhさんのコメントでその話がズバリと触れられてしまって思わず唸ったものです。鋭い。ここに転載しておきます。
とすると管理人さんは育てて売るわかりやすい育成型の千葉の姿勢は正しいと思われますか?
欧州のような格差のあるリーグになって欲しい(=ビッククラブないしそれに準ずるクラブが生まれて欲しい)という意見と、そうでないJ独特の戦力均衡型のリーグのままでいて欲しいという意見が混在してる気がする。千葉の騒動を見てると特に。
ビッグクラブないしそれに準ずるクラブが生まれて欲しいと言いながら、毎年のように主力が流出する千葉を批判する意見ってありますよね。売るチームがないと大型補強なんてできないのに。あるいは千葉にビッグクラブを目指せと言っているのか。
今後の千葉と広島はJが“どちらになるのか”の一つの計りになるんじゃないでしょうか。
広島は育成型クラブである以上、「育てて売る」は避けられない道のはずなのです。これを避けて赤字を重ねるのが正しいのか、というのは「その2」で触れました。
既にJリーグではこのヒエラルキーが見えつつあります。資金力があるクラブは選手を買うことが出来、それで選手層を厚くし、長いシーズンを乗り切るだけの体力をつけようとしている。
こういうクラブに広島が「継続的に」対抗するのはほぼ無理です。「3年で優勝」とか、はっきり言って寝言。つまり、「育成型」クラブということは、「優勝は無理ですよ」と言っているも同然(いや、「同然」でなければならないのに、そうしていない歪があるのが広島)なのです。
もちろん、僕のような既にサンフレッチェに毒されている人間はそれでもいいでしょう。若手が次々に出てきて、活躍する。育ったら、広島を巣立っていく。そして、そのサイクルが上手くかみ合ったときや、外国人選手が「アタリ」だった時に、優勝争いでもしてくれればいい。エレベータークラブであったとしても、そういうサイクルでサッカーライフを楽しめばいい。
しかし、それでクラブが継続して運営出来るほど、広島は甘いとは思いません。
「サンフレッチェのサポーターだと恥ずかしいという思いがある」
とあるサポーターの魂の叫び。フロントはコレをどのように捉えたでしょうか。
観客動員が最低クラスの広島。動員に苦労する理由は色々あるでしょうが、結局チームに対して地元民が大きい魅力を感じていないということにとにかく尽きると思います。広島にはカープがある。カープにはロイヤリティを持っている人々は多いでしょう。カープがいくら優勝できなかったとしてもやはり「カープ」はそこにある。
サンフレッチェはそこまで行き着いていない。行き着いていないのに、勝利が約束されない「育成型」クラブであろうとしています。「勝たないと客を呼べないと言っているようではダメ」と某クラブの幹部はおっしゃっていたようですが、負け続けても来るという方が基本的には異常。誰がわざわざビッグアーチくんだりまで行って負け試合を見たいというのか。一般人の観客からすればありえないことです。
広島の動員は、わざわざビッグアーチまでやって来てくれる、貴重なサポーターたちに支えられています。しかし、今年のシーズンパスは値上げ。客単価を上げることで凌ごうとしているんでしょうか。もし、彼らがサンフレッチェを見放してしまったら、いったいどうなるのか。フロントは彼らは考えているのでしょうか?
