2008年03月01日
サンフレッチェ降格の理由 その3 ユースはなぜ「4-3-3」なのか
このシリーズを書き終わらないと、安心してゼロックスを迎えられません。 まさかここまで伸ばし伸ばしにしてしまうとは・・・。 仕事を真面目にやりすぎたツケが来たな。 というわけで以前のエントリーはこちらになります。 ご参考までに。 サンフレッチェ降格の理由 その1 3ヵ年計画の罠 サンフレッチェ降格の理由 その2 「取られないクラブ」の姿は正しいか?
さて、何度も述べているように広島は育成型のチームです。
優秀なユースチームを抱え、最近は中学時代からサンフレッチェ関連のユース出身の選手も増えてきました。そしてそれを生かしきれていないという現状があることはなんとなくご理解いただけたかと思います。
そして、なぜユースが生かしきれないか、ということについて、もう一つ提起しておかなければならないことがあります。
ユースチームとトップチームの『方向のズレ』についてです。
近年のサンフレッチェユースは、4-3-3のシステムを取っています。これはWiki等の情報によると、ヴァレリー時代にトップチームが採用しようとしていたシステムを導入したものがベースとなっているようです。
広島のことをご存じない方のために、ヴァレリーについて少し解説しておきます。
ヴァレリー・ニポムニシ。
広島サポなら色々な意味で忘れられない名前です。1シーズンの指揮ながら、その超攻撃的なスタイルは他のJリーグチームからも注目を集めるほどでした。一説には現柏レイソルの石崎さんにも影響を与えたといわれています。
3トップというと、いわゆるウィングプレイヤーを置いたオーソドックスなものしか想像できませんでしたが、彼の3トップは3人がそれぞれセンターFW的な動きをするというもの。さらに、構想ではオフェンシブハーフをそこに2枚配置するというものでした(結局守備が完全崩壊してしまったので、4-1-2-3システムを取る事はほとんどありませんでしたが)。
今でこそ4-1-2-3システムは、さほど異形のシステムとも思われないでしょう。バルサなどもこの形ですし。しかし、当時のサッカーの常識からは大きくかけ離れたリスクのあるシステムということで、にわかには受け入れられませんでした。
ヴァレリーの考えとしては、DFラインを下げず、3トップ+オフェンシブハーフを2枚にして前から圧力をかけてボールを奪ってしまおうという考えだったと思うのですが、トップチームでは様々な事情もあって機能しなかった、ということが言えると思います。
結局1シーズンでヴァレリーは裏切るような形でチームを去り、翌年、広島は降格の憂き目に合うわけですが、それはまた別のお話。
ともかく、ユースの4-3-3はヴァレリーの影響から来ているものなわけです。ヴァレリーがそのままチームを率いているのであれば、ユースのあり方としては非常に理想的なものと言えるでしょう。下部組織からいきなりトップチームに上げても活躍するということがあったかもしれません。
では、その後の指導者たちとの兼ね合いはどうでしょうか。
ガジエフは論外として、小野さんとミシャについて。
小野さんは就任直後は4-3-3をしていました。これはヴァレリーがやろうとしていた3トップに割り合い近いものです。しかし、この年はJ2で壁にぶち当たり、駒野の離脱もあって4バックをあきらめざるを得ませんでした。
しかし、その後、壁にぶち当たるごとに小野さんは4-3-3からシステムを変えることでひたすら凌いできました。最終的にはフラットな4-4-2の構築に失敗してチームを去ります。
ただ、システムはまだしも小野さんのサッカーはガチガチのシステマチックなサッカーで、自由度の高いユースやヴァレリーのやり方とは、フォーメーション云々よりも根本的な部分での違いがありすぎました。だから優秀なユース黄金年代の選手たちが小野さんの下では碌に活躍できなかったのはこの所以があるでしょう。
ミシャはコンセプトレベルでは、パスワークと個人のアイディアを重視するスタイルの監督で、それはチームに見合っていると思われます。だから基本的には、彼は広島に合っている監督だとは思います。
しかし、彼が使っているシステムは、ご存知の通り3-5-2。4-3-3とは共通点が非常に少ないやり方をしています。果たしてこれは効率が良いことなのでしょうか。
広島のサッカーとは何か。僕はそこまでユースを見ているわけではありませんが、「攻撃的」「パスワーク」「ハードワーク」という言葉が出てくるかもしれませんね。しかし、ミシャが登場するまでの間、ヴァレリーの期間を除けば「堅守の広島」というイメージのほうが圧倒的に強いでしょう。
育成型クラブを目指すのであれば、トップチームからユースチームまで、同じコンセプトでチームが貫かれているほうが明らかに都合が良い。それは監督を選ぶ基準としても採用されなければならないはずですが、広島においてはそういう形跡が無い。そこにあまりの乖離があるようならば最悪です。育成型チームにとっては「財産」であるはずの手塩に掛けて育ててきた選手たちが生かされないという可能性があるのですから。
