2009年03月05日

選手はお客様?

スペインでは選手の年齢に関わりなく練習中に選手が悪い態度を見せることがよくあります。それをまとめる手腕があってこその監督なのですが、そのために外せないポイントが少なくても2つあるので今回はそのテーマについて触れます。

その2つのポイントは、

(1)モラルを逸脱する選手は練習から外すこと
(2)選手の欲求を満たし競争意識を刺激すること


(1)はとても分かり易く誰にでも簡単にできる事ですが、荒くれ者が多いスペインで(1)を無闇に使うとチームの半分を練習から外すことになってしまう事態になりかねません。

もちろん態度があまりにもひどい場合は何らかの処方をしなくてはいけないのですが、練習の序盤で態度が乱れる場合は監督が用意した練習メニューの方にも改善の余地がある場合が多々あります。

同じ練習メニューを繰り返したり、練習の中にチームメイトと競争する要素がなかったり、選手自身が状況を判断する要素がないと選手のメンタルは締まらず中だるみが生じます。

そこで(2)が重要になってきます。

監督が話をする時に選手がボールを触ったり蹴ったりしていて話を聞かない状況は規律面で良くありませんが、別の視点で考えれば、サッカーが好きで練習に来ている選手がボールに触りたいのは当然のこと。

というわけで

「選手が欲求を満たせる練習メニューを組む」

という考え方も重要になってきます。

例えば最初の5分間は2m四方のエリアで4対1を行うロンド。
<ここでボールを触りたい欲求を満たさせます>

その後でボール無しのアップに移る場合も、ウォーミングアップのシンプルなメニューに1対1で競争させる内容を盛り込みます。
<ここで競争心を煽ります>

前のメニューと前後して監督が示す合図によって、選手が行う動きが条件づけられるメニューも加えます。
<選手にはここで認知、分析、判断、実行というスポーツに必要な行動プロセスのスイッチを点けてもらいます>

※なおサッカーでは聴覚よりも視覚による判断が多くを占めるので監督が練習で使う合図も音ではなく目に見えるものとします。

メインの練習にも前述のポイントを考慮したプログラムを組むと、そうでないものと比較して目に見えて変化が見られます。


一見、

「選手に練習をさせる」

という態度でトレーニングに臨んでいるように見えるサッカーの監督ですがそれは甘い顔を見せると選手がリラックスしてしまうためで、練習メニューを組み立てる際は

「どうすれば選手達が集中してくれるか?」

という方向でプログラムを考えています。

オーバーな言い方をするなら、レストランやサービス業の仕事のように

「いかにお客様(選手)に満足してもらうか?」

といったメンタリティーで練習プログラムを考えているといっても過言ではありません。

もちろん選手たちにはそんな素振りは一切見せないわけですが、、、。


スペイン監督日記 2009/3/5

posted by hospi |01:16 | スペイン・サッカー育成 | トラックバック(0)
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