育成型クラブを目指す。それはいいでしょう。優秀なユース組織は既に存在する。
しかし、そうならば前提となる条件はしっかりクリアして行かなければなりません。今までのエントリーで述べたこともまとめて総論とするならば以下のようになります。
・育成クラブであることを前提に、目標設定をすべし。
・選手は「財産」。ダブつかせてはならない。売り時を誤ってはならない。
・ユースとトップチームのコンセプトの乖離を埋めるべし。
そして、このエントリーで言いたかったことを付け加えておきましょう。
・「育成型クラブ」であることを理解し、愛してくれるサポーターを獲得すべし。
育成型クラブを目指す以上、これは最も大事で、かつ最も困難な道のりだと思われます。
しかし、経営陣はここから逃れてはいけない。
「どうせ客は来ないし」
というような諦めが見えるような活動をしてはならない。
観客動員に関しては、課題は色々と山積みでしょう。その中でも最も優先順位が高い対策をするべきです。
それはなにか。
やはりビッグアーチの問題だと個人的には思います。
特に立地が悪いことは致命的な問題です。気軽に来れるような場所に無い限りは「本気で応援したい」とか「勝ち試合を見に行きたい」というような強いモチベーションが無い限りは難しいでしょう。勝ちが約束されない「育成型クラブ」にとって、「スタジアムが遠い」というのは最も問題があることだと思うのです。
様々な計画があり、厳しい道のりなのは理解します。しかし、サンフレッチェのフロント陣には、ビッグアーチの問題に対する本気の取り組みを見せて欲しいと切に願います。
2回目の降格を経て、感じていたことをとりあえずシリーズとして書き終えました。まだまだ書き足りないことや、文章として見返すと甘いこともありますが、強く思ったことの骨子は書き終えたつもりです。この長文の連発を最後まで読んでくださった方、ご拝読ありがとうございました。もう2度とこのようなことを書かずに済むことを願っておりますが、どうなることやら。ま、広島が消滅しなければ、僕はなんでもいいっちゃいいんですが。
さ、明日はゼロックス見に行くぞっと。久保でるかなあ。
posted by Lee |01:29 |
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2008年03月01日
このシリーズを書き終わらないと、安心してゼロックスを迎えられません。
まさかここまで伸ばし伸ばしにしてしまうとは・・・。
仕事を真面目にやりすぎたツケが来たな。
というわけで以前のエントリーはこちらになります。
ご参考までに。
サンフレッチェ降格の理由 その1 3ヵ年計画の罠
サンフレッチェ降格の理由 その2 「取られないクラブ」の姿は正しいか?
さて、何度も述べているように広島は育成型のチームです。
優秀なユースチームを抱え、最近は中学時代からサンフレッチェ関連のユース出身の選手も増えてきました。そしてそれを生かしきれていないという現状があることはなんとなくご理解いただけたかと思います。
そして、なぜユースが生かしきれないか、ということについて、もう一つ提起しておかなければならないことがあります。
ユースチームとトップチームの『方向のズレ』についてです。
近年のサンフレッチェユースは、4-3-3のシステムを取っています。これはWiki等の情報によると、ヴァレリー時代にトップチームが採用しようとしていたシステムを導入したものがベースとなっているようです。
広島のことをご存じない方のために、ヴァレリーについて少し解説しておきます。
ヴァレリー・ニポムニシ。
広島サポなら色々な意味で忘れられない名前です。1シーズンの指揮ながら、その超攻撃的なスタイルは他のJリーグチームからも注目を集めるほどでした。一説には現柏レイソルの石崎さんにも影響を与えたといわれています。
3トップというと、いわゆるウィングプレイヤーを置いたオーソドックスなものしか想像できませんでしたが、彼の3トップは3人がそれぞれセンターFW的な動きをするというもの。さらに、構想ではオフェンシブハーフをそこに2枚配置するというものでした(結局守備が完全崩壊してしまったので、4-1-2-3システムを取る事はほとんどありませんでしたが)。
今でこそ4-1-2-3システムは、さほど異形のシステムとも思われないでしょう。バルサなどもこの形ですし。しかし、当時のサッカーの常識からは大きくかけ離れたリスクのあるシステムということで、にわかには受け入れられませんでした。
ヴァレリーの考えとしては、DFラインを下げず、3トップ+オフェンシブハーフを2枚にして前から圧力をかけてボールを奪ってしまおうという考えだったと思うのですが、トップチームでは様々な事情もあって機能しなかった、ということが言えると思います。
結局1シーズンでヴァレリーは裏切るような形でチームを去り、翌年、広島は降格の憂き目に合うわけですが、それはまた別のお話。
ともかく、ユースの4-3-3はヴァレリーの影響から来ているものなわけです。ヴァレリーがそのままチームを率いているのであれば、ユースのあり方としては非常に理想的なものと言えるでしょう。下部組織からいきなりトップチームに上げても活躍するということがあったかもしれません。
では、その後の指導者たちとの兼ね合いはどうでしょうか。