まだ歴史が浅いJリーグの中では「クラブカラー」というものはしっかり確立したとはまだ言えません。それでもいくつかのチームでは、既に「色」は塗られている。鹿島は典型です。ひょっとしたら塗られているがペンキが乾いていないだけというものなのかもしれません。
広島はどのような「色」を塗るべきなのか。それは誰が決めるものなのか。そういう立場にあるべき人が誰なのかは分かりません。しかしそういうことをせずにユースはユースのコンセプトで選手を育て、トップは良く分からない基準で監督を選ぶ、という乖離現象を起こしてしまうようでは、育成型クラブとして効率よく選手を育てて安定したチーム作りをすることなどは到底望めないでしょう。
しかし、チームコンセプトに合う監督など、都合良く見つかるものなのだろうか、という疑問も沸いてきます。
一つ、良い思い付きがあります。ヒントは、松田浩、小林伸二、バクスター。
分かりますか?言いたいこと。
誰かに『バクスター』になって欲しいということです。それが誰かというのは色々とアレなんで、書くのは止めておきますが。
posted by Lee |00:19 |
降格シリーズ |
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ヴァレリー・ニポムニシ。 広島サポなら色々な意味で忘れられない名前です。1シーズンの指揮ながら、その超攻撃的なスタイルは他のJリーグチームからも注目を集めるほどでした。一説には現柏レイソルの石崎さんにも影響を与えたといわれています。
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サンフレッチェ降格の理由 その3 ユースはなぜ「4-3-3」なのか
広島のユースは強者だから強者のサッカーをする。広島のトップは強者じゃないからそのサッカーはできないという事なんじゃないでしょーか。(できても、甲府みたいに外国人一人抜けたら降格するチームに…)
どちらの色が正しいかと言われれば、トップチームで強者のサッカーができない(それだけの選手を集める力が無い)以上、ユースチームが強者のサッカーを捨て、トップチームに合わせるのが正しいと思います。
posted by 鹿ステーキ(ウェルダン) | 2008-03-01 08:12
サンフレッチェ降格の理由 その3 ユースはなぜ「4-3-3」なのか
非常に難しい問題ですね・・・。
鹿ステーキさんが仰っていることも、もっともだと思いますし。
監督が変わる度に、ユースのシステム自体を変えるなんて、なかなか出来ないでしょうしね。
・・・まあ、Leeさんが仰りたいのはそんなことじゃないですけどね。
そう考えると、チームの色を出すのって本当に難しいですね。
選手・監督を含めた現場の人はもちろん、組織(?)の人たちがしっかりとしたビジョンを持たないと、なかなか出来ることじゃない。
千葉も、オシム・うばがいラインが崩壊したら、あっという間にチーム自体変わっちゃいましたからね。
余談ですが、月曜にうばがいさんの特集(?)をやるようで。プロフェッショナルという番組で。
ちょっと興味があります。
『祖母力』という書籍は読んだんですが、内容が人の文句ばかりであまり面白くなかったので(笑)、うばがいさんってどういう人間なのか、じっくり観てみたいと思います。
posted by カントナ | 2008-03-01 13:50
サンフレッチェ降格の理由 その3 ユースはなぜ「4-3-3」なのか
>鹿ステーキ(ウェルダン)さん
結果だけ見ると確かにトップチームは弱者と言えますが、かといってパスワークのサッカーを捨てることもないと思うんですよね。実際そこに行き着いていないのが問題なので。ミシャは心中しちゃいましたが、小野さんのようなやり方を延々としていても未来が無いのは明らかですし。
ただし、「弱者のサッカー」をするとなると逆の問題が出てきます。「1対1に強いDF,FW」を育てる必要があるからです。そうでないと、結局外国人選手や補強だよりのチームが出来てしまうと思われます。
>カントナさん
千葉は本当にいい例です。オシムが来る前からもちろんレベルが上がる萌芽はあったわけですが、やはりオシムの代わりを出来る監督は簡単にいない。なので、千葉がガタっと成績が落ちてしまうのは仕方が無いのです。
ただ、そこで踏みとどまって、また若手が伸びてきた頃に再び優勝争いが出来ればいいのだと思いますよ。ただし、ジェフのユースにそのスタイルが染み付いているのかは僕はなんとも知らないんですけど。
さて、僕も帰ってプロフェッショナル見ますかね。
posted by Lee | 2008-03-04 22:21



