2010年02月16日

戦術とは?

バルサのプレースタイルについて触れる前に、数回に分けて幾つかの補足を行いたいと思います。

今回は「戦術」について。


日本ではよく

・戦術を教える前に個人技術を磨く
・戦術は小さな頃から教えるべき(ごく最近)
・戦術の型にはめられて創造的なプレーができていない

という形で「戦術」という言葉が使われていると思います。



ただ、スペインでサッカーの指導をしていて感じたのは、「戦術」という言葉一つをとっても国によってだいぶ認識に違いがあり、戦術の種類の違い以前に、

「戦術」とは何か?

という根底の部分から認識の相違の確認をしないと議論にすらならないと思うようになりました。


スペインでいう「戦術」とは、

チームの攻撃、守備の細部に至るまであらかじめチーム内で決めている約束事を指します。


その中には、

'・陣形
・パスコースの設定
・プレッシングの有無と種類
・各ポジションの動き'

など全てが含まれます。


一方で、キックオフ、スローイン、フリーキック、コーナーキックでの攻守の動きは「戦略」 という括りで戦術とは切り離して考えられています。


両国のサッカー環境の違いに触れると話はまとまりませんが、スペインでは8-9才から毎週末リーグ戦を戦う環境があり

「チームがどのようにプレーするか」=「戦術」

が最初のステップから登場します。


もちろん小学生の選手は各技術を身につけなくてはいけないので、練習の中に段階を追って各技術の練習を盛り込んでいくわけですが、一番最初にインサイドでのボールコントロールとインサイドパスを教えた後は、この2つの技術を軸に、

チームプレーの練習

に入ります。


監督に求められるのは、決められた時間内でウォーミングアップからグループ戦術へスムーズに移行するスタイルの練習を選手達に施すことで、シンプルなスタイルで高い効率性が求められるので簡単な事ではなく、この段階から監督間の競争も発生します。


スペインでの練習風景



また、この戦術の指導の中で

・自陣でボールを失わないパスワークの鍛錬

・一方でパスの選択肢がない場合にシンプルに前線にボールを送るプレー

・ピッチのどこからどこまでが安全にプレーしなくてはいけないゾーンで、
どこから先がシュートを打つためにある程度の自由度を持ってリスクを犯して良いか。


といった3本柱 を繰り返し形を変えて指導していきます。


こういった理由でスペインでは戦術とは、


・守備時にはチームに安全をもたらし、攻撃時には選手達が共通のイメージを持ちながら且、自由にプレーできる環境を与えるもの


なのです。

また、


・戦術練習が幼少の頃から練習の中心に据えられている


ので、

「いつから戦術を教えるべきか? 戦術が創造性を奪ってしまっていないか?」

といった議論はあまり出て来ません。


posted by hospi |20:39 | 戦術 | コメント(0) | トラックバック(0)
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