ガジエフは論外として、小野さんとミシャについて。
小野さんは就任直後は4-3-3をしていました。これはヴァレリーがやろうとしていた3トップに割り合い近いものです。しかし、この年はJ2で壁にぶち当たり、駒野の離脱もあって4バックをあきらめざるを得ませんでした。
しかし、その後、壁にぶち当たるごとに小野さんは4-3-3からシステムを変えることでひたすら凌いできました。最終的にはフラットな4-4-2の構築に失敗してチームを去ります。
ただ、システムはまだしも小野さんのサッカーはガチガチのシステマチックなサッカーで、自由度の高いユースやヴァレリーのやり方とは、フォーメーション云々よりも根本的な部分での違いがありすぎました。だから優秀なユース黄金年代の選手たちが小野さんの下では碌に活躍できなかったのはこの所以があるでしょう。
ミシャはコンセプトレベルでは、パスワークと個人のアイディアを重視するスタイルの監督で、それはチームに見合っていると思われます。だから基本的には、彼は広島に合っている監督だとは思います。
しかし、彼が使っているシステムは、ご存知の通り3-5-2。4-3-3とは共通点が非常に少ないやり方をしています。果たしてこれは効率が良いことなのでしょうか。
広島のサッカーとは何か。僕はそこまでユースを見ているわけではありませんが、「攻撃的」「パスワーク」「ハードワーク」という言葉が出てくるかもしれませんね。しかし、ミシャが登場するまでの間、ヴァレリーの期間を除けば「堅守の広島」というイメージのほうが圧倒的に強いでしょう。
育成型クラブを目指すのであれば、トップチームからユースチームまで、同じコンセプトでチームが貫かれているほうが明らかに都合が良い。それは監督を選ぶ基準としても採用されなければならないはずですが、広島においてはそういう形跡が無い。そこにあまりの乖離があるようならば最悪です。育成型チームにとっては「財産」であるはずの手塩に掛けて育ててきた選手たちが生かされないという可能性があるのですから。
まだ歴史が浅いJリーグの中では「クラブカラー」というものはしっかり確立したとはまだ言えません。それでもいくつかのチームでは、既に「色」は塗られている。鹿島は典型です。ひょっとしたら塗られているがペンキが乾いていないだけというものなのかもしれません。
広島はどのような「色」を塗るべきなのか。それは誰が決めるものなのか。そういう立場にあるべき人が誰なのかは分かりません。しかしそういうことをせずにユースはユースのコンセプトで選手を育て、トップは良く分からない基準で監督を選ぶ、という乖離現象を起こしてしまうようでは、育成型クラブとして効率よく選手を育てて安定したチーム作りをすることなどは到底望めないでしょう。
しかし、チームコンセプトに合う監督など、都合良く見つかるものなのだろうか、という疑問も沸いてきます。
一つ、良い思い付きがあります。ヒントは、松田浩、小林伸二、バクスター。
分かりますか?言いたいこと。
誰かに『バクスター』になって欲しいということです。それが誰かというのは色々とアレなんで、書くのは止めておきますが。
posted by Lee |00:19 |
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2008年01月22日
監督が変っても右サイドをやらせてもらえない駒野に合掌。
さて。
ジェフには昔からなにかしらの親近感を抱いています。いいサッカーをしていてもサンフレッチェには負けてくれていたからかもしれませんし、不人気チームでユース昇格組みが多いく、成績的にはイマイチ(オシム以前の話ですよ?)というちょっと似たもの同士というイメージがあったせいかもしれません。
しかし、ジェフとサンフレッチェには決定的な違いがあります。
それはジェフは「取られるクラブ」であり、サンフレッチェは「取られないクラブ」である、ということです。
今回の大量流出はあまりに気の毒な話ですが、ジェフは毎年のように主力クラスの流出が続いています。先シーズンを除けば下位に低迷していたわけでもないにもかかわらず、です。サンフレッチェはというと、瞬間的に上位につける事はあったにしても、総じて残留争いから抜け出せないクラブ。それどころか2002年に引き続き、2007年にも降格をしてしまっているクラブです。しかし、戦力外以外での主力の放出というのは久保と駒野ぐらいのものです(藤本と闘莉王は当時の主力ではありません)。
なぜサンフから流出が少ないのかは分かりません。こればっかりは選手に聞いてみるしかないですが、少なくとも選手からの「満足度」が低くはない、ということは言えるのでしょう。広島の地理的な問題なんかもあるかもしれない。これが関東のクラブだったらまた事情が違うかもしれません。
では、「取られない」サンフレッチェは「良いクラブ」と言えるのでしょうか?
前述したように、広島にいる選手の「満足度」は低くはない、と思われます。優勝を狙えるようなクラブでもなく、客の入りも悪く、練習場はめっちゃ遠いのに?
上は環境的な要因ですが、最もストレートに選手に響くものは年俸です。しかし、オフのとき、選手が年俸で揉めたという話をあまり聞いたことがありません。財務的に苦しいはずで、優勝争いなどついぞしたことがないクラブなのに?
