2008年12月26日
スポナビをぼんやり見ていたときにハッケンしたエントリーがこちら。
ベッカムのクロスはなぜ良いのか?
ちょっとこういう噛み付き方をするのはどうか、と思ったんですが、僕は前にも書いたとおり、サイドバック出身だったりするので、クロスにはこだわりがあるのですね。ということで書いちゃいます。
■ベッカムのクロスはなぜ凄いのか?
このブログによると、ベッカムのクロスとは
「弾道が高く、鋭く落ちてくるので良い」
ということになっています。
僕の意見は違います。
彼のクロスの凄さはそのボールの「スピード」と「横の曲がり」にあると思っています。
■アーリークロスに必要なこと
キックの化け物、ベッカムの代名詞といえばアーリークロスです。
アーリークロスで絶対に必要な条件は、
・GKとDFの間を狙って蹴ること
になります。
DFは戻りながらで対応しづらく、GKは出づらい。そういうコースに蹴る必要がまず大前提です。
そして、この場合、クロスにはスピードが必要になります。スピードが無いクロスを蹴ってしまった場合にはDFに対応の時間を与えてしまうし、なによりも高いボールを蹴ってしまうとGKが有利になってしまう。
まず、ベッカムのクロスはそこが抜群です。まずスピードがあるボールを正確に蹴ることが出来る。スピードがあるクロスはもう1つ作用があり、速いボールをダイレクトシュートすれば当然シュートも早くなるわけで、「触れば1点」という状態を作ることが出来るわけです。まずそれが凄さの1点目。
2点目の横の曲がりについては、良いアーリークロスを上げるための二つ目の条件です。DFに引っかからずに裏のスペースに出すためにも横に曲がってくることは重要ですし、なによりもあの速さで横に曲がってくることでGKの飛び出しを無力化する。
言葉にすれば簡単ですが、速くて曲がるボールを蹴るのは相当難しい。それを可能にしているのが、彼のキックの仕方になります。
■ベッカムのクロスの蹴り方
ベッカムはインサイドでボールを擦り上げるように蹴っている
とありますが、これにも僕は異を唱えたい。どんなキックでも、擦るように蹴った場合には普通は速度が落ちてしまいます。キックのパワーがダイレクトにボールに伝わらず、回転に掛かってしまうから。
ではどのような表現がふさわしいのか。
・インテップの足の振りで、インサイドで蹴ってくる
というのがベッカムのクロスの蹴り方です。
踏み込み方や足の振りはインステップキックに近い。けれど足首の角度だけが違う。この蹴り方で蹴ってみると、ボールスピードはありながら、鋭く横回転が掛かるボールを蹴ることが可能です。
日本人でもこういうキックをする人はたまに居ます。佐藤由紀彦がすごく近い。彼も素晴らしいアーリークロスを蹴ってくる選手ですね。最近はFKを蹴りませんが、レッズの阿部もこんな蹴り方をしていたように思います。
だけど、コレをやると内腿が凄い張ります。マジで。内腿の筋肉がすごく強い人じゃないと絶対無理。しかも強いボールを蹴りたいとどうしても力んでしまうものなのでミスも多いし。
そして、このキックはスピードがあるのであまり落ちません。なのでベッカムはPAのすぐ外、みたいな近い距離のFKよりも、少しゴールから離れたほうが成功率が高い。近い距離ならばもっとスピードよりもスピンを重視したキックをする選手のほうが得意でしょう。
色々反論っぽいことを書いてしまいましたが、日本人のキックに多彩さが足りない、という指摘は同意です。例えば右サイドバックと言えばいまや日本代表不動のレギュラーの内田ですが、やっぱりクロスの蹴りわけという意味では不満がありますしね。駒野は結構持ってますが。
ということで色々な選手の蹴り方を真似しながら、ああでもないこうでもないとクロスの練習をしていた学生の頃を思い出しながら、のエントリーでありました。
posted by Lee |18:40 |
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2008年12月17日
いわずとしれたバロンドーラー、クリスティアーノ・ロナウド。
名実ともに「世界最高の選手たち」の一員に名実共になったわけですが・・・
近年、個人的にここまで「納得のいかねー」要素を詰め込んだ選手は居ません。
■「魅せる足技」が許せん
現役時代サイドバックだった僕にとっては、ドリブラーと対峙することは避けて通れない道だったわけですが、これは逆に結構試合での楽しみだったりするのですよ。
