2008年01月25日

【成長したのは】久保ヒストリーおさらい編その2【しゃべりです。】

その1はこちら。


【背番号は】久保ヒストリーおさらい編その1【サンキューです。】


いよいよ久保が世間に知られ始めてから。このあたりになるとボチボチ記憶が鮮明になってきますなあ。


■マリノス移籍までのお話


<サンフレッチェ編>


・1997-2000まで、エディ・トムソンに率いられた広島。武器はガチガチの守備と久保の速さを生かしたカウンターアタック。思えばこの周囲のサポートが少ない状態であればこそ単独で行ける久保の能力が磨かれたとも言える。広島は上位陣を苦しめ、下位にあっさり負けるという試合を繰り返していた。

「海外?行きたくない。メシがまずい」

は記憶によるとこの頃のオーストラリアキャンプの影響ではなかったかと思われる。


・柏戦での2ゴールはまさに久保。DFの裏を突いて左45度から放った低空の弾丸シュート。そして右45度から柔らかく巻いてのシュート。豪快さと繊細さを併せ持つ久保の魅力が凝縮された試合と言える。当時柏にいたホンミョンボは「日本のFWで一番怖いのは久保。日本人のFWは教科書通りのプレーしかしないので読みやすいが、彼は何をしてくるか全く分からない」と評していた。


・コパ・アメリカを辞退するなど、ちょいちょいと怪我をしていた久保だったが、本格的な長期離脱が1999年シーズンに起きる。忘れもしない鹿島戦。にっくきビスマルクに踏みつけられて緋骨骨折でシーズンを棒に振る。走っている最中に、後方からふくらはぎを踏むという悪質極まりないファウルだった。未だにこれを嘆く人は多い。この離脱が無ければ、この年は日本人得点王となり、広島は天皇杯で優勝し、久保は代表にももっと早く慣れたはずだという主張もあった。中には骨折前の久保こそ本来の久保であり、その後はプレーの凄さが落ちたという人まで居るほどだ(僕はそうは思わないけど)。


・怪我は長引き、2000年シーズン、広島は得点力不足に悩まされることになる。トムソンは久保の復帰を何度も促したが、久保は「痛みが引かない」と言って首を縦には振らなかった。メディカル的には問題が無かったため、かなりスタッフとの間で軋轢があったとも言われている。


・シーズン途中で突然の復帰。しかし、本来には程遠いプレーが続き、一部では「久保は終わった」という声すらも聞こえてくるほどであった。


・それでもたまには凄いプレーが飛び出す。FC東京戦では売り出し中だった小峰をドリブル突破で振り切ってPKをゲット。さらにサイドからのロングクロスをエリア外の角度の無いところでワントラップすると落ち際をアウトに掛けて強引にシュート。強烈な軌道で曲がったシュートはポストを叩いたが、どよめきはしばらく消えなかった。この試合の後、様々な感情を込めたトムソンの名言があった。

「久保はアウト・オブ・スタンダード(規格外)。我々の持っている物差しで彼を図ることは出来ない。」

・復帰後の初ゴールはマリノス戦。藤本のロングパスに一気に抜け出すと、利き足と逆の右足をぐいっと伸ばしてそのままダイレクトボレー。意表をつかれた川口のあざ笑うかのように逆サイドネットを揺らした久保のゴールにビッグアーチが揺れた。その後、例の名言が飛び出す。

「スタジアムに来てくれた子供たちに一言!」「・・・勉強、頑張ってください」

オマエが頑張れというツッコミと共に、再びビッグアーチが久保劇場となったのだった。


・しかし、最終節で2ゴールを上げて3年連続二桁得点としたものの、このシーズン通じてプレーは不安定。完全復活は次のシーズンに持ち越しとなる。最後の試合でのゴールをトムソンは嬉しそうにこう評したという。