この現状を見て言えることは「広島は(主力メンバーにとっては)ぬるま湯」である、ということだと思っています。
断っておきますが、僕はサンフレッチェに所属している選手たちに思い入れや愛情を持っているつもりです。曲がりなりにもサポだから。だからマイナス面が見えようが応援する。でもフロントがそれで本当にいいんでしょうか。
カズや浩司は確かにチームの顔でしょう。しかし残念ながら彼らはチームを引っ張っていない。ずっと前からそういう存在でなければならなかったはずなのに。メンタルヘルスの問題でチームを長期間離れることすらありました。下田は今シーズン大量失点を食い止めることは出来ませんでした。彼の責任だとは言い切れませんが、怪我をしてからはトップパフォーマンスでないことは明らかです。今シーズンようやく途切れましたが、服部はフルタイムの連続試合出場を続けていました。どんどんプレーが悪くなっているに。特に今シーズンは左サイドははっきり言って「穴」だったと思います。でも、彼らが揉めたなんて話を聞いたことがない。
今シーズンデオデオから第三者割当増資で5億円を受けて、債務超過を回避しているような状態なのに?
なにかがおかしい。
サンフレッチェの目指すところは「育成型クラブ」のはずです。大きな収入源があるようなクラブであれば、育成にこだわる必要はない。育成せねばならないのはカネが無いからであり、つまり選手は広島にとっては資産そのものだと言えるわけです。特にJリーグ内の移籍であれば移籍金は必ず得ることが出来る。苦しい台所ならば、これは利用しなければならないもののはずです。しかし、現実には2回の降格にもかかわらず、選手を繋ぎとめて赤字を拡大させている。
今シーズン選手を引き止めたことを非難はしません。なぜなら、前回のエントリーで述べたように、広島は育成に「失敗」しています。故にカズや浩司の下にはもう既に北京世代の選手しかいないような状態です。これではあまりに若すぎますし、昇格は困難です。
しかしそれであってもミッドフィールドはすでにダブつき気味。カズ、浩司、陽介、アオ、くわ田、高萩、高柳。これにルーキーが加わります。下からは岡本君も上がってくるでしょう。今はダメであっても、1、2年後には必ず「整理」しなければならない時がある。そういうときに冷静でシビアな判断が出来るのか、どうか。クラブにとってもっとも「得」な選択肢を選ぶことが出来るのかどうか?
もちろん選手が出て行くことなんてホントは推奨したくありません。しかし、「取られないクラブ」であるサンフレッチェの現状が正常な姿であるとは全く思えないのです。
デオデオがコケたら皆コケた、となってしまっては誰もが困るのですから。
まだ何回か続きます。
posted by Lee |23:44 |
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2008年01月19日
いまだに久保以外に補強の話がはっきり出てこないのが気がかりな毎日でありますな。
今日は、降格が決まってから、「天皇杯が終わったら書こう」と思いつつも、決勝まで来てしまったためについ書きそびれたことを書いていきたいと思います。
繰り返すのもアレながら、サンフレッチェ広島は今シーズン、J2に降格してしまいました。
なぜ、広島は落ちたのか。
もちろん、現場責任者である監督の責任は大ですし、采配や起用がナットクがいかないことが多かった。相も変わらず「コミュニケーション不足」だとか言っている選手たちにも当然原因があるでしょう。また、その後中国新聞あたりから聞こえてくるようなフロントの「怠慢」としか言いようが無い姿勢も大きい責任があると言えます。
しかし、僕のブログにコメントをくれたどなたかも言われていたように、広島はほぼ毎年のように降格争いをしています。以前の降格の前からそうです。決してメンバーが居なかったわけではありません。各カテゴリーの代表クラスを抱えながらも、成績は一向に上がらない。つまり、「サンフレッチェ広島」というクラブそのものがなにかしらの大きい課題を抱えているということが言えるわけです。
低迷する原因はなんなのか。僕はその要因を「クラブのコンセプトの欠如、あるいはコンセプトからの乖離」だと考えています。
ここでいう「クラブのコンセプト」とは言うまでも無く、「サンフレッチェはどうあるべきか?」という形のことであります。
「でも広島って育成型クラブでしょ?むしろはっきりしてるんじゃない?」
と思われる方は多いでしょう。