スピードで来るヤツ、柔らかいテクニックで来るヤツ、キュンキュン系のやつ。相手がムチャクチャ上手くて、切り替えしで弄ばれた時には逆に爽快感を感じたりするというマゾ的喜びもあったりするわけなんですが、唯一頭にくるタイプだったのは、「小賢しい足技使うヤツ」。
これが別に対して上手くないヤツ相手であれば、冷笑しながらあっさりボールをカットしてしまえば済む話なのですが、上手いヤツの場合は大問題。ボールを取れない上に技を見せ付けられるので、もう腹が立ってしょうがない。まあ、草サッカーレベルならば大体この手のタイプはスピードがないので、コネコネしているのをイライラしながら生暖かく見守れば良いわけですが・・・
クリロナの最悪なところは、そもそも速くてフィジカルが強いところ。
小細工見せられた上にぶっちぎられたりするわけですから、マジでタチが悪い。
しかも抜き方的にもあんまりフェイント関係ないし。
「オマエ、そんなことしなくても抜けるだろ!!コラァ!!」
と、スパサカだのやべっちだのを見るとつい声を上げてしまう。
これは、ヘボDFとしての魂の叫びであります。
というわけで、
↓↓↓↓
「確かにロナウドは素晴らしい選手だ。先制点となったヘディングもそうだが、技術の高さが際立っている。だが、彼には相手への敬意が足りない。今日も、中盤で不必要なタイミングでトリッキーなプレーをしてみたりね。」(ダビド・ピサロ)
そうだ、ピサロ、もっと言え!
■無回転FKが許せん
まあ、すごいすね、あのFKは。GKは大変です。
でもねー、なんかあれ、納得イカンのですよ。直接FK蹴らせてもらえる選手って、やっぱり特別な存在わけじゃないですか。10人の中で1人だけですよ、蹴れるのは。
だからそこで見られるのは「選ばれし人間の特別な技術」であって欲しいんですよね。マラドーナもそうだったし、ミハイロビッチだとか。俊輔もね。
「どうやって蹴ってんだ?!」
的な驚きと、スローで繰り返し見ても「こりゃマネできねえ」と思わせる才能と鍛錬の度合いが感じられるものが良い。
でもあれって、「技術の進化」というより「道具の進化」じゃないですか。やっぱ。
最近のボールでブレ球蹴るのは結構簡単。あのナイキのボールは蹴ったことないですが、チームガイストはびっくりするぐらい簡単に蹴れました。ちょっとコツがいりましたけど、僕レベルでも2球に1球ぐらいは蹴れます。(キック力がないのであそこまで大きくブレはしませんが・・・)
大体、あいつらが使ってる公式球は2万弱ぐらいする代物で、そんなボールをホイホイと使うことは草サッカーでは不可能。個人で持っている人が居たとしても継続して試合球として出てくることなど稀です。そんなボールでブレ球FK決められても、なんか「ズルイ」感が否めんのですよ。まあ、それでもマスコミが騒がなきゃなんてことありませんが、やっぱ賞賛の嵐なもんで・・・。
お前ら!騒ぐのはクリロナが2980円のMIKASAのボール+寒風吹きすさぶ河川敷の土グラウンドで無回転決めてからにしろや!
という気持ちで一杯になってしまうのです。
でも三浦アツとか、米山が決めるのは大いに許す。
■結構真面目に頑張るところが許せん
なかなか調子にのった発言も目立つクリロナですが、それは僕としては全然OK。むしろウェルカム。優等生発言するヤツばかりじゃつまらない。マラドーナやロマーリオがまっとうな発言しかしない選手だったら魅力半減ですよ。
ただ、ヤツの場合、暗黙のルールを破っております。
一般的には、
「活躍する」
↓
「調子に乗る」
↓
「練習サボる」
↓
「走らなくなる」
↓
「デブる、もしくはコンディション不良」
というのが王道パターンなわけですよ。
なのにやつときたら・・・
正直、レアル移籍発言の後、怪我で出遅れたときには
「クリロナ始まったな」
と思ったもんですが、復帰後もフツーに活躍。マンUの試合をいつも見ているわけじゃないのではっきり分かりませんが、別段以前よりサボっている様子も見受けられず相変わらずスマートなアスリート体型してやがるし。
古来から語られるサッカーの「神話」はこういう流れから出来上がっているのであって、「調子に乗ってますが、真面目にサッカーもして大成功です」じゃ話にならん。「どんな状態でも謙虚さを失ってはいけないよ」と子供に説教も出来ないわけで。
ともかくクリロナは、ロナウド・ロナウジーニョ・アドリアーノあたりの偉大なる先達たちをキチンと見習うべきである。空気嫁!