「彼はいつもそうだ。試合から完全に消えているかと思っていると、突然出てきて点を取る」

このシーズンでトムソンは広島を離れる。


・トムソン最後の試合に際しての久保。記者に「恩師の最後の試合だけど、特別な思いはある?」「別にないっす」「この試合だけ頑張れるのなら、もっと前から頑張らないといけないから」と発言。結構深い。


・次のシーズンはヴァレリーを迎えて3トップ。先シーズンとは180度違う戦術に広島は苦しんで守備が崩壊し、J2降格の危機を迎えてしまう。とはいえ、久保のプレーそのものは悪くは無かった。


・特に、トムソン時代から課題だった「久保のパートナー」にシーズン途中から選ばれた大木勉とは変幻自在のコンビネーションプレーを見せ続ける。そもそも大木は半年契約で、シーズン途中で結果が出なければ自動的にクビだったが、チャンスを得たナビスコカップでゴールを決めて契約延長を勝ち取る。このゴールをアシストしたのは当然のように久保だった。


・しかし、残留がかかって残り5試合での久保の働きは凄まじく、神戸戦で1ゴール、ガンバ戦ではオウンゴールを誘い、清水戦では2ゴール。磐田には負けたものの、最終節でも2ゴール。特に清水戦の超ロングシュートはサポーターの間では伝説のゴールとなっている。この年は自己最高の15ゴールを上げた。


・ヴァレリーは1年でチームを去ったが、久保を「彼の能力なら15ゴールは物足りない」と評した。「右足のシュートを磨けば30点取れる」とも言っている。


・思い出したくもない2002年。久保は極度のスランプに苦しむ。色々なことがあったが、結局ワールドカップの落選が一番堪えたのではないかと思う。レギュラーポジションを外されてさらにモチベーションを低下させてしまい、結局シーズンではわずかに7ゴールに終わる。天皇杯では久保のプレーは復活したものの、広島はJ2落ち。


・っていうか振り返りたくないのでこのシーズン割愛したい。


・そして久保は移籍を決意する。本人曰く「他所でやれるのかとか、知らないところで大丈夫かとか、メチャメチャ不安だった」そうな。年俸交渉の場で久保から「移籍させてください」と頭を下げられた今西は、残念に思いながらも「こいつもここまで成長したか」と、感慨深かったという。


・複数チームが手を上げたが、レンタル移籍を認めないと広島が宣言したため、磐田かマリノスかに絞られた。マリノスを選んだのは、奥が居るからとか、年代が近い選手が多かったとか、名波に代表でこき下ろされて苦手だったとかいろいろ言われているが本当のところは不明。


・久保がマリノスに出した条件は「広島の言うことを何でも聞いて下さい」ということだけだったとも言われている。マリノスは満額の移籍金を提示して、それに答えた。





<日本代表編>


・トルシエジャパンになっては久保は常連となったが、とにかく年度別代表に選ばれたことも無ければ広島の選手もいない久保にとっては相当苦痛だったようで、行きたくないと駄々をこねる事が多かったという。たいした怪我でもないのに辞退したりなどをしていた模様。時には町内会の会合に出るから嫌だということもあったそうだ。スパサカインタビューによると、「飛行機の乗り方もわからんし、嫌」だったとのこと。


・そんな中、久保の話し相手になっていたのは後に親友となる奥大介だった。これはワールドユースで同期だった大木が、代表に選ばれたことを心配して、安永と奥に「面倒見立ってくれや」と連絡したからだという。ちなみに久保は大木の作ったカレーも大好きだ。


・サッカーマガジンでの伊東輝のインタビュー。

「他の選手と話する?若手の久保とかどう?」
「いやー、僕も絡もうとしてみたんですけど、僕と久保ではまったく会話が続かなかったです。でも奥には心を許しているみたいですね。」