そうなのです。外から見れば、サンフレッチェは優秀なユース組織を持つ「育成型クラブ」です。これは間違いない。ですが、最大の問題点は、「育成型クラブ」であるということとは全くそぐわないクラブ運営がなされていることだと思うのです。
話は前回降格時にさかのぼります。
当時の小野監督とフロントは、「3ヵ年計画」の声明を発表します。1年でJ1に復帰し、2年目は中位を狙い、3年目には優勝争いをするという中期計画でした。
まあ、いいでしょう。実際に優勝するというのは簡単なことではありませんが、目標を高くすることは間違っていることではありません。当時の広島にはいい若手の選手もいましたし、ユースは黄金期を迎えていました。彼らが育っていけば昇格は出来るだろうし、いずれJ1で上位に食い込んでいくことも可能かもしれない、と自分としては思っていました。
ところが、小野さんはそう考えては居なかった。ある意味、まっとうに「優勝しよう」と思っていたのです。
上のような目標を真正面からやりきるには何が必要か。当然「補強」です。3年で優勝しなければならない。1年でJ1に絶対に返り咲かなければならない。当然、育成<補強になる。小野監督が選んだ道はまさにこれでした。広島は決して財政的に裕福なクラブではないにもかかわらず。
1年目は、まだいいでしょう。J1昇格の命題を成し遂げるためには確かに必要な補強もあったでしょう。特に外国人選手に関しては優秀な選手を揃える必要がある。しかし、結局そこで取った日本人選手たちはどうであったか。現在までクラブに残っている選手は一人としていません。「活躍した」と胸を張っていえるほどの選手はいたでしょうか。補強した井川はまだ出番があったほうですが、2年にはとたんに出番を失っています。本人の問題もあるでしょうが、果たして補強をする意味があったのか?茂木や高橋、山形や大久保、松下や八田。彼らを育てるという選択肢はなかったのか?
2年目。上村や桑原といったベテランを放出します。若手に切り替えるのかと思いきや、それに変わるように小村、吉田、外池といったベテラン選手の補強を敢行。かなり僕としては謎の補強でしたが、とはいえ、主力の離脱で2種登録のユース選手の出番が増え、リーグ終盤には前田俊介も初ゴール。広島の未来は見えてきたかと思われました。
そして3年目。「まっとう」に3ヵ年計画を遂行しようとしていたサンフレッチェは大型補強に打って出ます。寿人、池田、茂原、ガウボン、ジニーニョ。ジニーニョを中心とした守備力でリーグ中盤には上位に浮上しますが、終盤には完全に失速して、7位。試合内容から見て、この年で契約が終わるかと思われましたが、結局続投となり、また戸田や上野といった補強をしつつも・・・というのは蛇足の話になってしまうので避けましょう。
この、クラブの形態にそぐわない3ヵ年計画は何をもたらしたか。
補強による赤字。そして育て切れなかった若手の流出です。
前述のとおり、広島には優秀なユース組織があるだけでなく、スカウト網も決して悪かったわけではありません。高校生を中心にユース世代の代表クラスの選手をチームに迎え入れています。にもかかわらず、彼らを我慢して育てることより補強する道を選んだ。しかも広島は決して資金があるほうではないため、中途半端な補強をしては、そのおかげで若手は育たない上に、結局そういう選手は主力にならないという結果を生んでしまっています。
降格した年から、小野監督が離脱するまでの間、結局外国人選手以外の主力メンバーはほとんど変わりませんでした。森崎兄弟、駒野、服部の両翼、そして下田と大木。これに加わるのは結局お金を出して獲得した寿人だけです。クラブの体制とやり方がまったくマッチしていなかったのは明白だと思われます。
育てながら戦うということは大変なことです。育てながら勝つということはさらに厳しく、育てながら優勝する、というのは不可能事に近い。ステージ制だった以前であれば、勢いでどちらかのステージを制する可能性はまだあったと思いますが、すでに1シーズン制に移行していることを考えればトータルの力が試されるます。レッズすら固定メンバーで戦ったツケを払わされている。優勝へのハードルは当時よりも高まっているということが言えます。
今回の降格を受けて、また3ヵ年計画的な発言がクラブ関係者から出てきています。それはまあいいでしょう。しかし、やり方はあくまでサンフレッチェはどうあるべきなのか、ということに沿ったもので無ければなりません。それが出来ないならば「優勝争い」というようなことは目標とすべきではないと思うのです。
このシリーズはまだ続きます。
posted by Lee |02:30 |
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