■男前なのが許せん
いわずもがな。
こう見えてもベッカムはかなり好きです。プレイヤーとすれば、結構職人的なプレイヤーですし、チームのために働ける男。崩壊寸前のレアルの中盤で走り回っていた姿は涙を誘いました。「甘いルックスと地味(?)なプレー振り」というギャップは個人的にツボ。
クリロナは、顔は男前でプレーも派手って・・・。大体テクニシャンはルックス的弱点を抱えているもので、だからこそ美女とベタベタしてても微笑ましい限りなわけですが、彼がはしゃいでいる姿を見てもなんにも面白くありません。
この男前っぷりで、プレーも派手な花形プレイヤーっていうのは、近年記憶にないです。昔に遡るならクライフやジョージベストみたいな感じですか。まあ、僕が74年に既に物心ついているのであれば、クライフよりベッケンバウアーを応援したのは多分間違いがないわけで、そんな人間がクリロナを好きになれるわけがないのです。
というわけで、自分で見返しても
小僧へのオッサンの僻み
にしか聞こえない文章でありますが、だってしょうがない。ホントに納得いかないんだもん。すげーんだけど、やっぱ許せん。だけど日テレの放送スタイルからしてもクリロナ大プッシュなのは間違いないところだよなあ。ああ~、見ながらイライラしそう。
というわけで、前年はレッズを大して応援もしていませんでしたが、今年はマジでガンバ応援モードです。個人的にはプレー的にも顔的にもツボに刺さりまくりな「地味テクニシャン」二川に頑張ってほしいところでしたが、怪我の影響で出場は微妙だとか。ううむ。
ま、とにかく
マジでがんばって、赤っ恥かかせてやれよ~!
posted by Lee |15:30 |
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2008年12月06日
すんげー久々に更新。
本業+二人目の子育てに追われていてですね・・・心に余裕がございませんでした。ちょっと落ち着いてまいりましたんでボチボチ再開したいと思います。
久々の再開で書くことがサンフネタ以外なのはご容赦くださいませ。そっちはボチボチと・・・。
さて。本題。
元日本代表DF・森岡隆三が引退しました。彼と僕は同い年で、かつちょっとした繋がりもあったりしたので、感慨深いものがあります。
(『サンデーとマガジンどっちが面白いか?』とかいうクダラナイことを討論しあっていたという謎の記憶もあったりします。まあ、向こうは覚えちゃ居ないでしょうが・・・)
僕の友人で森岡と桐蔭で同期だった男がいるのですが、そいつが2002年のワールドカップを見ているときにポツリとこんなことを漏らしていました。
「高校のとき、森岡のロングパスのミスからカウンターで負けた練習試合があったんだけど、その日の夜から、ひとりであいつ毎晩ロングフィードの練習をひたすらやり続けてたんだよ。森岡ってさ、足は速くなかったし、プロでやれるもんなのかと思ってけど、やっぱり『努力する』ってことは才能を超えるもんなのかもしれねえな。」
「努力の人」
という形容詞は使いまわされていて、あまりに陳腐に聞こえてしまうかもしれませんが、彼の歩みを見る限り、サッカー選手としての彼を表現する上で、これ以上の言葉は無いのではないかと感じます。
彼が所属していた当時の桐蔭学園サッカー部は、今でこそ桐光の後塵を拝していますが、李国秀監督の下で高校レベルを超えたモダンフットボールをしているチームとして有名でした。
当然、桐蔭には全国各地からスカウトされた優秀なサッカー推薦入学の選手たちが揃っており、彼らエリートが少数精鋭で「サッカー部」を構成していたため、推薦以外の選手たちはサッカー部に入ることを許されなかったそうです。
桐蔭学園の中等部から高校に上がった森岡選手は、サッカー推薦の選手ではなかったため、簡単にサッカー部に入部することを許されなかったと聞いています。そこから這い上がって桐蔭のレギュラーを掴み取るわけですから。これだけでも相当の努力をして来た人物なのだということがうかがい知れますが、プロになってからの歩みを見てみると、その印象はさらに強まっていきます。
森岡の桐蔭学園の同学年には、1人のスターが存在しました。
廣長優志。
高校サッカー界で名を轟かせていたスーパーリベロの廣長は、その才能をあらゆる方面から絶賛される存在でした。ジュニアユースの日本代表。フィジカルが強く、パスが出せて得点のセンスもある。アトランタ五輪でも本大会までは絶対的な存在で中盤の底に君臨していました。
その廣長はルーキーイヤーで、あの当時のヴェルディのセンターバックとしてレギュラー奪取。華々しい活躍を見せる一方で、鹿島に入団した森岡は泣かず飛ばず。2年間でわずか出場は1回。3年目で森岡は清水エスパルスにレンタルされます。
その後の飛躍を誰が想像したでしょうか?