・アジアカップでは出番を貰ったものの、まったくボールに絡めず前半にて交代される。何気に優勝メンバーではあるのだが、本人は全く嬉しくなかっただろう。


・途中出場が苦手な久保は全く結果が出せなかったが、トルシエは久保には相当期待をしていたのは間違いがない。いい例は鈴木隆行がブレイクしたコンフェデの決勝戦。0-1の状態からトルシエが最後に切ったカードは久保だった。結果も出ていないのに。久保も珍しくやる気を見せたプレーをしていたが、ゴールは奪えず。鈴木の台頭で久保は出番を失っていくのだが、この頃から逆に久保は代表でのプレーに魅力を感じて行ったらしい。


・ワールドカップは無理だろうと思われていたが、直前のヨーロッパ遠征にまさかの召集。トルシエはフランスに粉砕された後チーム作りをやり直したが、その一環だと思われる。個人能力に優れる久保を切り札と考えていたのだろう。


・長期合宿で周囲との仲も深まっていき、久保のプレーもそれにしたがって自分を出していけるようになる。特にポーランド戦では再三鋭いプレーを見せてゴールに迫る。そしてトルシエからこのコメント。


「久保は面白い武器。彼の自己表現のなさの謎がようやく解けた。それは彼は1230年に生まれて、ずっと冷凍されて、ある日突然見つけられました。だからまだ現代文明のコミュニケーションに慣れていないんです(笑)。」 
  

メディアも久保が最終兵器との印象を強め、妙にプッシュが強くなる。


・しかし、最終的にはゴールを奪うことは出来なかった。テストマッチの最終戦、ノルウェー戦で久々に先発した久保はチャンスを生かせず前半で交代。トルシエの最終テストだったのだろう。ノルウェーに惨敗した日本代表は、中田の提案で宴会を開いたが、そこには痛飲して饒舌になった久保の姿があった。


・そして2002年のメンバーからは落選。高原の離脱で確実といううわさもあったが・・・。落選後、全く連絡が取れなくなった久保を周囲は本気で心配したようだが、家族と温泉に行っていたという。久保の代わりは中山だった。



<その他>


・ビスマルクに骨折させられたあと、追い回して報復してからピッチを去ったというウワサもあるが、アレは記憶にない。っていうかそれはウソじゃなかろうか?ただし、怪我をしてピッチから出されたが、怒り狂ってピッチに飛び出そうとしていたという記事は読んだことがある。


・一時ツートップを組んだ森山は久保を「理想のFW」として上げている。より野性に近いことを理想としていた森山にはピンときたんだろう。「久保に感性を合わせてあげればいいだけ。」いや、それ、むずかしいっしょ。

・ガンバにいた山口敏も語っていた。「久保がナンバーワンに間違いが無い。一緒にやってみればわかる。存在感が違う。」


・長女誕生。趣味は子育てに変化。


・当時のヴェルディ総監督だった李国秀も久保を高く評価していた。「久保君の怖さは、Jリーグの監督なら誰でも知っている」という言葉が出たのは、おそらくJリーグオールスターでのこと。ちなみにあの手の試合での久保は大体ロクなプレーをしない。


・お化けが怖く、寮から出るときに「あの部屋は出るらしいで」と冗談でチームメイトが脅すと部屋を変えてしまったらしい。


・ネクタイが上手く結べないらしく、下のほうが長いときがしばしば。


・子供の頃、キン肉マンの単行本を親に買ってもらえなかったらしく、子供になんでも買い与えるものじゃないというのが身上。ちなみに好きな超人はバッファローマン。


・車はシボレー。しかし、地元のラジオ放送でアナが「久保さんはシボレーがお好きなんですよね?」と場を和ませようとすると、突然不機嫌になったというウワサもあり、なんだかさっぱり分からない。


・御殿場で代表の合宿に参加したとき、駅から乗ったタクシーの運転手に高原と間違えられたらしい。


・代表の遠征でヨーロッパに行ったときに、空港において久保1人だけやたらと厳しいチェックをされた模様。


・スガシカオが広島のイヤーブックに久保のコラムを書いていた気がするんだけど・・・なんか忘れてしまった。覚えてないすか?