僕なんぞは、やっぱりプロで活躍するには、廣長のような「選ばれし人間」じゃないとやっぱり難しいんだなあ、と漫然と思っていたものです。まあ、少なくとも森岡を知る僕の周りの人間で、彼が2002年のワールドカップにレギュラーで出場する、なんて本気で考えていた人間はいなかったでしょう。
そんなこともあり、僕にとっては、彼は「努力と才能」というものの価値をひどく感じさせる人だったのですね。
これからは指導者の道を歩むとか。クレバーな頭脳と努力を持ち合わせる彼のことです。ひょっとしたら監督として選手のときよりも大きな成長を収めてくれるんじゃないかと、個人的には思っています。
posted by Lee |00:30 |
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2008年02月28日
東アジア選手権でも、彼が日本最高のセンターバックであることをまざまざと見せ付けた中澤佑二。もはや日本史上最高のセンターバックと言っても過言ではないぐらいの存在だと言う事が出来ると思います(※少なくとも生で見た限りはですよ)。
中澤のDFとしての凄さはどこにあるのか。
ヘッドの強さ・巧さ(≒読みのよさと言い換えてもいいでしょう)、ファウルをしないでボールを奪う技術、フィジカル的な強さ、メンタル的な強さ、というようなことが上げられるでしょうか。
とは言え、上は良いDFとしては備えているべき能力。それらがおしなべて高いと言ってしまってはさすがに芸が無いので、まがりなりにもDF出身の男として、個人的に中澤を見ていて「スゴイな」と思う点について挙げたいと思います。
それは
・足を出せる
・巧くないのにボールを繋げる
・ポジションを下げない
の3つです。
●足を出せる
草サッカーやフットサルでよくある光景。
「一発で行くなよ!!」
って、声が掛かることって、良くありますよね。ディフェンスに慣れていない人などが不用意に相手のボールを奪いに行って足を出したりしてあっさり抜かれてしまうケースです。
もしそういう声が掛かったとき、試みにこう言い返してみたらどうなるでしょうか。
「じゃあ、いつなら行っていいの?」
僕はちゃんと答えられません。サッカーの指導者の方だったら、明確な答えを持っているのかもしれませんが。
「ディフェンスに必要なのは『経験』」とはスラムダンクの牧の言葉ですが、コレはサッカーでも同様です。いつなら、足を出していいのか?ということは多分に経験則に拠ってしまいます。相手も、状況も、毎度毎度違うことが多いので「いつ」とは簡単には言えません。ただ、安易に足を出しているようでは話になりませんが、それでもいつかは足を出さないと相手にボールを持たれたままで、相手のミス待ちという感じになってしまいます。
例えば僕の1対1の対応を成長過程を表してみると
STEP1:とりあえず足を出してしまい、簡単に抜かれる
↓
STEP2:足を出さなくなったが、間合いを離しすぎてパスでやられたい放題
↓
STEP3:間合いが分かってきたが、詰めすぎて自分より速いヤツにやられてしまうことがしばしば
↓
STEP4:ドリブルコースを限定し、相手がそれに乗って仕掛けてきたときに奪えるように
という感じ。僕はここまでです。我慢して、相手がコントロールミスしたり、抜こうとしてボールを体から離したときに足を出したり身体を入れたりして奪えるようになりました。
中澤クラスになるともう完全に世界が違います。まず、我慢するところまではそうですが、中澤は仕掛けて来た相手がボールコントロールをミスしなくても、足が届く範囲に来たときには足を出して止めてしまいます。相手がボールを奪われないようにと守りに入った一瞬も奪いやすいタイミングですが、これも見逃すことがありません。
こう文章にしてしまうと簡単ですが、実際にはすごく大変なことです。この間合いを見誤ったときには、完全に抜かれてしまうか、ファウルになってしまうかのどちらか。DFにとっては致命的な結果が待っています。なので、プロレベルでも中澤ほど「足を出せる」DFはなかなかいない。しかし彼はギリギリのところで足を出してきて、かつ成功してしまう。
「安易に足を出さないのは当然だが、それでもどこかで足を出さないといけない」
それがいつなのか、どこなのかを知り尽くしているのが中澤です。だから彼はオフェンスの選手にプレッシャーを与えられる存在になりうると思うのです。
●上手くないのに繋げる
中澤よりボール扱いが上手いDFはいくらでも居るでしょう。スーパーサッカーでやっていた「バナナキング」を見たときには「バナキンだけならオレのほうが中澤より上手いな」と思ったものです。
もちろん、キックが上手いわけじゃないのでフィードのミスは結構ある選手です。足元が弱いDFの選手は、プレッシャーを掛けられるとあわてて前に蹴ってしまったり、中途半端なパスを出してしまってボールを失ってしまうケースが良くあります。しかし、強いDFにありがちな「ビルドアップに難あり」というような言葉は彼には当てはまりません。
ただ、彼は特別なことをしているわけじゃありません。サンフサポなら分かると思いますが、戸田やカズのように相手に詰められても軽くかわしたり、「そこか」というようなクサビのコースを見つけてズバっと縦パスを通すわけではない。一発で崩してくるようなフィードをしてくるわけでもない。
いたって普通です。ボランチがフリーなら普通に当てるし、詰まっていれば逆サイドに展開するし、寄せられる前にボールを離す。寄せられたらバックパスして凌ぐ。厳しければクリアする。
ただし、不用意にボールを持ちすぎることはありません。詰まる前に何かをしている。つまり、上手くない分判断を正しく、素早くしてプレーしている。
彼のようなDFがポゼッションするサッカーでもしっかり能力を発揮しているのは素晴らしいことだと思います。
●ポジションを下げない
大型DFはスピード面で不安を抱えていることが多いです。中澤は足が遅いというわけではないですが、特別速いわけではありません。(一瞬は速いと思われます。)
そういうDFに見られがちな傾向として、相手がボール保持して攻めてきている時に、自身が余ってディフェンスしたがる傾向があります。裏に蹴られて走りあいになるのを避けたいからです。闘莉王にはこの傾向が顕著に見られますし、松田なども例外ではありません。
それ自体が間違っていることだとは思いませんが、ただそうすることでDFラインにはギャップが出来てしまい、そのままDFライン自体がずるずると下げられてしまうという現象が良くあります。ホンの1、2mのギャップですが、それがチーム全体に影響を及ぼしてしまうことは少なくありません。
中澤はここでポジションを下げない。余りたがらない。要するにビビッてない。こうすることでDFラインが下がりすぎてしまって跳ね返しても波状攻撃を受けてしまって自分たちのリズムをつかめないということが少なくなります。かといって無謀にDFラインを保つようなマネもしておらず、ポジショニングを崩さなければならないときにはしっかりとプレーしている。
ポジショニングという曖昧な表現のものを正しくピッチ上で体現することが出来る。これも素晴らしいことです。
総論として、上で上げたようなことは、彼の「判断力」が正しいことを表していると思います。苦労人である彼は「自分はどうするべきか」ということを常に問い続けてレベルアップして来たのでしょう。自分の能力を正しく判断して、出来ることと出来ないこと、やるべきこととやるべきでないことの判断を正しく行う。そしてそれにブレが無く、常に冷静で安定した状態を保っている。
デビュー当時から強力なヘディングが注目されてきた中澤佑二。しかし彼をナンバーワンDFたらしめているものとは、その「ボンバーヘッド」の外側ではなく、多分に中身の方に拠っているのだと思うのです。
posted by Lee |12:50 |
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2007年12月21日
今シーズン、代表の常連組だったFWの戦力外の話が目立ちますね。
久保竜彦、鈴木隆行、黒部光昭。そして、出番を失いつつあった柳沢が移籍を希望したとか。
みな、30前後の選手たちです。これぐらいの年というのは、FWの選手たちにとって一つの転機を迎える頃なのかもしれません。そういえば、ヴェルディで爆発的に点をとっていたカズが突然スランプに陥ったのもちょうど30才の頃だったように思います。
ところで、久々にこの人のニュースを聞きました。
サッカー=「育毛剤」のロマーリオ、120日間の出場停止
http://www.jsports.co.jp/press/news/article/R2007121911450102.html
育毛剤・・・。
気にするような髪型か、オマエは?!