まだ続くよ。

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posted by Lee |21:34 | 久保竜彦 | コメント(7) | トラックバック(0)
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【成長したのは】久保ヒストリーおさらい編その2【しゃべりです。】

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おもろいです。 がんばってください!

posted by C | 2008-01-25 22:12

【成長したのは】久保ヒストリーおさらい編その2【しゃべりです。】

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これは凄いですね。久保への愛が溢れてます。

ブクマさせてもらいました。

posted by ブランク | 2008-01-25 22:36

【成長したのは】久保ヒストリーおさらい編その2【しゃべりです。】

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この頃サッカー雑誌の、土肥(だったと思うけど)がインタビューで、「GKとしてJで一番イヤな外国人FWは?」と聞かれて、「クボ」と答えていました。それくらい監督や選手から認められる存在になってましたね。
また、トルシエの時にW杯落選し、スポーツ新聞に「久保、行方不明」、「久保、音信不通」などと書かれて心配した記憶があります。今となってはかなり笑えますが。。。
それにしてもホントに面白いエピソードの連続ですね。引退後は伝記を是非出版してほしいです。

posted by samuraikazupoppo | 2008-01-25 23:21

【成長したのは】久保ヒストリーおさらい編その2【しゃべりです。】

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さすがに久保への愛情の強さが伝わる文章ですね!
久保は今後は途中交代でのスーパーサブ的な起用法になるのでしょうか?
去年の横浜FCの開幕戦みたいなスーパーゴールを決めてほしいものです!あと、あのひょっとこ顔(?)みたいなパフォーマンスも期待してます!

とにかく久保が入っただけでも明るい話題ですね。J2ですが練習風景の模様がテレ東で放映されていてビックリしました。

なんとなく地方のサンフレッチェのようなチームの方が久保のイメージに合う気がするのは僕だけでしょうか??

実家に帰ったときに広島の町で出会う可能性もあるかな・・・?

久保を見に行くだけでも試合観戦が楽しみになりそうです。

posted by もやしっこ | 2008-01-26 01:10

【成長したのは】久保ヒストリーおさらい編その2【しゃべりです。】

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あのビスマルクの蛮行、確かカードも出てなかったような記憶がある、確かボールを取られたのを
ムキになって取り返しにいって、後方から踏みつけていたと思うが、本人は悪気は無かったと思うが、私もメチャメチャ腹が立った。
あの瞬間からビスマルクが嫌いになり
私の中ではブラジル人の前の選手なのに
変化のない奴として評価ガタ落ちに成りました。

posted by kariyushi | 2008-01-26 20:12

【成長したのは】久保ヒストリーおさらい編その2【しゃべりです。】

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連投すいません
30過ぎてから目立って
ハゲてきたのはあの蛮行のばちが
当たったと思ってます、結構本気。

posted by kariyushi | 2008-01-26 22:32

【成長したのは】久保ヒストリーおさらい編その2【しゃべりです。】

コメント投稿者ID :

>Cさん


がんばりましたよ!今日堂々の完結編です!


>ブランクさん


やっぱり、オタク気質なんですね、書き出すと止まりません。なんというか、久保には御用ライターもいませんので、僕ぐらいは久保のことを必死こいて書いてもいいんじゃないかという、そんな気持ちでおりました、ハイ。


>samuraikazupoppoさん


結構「相手にして嫌なFWランキング」みたいのでも上位に来てましたね。ああいうのでは以外に柳沢とか評価が高かったりしますけども。1位は中山だったかな?たしかに、嫌だと思います。


>もやしっこさん


やっぱり、なんだかんだと言って久保はサンフサポには愛されてますので。とりあえず僕はゼロックスからですね。先発するかはわかりませんけど、レプリカ着込んで見に行きますよ。


>kariyushiさん


ビスマルクは結構大人気ないプレーが目立ちましたよね。小笠原って、しっかり盗んでるよなあ。あんなにひどいことはしなかったですけど。

posted by Lee | 2008-01-29 00:16

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