と思いましたが、ふと思い出したことがあります。
その昔、ワールドサッカーグラフィック紙にて読んだロマーリオのインタビュー。
インタビュアー:あなたの生活上のこだわりはなにかありますか?
ロマーリオ様:あるよ。シャンプーは必ずヴィダルサスーンだね。
その後、うちの部活でヴィダルサスーンシャンプーが流行したのは言うまでもありません。
まあ、ヴィダルと育毛剤の件を見ると、ロマーリオ様は髪の毛には並ならぬこだわりを持ってらっしゃるのが分かります。さすがというか、我々凡人には理解できない領域です。
80年代はストライカー不足に悩んでいたブラジルですが、90年代以降は優秀なストライカーを次々と排出しています。この中でナンバーワンを選ぶとすれば、僕は迷い無くこの人ですね。
「シュートはゴールへのパス」
とよく言われますが、これを最も実践していたのがロマーリオだと思います。トンでもない身体能力とか、ものすごいドリブルとか、そういうものとは無縁。なので、ハイライトプレーで流れるような「スーパーゴール」みたいなゴールはあんまり記憶にありません。
かといって、インザーギのような「貪欲なストライカー」というような感じでもありません。武器は卓越したボール扱いの技術と冷静さです。
例えば94年のワールドカップのカメルーン戦。
ドゥンガのスルーパスをDFラインの背後で受けたロマーリオ。ワントラップ目で大きく抜け出します。そのボールを落としたポイントは、GKも飛び出してこれず3人のDFも追いつくことが出来ない絶妙な位置。そのまま追いすがってきたDFがチャージできないドリブルコースを選んで進みつつ、GKベルの脇を冷静に抜いてゴール。
例えば、クラシコでハットトリックを決めたときの1点目。
PAのやや外側で半身でボールをトラップすると、マーカーの方向にインサイドでゆっくりとボールをさらします。マーカーがそのボールを見て足を止めてしまった瞬間に足首を柔らかく使ってゴール方向に一気にターンして抜け出すと、最後はアウトサイドで冷静にゴール。
「ゴールセンス」と一言で片付けてしまえば簡単ですが、そういう陳腐な言葉で言い表すにはあまりに異質な才能を持っています。星の数ほど選手はいれど、僕はロマーリオに似たタイプという選手はあまり見たことがありません。
前掲の日本のストライカーたちの不振の原因は、やはりフィジカル的なアドバンテージが失われつつあることに一つの影響があるのかな、とも思います。それによりイメージどおりのプレーが難しくなるというか。
ロマーリオは41歳。最近のプレーを見ているわけじゃないですし、さすがに全盛期の用に点を取っているわけじゃないでしょうからはっきりわかりませんが、少なくともカズやゴンのようにストイックに身体をいじめているとも思えません。それでも現役なわけですから、センスや技術というのは年を取ろうが衰えるものではないということでしょうね。
彼らはロマーリオのような「天才」ではないわけで、そのままわがまま放題にプレーし続けることは出来ないでしょう。自分に出来ることを整理する必要があるでしょうし、時にはプレースタイルを変えることも必要とされるかもしれません。自分の体と相談して、上手く自分の生きる道を見つけ出すことが出来るでしょうか?
特に久保。福岡には黒部が行ったし、広島に帰って来てくれ~(しつこい。)
posted by Lee |00:22 |
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